公道最速伝説   作:迅海

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第77話 温存と勝負所

榛名山 ダウンヒル

S字複合コーナーでシエルのセルボの方が一枚上手。

それに対して飛鳥は完全に負けという訳では不利でありつつも大分検討している。

 

「FRという特性をちゃんと理解して、車のコントロールをしっかり出来ていればコーナー攻めるのにやはり有利。だけどね、FFを見くびってもらっては困るよ」

 

「この複合コーナー終えて右ヘアピンでまた高速セクションに突入してしまいます。恐らくミラはそこで勝負に出ようと段取りを組んでいる筈。ゴールギリギリまで追いつき、そこで勝負に出ましょう」

 

右ヘアピンコーナーの一歩前で飛鳥のミラが対向車線側の横に並び込み、ブレーキング勝負へと飛鳥が仕掛けるも、シエルはブロックや何もアクション起こさず只々飛鳥にポジション譲ってしまって、あっさり抜かれた。

 

「こんなに呆気なく抜いてしまうなんて却って不気味でしかない。君は一体何を企んでるんだい?それとも僕を侮辱する気?」

 

右ヘアピンクリア後に飛鳥が前に出て高速セクション突入し、エンジンのパワー差で飛鳥のミラとシエルのセルボの距離が少しずつ離れて行く。

ゴールギリギリまで勝負を仕掛けない事に専念したシエルは顔色一つ変える事なく実行に移すのみ。

 

「5連続ヘアピンでも全く手も足も出ていない。何故?仕掛けようと思えば仕掛ける事が出来る筈が何もせずにやり過ごす・・・・・まさかと思うけどツバキとバトルする事に備えてタイヤを温存しているのかい?それならそうと最後はどうなるかわからない。君に勝つ為に僕も温存しておくとしよう」

 

5連続ヘアピンをクリアした2台はお互い派手なアクションをせずにゴールギリギリまでやり過ごしているところ右ヘアピン後のロングストレートで飛鳥は対向車線側に走り、それを続いてシエルは飛鳥の真後ろにいてスリップストリーム使って距離をとことん張り詰めた。

 

「そろそろ頃合いでしょう。右コーナー後の左コーナーはあそこだけ3車線に変わり、何処か好きなラインを選べる」

 

 

右コーナーでシエルのセルボは走行車線のアウト側に移動し、飛鳥のミラと横に並び込んでブレーキング勝負に持ち込んでシエルが半分前に出る。

 

「飛鳥のブレーキングは決して下手では無いのですが、私の方が勝っています!勝負を終わらせましょう」

 

「半分前に出たぐらいで左の後は右コーナーになる。そう、インに着く僕が絶対有利なんだよ」

 

「私が右コーナーでまたアウト側になる事を目に見えています。ですが・・・・コーナー勝負にも私が1枚上手なんですよ」

 

「アウト側でブロック!?」

 

しかし、右コーナー突入してしまうもアウト側で飛鳥のミラはシエルのセルボにブロックされている所為で手も足も出る事が出来ないままクリアしてから、シエルのセルボが完全に前に出てゴール。

 

「タイヤに負担をかけたところはあの右コーナーだけだと思うのでツバキとのバトルは継続して続けられそうですね」

 

「コーナー勝負ではシエルが上手だったようだね。ツバキとシエルのバトル、どちらか勝つのか楽しみだね」

 

榛名山 麓

2台の車がバトルを終えた為スローペースに切り替えて、麓のパーキングエリアへ向かい、空いている所に駐車してから車から降りて飛鳥とシエルはお互い同じ所へ向かってお話しをする。

 

「僕の負けだよ。それにしてもシエルのセルボは公認取得のFRかい?」

 

「ご名答です。私のセルボは元々4WDでしたが、フロントのドライブシャフトや前輪側が駆動する余計な物を取り外しして曲がれるFR化にしました」

 

「タイヤはあまり使ってないんだしさツバキと全開バトルやるかい?」

 

「察しが良いようで・・・・ええ、ツバキさんとバトルをします。その為に温存していましたから」

 

「僕は早く観たいんだよね。ツバキとシエルのバトルを」

 

 

バトル後に飛鳥と話し済ませたシエルは挑戦状を叩きつける為にツバキの元へ向かう。

 

「ツバキ=ヤヨイ。名はシエルと言います。以後お見知り置きを。私は貴方と勝負がしたい」

 

「貴方との勝負、受けて立ちます。正直なところ飛鳥との勝負を見ていたら私も走りたい気持ちがとても芽生えてしまいましたから」

 

ツバキはシエルからの挑戦状を受けて、榛名山のダウンヒルバトルが今始まる。

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