スター☆トゥインクルプリキュア NEW GENERATION HEROES 作:hayato0121
久しぶりに1万文字を超えてしまいました。
そして実はバッカスには奥の手がありまして、詳細は今回の話とキャラ設定を見ればわかりますので良かったら見てください。
最後に予め伝えておきますが、今回の話はかなりシリアス強めの話になっているのでご了承ください。
こうたの持つウルトラスターカラーペンを狙って宇宙ハンターであるナックル星人のバッカスが襲って来た。戦闘中だった彼らの前に突如カリンと名乗る謎の少女が現れた。彼女はバッカスを追って地球へとやって来た惑星ホルスの王女だった。
「キラやば〜っ☆ 貴女王女様なの!?」
「え、えぇ・・・・」
「ひかる! 顔が近いルン!」
バッカスが退却した後、こうた達はカリンから事情を聞く為に彼女をロケットまで連れて来ると王女だと聞いたひかるが目をキラキラさせながらカリンに顔を近づけるがララに後ろから引っ張られていた。
「正確には『元』王女なんだけどね」
「何かあったんですか?」
カリンの元という言葉に反応したまどかが質問した。
「私の故郷、惑星ホルスにはフレイムストーンと呼ばれる星の秘宝があったの」
「星の秘宝?」
「うん。元々ホルスは強力な炎の力が秘められた星でそれを制御する為に私達の先祖がフレイムストーンを備えたらしいわ。そのおかげで私達は平和に過ごしていたんだけど、突然バッカスが現れてフレイムストーンを奪おうとしたの。勿論私達もそれを阻止しようとしたんだけど私達はバッカスに負けてフレイムストーンは奪われちゃったわ。その結果星のバランスが崩壊して惑星ホルスは滅んだ。私は生き残った仲間達数人と脱出したんだけど、お父さんとお母さんはホルスと一緒に・・・・」
カリンから事情を聞いたこうた達はそれぞれ暗い表情になっていた。
「だから決めたの。もっともっと強くなっていつかこの手でホルスやお父さん達の仇を取るって。その為に旅をしながら修行して、自分では以前より強くなれた思ってる。勿論バッカスの行方も追っていたわ。そんな時にバッカスがウルトラマンの力が宿るペンを探しているって情報を入手して私もそれを探し始めて今に至るって感じよ」
「そうだったんだ」
「星を・・・・」
「・・・・・・・・」
カリンのこの場を聞いてえれなが納得している後ろで立った状態で腕を組んで壁に寄りかかるユニがそう呟くとそれが聞こえたこうたは自然とユニへと視線を向けた。
「それで、これからどうするルン?」
「恐らくバッカスはそう遠くない内にまた襲ってくると思う。だから私も貴方達と一緒に戦わせてほしいの。お願いできるかしら」
「それは・・・・」
「・・・・仇を取るって事はアイツを殺すって事か?」
カリンの申し出に対してまどかが返答を迷っているとこうたがカリンに質問した。
「そうよ。アイツは私達から多くのものを奪っていった。だからその報いを受けさせなきゃ気が済まないわ」
「・・・・悪いけど、協力できない」
「っ!? どうして!? 狙われているのは貴方なのよ! ここで殺しておかないとアイツは何度でも貴方の前に現れるわ」
「かもしれない。けど俺達プリキュアは相手の命を奪う為に戦ってるわけじゃない。大切なものを守る為、平和な宇宙を取り戻す為に戦ってるんだ。だから君の敵討ちには協力できない。ごめん」
「・・・・そう。なら私は、私の好きにさせてもらうわ」
そう言い残して少し怒ったカリンはそのままロケットを後にした。
「こうた・・・・」
「悪い。勝手な事言って」
「気にしないでください」
「そうだよ。こうたは間違ってない」
「うん。私もこうたに意見に賛成!」
「みんな・・・・」
「・・・・・・・・」
カリンが出て行った後、ララが心配そうな眼差しでこうたに声をかけるとこうたはみんなに対して謝罪した。するとまどか、えれな、ひかるはこうたの意見に賛同してくれた。
