奇跡の栗毛   作:零課

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空白世代という設定なのでゴルシたちの上と次の世代がいろいろギチギチになっちゃう。


ゴルシたち以外にも人材はいるのでちょこちょこ絡めていくと思います。


上手く作品をかける方々が羨ましいです。私も浅学菲才の脳みそを絞って頑張れる限り頑張りたいです。


彼なりの特訓

 「はふぃー・・・・・・あー・・・疲れたぁ・・・ヨル―・・・」

 

 

 江田島トレーナー・・・江田ちゃんでいいか。とのトレーニングが幕を開けて早数日。毎日が筋肉痛。訳の分からないところまでぎしぎし言っている体を引きずってどうにか寮にたどり着けた。

 

 

 ヨルを呼ぶとにゃーんと鳴いてくれてとてとてと歩いてくると、それについてきて歩くウマ娘が一人。

 

 

 「ほうほう・・・噂通り頭のいい猫だ・・・そして、勝手に飼っているのが貴様だな?」

 

 

 「エアグルーヴ副会長・・・はぁ・・・つつ・・・はい。入学の際に近所で仲良くなってそのまま」

 

 

 生徒副会長にして樫の女王。『女帝』と呼ばれる彼女の視線は私の頭にのって居心地がいいと鳴くヨルと私を交互に見る。

 

 

 うわちゃー・・・勝手に世話していることに怒っているのかなあー・・・

 

 

 「そしてそのまま・・・か。本当ならすぐさま追い出したり保健所につきだすべきなのだが・・・まあ、その前にだ。見たところ雌猫だが、やることはやっているのか?」

 

 

 「あ、はい・・・予防接種、妊娠しないように治療もしてもらっているので・・・トイレも私の部屋の砂のトイレと、下水溝でしかしないようにしています」

 

 

 「ふむ・・・とりあえず中にはいれ。ひどい顔だぞ」

 

 

 「あははー・・・江田ちゃんに散々しごかれまして・・・も・・・あつつ全身筋肉痛です」

 

 

 「え・・えだ? まあ、とりあえずこれでも飲め」

 

 

 鋭い視線を向けていたエアグルーヴ先輩は安心したのか息を吐いて私と一緒に寮に入って広間の方で腰かける。ついでにスポドリを二本買ってくれて私の前に一本置いてくれた。奢ってくれたみたい。

 

 

 「ありがとうございます。んふぅー・・・で、ヨルは追い出すのですか・・?」

 

 

 「んー・・・フジキセキもみんなの癒しになっていると言っているしな。貴様がしっかり管理をするのなら許可をしよう。ただし、寮とグラウンドなどで校舎内部、教室に入れることはするなよ?」

 

 

 「分かりました。よかったよ~ヨルーうふふ。今夜は猫缶開けようか」

 

 

 スポドリを飲みつつ副会長からの許可も貰えたのを頭の上にいるヨルに言いながら頭を撫でると夜もゴロゴロと喉を鳴らしてくれる。うんうん。これからはこそこそしないで好きにしていいからねー

 

 

 「仲がいいな」

 

 

 「相棒みたいなものですから。副会長さんも撫でます?」

 

 

 「ん・・・いや、また今度にさせてもらう。今日は早めに休むといい。今度会う時はしっかり疲れを抜いてからだ」

 

 

 「ありがとうございます副会長。それじゃあまた今度―・・・」

 

 

 そういって腰を上げて移動するエアグルーヴ先輩に手を振って見送り、私とヨルは一緒にお風呂に入って綺麗にしてやった。

 

 

 水が得意でよかったよお前は。これでいつももふもふでいられるしノミとか対策になるもんね。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 「ああ”~・・・練習キッツいよお・・・・・」

 

 

 「おうおうお疲れだなあメビウス~江田島トレーナーのしごきはきっついのかぁー?」

 

 

 「うふふ。日本屈指のトレーナーの練習だもの。厳しいのでしょうね」

 

 

 風呂で疲れを落としてもまだ残る筋肉痛のせいで床にごろんと寝転がる私とそれにつられて一緒にあおむけになるヨル。ゴルシちゃんは片手でルービックキューブの3面をそろえ、ジャスタちゃんは猫じゃらしでヨルと遊んでいる。

 

 

