バ鹿と天才は紙一重   作:ワッタン2906

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トクメイ君「さーて、投稿から3日目どうなってるかなー」

評価数100
総合評価1000越え

トクメイ君「????」

いやほんと、みんなタイシン好きすぎです。
今回はラスボスの登場です。



タイシンと皇帝

最終コーナーからゴールする瞬間まで、アタシは何も考えていなかった。

 

『おーっと!! ナリタタイシン、ここで前に出る!!』

 

周りの風景や、他の奴らを後ろへ置き去りにしていく。

ただ必死に目の前を見ながら、前へ、前へと脚を動かしていた。

 

『ナリタタイシン、脚色は衰えず!! このまま逃げ切れるか!?』

 

気が付いた時には、目の前には遮るものはなかった。

そして───、

 

『ゴール!! ナリタタイシン、ナリタタイシンが1着です!!』

ワァァァァァァァァァッ!!

 

会場が熱気と興奮に包まれ、歓声が上がり、

あれほどまで渇望してた、勝者の光景が広がっていた。

そこで我に返り、アタシはようやく気付く。

 

──アタシ、勝ったんだ......。

 

自分が勝ったことに。

 

急停止による事故を防ぐ為、ゆっくりと減速していき、やがて立ち止まる。

その間にも歓声は鳴り止まなかった。

それどころか、

 

『なんだあの子!! 追い上げがヤバいぞ!!』

 

『目を離した隙に、一気に1番前に行くなんて......なんて脚のキレ......』

 

それどころか、人より発達した耳が、風によって運ばれてきた観客達の信じられないものを見たというような声を聞き取る。

 

「タイシーン!!」

 

その声が聞こえた瞬間、

すぐに聞こえてきた場所に目線を移す。

その声の主は関係者席に居た。

 

トレーナーだ。

 

コース上のアタシと関係者席にいるトレーナーとまっすぐ目線がぶつかりあう。

そしてトレーナーは、アタシに拳を突き出してくる。

それはまるで、

 

──タイシン、見せつけてやれ。

 

そう言っているように感じた。

 

「......ふっ」

分かった。

 

 

思わず笑みが零れる。

そしてアタシはゆっくりと、観客席に拳を突き上げる。

これは宣戦布告だ、アタシを見下した奴らへの......。

そしてここからだ。

ここから始まるんだ。

 

アタシという物語は。

 

「アタシの実力!! 思い知ったか!!」

 

ワァァァァァァァァァッ!!......

アタシの行動に更に観客が熱狂へと包まれる。

その歓声は、アタシが控え室に戻るまで続いた。

 

 

お昼下がりのトレセン学園。

午前の授業が終わり、カフェテリアはお昼ご飯を求め人でごった返していた。

ウマ娘はよく食べる。

それぞれの生徒の前には、大盛りのお昼ご飯があり、それを幸せそうに食べていた。

 

そんな中、カフェテリアの一番端っこに誰にも気付かれないように座っている。そして、アタシの前にはウマ娘が食べる量にしては、控えめな......それでも一般人からしたら大盛りな量のお昼ご飯が置かれていた。

 

みんなより食の細いアタシは、普段は栄養食品などで済ますことが多い。しかし、当たり前だがそれでは当然、強い体は作れない。なので、週三で自分で作ったお弁当を持参している......のだが、昨日はメイクデビューのレースだったため、お弁当の準備する暇がなかった。

 

ならば購買に、と思って行ってみたら今日に限って仕入れ日。

仕方なくと、人混みが苦手だがこうしてわざわざカフェテリアに足を運んで来たのだ。

 

「......ん、久々にカフェテリアのご飯食べたけど、美味しい......けどやっぱり多いな」

 

これでも少なくして貰ったのだが、それでもアタシには多かった。

といっても、そのまま残すというのも勿体ないので、ゆっくりと食べていく。

 

幸いにも、今日はチケットやハヤヒデがレースで学園には居ない。

だからゆっくりと食べれる、そう思ったのだが......。

 

「失礼するよ、相席いいかな?」

 

「あ、別に......って、え!?」

 

話しかけてきた人物。

それは、無敗の三冠バ。

トレセン学園の生徒会長にして「皇帝」

 

シンボリルドルフだった。

 

 

「先日のレース見させてもらったよ。いいレースだった」

 

「ど、どうも......」

「そんなに萎縮しないでくれよ」

 

そう言いながら、彼女は紅茶に口をつける。

萎縮するな、と言われてもそんなの無理だった。

目の前にいるのは、この学園でのトップウマ娘。

ようやくメイクデビューを果たしたアタシと接点なんかない。

強いて言えば、アタシに学園の悪評を覆せと言ってきた位だ。

 

── 一体、なんで......