その後ユニは何も言わずにロケットから出て行こうとしていた。
「ユニ!」
「・・・・ちょっとあの子の様子を見てくるわ。故郷を失った時の気持ち、私には痛い程わかるから」
「ユニ・・・・」
こうたがユニを呼び止めると彼女はそう言い残してロケットを後にした。
その後ユニはカリンを探しに行くと彼女は湖のすぐ近くに立っていた。
「こんな所で何してるの?」
「貴方は確か・・・・」
「ユニよ。少しいいかしら?」
「え? えぇ・・・・」
ユニはカリンから許可をもらうと彼女の隣に並びたった。
「さっき、あの子達を見てなんてあまい連中なんだろうって思ったでしょ?」
「それは・・・・」
「どうなの?」
「・・・・えぇ。その通りよ」
「でしょうね。私も以前はそうだった」
「え?」
「私もあの子達と始めて会った頃はなんてあまい連中なんだろうって思ったわ。けど、一緒に行動する内に思ったの。あの子達はあの子達なりに自分の信じる道を進んでるって。それにアイツは・・・・こうたはきっと貴女の事も救いたいって思ってるんじゃないかしら?」
「私も?」
「えぇ。ちょっと悔しいけど、この私もアイツに救われた一人だから・・・・何となくわかるのよ」
「貴女も?」
「まぁね。実は私も故郷の星を、仲間を失ってるのよ」
「えっ!?」
カリンはユニが故郷を失っていると聞いて驚いた。
「まぁ貴女と違って私の星はまだ残ってるけど、そこにいた人達はみんな石になっているのよ」
「石に?」
「だから私はいつかきっと星のみんなを元に戻して惑星レインボーを元の星に戻すのが今の私の目標ニャン」
「・・・・それがどうして彼に救われる事に繋がるのよ」
「以前の私は星のみんなを救う為ならどんな手段も厭わなかった。平気で相手を騙したり裏切ったりもした。けどこうたはそんな私の事を信じてくれた。お人好しって言ったらそれまでだけど・・・・けどアイツは誰かを信じる事、救おうとする事に全然迷いがないの。それこそ自分がどんな危険な目にあっても誰かの為なら平気で命を賭けられる。アイツはそういう奴よ。そんなアイツの優しさに私は救われたニャン」
ユニはこれまでのこうたの行動を思い出しながらカリンにこうたの事を語った。
「カリン」
「何よ?」
「こうたの事、信じてあげて・・・・私が伝えたかったのはそれだけよ。じゃあね」
ユニはカリンに思いを伝えるとその場を後にした。
「信じる・・・・」
カリンはユニと話した内容を通じてこうたの、そしてひかる達の事を考えるのであった。
その日の夜、ノットレイダーでは・・・・
「謎の宇宙人だと?」
「はい。どうやら我々とは別の勢力がプリキュア達を襲撃したそうです」
「ふむ・・・・」
ガルオウガはカッパードからの知らせを受けて今後の方針を考えていた。
すると・・・・
「お前らがノットレイダーか?」
「何者だ!」
「俺様はバッカス。さっきお前らが話してた宇宙人だ」
バッカスはプリキュアに関する情報収集をしている中でノットレイダーの存在を知り、同族が使っていた銃を発砲してそこに次元の穴を発生させる能力を使い、ノットレイダー達の拠点へとやって来たのだ。
「我々に何のようだ」
「なに簡単な事だ。お互い協力してあのプリキュアって連中と戦わないか?」
「何をふざけた事を! プリキュアは我々が・・・・」
「待てカッパード。貴様の望みは何だ」
「俺様の望みは奴らが持つウルトラマンの力を宿すペンだ」
「それは我々も求めている物。お前に渡すつもりはない」
「・・・・ならこういうのはどうだ? 俺様が知る限り奴が持ってるウルトラマンのペンは全部で11本。それを俺達で分け合うってのはどうだ?お前らも奴には手を焼いてるんだろ?俺様との協力はお前らにとっても悪くない話じゃないか?」
「ガルオウガ様」
