果林さんの椅子になりたい姫乃ちゃんのお話。

1 / 1
キャラ崩壊注意。


姫乃「果林さんの椅子になりたい」

 

ピンポーン

 

宅配「お届け物でーす」

 

果林「ん…宅急便?私、最近何か頼んだかしら…」

 

果林「はーい」ガチャ

 

宅配「お荷物をお届けに参りました~」ドンッ

 

果林「!?」

 

果林(この箱…かなりのサイズね。こんな大きい荷物は頼んだ覚えがないわ…)

 

果林「えっと…その荷物、本当に私宛かしら…?」

 

宅配「今一度確認いたしますね…はい、宛先は間違いなくこちら『朝香果林様』宛になっておりますよ」

 

果林「うーん…差出人の欄は…何も書いてないわね…荷物の中身は…椅子?」

 

宅配「はい、そう記載されております」

 

果林「椅子なんて大きな家具、ますます頼んだはず無いのだけど…うーん…」

 

果林(…あ、もしかしたらエマかも…エマ、よく私に似合うと思った服とかを突発的に送ってきてくれたりするし…さすがに今まで、椅子を送ってきた事は無いけど…)

 

果林「…とりあえず、頂いておくわね」

 

宅配「ありがとうございます。では、こちらにサインを」

 

果林「はい」サラサラ

 

宅配「ありがとうございます」

 

宅配「…あと、できればこちらにもサインを」サッ

 

果林「あら、色紙…」

 

果林「あなた、もしかして私のファン…?」

 

宅配「///」コクン

 

宅配「すみません不躾に…ただ宛先を確認して、いてもたってもいられず…」

 

果林「ふふ…大丈夫。あなたの気持ち、とっても嬉しいわ…それじゃ」サラサラ

 

宅配「ありがとうございます///」

 

果林「次のライブも是非来てね。その時は…」アゴクイ

 

果林「私があなたにハートを届けるから、忘れずサインして頂戴ね♡」

 

宅配「は、はい…っ///」ポーッ

 

 

 * * *

 

 

果林「さて…荷物をもらったのはいいけれど…」

 

果林「かなり重いわね…荷物の確認もかねて、エマに手伝ってもらった方が良さそうね」プルルル

 

数分後。

 

エマ「果林ちゃん来たよ~。どうかしたの?」

 

果林「エマ、ありがとう。実は、この椅子がさっきうちに届いたんだけど…」

 

果林「送ってくれたのは、エマ?」

 

エマ「ううん、違うよ?」フルフル

 

エマ「誰から来たものか分からないの?」

 

果林「ええ、そうなのよ…エマが来るまでの間に、心当たりがある人達には連絡してみたんだけど、それも違うみたいで…」

 

エマ「そっかぁ…もしかしたら、果林ちゃんのファンの子からかも」

 

果林「ファン…確かに、最近はモデルだけじゃなくてスクールアイドル同好会の知名度も上がってきたし、可能性は無くないわね…さっきの宅配の子もそうだったし」ブツブツ

 

果林「でも椅子…なんで椅子なのかしら…」

 

エマ「分からないね…とりあえず、中身を確認してみようよ」

 

果林「そうね」ペリペリ

 

椅子<コンニチワ

 

エマ「おぉ~」

 

エマ「ソファータイプのパーソナルチェアだね。ちょっとサイズ大きいけど、座り心地は良さそう」

 

果林「さすがエマ、IKEAが生まれた地で育っただけあって家具に詳しいわね」

 

エマ「IKEAの発祥は、スイスじゃなくてスウェーデンだよ…?」

 

果林「…」フイ

 

エマ「あっ、箱の底に手紙が入ってたよ!」スッ

 

エマ「どれどれ…『朝香果林様へ。この度は、突然お荷物を送ってしまい失礼いたします。出先で果林さんに似合いそうな椅子を見つけて、衝動買いしてしまいました。ご迷惑だとは思いつつも、どうしても果林さんに使用して頂きたく今回お送りした次第でございます。よろしければお使いください。果林様の大ファンより』だって」

 

エマ「やっぱり、ファンの子からだったみたいだね」

 

