ゆめのまちanother『くるみのゆめアール大作戦』   作:TAMZET

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 これまでのあらすじを、春日野うららが説明しちゃいます! 
 マネマネのせいでドリーム達の夢の蕾の力が異常に使われていた事に博士が気がついちゃいました! 
 プリキュア5だけの力では夢の花の開花をさせられないと考えた博士は、東京全体から夢の力を奪ってしまったんです。
 しっかーも、夢の花を自分の物にしたいと、エゴエゴが博士を襲って! 新たなスーパービョーゲンズ誕生のピンチ! 
 けど、それに反対するカグヤちゃん及びキュアグレース達の奮闘で、プリキュア5は完全復活! 
 ヒーリングっど&プリキュア5連合チームは、エゴエゴからカグヤちゃんを取り返すべく、死闘に挑むのでした! 
 どうなる気になる第17話! 
 以上、現場からお伝えしました私、春日野うららと愉快な仲間達です! それでは、グランドフィナーレまであと少し! お楽しみ下さい! 


第十七話『最終決戦』

 人型形態に移行したエゴエゴは空中に浮遊しつつ彼の敵を見下ろした。

 迎え撃つはプリキュア5&ヒーリングっど♥︎プリキュア連合だ。

 

「エゴエゴ! 無敵! 最大! 最強!」

 

 夢の蕾の力を吸い尽くしたエゴエゴは、強大な威圧感を放っている。

 驚異的な圧力だ。

 だが、連合軍は気勢を上げて立ち向かう。

 互いにここまでの戦いの中で、消耗しきっている。

 決着が近いということは、誰の目にも明らかだった。

 睨み合いをすり抜け、駆け出したのキュアミントだった。

 ミントは飛翔し、空中のエゴエゴの頭上を捉える。

 

「はあっ!!」

 

 空中で体勢を整えた彼女が初手に繰り出した技はかかと落としだった。

 だが、エゴエゴはそれを難なく防御する。

 

「はっ! やっ! たっ!」

 

 矢継ぎ早に放たれる攻撃も、全てエゴエゴは捌く。

 その動きには一切の無駄が無い。

 ミントは空中で息を整えると、両腕をエゴエゴへ突き出した。

 両腕には、緑の蛍火が輝いている。

 

「プリキュア・エメラルドソーサー!」

 

 展開される緑の二対障壁。

 しかし、エゴエゴはそれをものともせず掌底で打ち砕く。

 

「ううっ……」

 

 衝撃はミントを突き飛ばし、地面に激突させ砂埃を上げる。

 本来ならそこで、ミントの攻撃は失敗で終わる……はずだった。

 

「まだまだです!」

 

 ミントは煙に紛れ地表から、エメラルドソーサーを投擲した。

 硬質な緑の盾がエゴエゴの視界を一瞬だけ塞ぐ。

 苦し紛れの一撃だ。

 エゴエゴはそう断じ、緑の盾を弾き飛すと同時に空を蹴り、彼女との距離を詰めた。

 だが、こまちのうちに秘めた攻撃性は、エゴエゴも読めなかった。

 

「はあああっ!!!」

 

 ミントの周囲を、高圧の空気が渦巻く。

 かつてハデーニャを吹き飛ばし、地形を変えた一撃。

 こまちは1年間の戦いの中で、感覚を掴んでいた。

 打つは一撃、当たれば昏倒は必至。

 

「何……ッ!?」

 

 守りの力を極端に凝縮させ、超濃度に圧縮されたミントプロテクションを、一瞬で解き放つ。

 エゴエゴの体内を突き抜けるは、守りの力を伴った、防御不可の一撃。

 その技の名は……

 

「プリキュア・エメラルドブレス!!」

 

 技の直撃を受け、エゴエゴの全身が切り裂かれる。

 空気の波に巻き込まれ、エゴエゴの体勢が崩れた。

 

「ぎいいっ!?」

 

 この一撃が、戦いの流れを変えた。

 地上へと落下するエゴエゴを、二対の光の鎖が捉える。

 

「プリキュア・プリズムチェーン!!」

 

 キュアレモネードの十八番、チェーンによる拘束だ。

 本来ならば敵を消し去る事もできるレベルの攻撃を、あえて拘束に使う。

 プリキュア5を勝利へと導いてきた崩し技が、今も、最大の難敵の身体を捕らえ得た。

 

「こんなもの……ッ!」

 

 引きちぎろうとするエゴエゴ。

 だが、先程のミントの攻撃の残存ダメージが、それを許さない。

 落下を続けるエゴエゴに、もう一人の光の戦士・キュアスパークルが襲いかかった。

 

