公道最速伝説   作:迅海

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第70話 思いの為に

榛名 ダウンヒル

「確かにメイファンは1年前とは比べ物にならないほど成長してるけど、まだ弱点が健在だと言うなら苦戦強いられる事はない。5連続ヘアピンで勝負に出る」

「何も仕掛けて来ない。諦めたのか?フンっ!そんなはずがあるものか!何処かでも来るが良い!タイヤの余力がある!」

 

ギャラリーサイド 5連続ヘアピン

「愛華さん大丈夫でしょうか?」

「まだ、わからない。このヘアピンで何かが来るのは確か」

「前にバトルした事があるからその経験を活かせるか、ですね」

「うん・・・・」

「来ました!」

 

バトルサイド

メイファンが走行車線に走り、愛華はそれを待っていたかのように速度を上げながら対向車線へ踏み込んで横に並びながら5連続ヘアピンで勝負を掛ける。

「並んだ!勝負を掛ける!」

「き、貴様!?自分が今対向車線を走っているのをわかっているのか!?や、やめろ!やめろ!もし対向車が来たら!?元も子もないんだぞ!!」

「メイファン・・・・メイファンの欠点は右サイドの恐怖心を克服出来てない事!ハッキリ言えば右コーナーが下手なんだよ!」

右コーナーでメイファンは走行車線でどうにかブロックしようにも愛華は負けじと譲れず、果敢に攻め込みながら少しずつFD3Sが前へ出始める。

残りのヘアピンはどうにかこうにかで愛華が少し前に出たまま5連続ヘアピンをクリアする。

「貴様はバカなんじゃないのか!?右のインはデッドゾーンだと言うのに何故そこまでして平気で攻められる!?いや、まだだ・・・まだ終わってぬ!ゴールまでまだある!もう一度抜き返す!」

残りのコースで愛華綺麗なライン取りを描き、右コーナーでインを攻め込むのを間近で見せつけられたメイファンは恐怖と葛藤はしているもののリベンジを果たすと言う執念が芽生え出し、後ろから愛華と同じラインを描く。

「ブルったら、負ける・・・・・私は貴様に勝つ為に鍛えたんだ!!愛華が右コーナーを攻めれるなら私にも!!」

「今回のバトルはメイファンの恐怖心に助けられた物なんだよね。もし克服してたらどうだったかな・・・・」

メイファンは仕掛ける事が出来ず、愛華のラインに只々なぞる事しか出来ないままゴールして愛華の勝利で幕を閉じる。

 

榛名 麓

「教えてくれ・・・・愛華・・・・私は何故貴様に勝てんのだ?どうしてもわからない・・・・・頼む!教えてくれ!」

「私とメイファンで腕の差はほとんどない」

「気休め言うのをやめろ!!差がないなら何故勝てない!?」

「車をコントロールするテクニックの問題じゃないんだよ。メイファンの弱点は右曲がり」

「右だと!?」

「センターラインの右側は対向車が走るデッドゾーンになるからいつ対向車に飛び出すかわからない。それが原因でしょ?」

「!!」

「誰でも100%行けるわけではない。私だってそう。だけどね経験と努力次第では100に近づく事は出来るんだよ」

「わかる?メイファン。そこが違い」

「・・・・・・」

「モータースポーツやジムカーナでは対向車が来ないから処理をする必要なんてない。メイファンがいつも走っているいろは坂同様に一方通行で対向車は来ないの。スケートリンク通過後の左コーナーでインを攻めた後に右側のインに入り込めなかった時に苦手意識があると読んでいた。早い所で前に出ようとしたのも敗因の一つ」

愛華は言う事はもう何もなく去り、メイファンは最初のうちはイラついてたが、愛華に言われた事は間違いではなく、イラついていた顔が沈んでぐうの音も出なくなって悟り出す。

「岬愛華・・・・私の完敗だ・・・・近づいた筈の背中が霧に包まれて遥か遠い存在へとなってしまった。ストリート、プロ問わず奴はカリスマと言っても過言ではない」

「其方が素直に負けを認める事に関して余は安心した」

「て、テンジョウ様!?」

「メイファンよ。よく頑張ったな。1年前彼奴に負けた其方は人が変わるように走り込み、相手を潰す勢いで走り出してから余は其方を止める事など出来ずに気づいてやれなかった。実に済まぬ・・・・」

「何故テンジョウ様が謝られるのですか!?私こそテンジョウ様が心配されている事に気づく事が出来ずに申し訳ございません!」

「もう、良いのだ。其方が其方のままでいてくれた事に安心した。今度はセンターラインのあるコースにも慣れるようにせねばな」

「ありがとう、ございます。これで一つやる事が増えました」

「今後の其方楽しみにしておる」

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