「・・・・一つ聞く。お前はプリンセスの力やその器についてはどう思う」
「プリンセス? 器? そんなの興味ないね。俺様はウルトラマンの力さえ手に入ればそれでいい」
「・・・・良かろう。カッパード、奴に手を貸してやれ」
「ガルオウガ様!?」
「これからの事を考えるとキュアスペースの存在は我々の計画における大きな障害となる可能性が高い。ならば今のうちにその障害を排除しておく必要がある。その為なら多少の損失は目を瞑ろう」
「決まりだな。心配すんな、お前らの邪魔はしねぇ。ウルトラマンの力を手に入れたらこんな宇宙とっととおさらばしちまうからよ」
こうしてバッカスとノットレイダーの協力関係が成立した。
翌日・・・・
「見つけたぞプリキュア!」
「ノットレイダー!?」
ロケットに向かう為に森の中を移動していたこうた達の前にカッパードとノットレイ達が現れた。
「俺様もいるぜ」
「えぇっ!? 何でバッカスがノットレイダーと一緒にいるの!?」
「お互いの欲しいものを手に入れる為に手を組んだのさ」
「私は不本意だが、ガルオウガ様の命令とあらば仕方ない」
バッカスの登場にひかるは驚きバッカスのノットレイダーが手を組んだのだとすぐにわかった。
「今日こそフワとお前達の持つペンを頂く!」
「ウルトラマンのペンは俺様のものだ!」
「くっ」
それからこうた達はプリキュアに変身して戦闘が開始された。
ドーン!
「あれは!?」
離れた場所にいたカリンはプリキュア達の戦闘による爆発を目撃するとその場所へと駆け出した。
『うわああああっ!』
「みんな!」
「よそ見すんな!」
「ぐあっ!」
「スペース!」
スター達がカッパード達に苦戦している姿を見たスペースはそのよそ見が隙となりバッカスの弾丸の嵐をまともに受けてしまった。
「さぁ、大人しくペンを渡せ!」
「渡さない! 絶対に渡さない! ペンもみんなも俺が守る! ウルトラスターカラーペン・オーブ! ウルトラカラーチャージ!!」
スペースはオーブのペンの力を解放してキュアスペースオーブ・オーブオリジンになると真っ直ぐバッカスに向かって突っ込んでいった。
「それがウルトラマンの力か? イイぜ! まずはその力からだ!」
バッカスは右手に持った銃の弾丸をスペースに向かって乱射するがスペースはオーブカリバーの円形の盤面の部分を盾代わりにして防ぐとそのまま真っ直ぐ突き進んだ。
「ハアッ!」
「ぐっ! このヤロー!」
バッカスはオーブカリバーに斬られると銃をしまって接近戦を挑んできた。
「フッ」
スペースは再びオーブカリバーを盾にしてバッカスの拳を防ぐとスペースがオーブカリバーを横に振りかぶってそのまま勢いよく振るがバッカスは後方にジャンプしてそれを回避した。
「ジャックさん!」
『ウルトラマンジャック!』
「ゼロさん!」
『ウルトラマンゼロ!』
「キレの良いやつ、頼みます!!」
『フュージョンアップ! キュアスペースオーブ・ハリケーンスラッシュ!』
「光を超えて、闇を斬る!!」
スペースはその間にジャックとゼロのウルトラフュージョンカードを使ってハリケーンスラッシュに変身すると2つのゼロスラッガーを召喚してカッパードやノットレイ達に向けて放った。
「くっ! 邪魔するな!」
カッパードは持っていたビームの薙刀でゼロスラッガーに対処している隙にスペースはバッカスに正面から戦いを挑んだ。
「やっぱりウルトラマンの力はスゲェな」
そう言ってバッカスは前回の戦いでも見せた邪悪なエネルギーを解放して自身の身体に纏うとバッカスの力が強化された。
「ハアッ!」
「このっ!」
スペースは両足に青い風を纏いながら何度も回し蹴りを繰り出してバッカスを攻撃し、その攻撃をバッカスは両腕でガードしてそれを凌いでいた。
『ノットレーーイ!』
『ハアアーーッ!』