「レモネードありがとっ!! そのまま捕まえといて!!」

「はい!! 絶対離しません!!」

 

 キュアスパークルが掴んだのは、プリズムチェーンそのものだ。

 ヒーリングステッキに雷のエレメントを装填する。

 

「電流チェーンデスマッチやっちゃうよっ!!」

「ぶちかましてやれ、スパークルッ!!」

 

 ステッキより生じた電流は、鎖を通り、エゴエゴの全身を駆け抜ける。

 電撃の極光が闇夜を眩く照らした。

 

「「プリキュア・ダブルサンダー! チェーンロック!」」

 

 エゴエゴの全身を電撃の鎖が縛る。

 だが、そこはエゴエゴ、力任せの一撃で鎖を引きちぎった、ら

 上半身は抜け出したが、下半身が縛られたままだ。

 

「やりますね、スパークル!」

「レモネードこそ!」

 

 エゴエゴの機動力は一気に削がれた。

 それはつまり、大技のチャンスという事だ。

 間髪入れず、動く二つの影。

 アクアとフォンテーヌだ。

 

「私達も負けてられないわね、フォンテーヌ!」

「はい! 行くわよペギタン!」

「了解ペエ! 氷のエレメントボトル!」

 

 ヒーリングステッキから展開された氷が空中で膜のように展開される。

 空へと舞うフォンテーヌ。

 その遥か上には、水の弓を構えたアクアの姿があった。

 

「プリキュア・サファイアアロー!」

 

 水の弦より放たれた無数の矢は、氷の膜を通り、氷矢となってエゴエゴに降り注ぐ。

 

「小癪なッ! エゴエゴにそんな物効かん!!」

 

 エゴエゴは反撃で衝撃波を撃ち放つ。

 衝撃波は氷矢を打ち砕き、アクアの胸を打ち、落下させた。

 天使の墜落。

 しかし、その中でも彼女は笑う。

 

「効かなくていいのよ。目的は、あなたの足だもの」

「何ッ!?」

 

 途中でエゴエゴに迎撃され、地面に落ちた矢は地面を氷結させた。

 電撃を浴びた下半身を、さらに氷結で固定する。

 回避は不能。

 ならば打ち込むは、超重量の一撃。

 彗星が、夜空を切り裂き訪れる。

 

「見舞ってやりなさい! フォンテーヌ!」

「はい!」

 

 フォンテーヌは、アクアを超え跳躍していた。

 月まで届かんばかりの跳躍。

 成層圏を超え、宇宙間近まで……彼女はそこから、さらに氷のエレメントボトルを使って足場を作り出し……今度はそれを蹴り地へと加速した。

 目指すは一点、怨敵の頭部。

 放たれるは、限界のGが乗った()()()()()()

 

「プリキュア・アイシクルストンプ!」

「エ……ッッッッゴォォッ!?」

 

 この世で予想される、最も威力の高い()()()()は、地面を抉り、エゴエゴの頭部を揺らした。

 

「凄まじいわね」

「アクアこそ!」

 

 間髪入れずルージュが攻勢に出る。

 アースがそれに追従した。

 

「はああああっ!」

「やあああっ!」

 

 エゴエゴは頭をふらつかせながらも、それらの攻撃を防御し続けた。

 固いブロックを、2人の攻撃は崩しきれない。

 

「お前達の攻撃、エゴエゴには効かない!」

「そんなの、やってみなきゃ分かんないでしょ!」

「私たちは、何度も不可能を可能に致しました。今回も、そうするだけです」

 

 先程の一連の攻撃と比べれば、小休止にも近い単調な攻撃。

 それは、エゴエゴに思考の猶予をもたらした。

 否、考えてしまったのだ。

 

「何故逆らう? 何故自分のために戦っていけない? お前達は不合理だ」

「あんたには分からないでしょうね。誰かを助けるために、命までかける人の気持ちは」

「人を治したいと頑張る、お医者様の気持ちも!」

「分かる理由もない。どっちも同じ、頭の悪い考え方だ!」

 

 エゴエゴは掌底で2人を弾き飛ばした。

 しかし、それでも遅い。

 思考が遅れを生み、遅れが命を脅かす。

 

 結果、二人の攻防は、エゴエゴに数秒の隙を生んだ。

 その隙を狙って、桃色の極光が飛び込んだ。

 

「違う!」

 

 飛び込んだのは、グレースとドリーム。

 隙の無い、徒手空拳による打撃が、エゴエゴのガードを打ち崩す。

 

「博士は、カグヤちゃんのために頑張ってた! 自分が褒められるためだけに頑張ってたエゴエゴとは違う!」

「サレナさんの夢を、これ以上邪魔させない! 東京のみんなのためにも! カグヤちゃんのためにも!」

 