果林「そうね。でも椅子を衝動買いって…一体どんな金銭感覚なのかしら…」

 

果林「まあ…見る限り好意的な贈り物みたいだし、使わないのも勿体ないわね」

 

果林「エマ、部屋の中に動かすから片方持ってくれない?」

 

エマ「もちろん!」

 

果林「それじゃいくわよ、せーの…んっ…思ってたより、お、重いわね…」

 

エマ「うん、2人でも結構大変…まるで中に人でも入ってるみたいだよ~…」

 

果林「ふぅ…まぁ、とりあえずこの辺りに置いておけばいいかしら…ありがとうエマ」

 

エマ「どういたしまして~」

 

エマ「…あっ」

 

エマ「ごめん果林ちゃん。実はこの後家族とテレビ電話する予定だったの、だから一旦戻るね」アセッ

 

果林「あら、私ったらタイミング悪い時に呼び出しちゃって…こちらこそごめんね、エマ」

 

エマ「ううん、大丈夫だよ~。またお風呂の時間になったら来るね♪」

 

果林「えぇ、待ってるわ」

 

エマ「それじゃあまた後でね~」パタン

 

 

果林「…さて」

 

果林「私は特に予定がある訳でも無いし、早速この椅子に座ってみようかしら」ポスッ

 

果林「…ん、かなりいい座り心地じゃない。誰かに後ろから抱きしめられてるみたいな、不思議なフィット感があるわ」フゥ

 

果林「最初は怪しいしどうしようかと思ったけど、これは使ってもいいかも」

 

果林「よし…エマが戻ってくるまでは、ここに座って雑誌でも読んでいようっと」

 

 

 * * *

 

 

数日前

 

姫乃「果林さんの椅子になりたい!」ガタンッ

 

姫乃「果林さんのあの、豊満かつ引き締まったセクシーなお尻…ぜひあのお尻の下に敷かれてみたい…果林さんの重みを全身で感じたい…ッ」

 

姫乃「しかし…どうしたら果林さんがいつも座っているような、果林さんの椅子になる事ができるのでしょうか…やはり一度、トラックに轢かれて転生するしかないのでしょうか…いや、いくらなんでもそれは現実味に欠けますし、万一できたとしてもピンポイントで果林さんの椅子に転生できる可能性は著しく低いですし…」

 

姫乃「あぁっ…私もラノベみたいにコロっと転生したい!果林さんの椅子に転生したい!『RE:ゼロから始める椅子界生活』がしたい…ッ!」

 

姫乃「どうすれば、どうすれば…ハッ」

 

姫乃「そうです、別に転生などする必要はないのです…そう、私が文字通り、椅子になってしまえばいいんじゃないですか…!」エウレーカ!

 

姫乃「あぁ、私としたことが、何でこんな簡単な事に今の今まで気付かなかったのでしょうか…そうと決まれば早速準備です!ええと…必要なものは…」ガサゴソ

 

 

 * * *

 

 

姫乃(…と言う訳で、私は今果林さんの椅子の中に潜んでいます)

 

姫乃(そう!先程果林さんの家に届けられた、あの椅子の中にね…!)ドヤァ

 

姫乃(中のウレタンやスプリングをできる限り綺麗にくり抜いて、その空いたスペースに私がすっぽりと入っているという仕組みです)

 

姫乃(ジャストフィッツ・ジェラルド…‼)

 

姫乃(ウレタンやスプリングを抜いた事で、座り心地が悪くなるのではないか…?というご意見もあるかもしれませんが…いいえ、その心配はご無用です!私がウレタンやスプリングの代わりになって、果林さんの体をそれはもう高級ベッドのように優しく受け止め、この上ない安らぎを提供して差し上げますから…っ!)ウフフ

 

エマ「それじゃあまた後でね~」パタン

 

姫乃(!)