その頃、他のプリキュア達とノットレイダーの戦いはプリキュア側が優勢だった。
「うお座・スターパンチ!!」
「ふたご座・ミルキーショック!!」
「おとめ座・ソレイユシュート!!」
「いて座・セレーネアロー!!」
「プリキュア・コスモシャイニング!!」
『ノットレーーイ』
「チッ!」
「ぐあっ!」
そしてスター達の所に行っていたゼロスラッガーも戻ってきてバッカスへの攻撃に加わるとバッカスはスペースの蹴りを受けて後方へと飛ばされた。
「もう諦めろ! 大人しく帰るんだ!」
「ハッ! 冗談はよせ、そんな甘い考えじゃ俺様は倒せないぜ」
「戦いには勝つ。けど俺はアンタの命まで取るつもりはない」
「何だと?」
「俺が戦うのは守りたいものがあるからだ。俺自身が誰かから何かを奪うつもりはない」
「随分とあまい奴だな。そんな考えでやっていけると思っているのか?」
「やってみせるさ」
「面白い。なら見せてみろ! お前の力とその覚悟を!」
するとバッカスは懐から手のひらサイズで機械仕掛けの銀色の球を取り出すとその中心にある緑色のボタンを押した。
すると球が光り出して光の粒子となってバッカスの体の周りに集まっていき、そしてその身体には銀色の鎧が装着されていた。
「何だその鎧」
「この『ブーストアーマー』は俺様の力を極限まで高めてくれる代物だ。ここからの俺様は一味違うぜ!」
この鎧はバッカスが儲かったお金を使って闇商人から高額で買った鎧でこれを纏ったバッカスは今まで一度も負けた事がないのだ。
(イメージとしては『特装戦隊デカレンジャー』の『マッスルギア』のようなものです。by作者)
「あれは!?」
その様子を木の影からこっそり見ていたカリンはその薬を見て過去の出来事を思い出していた。
「(あの鎧はあの時の・・・・)」
カリンは惑星ホルスでの戦いでバッカスを後一歩という所まで追い詰めるがバッカスがブーストアーマーを使った事で形成逆転されてカリン達は負けてしまいフレイムストーンは奪われてしまったのだ。
「オーブスラッガーランス! ハアアーーッ!」
スペースはオーブスラッガーランスを使ってバッカスに斬りかかるがその刃が鎧の肩の部分に当たっても傷一つついていなかった。
「っ!?」
「そぉら!」
「ぐああああっ!」
バッカスが右手にエネルギーを集めてそのエネルギーを纏った拳でスペースの身体を殴るとスペースは後方へと吹き飛ばされてしまい、それと同時にハリケーンスラッシュの姿は解除されてオーブオリジンの姿に戻ってしまう。
「スペース!」
「大丈夫ルン!?」
スターとミルキーがスペースの危機を察知して真っ直ぐスペースの所に駆け寄った。
「さぁ、次はどいつだ?」
「みんな、いくよ!」
『うん(ルン)(はい)!』
「プリンセススターカラーペン! おひつじ座! くるくるチャージ!」
『宇宙(そら)に輝け!イマジネーションの力!』
『プリキュア!』
「レインボースプラッシュ!!」
『サザンクロスショット!!』
「くっ・・・・ハアアアーーーッ!」
しかし2つの技はバッカスの力によって弾き返されてしまった。
「そんな!?」
「悪くない攻撃だったぜ。こいつはお返しだ!」
バッカスは先程のように右手に邪悪なエネルギーを集めるとそれをビームとして放った。
『うわああああああっ!』
その攻撃を受けたスター達は吹き飛ばされてしまい、同時にかなりのダメージを負ってしまう。
「何という力だ」
それを側で見ていたカッパードはバッカスの力に驚いていた。
「トドメだ」
「させない」
「スペース!?」
倒れているスター達の前にフラフラになりながらも立ち上がったスペースオーブ・オーブオリジンが割り込んだ。
「何だ? ペンを渡す気になったか?」
「言っただろ、ペンは渡さないし、みんなも守るって・・・・」
「わかんねぇな。そんな奴ら守って何になる? 守る価値がソイツらにあるのか?」
