バ鹿と天才は紙一重   作:ワッタン2906

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タイシンはかわいい(挨拶)
どうも、ワッタンです。

ギリギリ、週一更新完了!!
え?
月曜じゃない?
気にするな!!

それでは、最新話をどうぞ。

(そう言えば、エゴサしてたら投了報告があってほっこりしました)


トレーナーとの休日 前編

「よし、今日のトレーニングはここまでにするか。お疲れ、タイシン」

 

夕日が照らす練習場。

トレーナーが腕時計を見ながら、トレーニング終了の合図を送ってくる。

 

周りを見ると、徐々に他の子達も寮へと戻りつつある。

 

つい先日、アタシのトレーナーが主催の夏合宿が開催された。

ただ予算の都合上、学園が主催の合宿みたいに一ヶ月規模のような合宿ではなく、

一週間規模の合宿だったが、いつもとは違う砂浜での練習はかなり収穫があった。

事実、合宿から戻ってきてから、学園のコースを走ってみたら以前よりも自分が早くなったのを───強くなったのを感じた。

 

だけど───まだ、物足りない。

アタシが合宿で強くなったのなら、周りも同じように強くなったということ。

 

こんな事で喜んでいるようじゃあ、周りに追い付けない。

認めさせられない、見返せられない。

 

もっと、もっと強くならないと。

 

「はぁ、はぁ....トレーナー、まだやりたい」

 

アタシの言葉にキョトンとした顔でこちらを向く。

 

「まだ......って、物足りないのか?」

 

「うん。それに強いヤツらは遅くまで練習してるし、アタシもそれくらいやらないと強くなれない」

 

「うーん、ちょっと待ってろ」

 

そう言いながらトレーナーは手に持っていたタブレットを操作する。

トレーナーはああやって、アタシの走りのデータを記録している。

それ以外にも、アタシのトレーニングメニューとかも。

 

「───分かった、いいけど無茶するなよ。 一応、明日はオフだけど軽めのメニューにしとくから」

 

よし、今日は許可が降りた。

胸を撫で下ろす。

 

意外とトレーナーは、こういうのに厳しい。

前にトレーナーに言わずに居残り練習してたら、物の見事にバレて怒られ、その日から三日間は、走る事も許されず延々とレースの基礎を叩き込まれた。

 

勿論アタシもそれなりには反発したのだが、どこからか持ってきた何かしらの道具で、連れ戻され走る事は叶わなかった。

更にその時、トレーナーに。

 

『タイシンが強くなりたい気持ちは分かるけど、俺には一言掛けてくれ。 じゃないとタイシンの脚を守れない』

 

と強く言われ、アタシも反発しようにも出来ず、

それどころか、そのトレーナーの言葉に、

『......うっさい。分かったから......』

頬が熱くなるのを感じながらそれしか言えなかった。

 

だから仕方なく、こうしてオーバーワークをする時にはトレーナーの許可を取っている。

───それでも、トレーナーにも言わずに走る時はあるのだが。

 

「ん、ありがとう。 よし、じゃあ行ってくる」

 

「軽くだぞー」

 

「分かってる」

 

トレーナーにそう声を掛け、走る為に大地を踏みしめる、

 

その時だった。

何かの金属音が響く。

 

「「あっ」」

 

そう発したのは、トレーナーか自分か。

はたまた両方だったのかもしれない。

踏みしめた瞬間、急激にアタシのバランスが足元から崩れ、

そして気づいた時には、アタシの目線が芝と同じ高さになっていた。

 

「むぎゅっ」

 

変な声を出しながら倒れ込んだ。

来ていた服が濡れるのを感じ、濡れた土の匂いがアタシの鼻腔をくすぐる。

 

そこでアタシはようやく気付く。

土のコンデションは昨日の雨によって、濡れていて滑りやすくなっていた。

そんなコンデションなのに、気合いを入れすぎて、思った以上に踏み出しに力を入れすぎたのだ。

となれば、必然的にこうなってしまう。

 

 

──やってしまった......