 

姫乃(…どうやら、やっとあのスイス特産乳用雌ヤギがいなくなったようですね…ひめひめ、これでこの部屋には私と果林さんの二人きり…!さぁ果林さん、早く私の上に座ってください!ほら早く!)ハァハァ

 

果林「…さて」

 

果林「私は特に予定がある訳でも無いし、早速この椅子に座ってみようかしら」ポスッ

 

姫乃(ひゃふんっ///)

 

姫乃(あぁ…あああぁっ…やばっ、来た来たこれこれぇぇぇぇッ!果林さんがっ、果林さんが私に座ってくださったぁぁぁッ!)ゾクゾク

 

姫乃(ふおぉ…この太ももにズシンとくる確かな重み!布越しに仄かに感じる体温!ふわりと鼻腔をくすぐる馨しき香り!私が待ち望んでいた世界が今ここに!まさにユートピア!上張り一枚隔てたシャングリラ!ソファッとして桃源郷!)

 

果林「…ん、かなりいい座り心地じゃない。誰かに後ろから抱きしめられてるみたいな、不思議なフィット感があるわ」フゥ

 

姫乃(あっ、ぁっ…森羅万象の皆さん今の聞きました?果林さんが、今果林さんが私の座り心地をお褒めなさってくださいました!嬉しすぎますッ!嬉しすぎて今にもFly into the skyしそう…!)カコキュウ

 

姫乃(でも、それは当然なんです果林さん…!何て言ったって、私が実際に果林さんを抱き留めているのですから…っ)

 

姫乃(心拍、体温、呼吸、身じろぎ…果林さんの一挙手一投足全てを今、私はこの体全身で把握しています…その微々たる変化を一切洩らさずに、今果林さんが最大限のリラックス効果を得られるよう、私が全神経を尽くしてあなたの体を預かります…っ!)

 

果林「最初はどうしようかと思ったけど、これは使ってもいいかも」

 

果林「よし…エマが戻ってくるまでは、ここに座って雑誌でも読んでいようっと」

 

姫乃(はぁ、はぁ…果林さんが私を気に入って、体を許してくれました…僥倖っ…なんという僥倖…!)ジーン

 

姫乃(布越しではありますが、果林さんの柔らかなお体の肉感がよく分かります…真っ暗で何も見えない分、私の感覚も研ぎ澄まされているのでしょうか…)ハァハァ

 

姫乃(あぁ…襲いたいなぁ…)

 

姫乃(…さて)

 

姫乃(果林さんが私に座って雑誌を読み始めてから、結構な時間が過ぎましたが、果林さんってば身じろぎ一つしませんね…あんまり同じ態勢を続けるのも体に良くないので、たまには座り直したりして、私にその豊満なお尻を押し付けてくださっても構いませんのに…一向に構いませんのに!)ブツブツ

 

姫乃(しかし果林さんの様子を確認したくても、あいにく椅子の中からでは、外の様子が全くわかりません…)

 

姫乃(ちょっとだけ、穴を開けてみましょうか…そんなに大きな穴じゃなくても、外部の確認位はできますからね…えっと、確か化粧ポーチに眉カット用のハサミが…あったあった)チョキチョキ

 

姫乃(よし、無事小さめの穴を開ける事に成功しました)

 

姫乃(はぁはぁ、果林さんは、私の愛しい果林さんは今何をして…)チラ

 

果林「すぅ…すぅ…」

 

姫乃(あっ、ああぁ…っ)プルプル

 

姫乃(果林さんが寝てる!控えめで何とも愛らしい寝息…先程までは椅子の中が密閉空間だったこともあって、寝息がこちらに聞こえなかったようですね)

 

姫乃(穴の角度的に、果林さんの寝顔を拝むことができないのは残念ですが…寝ているということはつまり、それだけ私の椅子が心地よかったという事実に他なりません…あぁ、それだけで私は幸せです!)