「ある。みんなは俺の大切な友達で、大切な仲間だ。だから守る! 理由なんてそれだけで十分だ!」
「・・・・・・・・」
スペースが必死に仲間を守ろうとする姿をカリンはジッと見つめていた。
『こうたの事、信じてあげて・・・・』
「私は・・・・」
『お父さん! お母さん! みんなーーっ!』
カリンはユニに言われた事を思い出しながら自身が惑星ホルスから脱出した時の事を思い出していた。
「友達? 仲間? そんな連中守って儲かるわけでもないのに無駄な事を・・・・」
「アンタにはわからないよ。そうやって常に自分が得をする事ばかり考えてるアンタにはな」
「言うじゃねぇか。ならとっととお前を倒してウルトラマンの力を頂くぜ!」
バッカスは自身の銃をスペースに向けるとスペースは真っ直ぐその銃口を見つめた。
「じゃあな・・・・っ! 何だ!?」
バッカスが引き金を引こうとしたその時、バッカスに向かって2つの炎の球が飛んできてバッカスの攻撃を妨害した。
「あれは!?」
その後スペースとバッカスの間に今度はカリンが割り込んできた。
「カリン!?」
「またお前か!」
そしてカリンはゆっくりスペースの側まで歩いた。
「どうして・・・・」
「言ったでしょ? 私の好きにさせてもらうって・・・・だから勝手に助太刀させてもらうわ」
「カリン・・・・ありがとう」
「かっ、勘違いしないで//// 私はただアイツに勝ちたいだけ! 向こうは協力関係を結んだみたいだし、それに対抗する為には貴方と手を組んだ方が効率が良いってだけよ!」
「そっか」
「そうよ・・・・」
カリンはそっぽ向くと後ろにいるコスモと目が合った。するとカリンはコスモにだけ笑みを浮かべるとコスモも笑みを浮かべた。
「さぁ、行くわよ!」
「あぁ!」
カリンは双剣を、スペースはオーブカリバーを構えるとバッカスとカッパードも臨戦体制に入った。
『ハアアアーーーッ!』
そしてお互いに全速力で駆け出すとスペースのオーブカリバーとカッパードのビームの薙刀が激突し、カリンの双剣の刃をバッカスは両腕をクロスして防いだ。
その後もカリンは持ち前の高速移動でバッカスを翻弄しつつ攻撃するがブーストアーマーの防御力に阻まれて決定打を与える事が出来なかった。
『解き放て! オーブの力!』
「フレイムバースト!!」
「ハアアーーッ!」
「カッパードストライク!!」
「プリキュア・オーブスプリームカリバー!!」
カリンは双剣2本を左手で持つと右手を前方に出してそこから強力な炎を放つ中距離系の技『フレイムバースト』を、バッカスも再び邪悪なエネルギーの光線、そしてカッパードとスペースもそれぞれ技を放ち、4人の技が十字線のような形となり中央で激突して大きな爆発が起こり4人全員がその爆風で吹き飛ばされてしまった。
「うっ、うぅ・・・・」
「今だ! ハアアーーッ!」
カリンは倒れているバッカスを見てチャンスと判断すると彼女の全身が炎に包まれた。
「バーニングインフェルノ!!」
カリンは自身の切り札でもある全身に炎を纏って相手に体当たりする技『バーニングインフェルノ』でバッカスに向かって体当たりすると2人が激突した場所では再び大きな爆発が起こりその直後にカリンの身体が大きく吹き飛ばされてきた。
「危ない!」
飛んできたカリンの身体をスペースがキャッチして受け止めた。
「大丈夫か?」
「えぇ、何とか・・・・ハァ・・・・ハァ・・・・」
バーニングインフェルノは強力な技だが消耗が激しく、カリン自身も反動でダメージを受けてしまう正に諸刃の剣なのだ。
「でもこれでようやくみんなの仇を・・・・っ!」
しかしカリン達が目撃したのはバッカスの正面に発生している緑色の光のバリアだった。
ブーストアーマーにはこのように光のバリアを展開して相手の攻撃を防ぐ機能も備わっていたのだ。