 

「......ふむ、ナリタタイシン。 君は今おそらく、なんで私がこの場に居るのかと疑問に思っているだろう?」

 

「..........」

どうやら、向こうにはバレているようだ。

無言で頭を振る。

 

「私が来た目的、それは君のトレーナーに言伝を預かってきたからだ。」

 

「アイツに......誰から......?」

 

「私のトレーナーからだ」

 

シンボリルドルフのトレーナー?

首を傾げる。

お互いトレーナー同士なのだから。

 

「......それって、アタシに伝える必要あります?」

 

「ああ、私も最初そう思ったのだが、どうやら私のトレーナー君と君のトレーナーは、どうやら浅からぬ因縁のようだ。 でなきゃ、わざわざ「アイツの担当バ......ナリタタイシンに伝えてきて」とは言わないだろう」

 

まあ、詳しくは私も知らないがね。

と最後に付け加え、再び紅茶に口をつける。

 

いつの間にか、喉が乾いていることに気づき、コップに入っていた水を飲み干す。

シンボリルドルフのトレーナーの関係。

アイツは一言もその事について話したことは無い。

 

ただまあ、話さないということは、話したくはない、もしくは、話すべきでは無いという事なのだろう。

気になるが、この件については触れない方が良い。

そう結論づける。

 

「事情は分かりました。 アタシがアイツに伝えればいいんですよね?」

 

「うむ......それじゃあ、言うぞ」

 

そこでシンボリルドルフは言葉を止め、

一泊、深呼吸して要件を口に出した。

 

「『URAファイナルズで勝負だ、バ鹿後輩』だそうだ」

 

「......URAファイナルズ?」

 

聞き慣れない言葉に口を傾げる。

レースの名前だろうか?

 

「ああ、そうか。......これは、本来明日に発表されるんだが、まあ君ならば問題無いだろう......URAファイナルズは」

 

 

 

「では失礼するよ」そう言うと、シンボリルドルフは席を立ちカフェテリアを出てこうとする......「ああ、そうだ」の前に此方へ振り返る。

 

「私も君と戦えるのを楽しみにしてるよ」

 

そう言うと、今度こそカフェテリアから出ていった。

そしてアタシはというと、

 

 

 

体を震わしていた。

怯えたから?

違う。

 

これは武者震いだ。

 

シンボリルドルフから教えて貰った、『URAファイナルズ』それは衝撃的な内容だった。

 

── 全てのウマ娘が、トップの座を競うことができるレース。

──それゆえ、全ての『距離』と『コース』が用意される。

──そして参加資格は、トウィンクルシリーズで活躍したウマ娘。

 

つまり、つまり、つまり!!

これに勝てば......。

 

アタシが一番という証明。

それが手に入る。

これで武者震いしないわけが無い。

絶好の機会だ、アタシの力を周りにしら示すには。

 

「......上等、なってやろうじゃんか。『ファイナルズ・チャンピオン』 !!」

 

でもアタシ一人では絶対無理だ。

アタシ一人では何も出来ない。それをこの学園に入ってから散々理解されられた。

だから、

 

── 一緒に行こう、トレーナー。

 

── アンタとなら、目指せる気がするから。

 

── 初代チャンピオンに。

 

ここには居ないトレーナーに語りかける。

そして、この事を早く伝える為に、これからのレースのことを話す為にご飯をかき込んだ。

 

 

 

その後、

 

トレーナー室に駆け込むと、昨日のアタシの観客席に向けて拳を掲げているポスターが壁を丸々一面使ってトレーナー室に貼られていたので、ビリビリに破って捨てて置いた。

 

ほんっとに、バ鹿なんだから。




Q.どうして会長がラスボス?
A.タイシンの育成で初めてのURAファイナルズ決勝戦で1着争いしたのが会長だったから。

はい、ということでこの小説のラストはそんな感じです。
でもまあ、ほとんど一話完結のほのぼのだからそんなにシリアスはならないです。
それと次は、別のウマ娘出るかもです。

それじゃあ、この辺で。

次回

温泉......今度こそ
or
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(感想も欲しいな(強欲))


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