 

姫乃(ていうか果林さんのうなじ、白くて滑らかで、舐めたくなるくらい綺麗です…はぁーっ、こんなにっ、こんなに至近距離に果林さんの艶肌があるのに、むしゃぶりつけないなんて生殺しですよ…っ!私のこの収まらない昂りは、どうやって発散すればいいんですか…っ!)フーッフーッ

 

果林「…ん?」パチ

 

果林「…今、首筋に変な感覚が…誰かに息を吹きかけられたような…」

 

姫乃(やっべ鼻息荒すぎた)

 

姫乃(穴を開けると外界との境界線も曖昧になりますから、気を付けないといけませんね…)ハンセイ

 

果林「あら、もうこんな時間…私ったら寝ちゃってたなんて…エマが戻ってくる前に、ポージングの練習でもしておこうかしら」スック

 

姫乃(あっ、果林さんが私の椅子から腰を上げてしまわれた…寂し…ポージング練習…ッ!?)ガタッ

 

果林「…?」

 

果林「…今、椅子が少し動いたような」

 

姫乃(…)ダラダラ

 

果林「…さすがに気のせいよね。起き抜けで頭が動いてないみたい」

 

姫乃(ふぅぅぅ…)セーフ

 

姫乃(危ないところでした…先程気を付けると決めたばかりだというのに…)

 

姫乃(しかし果林さんのポージング練習…見たいっ!)

 

姫乃(私もアイドルの一端として、果林さんが日頃どういう自主練習をしているのか、十二分に興味があります。決して果林さんのセクシーボディをじっくりしっぽり堪能したい訳では無く…っ、あわよくば果林さんの際どいシーンを垣間見れるんじゃないかと思っている訳でも無く…っ)

 

果林「うーん、やっぱりポージング練習するからには、体のラインがしっかり分かるよう、服は脱ぐべきよねぇ…」

 

姫乃(ごぶふぉぁっ!?)ガッ

 

姫乃(あっっぶね!また音出しかけた!今咄嗟に自分の喉に四本貫手かましてなければ、また果林さんに不審感を与えるところでした…)

 

姫乃(いや、でも今のは完全に果林さんが悪いですよね…そんな、服…ぬ、脱ぐ、なんて…っ、この部屋には私もいるのに、なんて罪作りな方なんでしょうか…早く脱いで!)

 

果林「~~♪」ハナウタ

 

姫乃(あぁぁぁっ、ほっ、ほんとに脱いでる…果林さんが、私の目の前で、服を…っ///)クワッ

 

姫乃(まだ上着を脱いだだけなのに、何であんなにも色気が…おぉぉ…うなじから背中へのラインがもう犯罪的すぎて…てかキャミソールえっっろ!下着?それもう下着ですよね…!?肩甲骨ほとんど見えちゃってますけど、その下にまだ何か着る余地があるっていうんですか…!?)

 

姫乃(もう、果林さんっ、こっち向いてくださいっ…背中だけじゃなくて…どうかその、体の前に拵えたそのダイナマイトヤラシーなPOWER SPOT‼を私にも…あ、こっち向きそ…えっ)ファサ

 

姫乃(ちょっ、見えない…っ!?果林さん、あろうことか脱いだブラウスを、椅子にかけるなんて……っ!そんな…完全に視界を塞がれてしまいました…)

 

果林「~~♪」スル

 

姫乃(あぁ…果林さんが服を脱ぐ衣擦れの音だけが、いやに鮮明に聞こえてきます…うぅ、こんな仕打ち…一体私が何をしたって言うんですか…っ!)ケツルイ

 

姫乃(そして、何故かは分かりませんが…果林さんがこのブラウスを片付けてくれる事はついぞ無く、この日私が果林さんの姿を見る機会は完全に失われたのでした…)

 

 

 * * *

 

次の日

 

かすみ「…すると、振り返ったそこには顔の無い女の人が…」

 

シーン

 

しずく「まあ…やっぱりそうなるよね」フゥ

 

璃奈「うん、途中でオチが分かっちゃった。璃奈ちゃんボード『貴様の実力はその程度か』」

 

かすみ「二人とも評価が辛口すぎない!?かすみん渾身の出来だったのにーっ」

 

ガラララ

 

エマ「お疲れさま~。1年生のみんなはもう揃ってるんだ、早いね~」

 

果林「かすみちゃんの楽しそうな声が、外まで聞こえてたわよ。何してたの?」

 

しずく「エマさん、果林さん、お疲れ様です」ペコ

 

しずく「声、外まで聞こえちゃっていましたか…すみません、うちのかすみがお恥ずかしいところを」

 

璃奈「璃奈ちゃんボード『忸怩たる思い』」

 