 想いが、圧倒的戦力差を弾き飛ばした。

 足を止められ、腕を弾かれ、考えを与えられ。

 エゴエゴは、鈍っていた。

 

 グレースは一呼吸の後、エゴエゴを睨みつけた。

 

「実りのエレメントボトル!」

 

 ドリームもまた、同じであった。

 

「ココ!!」

「了解ココ! ドリームに力を!」

 

 生まれるは双剣。

 ヒーリングステッキと、クリスタルフルーレ。

 桃の双剣が、交錯する。

 

「「プリキュア・クリスタルグレース!」」

 

 想いが生み出した二つの剣閃が、エゴエゴの胸を切り裂いた。

 見えるカグヤの顔……助けてと願う、幼気な少女の表情。

 グレースは手を伸ばした。

 だが、エゴエゴの強さもまた遥か高みにある。

 思考を外れた精神力が、彼の胸を修復した。

 

「エゴエゴ! こいつら、おかしい! エゴエゴの方が、絶対に強いはずなのに!」

 

 エゴエゴは両腕を力任せに振るった。

 デンプシーロール、反射のみで行われる暴力の災害だ。

 グレースもドリームもそれぞれ一撃を喰らい吹き飛んだ。

 アクアが施した足元の拘束が、衝撃により解ける。

 

「うおおおおおっ!!!」

 

 エゴエゴは吠えた。

 己を否定する者達へ向けて、吠え続けた。

 


 

 神も恐れる戦場を前に、我修院サレナは嘆息した。

 光と衝撃の舞うこの戦場ですら、彼女にとっては後悔の場であった。

 

「真の愚かなのは私か。信じるべき人を疑い、最も信じられない存在を信じた」

 

 彼女の手には、一本の注射器が握られている。

 ビョーゲンズの細胞を溶かし尽くす薬品。

 ガラス瓶の中で揺れる数mgの液体こそが、全てを終わらせるマスターピースだ。

 

「私は救われなくてもいい。だが、カグヤだけは助けてみせる」

 

 サレナは、一歩を踏み出す。

 全てを終わらせるための一歩を。

 

 だが、何と不運なことか。

 エゴエゴの咆哮により舞い散った無数の岩の一つが頭上に接近していた。

 己を襲う運命を予感し、博士は目を瞑る。

 だが、大岩を打ち砕く者があった。

 ミルキィローズだ。

 彼女もまた、復活していたのだ。

 

「大丈夫よ。あなたは私が守るから」

 

 ミルキィローズ、博士を守るように立ちはだかる。

 二人の前には、最終形態エゴエゴに挑む9人の戦士達の姿がある。

 

「私は、思い違いをしていたのだな」

 

 博士は乾いた笑いを漏らした。

 

「彼女達は、仲間を信じる事で強い力を発揮している。私は一人でやろうとした。どれだけ能力があろうと、一人で出来ることには限界があるというのにな」

 

 ミルキィローズは笑った。

 それは、仲間を見つけた小動物の笑みだ。

 

「その気持ち、わかるわよ」

 

 博士の孤独は、自身の孤独。

 理解されない孤独。

 理解してもらえない孤独。

 頑張って頑張って、説明して教示して、それでも分かってもらえない。

 だから、説明を諦めた。

 心を閉ざした。

 でも……

 

「私も、自分が一人きりだと思っていたの。誰も私の事を分かってくれない、信じてくれないって……」

 

 この目の前の少女は、それが分かるというのか? 

 会って間もないこの少女が、私というパズルを解けるのか? 

 無理だと思っている。

 反面期待している自分がいる。

 正しいのは、どっちだ? 

 

「でもね、あなたが辛いと思っている事は、きっと誰かに伝わっているはずよ」

「カグヤ、以外にもか」

「そうなんじゃない? だって、初対面の私がわかるくらいだもん」

 

 そうか、分かるのか。

 自分と似た苦しみを、相手に重ねて理解する。

 理解の方法は、それしかない。

 この子にもいたのか、カグヤのような存在が。

 

「まだやり直せるわ。私も、たったさっきやり直したんだから」

「分かった。なら、私も、カグヤを守ろう。私なりのやり方で……」

 

 博士はマスターピースを手に、立ち上がる。

 一度だけ、プリキュアを信じてみよう、と。

 


 

 エゴエゴは息切れを起こしていた。

 カグヤの力を使い再生するのはいい、傷はそれで良い。

 だが、休むことのない攻撃の嵐に、息を整える暇が無いのだ。

 彼に残された時間は少ない。

 だが、それは同時に、胸の内のカグヤに残された時間が僅かであることを示していた。

 