 練習に関してはきついの一言だ。ボディバランスを鍛えると言って武術をはじめ、近々花壇の整理と農業の手伝いもするようだし、楽しいが厳しい。

 

 

 「きついよーあと、これでやっているのがきついのおー・・・」

 

 

 「ん? シューズ? でも蹄鉄が大きいような・・・重っ!?」

 

 

 「ほー? レース用、練習用にしてもすげえな。なんじゃこら?」

 

 

 「シンザン鉄だって・・・それ以外にもいろいろ・・・ん?」

 

 

 その要因の一つが私の脚力をより鍛えるためにと普通の倍近い大きさと重さの蹄鉄をつけての基礎練習、坂路に直線のダッシュ、フォーム矯正をしているのだがこれが辛い。

 

 

 ダッシュ力、瞬発力で狩りをする動物とかがいい例だけど足の接地面積は小さい。熊とかでも足のサイズでも20センチあるかどうかくらい。

 

 

 大きな体躯から繰り出されるパワーに合わない接地面積の小ささ。その分力が一点に集まるしロスも少ないから無駄なくその力を前に進める力に変えられる。だけどこの蹄鉄は大きい分力が分散すれば重い分いつも通りに動けないともきて本当に走りづらい。これを平然とつけて練習していたというシンザンさんはいったいどれほどの脚力と体力を持っていたのか。

 

 

 これからほぼほぼ毎日これをつけて早くなじめるようにしたい。そう思っているとゴルシちゃんがにやにやしながら近づいてきた。あ、嫌な予感・・・

 

 

 「ほれほれ。ここか?」

 

 

 「にゃぐぃあおおおおおお・・・」

 

 

 「ここか? ここがええのんか?」

 

 

 「ぐぅああおおお・・・ほっ、ぐほぉお・・・ま、待って・・・ぁばばばば」

 

 

 「ゴルシちゃんやりすぎやりすぎ」

 

 

 案の定ゴルシちゃんに的確に痛いところを突っつかれて痛みでのたうち回っちゃう私。やばいやばいやばい! これほんとに来る! ぐぉぉお・・・と、というか何で二人もすぐにスピカんは言ったのに平気そうなのよ・・・

 

 

 ジャスタウェイちゃんが止めてくれて、私の服を脱がせて湿布を張ってくれる。はぁ・・・ひんやりして気持ちがいい。

 

 

 「二人はそんなにきついトレーニングしていないの・・・? ふぐぐぅ・・・ふぁは・・・あ”ー・・・・気持ちいい・・・」

 

 

 「ゴルシちゃんはゴルゴル星との通信が忙しくてなー」

 

 

 「囲碁打っていただけよ。んースピカのトレーナーさんも基本好きにさせる感じだし、基礎練習と体づくりの最中」

 

 

 「そんなものなんだねー・・・はぁああ・・・はひっ!?」

 

 

 ゴルシちゃんは奇行。ジャスタちゃんは指示通りの練習をという感じ。でも、忙しいかあ。あの人の能力とウマ娘に急に触れるへんた・・・いや、情熱を持つ人なら付きっきりで練習させそうなものだけどなあ。

 

 

 スピカの方でもこの時期の練習の基準がわからないかと思っていたら急に来る湿布の冷たさに変な声をまたあげてしまう。ヨルも驚いちゃってごめんね。

 

 

 「まーリギルとかは入ってからすぐにメニューを組んで基礎練習をきつくするようだしそんなものだろ。たまに遊びに行くし一緒に練習しようぜ」

 

 

 「そうね。私もなんだかメビウスちゃんの練習内容が気になるし、トレーナーさんに伝えておいてもらっていい?」

 

 

 「いいよー私も二人とやる練習楽しみだし」

 

 

 この後、寝るまでの少しの時間過ごしていたけどその動きが全身筋肉痛のせいでロボットのパントマイムみたいだとゴルシちゃんに笑われ、なんか動画が撮られていた。今度江田ちゃんと私のトレーニング一緒にさせて筋肉痛になったら撮影してやるんだから。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 「ぜっ・・・ぜふっ・・・は・・・はー・・・はー・・・」

 

 

 「よし。これまでぇい! メビウスよ。フォームが崩れなくなってきたな」

 

 

 「あ、ありがとうございます江田ちゃん・・・どうにか靴とか諸々にもどうにか・・・」

 

