公道最速伝説   作:迅海

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第78話 F型エンジンの3気筒と4気筒

榛名山 頂上

ところがシエルは飛鳥とバトルしていた時は眼鏡を掛けていた筈なのにツバキとバトルするというにも関わらず眼鏡をはずし、それをお構いなしにスタート地点でツバキのカプチーノとシエルのセルボが横2台並んでから発進するタイミングを計らいながら空吹かしを始める。

先に飛び出したのはシエルのセルボで、ツバキは一歩遅れてスタートして後追いポジションでスタート。

 

「やはり後追いを選びますか。飛鳥のミラの時はタイヤを温存する事に専念してましたが、ようやくタイヤを気にせずに思う存分ツバキと戦えます」

 

「やはり4気筒は違うのかしら?ストレートの伸びはセルボが上ね。それに後ろから見てわかる事はF6Bエンジン気持ち良く回ってスムーズに加速しているわ」

 

3気筒のF6Aエンジンと4気筒のF6Bエンジンはカガリの言う通りベースは一緒で使用する部品はどれも共有されている。

エンジン性能としてはF6Bのトルクが無く、スタートダッシュで本来ならF6Aエンジンが勝っていた。

しかしF6Bエンジンは高回転ゾーンに突入してしまえばパワーの壺に入り、軽自動車の660cc、64馬力とは思えない程の領域。

だがツバキはスケートリンクロングストレート通過後のS字複合コーナーで驚く出来事が待ち受けている。

 

「!?セルボって元々FRなの?それとも構造変更のFR化?」

 

「ルームミラーやサイドミラーからしか見えないのですが、FRの事を隅々と知り尽くしている印象があります」

 

S字複合でツバキは驚くものの集中力は切れておらず、寧ろ生産工場で一から作り上げたFRとDIYで改造したFR化のどっちが上かを白黒はっきりすべくコーナーで勝負に出ようとする。

シエルは飛鳥とやった時はセーブしていたが、今現在はタイヤを気にする事なく心置きなく全力で自分の手で作り上げた4WD改FRをコーナーでツバキと勝負に臨む。

コーナー勝負でツバキとシエルに実力差がほぼ0で車間距離も張り付いた状態だったが、右ヘアピン手前辺りでツバキが抜きに掛かろうと対向車線側に移り横2台並び込んで、ブレーキングからのツバキは排水路の溝をカプチーノのタイヤに引っ掛けて異次元な加速でセルボを抜いて前に出た。

 

「右ヘアピンで一体何が!?ツバキが抜きに来ようとした時に何かを引っ掛ける音が・・・・・何をしたというんですか?5連続ヘアピンで見せてもらいたいですね」

 

「早い仕掛けをしてしまったかもしれないわね。前に出たからには兎に角行けるだけ行くしかない。ミラーは絶対に見ない‼︎」

 

先程の右ヘアピンで横2台並ばれて何がどう起こったのかシエルはわからない為どうやってどう抜かれてしまったのかが知りたい。

高速セクションが過ぎていよいよあの5連続ヘアピンがやってくる。

 

「貴方は一体何をしたのかこの5連続ヘアピンで見せてください」

 

シエルの見た光景はツバキのカプチーノがインベタで排水路の溝にタイヤを引っ掛けて鋭い加速で電車の様に忠実に走りコーナーを駆け抜け、シエルもコーナーに突入してインベタをチラ見程度だが、排水路の溝を目にして察した。

 

「なるほど・・・・そういう事だったんですね。ツバキがさっきの右ヘアピンで私より速い速度で抜く事が出来たのは排水路の溝を・・・・榛名を熟知している者なら出来るのでしょうね」

 

ツバキは溝落としで5連続ヘアピンコーナーを軽々と駆け抜け、カプチーノとセルボとの距離ががら空きであるもののシエルにとってまだバトル終わってなく、引き続きツバキを追いかけようとする。

シエル同様ツバキにとってもバトル終わってはおらず、今空いている距離をより距離を離そうとゴールまで全力走行。

 

「5連続ヘアピン後から4つのコーナーをクリアすれば長いストレートに突入すればF6Bの高回転ゾーンに突入出来ます。ここでツバキに追い付かなければ・・・・・終わる!!」

 

 

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