かすみ「いや何で二人が謝ってるの!?別にかすみんお恥ずかしくなんてないし!」

 

しずく「どうどう、だよかすかす」

 

かすみ「かすみんは馬じゃないから…って、かすかすじゃなくてかすみんですっ!」

 

かすみ「…こほん」

 

かすみ「で、かすみん達が今何をしてたかですよね…実は今、かすみん達は皆で怪談話をしてたところなんです!」

 

エマ「怪談って、怖い話の事だよね?」

 

しずく「はい。最近暑くなってきましたし、血の気が引くような怪談話を聞いて、涼しくなろうかなという作戦です」

 

璃奈「でもかすみちゃん渾身のお話がテンプレートすぎて、皆でつっこんでたところ」

 

かすみ「もーっ、その話はもういいでしょーっ!」

 

しずく「…ちなみに」

 

しずく「果林さんとエマさんは、最近聞いた怖い話とかあったりします?」

 

果林「そうねぇ…別にストックは持ち合わせてないのだけど」

 

果林「そういえば昨日、不思議な出来事ならあったわね…ねぇエマ?」

 

エマ「うんうん」

 

かすみ「えっ、それってなんですか!」

 

しずく「聞いてみたいです」

 

璃奈「私も…璃奈ちゃんボード『私、気になります!』」

 

果林「実は、昨日私宛てに荷物が届いたのだけど…」

 

 

~間~

 

 

かすみ「うぅーん、椅子を送ってくるなんて、変わったファンもいるんですね」

 

璃奈「本当に。璃奈ちゃんボード『びっくり仰天動地』」

 

果林「そうなのよ。なんだかんだ座り心地がいいからついつい使っちゃってるのだけど、未だに違和感が拭えないわ」

 

エマ「送り主が分からないのは、やっぱりちょっと怖いよね」

 

璃奈「これはあんまり考えたくないけど、もしかしたら録音機とか、そういうのが仕込まれてる可能性も無くは無いから、気を付けた方がいいかも…」

 

璃奈「果林さんはモデルもやってて知名度も高いから、熱狂的すぎるファンが現れてもおかしくない」

 

果林「それは物騒ね…今日帰ったら、ちゃんと確認してみるわ」

 

エマ「ど、どうしよう果林ちゃん…昨日の事を録音されちゃってたら、私が昨晩果林ちゃんに歌ってあげた子守唄も録音されちゃってるよ~!」アワワ

 

果林「えっ、エマっ!?そういうのはここで話す事じゃ…っ///」

 

かすみ「へぇぇ~」

 

かすみ「もしかして果林先輩ぃ、毎晩エマ先輩に子守唄を歌ってもらって、寝かせてもらってるんですかぁ~?」ニヤニヤ

 

果林「ち、違うに決まってるでしょ!昨日はたまたまよ!エマが歌いたいって言ったからっ」

 

エマ「そうだよ~。果林ちゃん、寝る直前のとろんとした表情がとっても可愛いから、たまにお願いして歌わせてもらってるんだ~」ニコニコ

 

果林「ちょっとエマっ、それ全くフォローになってないわよ!?」

 

かすみ「へぇ~、へえぇぇ~」

 

璃奈「果林さん、いっつもクールに見えるから、意外」

 

果林「もう、皆してからかわないで!」

 

しずく「…」

 

かすみ「ん?」

 

かすみ「ちょっとしず子~。しず子ってばさっきからずっと黙ったままじゃん…どうしたの?」

 

かすみ「あっ、もしかしてしず子、さっきの果林先輩の話がすっごく怖かったとか?こんな話で怖がっちゃうなんて、しず子ったら子供だなぁ~」

 

しずく「怖かったか…ですか」ボソ

 

しずく「えぇ、確かにさっきの果林さんのお話は、怖かったと言って相違ないと思います。まるで江戸川乱歩の、あの作品を読んでいるような気がして…」

 

かすみ「江戸川乱歩…?かすみん小説家はよく分かんない」

 

しずく「少なくとも、かすみさんの三文怪談よりは数段怖かったという事です」

 

かすみ「おいぃしず子ぉ」

 