 

 今日も今日とて1000メートルダッシュ5本。ただしシンザン鉄を装着したシューズでのダッシュ。フォームが崩れたら筋トレで体感トレーニング5秒追加で走り続け、もうへとへと。身体中が汗ダバダバだし、顔からぼたぼたと汗がしたたり落ちていくのがわかる。

 

 

 このシューズの重さはまだまだなれないが、それでもこのシューズで来る脚の重さは中盤~終盤以降の間隔に近いし、その中でも気合を入れて戦えるかという根性の鍛錬だと思えばまあ悪くはない。

 

 

 あ、それとトレーナーを江田ちゃんと呼ぶことも許してくれたよ。怖い顔だけど優しい人だろうなと思っていたしあっさり受け止めてもらえたからバンバン気楽に読んで色々話したい。

 

 

 「ほふ・・・ほぁわぁ・・・・アイシング気持ちいい~~・・・♪」

 

 

 「うむ。それでメビウスよ。わしは今から明日まで少し所用で外すことになっていての。その間の練習相手を用意したんだが、その子と頑張ってもらう。よいな?」

 

 

 「いいよ江田ちゃん」

 

 

 大きめのポリバケツにぶち込んだ氷水に太ももまで足を突っ込んでアイシングを開始。一気に火照った体の熱が取り払われて頭の先まで身体が冷まされる感触に悦に浸っているとここからの練習は江田ちゃん不在とのこと。

 

 

 んまー本来は私たちウマ娘たちのトレーナー業務以外にもトレーナーの卵たちの育成もしている人だしなあー新入生たちに教える授業とかそんなのがあるのかな? トレーナーとしてのネームバリューも世界で有名らしいし。

 

 

 「・・・・・・・よいしょ。はぁあーまた使えるように蓋をして・・・で、相手は誰になるの? 併走? 筋トレのケアサポーター?」

 

 

 「いや、今回はちょっと趣向を変えたトレーニングを行う。ついてこい」

 

 

 アイシングの時間になって鳴るアラームを止めてバケツから脚を抜いてタオルで拭き、靴下をはいてまた重いシンザン鉄のシューズを履いてから氷がすぐ溶けないようにバケツに蓋をする。

 

 

 その後に江田ちゃんについていくとそれは学園にポツンとあるストリートバスケのコート。トレセン学園にこんなのがあるとは。

 

 

 そこに立ってバスケットボールを持つウマ娘が一人。ジャージ姿だけどふわふわした焦茶色の髪をツインテールにしている、どこかギャルっぽい? 雰囲気の人だ。入学式で見たような気がするし、別のクラスだけど名前とか思い出せない。

 

 

 「おっそいよー江田島トレーナーさん。帰るところだったわよ~」

 

 

 「うむ。すまぬな。メビウスワン。同学年のトーセンジョーダンという」

 

 

 「メビウスワンです。よろしくー」

 

 

 「チスチス。よろしくぅ。んで? 私はこの子と相手すりゃいいのね」

 

 

 「そうよ。メビウスワン。明日のトレーニングまでトーセンジョーダンと1対1でバスケで勝負をしておけい!!」

 

 

 どうやら前もってトーセンジョーダンには話をつけていたようでとんとん拍子で話が進み、私のトレーニング内容が提示された。この子とバスケ勝負をするということらしい。でも、なんでバスケ?

 

 

 「んー・・・いいですけどなんでです?」

 

 

 「答えは明日に教えよう。さあ用意をせい。時間は待ってくれんぞ!!」

 

 

 「そーそー今日は友達と買い物行くし、チャチャっとね」

 

 

 江田ちゃんは答えを教えてくれずに急かされて私もバスケコートの中に。バスケかあ。小学校の体育の授業でやったくらいだけどうまく行くかなあ。




 馬って一部を除いて小さな動物とかに優しい子が多いですよね。ステイゴールドも猫には優しかったそうですし。


 馬って交友関係とかそういうのがわかるのが珍しいそうですが、そういう意味ではゴルシ、スぺちゃんたちってほんと珍しいのですねえ。


 ゴルシの喧嘩相手トーセンジョーダン登場。彼女自身と縁が深いのだとエイシンフラッシュもそうですがだそうかなあ。


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