 

「だ、大丈夫か? タイシン」

アタシの背中からトレーナーの声が聞こえてきた。

ゆっくりと地面から起き上がる。

起き上がると、自分の服から泥水と泥がこぼれ落ちてきた。

 

「......はあ、最悪」

 

「と、とりあえず、これ使え」

 

トレーナーが自分のタオルを差し出してくる。

それをひったくるようにして受け取り、顔を拭く。

拭いていくうちに、あっという間にそのタオルは、泥まみれになってしまう。

 

──トレーナーのタオル....洗って返さないと。

そんな事を思いながら顔の汚れを落としていく。

 

「ま、まあこんな日も......、って、なるほどこれが原因か......」

と、トレーナーがそこまで口に出した所で、突然地面へと屈みこむ。

 

「....原因?」

 

首を傾げる。

原因と言われれば、十中八九アタシが原因なのだが、トレーナーの言い方とすると、

まるで原因がアタシではない言い方に聞こえる。

 

「これが原因だよ、タイシン」

 

拭いていた手を止め、トレーナーの方を見る。

そこにはアタシ達、ウマ娘にとっては見慣れた、

シューズに付ける『U字』型の金具。

 

「蹄鉄?」

 

「右脚の靴。取れてるよ」

 

「え?」

 

思わず右靴の裏側を覗き込む。

そこには本来あるべき筈の物が存在しなかった。

言われてみれば、右側に重心が寄っていて普通に立ちにくい。

 

「ホントだ、取れてる」

 

「多分緩くなって、ってよく見たらこの蹄鉄擦り減ってるな」

 

右手に持ってる蹄鉄を見回しながらトレーナーが呟く。

 

「あー、そろそろ替える時期だったから....」

 

「なるほどな、替えるつもり───という事は、予備の蹄鉄は?」

 

「無い。はあ、最悪」

 

トレーナーの思ってる通り、予備の蹄鉄は今手元にはなく、

つまるところ、折角トレーナーに自主練の許可を貰えたというのに、

今日のトレーニングはこれ以上、物理的に続行できない。

 

「そっか。 という事は明日買いに行くのか?」

 

「うん、そのつもり」

 

トレーナーの問いに肯定を返す。

丁度、明日はオフだし。

面倒くさいが、デパートで蹄鉄を買いに行くことにしよう。

 

「なるほどな....よし、決めた」

 

「決めたって、何を?」

 

──何となく嫌な予感がする。

トレーナーが合宿を開催すると言い出した時と同じ、」

嫌な汗が首を流れる。

 

「俺もデパートについてくわ」

 

「はぁ!?」

 

アタシの叫び声が夕暮れの練習場に響いた。

 

──────────────────────

 

『じゃあ、明日駅前に10時前集合で』

 

そのトレーナーの言葉通りに、アタシはシューズを持って駅前に向かっている。

ただし、約束の時間の三十分前。

 

そもそもアタシは買い物に行くということはそんなに好きではない。

人はいっぱい居るし、商品を選んでいる時に限って店員が声を掛けたりしてくる。

正直うんざりだ。

 

だから、普段アタシはネット通販で買い物は済ませている──だが、蹄鉄はそうはいかない。

ウマ娘の蹄鉄はそれぞれオーダーメイド。

まず同じサイズ、形の蹄鉄は存在しない。

それゆえにネット通販では買うことはできず、こうして専門店に行って合わしてもらう必要がある。

ただ今日はついでに、練習用のシューズに付ける蹄鉄以外にも、念には念をということでレース用の蹄鉄を見てもらおうと思って持ってきている。

 

──早く買って帰ろう。

 

そう思い、早めに駅前に来た。

あのトレーナーの事だ。

どうせ約束の三十分前に来ていてアタシを待っているはずだ。

それに今回は、前回のような二の舞にならないように、

事前にトレーナーが起きているかを確認している。

 

「──ほら居た」

 

「あれ?タイシン?」

 

想像通りにトレーナーはもう居た。

いつものジャージ姿とは違い私服を着ているからか、その姿に新鮮さを覚える。

 

「早くないか? もしかして、時間間違ってたか? 」

 

「間違ってない、アタシが早く来ただけ。 ほら、もう行くよ」

 

「あ、ちょっ、もう行くのか!?」

トレーナーがアタシが歩き始めるのを見て、

慌ててスマホをショルダーバッグに収めようとしている。

 

「早くしないと置いてくよ、トレーナー」

 

そう言うと、スタスタとデパートへと歩き始める。

お互いの距離は、近すぎず遠すぎない距離で。

 

こうして、トレーナーとの休日が始まった。

 




はい、タイトル通り前編です。

実はこれ書いてるときに、ある曲聴いてたんですよね。
URL貼っておくから聞いてみてね
ちなみにようやく僕はその曲を買いました。

それと宣伝です。
僕の知り合いに自分が一番好きなキャラをかたくなに出さない作家さんがいるんですけど、ようやく自分の好きな子メインの小説を出したそうなので読んで上げて下さい。
僕のより遥かに面白いです。


それでは、次のお話でお会いしましょう。

(やっと、小説で出したい子が当たったよ......)


聴いてた曲


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