しずく「それで本題ですが…あの、果林さん」クル

 

果林「何かしら?」

 

しずく「結論から申し上げますと…先のお話で出てきた椅子は、できる限り早いうちに廃棄した方がいいと思います」

 

果林「…え?」

 

エマ「しずくちゃん、それってどういう事…?」

 

しずく「まだ事実が断定した訳ではないので、詳しい理由は申しかねますが…もしかしたらその椅子には、録音機以上に恐ろしいものが潜んでいるのかもしれません」

 

果林「えっ…録音機以上に、恐ろしいもの…?」

 

しずく「はい。例えば…」

 

しずく「…いえ、これを言葉にするのはやめておきましょう」

 

かすみ「えぇっ!?しず子、そこまで引っ張っておいて、それは無いんじゃない!?」

 

しずく「ごめんなさい」

 

しずく「でも、もし私がその言葉を口にしてしまったら…」

 

かすみ「えっ…口にしたら、何か恐ろしい事でも起きるの!?」

 

しずく「…かすみさんが、怖くて夜一人でトイレに行けなくなっちゃうかも…」

 

かすみ「そっ、そんな訳ないでしょぉーっ!?」

 

しずく「…とにかく。果林さん、その椅子は早いうちに処分する事をおすすめします。璃奈さんが言っていたように、録音機が付けられている可能性もありますしね」

 

果林「そうね…ファンの子が皆、善意で贈り物をくれているとは限らないものね」

 

果林「しずくの言う通り、今回は処分させてもらうわ」

 

エマ「…」

 

エマ「潜んでる…か」

 

 

 * * *

 

 

果林「ふぅ…ありがとうね、エマ。運ぶの手伝ってくれて」

 

エマ「どういたしまして~」

 

果林「結局、しずくが言ってた椅子に入ってたかもしれない物って、なんだったのかしら」

 

エマ「うん、なんなんだろう…でもさすがに、椅子の中を調べてみる勇気は出なかったね」

 

果林「そうね…まあ、いいんじゃないかしら。えっと…知らぬがフランス?とかいうことわざもあるくらいだしね」

 

エマ「フランス…?んー、そんなことわざあったっけ…」

 

果林「とにかく、不安な事を考えるのはもうおしまい!」

 

果林「そうだ、良かったら手伝ってくれたお礼に、スコーンでも食べに行かない?近くのベーカリーに新商品が出たらしいのよ」

 

エマ「ありがとう果林ちゃん!でも、実はこの後少しだけ外出する用事があって…それが終わってからでもいい?」

 

果林「もちろんよ。じゃあ、用事が終わったら連絡入れてくれる?それまで私は…部屋の掃除でもしておくわ」

 

エマ「うん。私も夜、続き手伝うね♪」

 

果林「私ひとりじゃ終わらない事前提…!」

 

 

* * *

 

 

とあるカフェ

 

カランカラン

 

姫乃「こんにちはホルs…エマさん。エマさんが私を呼び出すなんて珍しいですね。どうかしたんですか?(なんで果林さんじゃなくててめーなんだよ)」

 

エマ「一つだけ、どうしても聞いておきたいことがあって」

 

エマ「実は昨日、果林ちゃん宛てに凄く大きな荷物が届いたんだけど」

 

姫乃「…っ」ギクッ

 

エマ「心当たりはない?」ニコ

 

姫乃「…さぁ、私はそんなサイズの椅子に心当たりは無いですけど…」

 

エマ「椅子?」

 

姫乃「あ」ヤベ

 

エマ「おかしいなぁ…私、果林ちゃんに届いたものが椅子だとは、まだ一言も言ってないけど…」

 

エマ「なんで、知ってるのかなぁ…?」ニコニコ

 

姫乃「あ、いや、それは…昨日、果林さんからお電話があって…」

 

エマ「私ね、果林ちゃんの着信履歴をチェックするのが日課なの。昨日今日と、あなたの名前は無かったけど」

 

姫乃「…っ」

 

エマ「とりあえず、続きは場所を変えての方が良さそうだね♪」ニコッ

 


  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。

評価する
※参考:評価数の上限
評価する前に 評価する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。