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いや、ほんっっとにありがとうございます!!
もっとタイシンの良さを布教していかなければ。
それではどうぞ!!
(今回ちょっと短いです)
季節は梅雨。
窓から見える景色は雨で塗りつぶされていた。
そして梅雨特有の湿気がトレセン学園を襲っていた。
湿気は尻尾が生えているウマ娘にとって天敵だ。
それ故に、あまり湿度がある所に近寄りたくはない。
如何に全部屋空調があるとはいえ、トレセン学園の総生徒数は二千弱。
どうしても湿度が高くなってしまう。
お昼時のカフェテリアなんて最悪だ。
梅雨時のトレセン学園において気分よく過ごせる場所なんて無いに等しい。
だけどそれには例外もある。
「で、こうしてここに来たと」
「うん、入っていい?」
「まあ、大丈夫だ」
「じゃあ、お邪魔します」
それはトレーナー室だ。
トレーナー室の広さはミーティングルームも兼ねて設計されている為、
大体一教室分くらいある。
更には、小さいけどシャワールームや給湯室まで。
下手したら、一般的なマンションの部屋よりも豪華だ。
そして基本トレーナー室には、トレーナーの他に誰もいない。
だから、梅雨の時でも快適に過ごせる。
「梅雨の時って、トレーナー室に避難してくるのは多いらしいけどね」
アタシは初めての経験だけど、と心の中で付け加える。
何せ、今までトレーナーなんて出来た事がなかったから。
「へぇ、学園に伝わる独特の文化みたいなものか」
「そこまで、大袈裟じゃないと思うけどね」
トレーナーの言葉に肩を竦めながら、置かれているソファーへと座る。相変わらずここのソファーは高品質なのかふかふかだ。
そして思った通り、空調が効いていて快適そのものだ。
「まあ、事情は分かった。トレーニングまで時間があるから、それまではゆっくりしてていいぞ。 あと、寒かったらそこのブランケットは使っても大丈夫だからな」
「ん、分かった」
トレーナーにそう返し、
快適な環境のトレーナー室でトレーニングの時間までスマホを弄る事にした。
「そういえば、タイシンの勝負服の腰巻きってカッコイイよな」
外から聞こえてくる雨の音と、トレーナーの作業している音が響く部屋の中。
自分がやっているスマホゲームのデイリー消化が終わった頃。
突然トレーナーに話しかけられた。
「何? 突然」
「いや、この前のレースでのタイシンの勝負服見て思ったんだよ。 タイシンってああいう服が好みなのか? 」
「....まあ、どちらかというと好きかな」
「ああ、やっぱり好みだったのか、なんかこう.....タイシンらしさが出てるって言ったらいいのかな、そんな雰囲気が出てたからさ」
「普段からそういうような服も結構着るから、そう思ったんじゃない?」
そもそもアタシは流行りのファッションとか興味ないし。
だから勝負服のデザインを出した時も、私服と似たようなデザインにしてもらった。
「なるほどな、俺もさジーパン履いて、腰巻いてさ、スカジャンとか羽織ったらカッコイイと思うんだよね....こう、正義感の強い男みたいな」
そう言いながら、トレーナーはあれやこれやと、自分の思ってるファッションについて一人事を呟いている。
そんなトレーナーの独り言を聞いて、
トレーナーが実際に、スカジャンを羽織って、腰巻きファッションをした姿を想像してみるが、正直.....