「危ねぇ、このバリアがなかったら今頃あの世行きだったかもな」
「そんな!? 私の、とっておきの技が・・・・効いてない!?」
「残念だったな、けど誇っていいぜ。俺様がこのバリアを使ったのは今回が初めてだからな。さてと、そんじゃさっきの攻撃のお礼をしなくっちゃな」
「うわっ!」
「うっ!」
バッカスがスペースとカリン所まで来るとカリンを守ろうとしたスペースを跳ね除けて右手でカリンの首を絞めた。
「うっ、うあっ・・・・」
バッカスはゆっくりとその右手を上に上げていきカリンの足の裏は地面から離れてしまい徐々に首が絞められ続けた。
「やめろ!」
スペースはオーブカリバーをバッカスに向かって振り下ろすがバッカスは再びバリアを展開してそれを防いだ。
「邪魔だ」
「うああああっ!」
「こうた!」
バッカスの光線技を受けて後方へ飛ばされたスペースは変身が解けてこうたに戻るとこうたはそのまま横に転がるとそんなこうたを心配してスターがこうたの名前を叫んだ。
「おっと忘れたぜ。アイツからペンを回収しないとな」
「ケホッ、ケホッ・・・・」
バッカスはカリンを離すとゆっくりとこうたの所まで歩いていき、そして今度は両手でこうたの首を掴んで上に持ち上げた。
「うっ、ああっ・・・・」
「こうた!」
「やめなさい!」
ミルキーとコスモも必死に叫ぶがバッカスは全く聞いていなかった。
「さぁ、ペンを頂くぜ」
そう言ってバッカスの右手がこうたの懐に触れようとしていた。
そして・・・・
「ん?」
「・・・・・・・・」
苦しくて両目を瞑っていたこうたが片目だけ開くとそこにはバッカスの背後からカリンが双剣の内の1本でバッカスの背中を刺そうとしていたが鎧によってそれは防がれてしまっていた。
「やめなさい。これ以上、貴方には何も奪わせない」
「たくしつこいな・・・・」
するとバッカスはこうたを離して再びカリンの首を左手で掴んだ。
「そんじゃ、まずはお前からだ!」
そしてバッカスの右手に纏った邪悪なエネルギーの光線が・・・・
カリンの胸を貫いた。
『っ!?』
バッカスがカリンを離すと胸に穴は空いていないが攻撃を受けた部分の服は黒焦げでなくなっていた。そして胸には大きな火傷の跡が残っていてカリンの口からは血も出ていた。
「カリン!」
こうたは慌ててカリンに駆け寄り倒れているカリンの身体を抱き起こした。
「カリン! カリンしっかり!」
「・・・・ケホッ、ケホッ、ごめんなさい」
「え?」
「私、貴方の事をあんまり良く思っていなかった。けど・・・・貴方が戦っている姿を見て、本気で大切なものを守ろうとしてるんだと思った・・・・昔の私もそうだった」
「昔の?」
「えぇ・・・・私も、ホルスを・・・・ホルスのみんなを・・・・守りたかった・・・・けど出来なくて・・・・せめて仇をって思ったけど・・・・それも叶わなかった・・・・」
するとカリンの身体が徐々にオレンジ色に輝きだした。
「カリン! ダメだ! 死んじゃだめだ!」
「こうた・・・・貴方は・・・・私みたいにならないで・・・・貴方は・・・・貴方の守りたいものを・・・・絶対に、守っ・・・・て・・・・」
そしてカリンがゆっくりと目を瞑るとカリンの全身がオレンジ色の光に包まれた。そして光は弾けてカリンがいた場所には何もなくなると光はゆっくりと空へと昇っていきそして見えなくなっていった。
「そんな・・・・」
「カリンさん・・・・」
それを見ていたソレイユやセレーネ、他のプリキュア達は涙を流しながらカリンの死を悲しんでいた。
「ったく、面倒な手間かけさせやがって・・・・」
バッカスはまるで何もなかったかのようにこうたの服の襟の部分を掴んで無理矢理こうたを立たせるとこうたからペンを奪おうとした。
「・・・・さない」
「は? 何だって?」
「お前だけは、絶対に許さない!!」
ボワーーーーッ!