「お前達、もう許さないぞ! 消し飛ばしてやる!」

 

 エゴエゴの口内に強大なエネルギー派が収束する、ら

 かつてキングビョーゲンが行った収束が、小口径に凝縮される。

 

「エゴエゴレーザー!」

 

 放たれるは濃紫の熱戦。

 鉄骨すら溶かす、病の結晶光線である。

 

「ぷにシールド連結!」

「プリキュア・エメラルドソーサー!」

 

 3連結のぷにシールドと、エメラルドソーサーがそれを防いだ。

 盾から漏れた線が、瓦礫を砕き、夜の星空を彩る。

 盾の解除と同時に、ドリームアタックとファイアーストライクが隙間から飛び出した。

 不意をついた一撃だが、エゴエゴはそれらを両腕で受け止める。

 

「無駄無駄無駄! エゴエゴにはどんな攻撃も効かない!!」

 

 余裕のエゴエゴ。

 だが、次の瞬間、その表情は大きく歪んだ。

 

「今、何をした……」

 

 エゴエゴが振り返ると、そこには我修院サレナの姿があった。

 マスターピースはその手にはない。

 嵌め込まれたのだ。あるべき場所へ。

 

「お前の中枢細胞を破壊する特効薬だ。これで、お前のビョーゲンズ細胞は破壊される!」

「博士……」

償いなら受ける。だから頼む……カグヤを、返してくれ……」

 

 体勢を崩したエゴエゴは、博士へと縋った。

 だが博士は逃げた……プリキュア達の元へ。

 

「何故そこまでする? こいつはお前の娘じゃない。ただの精霊だ」

「カグヤは、私の娘だ……。たとえなんと言われようと! 諦めてくれと言われようと!」

 

 博士は叫ぶ。

 声のかぎり、心のかぎり。

 

「娘の命を諦める母親がどこにいる!!」

 

 エゴエゴは、その時初めて、心がズキリと傷んだ。

 その気持ちの正体は、彼には分からない。

 だがその痛みは、確かに彼の心に存在した。

 

「エゴエゴだって、お前の……」

 

 吹き飛ばされた博士を、ミルキィローズが回収する。

 彼女の命に別状は無い。

 ミルキィローズは、ヤンチャっ子を見るような目で博士を見た。

 

「無茶するじゃない、博士!」

「楔は打ち込んだ……っ……終わらせてくれ……プリキュア!!」

 

 ミルキィローズは固く頷いた。

 そこには、一切の迷いも無い。

 溢れんばかりの希望が、その笑顔に詰まっていた。

 

「もちろんよ!」

 

 細胞を破壊されたエゴエゴは空中で荒れ狂う。

 カグヤの残り時間はあと少しだ。

 グレースとドリームはお互いの手を重ね合わせると、合体変身の構えを取った。

 それに合わせ、ローズも変身の構えを取った。

 彼女の持つゆめペンダントが眩い光を放つ。

 

「トリプルローズ・トランスレイト!」

 

 三つの冠が一つとなり、ローズの身体が光に包まれた。

 現れるは、純白のドレスを身に纏った戦士、ココナッツミルキィローズだ。

 

「ココナッツミルキィローズ!」

「ドリームキュアグレース!」

 

 3人の戦士が今、エゴエゴと向かい合った。

 両者の戦力は互角……これが、最後の決着になるだろうと、皆は固唾を飲んで見守る。

 先手を取ったのは、エゴエゴだった。

 

「エゴ・レーザー!!」

 

 残ったビョーゲンズの細胞をかき集め、極限まで濃縮した必殺の光線が3人へと放たれた。

 だが、その一撃は、ミルキィローズの放つ眩い光の前に砕け散る。

 

「何!?」

「残念! パルミエ王国の光は、あなたのような身勝手な光には消せないわ!」

 

 3人は己の剣の鋒を合わせ、エゴエゴを睨みつけた。

 4本の剣が、今同じ方向を向いている。

 

「「「三つの花の力を、今一つに! プリキュア・アメイジング・シャイニング・スカイグランドブリザード!」」」

 

 3人の放った光線は巨大な3輪の薔薇となり、エゴエゴの守りを容易く打ち破った。

 光はカグヤを救い出し、夜空へと消えてゆく。

 

「これが、人を信じる心か。最初から知っていれば、エゴエゴも……」

 

 エゴエゴは光に飲まれてゆく。

 最後に彼が見た景色がなんだったのかは、分からない。

 だが最後に彼が耳にした言葉は……

 

「お大事に……」

 

 間違いなく、長く戦ってきた自分への、労りの言葉だった。

 


 

 さて、そのあとグレースさんが東京のみんなに呼びかけた事で、消えかけていたカグヤちゃんは無事復活しました! 

