とある魔術の時空裂断   作:G.

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You can't get away

―――第七学区、ファミレス ジョセフ

 

 

 時刻はお昼を少し過ぎたあたり。

あれから土御門と一緒にファミレスで軽く腹拵えをしつつ、これからの流れを決めていた。

切欠は土御門の一言だ。

 

 

「そういえばケイ、IDは持ってるのかにゃー?」

「……なにそれ」

「やっぱり持ってなかったか。流石にどこの馬の骨ともわからん輩に貸してくれる物件はないぜよ」

「マジッスカ」

 

 

 どうやら身分を証明するものがないと住む所を借りられないことを知らなかったらしい。

この街の最高責任者に連れて来られ、そんなもの必要もなく過ごしてきたのだ、知らなかったのも無理がない。

 

 

「更に未成年だからにゃー。身元保証人も必要だぜい」

「あれ? これ早速詰んでない?」

 

 

 学生であれば学生寮に入ればいいが、学校に行ってない上、IDがないということは学生の街学園都市に住む以上、書庫(バンク)と呼ばれるデータベースへの登録がない。

未成年のケイには不味いことだろう。

思いつきの上、アレイスターに悟られないようにする為とはいえ、全く準備してこなかったのが仇になってしまった。

他にも携帯電話も自分の口座も作らねばならない。ないないずくしだ。

 

 

「本当に考えなしに出てきたんだにゃー」

「俺の一般常識は5歳で止まってるんだ、仕方ないだろ?しかしどうしたものかな~……」

「まあ、面倒事に巻き込まれなけりゃ大丈夫だろ。とりあえず先立つものは金だにゃー。そろそろ行こうぜい」

「そうだな。行きますか」

 

 

ここで悩んでいても仕方がない。そう土御門は切り出し、二人は銀行に向かうことにした。

 

 

 

───第七学区、とある銀行

 

 

「お、あったあった」

「俺はここで待ってるからさっさと卸してくるんだにやー」

 

 

ケイは頷くと一人、銀行に入って行く。

 

(さてと、口座作るのはIDがないと作れないらしいから卸すだけでいいんだよな。何度も卸すの面倒だし、限度額目一杯卸すか)

(多分暗証番号は……やっぱりこれか)

 

 暗証番号が合っていた安堵の気持ちともう一つ別の感情から溜め息をついていた。

ケイが押した番号。それは他ならぬケイの誕生日なのだ。

前に一度アレイスターが浸かっている水槽周辺の機械に触ったときに偶然発見してしまったのだが。試してはいないが、この分だと全部ケイ絡みのパスワードにされていはずだ。

ケイもアレイスターに対し感謝も尊敬も親愛もあるが、ここまでの親バカっぷりには苦笑いしか出てこない。

 

(つか統括理事長の暗証番号全部が息子の誕生日って、セキュリティざる過ぎるだろ。今度悪戯してやr「全員動くんじゃねぇ!!」「……はい?」

 

 

これは今しがた悪戯を計画したが為の、アレイスターのお仕置きなのだろか。

悪い夢であるなら醒めてほしいものだが。

後ろを振り向くと革ジャンにマスクの男が3人、受付のお姉さんや客を脅して金を要求している。

 

 

「うわ~、銀行強盗とかマジでいるんだ……」

 

 

ここは学園都市。科学が進んだ特異な街だ。最先端の技術を実験的に実用化・運用しているため、外よりも数十年分ぐらい文明が進んでるらしい。

そのため警備は非常に厳重で、交通の遮断に加えて周囲が高さ五メートル・厚さ三メートルの壁で囲まれている上に、街全体を三機の監視衛星が常に監視しているというのだ。

大抵の犯罪など簡単に捕まってしまうだろう。

 

 

(まあ、すぐにシャッター閉められて逃げらんなくなっちゃうんだろうな……そうそう、こんな風に…)

「…って、あっ!? 逃げ遅れた!? うわ~、メンドクセェ……話してた傍からこれだよ……あれってフラグだったのかなぁ……」

 

 

暢気に呆けていたせいで完全に逃げ遅れてしまったケイ。

人の間抜けを笑って自分も間抜けを犯す。阿呆の極みである。あとで土御門にキツイお説教食らうのは間違いないだろう。

そしてここにも阿呆の子が3人。これから悲惨な運命が待っていることなど露知らず、一人騒がしいケイに視線を向ける。

 

 

「おいお前! うるせぇぞ!!」

「アニキ、こいつ大金卸してますぜ?」

「ほぉ……兄ちゃん。その金は俺達が有意義に使ってやるからよ、有り難く貰ってくぜ」

「うげぇ、目ぇ付けられちまった……」

 

 

ケイの持つ大金に目をつけてしまった阿呆の子もとい、銀行強盗達。

こんな奴等に関わってる時間は微塵もないし、これ以上面倒な事になると土御門が怖すぎる。

だが目を付けられた上一般人もいる以上、簡単には逃げられないだろう。

なので省エネで片付けてさっさとこの場からオサラバすることにした。

 

 

「お兄さん達これ欲しいの? どうしようかな~」

「グダグダ言ってねぇでさっさとよこしやが…うッ!?」

 

 

掴み掛かってきた男を軽く躱し死角から鳩尾に膝を入れ気絶させる。

これでまずは一人。

 

 

「てめぇ、何しやがった!!」

「勝手に倒れたんだけど? お腹痛かったんじゃない?」

「ふざけてんじゃn!!?」

 

 

適当に茶化した後すぐさま二人目と距離を詰め、顎を蹴り上げる。

 

 

「がはッ!?」

 

 

そして宙に浮いたところを三人目に向かって蹴り飛ばし───

 

 

「いってらっしゃ~い♪」

「ぐはッ!!」「ぐぇ!!?」

 

 

───まとめて撃破。所要時間二七秒。

あっという間の出来事にその場にいた全員が呆然とする。

 

 

「ほら、従業員さん。こいつら縛り上げないとまた暴れるかもよ?」

「はっ! お、おい誰かロープ持ってこい! あと警備員(アンチスキル)に連絡を!!」

 

 

 ケイの一言で皆我に返りる。従業員は急いで指示を飛ばし、その場にいた皆から感謝の言葉と拍手を受けたケイは気恥ずかしそうに頬を掻く。

一応今後の為に皆には外から来た観光客なので自分がやったということは伏せておいてもらうよう頼んだ。

 縛られてゆく銀行強盗達。警備員(アンチスキル)への連絡も済んだようだ。

誰一人怪我もなくお金も盗まれず事態は治まったのだ、あとは警備員(アンチスキル)やが来る前にこの場を離れれば何も問題はないだろう。

万事解決。土御門に怒られる事もなく(多少の小言は仕方ないが)無事に一人暮らしの準備に戻れる。

 

 

「じゃあ、ぼちぼち俺も行きまs「風紀委員(ジャッジメント)ですの!!」だぁぁぁ!! またこれか!!?」「ッ!?」

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