するとこうたの持つオーブのペンから赤と黒が混ざったようなあまり綺麗な色とは思えない光が放出されるとバッカスは一旦こうたから距離をとった。
そしてこうたの全身が光り、今までならこのタイミングでウルトラマン達がこうたの前に現れるのだが、今回こうたの周りには辺り一面真っ黒な空間が広がっていた。
「許さない・・・・カリンさんの命を奪った・・・・アイツだけは・・・・」
バッカスに対する怒りを露わにしているこうたの背後に何かが姿を現した。
「・・・・・・・・」
それは光の国を壊滅寸前まで追い詰めて宇宙に大きな混乱をもたらした最悪のウルトラマン『ウルトラマンベリアル』だった。
そしてベリアルは何も言わずに背後からこうたの事を優しく抱きしめるとベリアルの力が一気に解放された。
そして光が収まるとキュアスペースオーブ・オーブオリジンが立っていて、その手にオーブカリバーはなくオーブが変身する時に使うオーブリングだけを持っていて、スペースの周りには黄色い光に包まれたカードと紫色に包まれたカードの2つの光が漂っていた。
「スペース!」
「もしかして、またパワーアップするんじゃ!」
「ちょっと待つルン!」
「何か様子が・・・・」
ソレイユとスターがスペースがまたパワーアップするのではと興奮していたが、ミルキーとセレーネは冷静にスペースの異変に気づいていた。
『ゾフィー!』
そしてスペースは何も言わずに黄色いカードを手に取って『ゾフィー』のカードをオーブリングにリードすると、スペースの左隣にゾフィーのビジョンが現れた。
『ウルトラマンベリアル!』
更にスペースがもう一つの紫色の光を掴んでカードになった『ウルトラマンベリアル』のカードをオーブリングにリードすると、スペースの右隣にベリアルのビジョンが現れた。
「うぅぅぅぅ・・・・だああああああっ!」
『フュージョンアップ!』
そしてスペースが乱暴にオーブリングを振り回してトリガーを押すとゾフィーとベリアルのビジョンがスペースに重なり一つになった。
『キュアスペースオーブ・サンダーブレスター!』
スペースの身体から赤い光が放出されてそれがなくなるとそこには服の胸から膝の部分は黒く、そして膝から足の裏は銀色で脛の部分には赤い縦のラインが入っていて、肩は銀色だが肩から指先までは黒く、そこにも脛と同様に赤いラインが入っていた。そして額に縦長の赤いの宝石がついたグレーの細いバンダナを巻き、ゆっくりと目を開けたスペースの瞳は赤く光る『キュアスペースオーブ・サンダーブレスター』が姿を現した。
「一体、どうしちゃったのよ」
コスモもスペースの異変に気づいていたが、何故そうなったのかわかっていなかった。
「何だか良くわかんねぇが、とにかくやる事は変わんねぇ。いくぜ!」
「うああああっ!」
バッカスはスペースに向かっていくとスペースは雄叫びを上げながら赤いラインを光らせると同じようにバッカスに向かっていき、そのままバッカスの首にラリアットをくらわせてバッカスはその場に倒れた。
「ぐあっ! このヤロッ、のわっ!」
そしてスペースすぐに倒れていたバッカスの両足を掴んでそのまま回転しながらジャイアントスイングでバッカスを放り投げた。
「のわあああああっ! 野郎、やりやがったな。お返しだ!」
バッカスは両手に邪悪なエネルギーを集めるとその両手にスペースの胸に連続パンチを繰り出すがスペースは全くダメージを受けておらずそんなバッカスの両手の拳はスペースは両手でそれぞれ受け止めた。
「何だと!?」
スペースの両手にはバッカス以上の邪悪なエネルギーが集まっていてバッカスの拳を受け止めるのはそんなに難しい事ではなかった。
「ぐっ! おっ! ぐあっ!」
スペースは左手でバッカスの拳を掴んだまま右手でバッカスの胸を何度も殴った。
「どうしちゃったの!? スペース!」
「目を覚ますルン!」
スターとミルキーがスペースに止めるように促すがスペースは全く聞いていなかった。
「ぐああああああっ!」
スペースは両足による飛び蹴りをバッカスにくらわせるとバッカスは後方へと吹っ飛んでいった。
「ちょっと! いい加減にしなさいよ!」
