公道最速伝説   作:迅海

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第60話 死闘のゴング

ツバキとノエルはカジュンの看病を終えた後お互いバトルに向けて自分の車を点検してからそれぞれ妙義山に向かう事にする。

2人共雨が降る前にどうにか点検を終える事は出来たが向かっている途中雨がポツポツと少しずつ降り出し、数十秒後に本格的にザーザー降り出す。

 

妙義山 スタート地点

ツバキはようやく妙義山に到着してパーキングエリアに駐車しようとしたがその時にノエルはとっくの昔かのようにスタート地点で自分のハチロクを置いていつでもツバキとバトル出来る様に準備を整っていた。

それを見たツバキはスタート地点に向かってノエルの隣に並んでからカプチーノから降りる。

「よく来てくれたね。歓迎するよツバキ。妙義の谷は深いよ?命を大切にしといた方が良い」

「そう。今日は尚更慎重に運転しないとだめそうね」

「早い所始めよ」

「ええ」

話しを終えて2人はそれぞれ自分の車に乗り込んで空吹かしを開始するのと同時に紗夜が2台の車の真ん中に立ってカウントを始める。

「カウントは私が取ります!!スタート10秒前!!9!!8!!7!!6!!5!!4!!3!!2!!1!!GO!!」

紗夜のGOサインと同時に2台がロケットスタートを決めるのだが、普段は相手を前に出させて安心安全で100%勝てるセクションで勝負に出るのがノエルのやり方の筈が珍しく自分から前に飛び出した。

それを見たギャラリーは驚きと戸惑いを隠せていない。

ギャラリーサイド

「あのノエルが自分から前に出るなんて・・・・」

「今回は雨が降っているからね。後ろに着くと雨の水飛沫で視界が絶望的になる事といくらツバキが凄くともここ妙義山を2、3年走り込んでるノエルはそれを利用して前に出たとみる」

 

バトルサイド

「本当は後追いでツバキの走りをよく見たかったんだけど雨だとそうは言ってられない!」

序盤は上り坂が存在し、上り終えたら本格的にダウンヒルに突入するのだが、相手は峠のトップクラス十二王国の1人で車種は軽いAE86と2、3日そこらで走った知ったかぶりのツバキとは違ってノエルは妙義を2、3年ぐらいとことん走り込んでいる。

車のセッティングとメンテナンス、ドライバーのコンディションとコースの熟練度がバトルで重要なキーポイントになると言っても過言ではない。

もう一つ忘れてはいけないのはタイヤの使い方。

しかし今回雨のバトルで重要なのはタイヤではなくリスクマネジメントがキーポイント。

「私が何故今回前に出た理由は雨で後ろを走っていると前方の車の水飛沫で視界が絶望的になる事とコースに慣れてないツバキを完膚なきまでに千切る為!!」

雨の恐さを諸共せずにノエルは平気でドリフトをしてコーナーを駆け抜ける。

「雨で全開走行する時に極端にアンダーステアかオーバーステアの何方かが出る。私だったら曲がるオーバーステアを常に作る!!悪路を走るなら4輪ドリフトするのは常識中の常識!」

ツバキはようやくダウンヒルに突入してからほんの僅かながらも詰まり出して行く。

ようやく差が近づいたもののツバキの視界に前を走っているハチロクが映っているが、そこから貼り付けそうで貼り付けない一定の距離である。

「カプチーノはハチロクより軽く、コーナーは絶対私が勝つのに貼り付けそうで貼り付けない・・・」とツバキは少し焦りを覚えるようになっているが、向こうのノエルも同じく振り切れそうで振り切れない事に焦っている。

「カプチーノは確かにコーナーはとてつもなく速い。なのに、あまり走ってないツバキを千切れないだなんて・・・・!」

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