 いやー、すっごい奇跡! 

 後は、エゴエゴもさりげなく生きてたり、夢のクジラさんも小さくなったり、色々ありました。

 さて、皆さん! 

 そろそろグランドフィナーレですよ! 

 

 上りくる朝日。

 皆が笑顔。

 今日は素敵な誕生日。

 

「お母さん! 大好きだよ!」

「ありがとう……カグヤ!」

 

 もう親子の笑顔を阻むものはない

 親子を守った幼い騎士は、笑顔で二人を見守っている。

 

「カグヤちゃん! お誕生日おめでとう!」

 

 彼女達の名はヒーリングっど♥︎プリキュア。

 夢のために、地球をお手当てするために、戦う。

 ただの中学生とその仲間達だ。

 


 

 はーい! 

 おしまいおしまい! 

 え、ミルクから重大発表あるって? 

 えーっ!? 

 なんですかなんですか? 

 

 ミルクは、皆にココナッツミルキィローズの事を話した。

 今回の変身はゆめアールの力だが、いずれ現実にしてみせると。

 そして、次の一言が皆を驚かせた。

 

「私、パルミエ王国のお姫様を目指す事にしたの」

 

 その突飛な発言に、りんとうらら、かれんの顔が引き攣った。

 くるみは頬を赤く染め、続ける。

 

「そのためにも、まずはとっととお世話役に昇格するわ。頑張って頑張って、絶対なってみせるんだから」

「すごい……なれるといいね! お姫様!」

 

 くるみはのぞみを、おかしな目で見つめた。

 のぞみはキョトンとした表情をしたままだ、

 

 

「……?」

「はいはいのぞみこっちこっち〜」

 

 りんはのぞみを引っ張り瓦礫の外へと連れてゆく。

 こまちもかれんに連れられ、その後について行った。

 

「いいの? お姫様になるって、くるみがアンタのライバルになるって事だよ」

「えぇ!? どうして?」

「のぞみさん、それはね……」

 

 数秒後、戦場跡地に絶叫が響き渡った。

 

「ぅえぇ────────っ!? くるみも!? ココのことが……?」

「いや、今更気づいたの……」

 

 戻ってきたのぞみはまだ驚愕の表情だ。

 りんは呆れ、こまちは笑っている。

 

「流石のぞみさんね。くるみさんも大変そう」

「こまち? 他人事じゃないのよ。姫になるだけなら、ナッツの可能性もあるんだから」

「えっ!?」

 

 こまちは驚愕に表情を歪めた。

 そのリアクションに、りんも呆れ顔だ。

 

「いや気がついて無かったんかい」

 

 こまちは凄まじい表情でくるみを睨む。

 くるみはその凄まじさに数歩後退した。

 それ程に鋭い目つきであった。

 

「くるみさん? そんな事、しないわよね?」

「あ、いや……その、どっちのお姫様を目指すかは、未定、というか……」

「く・る・み・さん?」

 

 等速直線運動ですり寄ってゆくこまちを、かれんが引き止める。

 

「はいはい、こまちその辺りにしなさい。人の恋路を邪魔すると、馬に蹴られるわよ」

「でも、邪魔してきたのはくるみさんの方よ?」

「まぁ、そうだけど。ほら、恋の先輩として、ね」

「か・れ・ん?」

 

 視線だけでこまちはかれんを釘付けにした。

 かれんの頬を、冷たい汗が伝う……

 そんな彼女達の元に、天真爛漫な少女が顔を出した。

 

「あれ、プリキュア5のみんな! 楽しいお話ですか〜?」

「あー、ちょっとひなたさん? こっち来て下さい? 今行かない方がいいです……」

 

 戦慄した空気の中、明るい声がそれを切り裂く。

 のぞみの声だ。

 

「じゃあ、ミルクもこまちさんもライバルって事で、ココとナッツのハート争奪戦! やるぞー! けって──い!!」

 

 のぞみの明るい提案に、いつもの明るい空気が戻った。

 ココもナッツも笑っている。

 

「ふふ……全く、敵わないわ……のぞみには」

「本当。絶対、負けないんだから」

「えへへ!」

 

 かくして、プリキュア5の……いや、美々野くるみの夢を巡る物語は終着を迎えた。

 大東京にて花開いた大きな夢。

 その夢の行き先は、何処になるのだろうか。

 それはまだ、誰にも分からない。

 




これにて本編は終幕!
後はエピローグだけです!
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