「こんな戦い方、貴方には相応しくありません!」
「うっ、うああああああっ!」
『きゃああああっ!』
「まどか!」
「ユニ!」
両サイドからコスモとセレーネがスペースを止めようとするがスペースは全身から力を解放する事で2人を吹き飛ばした。
間近でそれを受けたコスモもセレーネはそれに巻き込まれて吹き飛ばされると2人の変身は解除されてしまい、倒れている2人の所に他のプリキュア達が集まってきた。
「くっ、今の奴は危険だ。引き上げるぞ!」
カッパードは今のスペースは危険と判断するとノットレイ達と共にワープホールを通って撤退した。
そしてスペースは力を解放した状態で両手を広げて高速で回転するとその勢いのままバッカスに突っ込んでいき、相手に回転ダブルラリアットを繰り出す技『スピンドルZアタック』を使った。
「くっ、うぅぅぅ・・・・どあああああっ!」
バッカスはアーマーのバリアを展開してそれを凌ごうとするが攻撃は止まらず、スペースは何度も何度も回転しながらラリアットを繰り出した。そうしている内にバリアが限界を迎えて破壊されるとその攻撃をバッカスはまともに受けてしまった。
「バカな・・・・俺様が、こんな奴に・・・・」
連続攻撃を受けたブーストアーマーはあちこちから火花が飛び散り、かなりのダメージを受けていた。
「うああああっ・・・・ハアアアーーーッ!」
しかしスペースの攻撃が終わる事はなく、左腕に光、右腕に闇の力を集中させた後に両手を左右に広げて、その後は十字に組んで右手のクローから放つ光と闇の破壊力を併せ持った必殺技『ゼットシウム光線』が放たれた。発射時には前面に光と闇の輪が展開されて放たれた光線は赤・黒・黄の雷を纏っていて、
「ぐあああーーーっ・・・・ハハッ、とんでもねぇ奴だな。お前が自分の闇とどう向き合うのか。あの世からじっくり見物させてもらうぜ。ハハハッ・・・・アッハハハハハハッ!」
光線が直撃したバッカスは身体のあちこちから火花を散らしながら仰向けに倒れると最後には爆発した。
「ハァ・・・・ハァ・・・・ハァ・・・・」
「スペース・・・・」
「っ!」
バッカスを倒した後、スペースはミルキーの声を聞いて我にかえり慌てて振り返るとそこにはまどかとユニが倒れていて、周りを見渡すとバッカスの姿がなく、あったのは爆発の痕跡とその近くでバッカスが着ていたと思われる鎧の破片が飛び散っていた跡だった。
そしてスペースの身体が光るとサンダーブレスターの姿から元のキュアスペースの姿へと戻った。
「まどか大丈夫?」
「はい。何とか・・・・」
「ユニは?」
「私も平気よ」
「・・・・俺が、俺がやったのか?」
えれなとひかるがまどかやユニの状態を確かめている間、こうたは一体何があったのかを何となくだが察していた。
「スペース、大丈夫ルン?」
「っ! 来るな!」
「オヨッ!」
ミルキーがスペースを心配して近づくとスペースはそれを拒絶し、ミルキーはそれに驚いた。
「来ないでくれ・・・・ミルキー、今の俺に・・・・近づいたらダメだ」
「スペース・・・・」
「俺は、カリンを守れなかった。それどころかバッカスを殺して・・・・みんなを、傷つけた」
「それは・・・・」
「俺は命を奪った。人殺しになったんだ。今の俺にはもう・・・・みんなと一緒にいる資格はない。一緒にいたら・・・・いけないんだ!」
「っ! スペース!」
そしてスペースはそのまま何処かへ飛んで行ってしまい、如月こうたは観星町から姿を消したのであった。
To Be Continued
次回予告
地球の事を知る為に星空連合の視察が行われる事になった。
視察にやって来たサボローを案内しようと張り切るえれなだったがサボローに地球の良さを伝える事が出来るのだろうか?
次回『スター☆トゥインクルプリキュア NEW GENERATION HEROES』
第85話 思いよ届け! えれなとサボロー!
そして次回は原作初の1話完結でお送りします。理由は主人公不在というのが理由です。
次回もお楽しみ!
※もしよろしければ、お気に入り登録や評価をお願いします。
感想やコメントがあれば送って下さい。
よろしくお願いします。