「似合わないと思う」
そう呟くが、トレーナーはアタシの言葉に気付かず、
一人ファッションの話を話し込んでいる。
こうなってしまっては、暫くはトレーナーは喋り続ける。
「はあ」
そんなトレーナーにため息をついた時だった。
トレーナーのポケットから通知音が部屋に鳴り響いた。
一人騒いでいたトレーナーもそれに気付き、スマホを取り出し何かを操作していた。
「あ。もう届いたのか!!」
「届いた....って何か買ったの?」
「ああ、届いてるらしいからちょっと受けとってくる」
そう言いながら、トレーナーは颯爽と部屋を出ていった。
「...一体、何を買ったんだろ。まあ、アタシには関係ないか」
それにどうせトレーナーの事だから、ろくでもない物を買ったに違いない。
そんな本人が聞いたら怒りそうな事を思いながら、
部屋の入口から目線を逸らし、再びスマホを弄ることにした。
だけど、その考えはいい意味で外れることになる。
──五分後──
「.....正直意外だったんだけど」
何かを切る音が、部屋に響く。
「そうか? まあ、男でこれは珍しいか」
「うん、正直意外だった」
そう会話しながら、アタシたちの前にあるで、
トレーナーが買ったもの。
それは、
「トレーナーが、花を買うなんて」
──花だった。
種類は二種類だけだったが、どちらとも白い花でそれなりに本数があった。
一つは少しだけピンクがかった白い花。
もう一つは、花の真ん中が黄色な白い花。
どちらも花特有の良い匂いがしている。
「トレーナーって、花好きなの?」
「ああ、好きだぞ」
そう言いながら、
トレーナーは慣れた手付きで花の選定をしていく。
「向こうの学校に行った時も、自分の部屋には必ず飾ってたよ」
「へえ、そうなんだ。 じゃあ、これも飾るの?」
「ああ」そう言いながら、トレーナーは頷く。
「それにな、花を飾ると部屋が明るいように感じるからな、折角タイシンが来るのに暗い部屋は嫌だろう?」
そんな事を話しながらも、トレーナーはテキパキと作業をしていく。
そしてあっという間に、花の剪定が終わる。
「よし、出来た.....後はこれにと」
事前に水を注いでいた花瓶にそっと花を活ける。
そしてそれを窓際へと置く。
空調による空気の流れのおかげだろうか。
茎の新しい切り口の匂いがあたりに漂い、部屋の空気をよくしてくれたような気がした。
「この花たちの名前はな、『カモミール』と『ジャスミン』どっちも六月の花だな」
「ふーん」
「タイシンはどっちの花が好き?」
トレーナーにそう聞かれる。
正直どっちでもいい。
花なんて、綺麗ならばそれだけでいい。
だからこれといって花に好き嫌いもない。
まあ、でも強いて言うなら。
「──こっちかな」
少しだけピンクがかった白い花──「ジャスミン」を手に取る。
「....へぇ?」
「何? そんなニヤニヤして気持ち悪い」
ジャスミンを手に取ったアタシは見て、トレーナーはニヤニヤしている。
正直、引いてる。
「いや、ちょっとな。 それより、ケーキがあるんだけど食べるか?」
「....食べる」
「オッケー、じゃあちょっと準備してくるから待ってて」
「ん、分かった」
トレーナーはそう言うと、給湯室の方に向かって行った。
アタシはというと、トレーナーが帰ってくるまで、
雨の背景をバックに綺麗に飾られた花瓶の花を飽きずに眺めていた。
正直梅雨は、四季の中で過ごしにくい季節だと思う。
だけど、──こうしてトレーナー室過ごすのは悪くない。
そう思った。
カモミールの花言葉
「逆境に耐える」「逆境で生まれる力」
ジャスミンの花言葉
「愛らしさ」「優美」「清純」「喜び」「素直」
そして、
六月十日の誕生花である。
六月十日は皆さんならわかりますよね?
タイシン書くならこの話は書いてみたかった。
そしてネタがない。
これが見切り発車の末路。
ということでお題箱を設置しようかと思ってます。
じゃあ、この辺で。
(どうやら、ハーメルンのウマ娘に於いてなんかアンソロジー企画があるらしいですね、参加してみたいですけど、主催者の方とは接点がないんですよねー)
次回
↓
どうして、ゴルシが初温泉なんだよぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉ!!
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