バ鹿と天才は紙一重   作:ワッタン2906

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タイシンはかわいい(挨拶)
どうも、ワッタンです。

遅れてしまって申し訳ないです。
色々と何かしてました。
それと、今回も難産だったんや、許して
あと、タイトルはふざけました。

それでは、最新話をどうぞ。



ゴルシ、襲来

 

「お、居た居た。 よーし、大人しくしろよー」

 

「ちょ、ゴルシ!? いきなり何で!? 」

 

それは一瞬の出来事。

トレーナーがゴルシと呼ばれたウマ娘に簀巻きにされてあっという間に肩に担ぎ上げられた。トレーナーは勿論抵抗するが、相手はウマ娘だ。勿論かなうわけがない。

 

──ゴールドシップ

 

トレセン学園に所属している者なら誰もが知っているウマ娘。思い立ったら即行動、隙あらば変な行動をしている学園きっての奇人ならぬ奇ウマ。だけど偶にレースに出たと思ったら一着をかっさらっていく。だから世間から見ても、アタシからしても「何一つ考えている事が分からない」という評価だった。

 

「いやな、ゴルシちゃん宅急便に依頼が入ったんだわ、トレーナーをご所望だってさ」

 

「いやいや、それ宅配じゃなくて、誘拐じゃねーか!?」

尚もジタバタと抵抗するトレーナー。

 

──そして何かとうちのトレーナーに絡んでくる。

 

「おい、おい、暴れんなって。──というわけでタイシン、コイツ借りてっていいかー? 」

 

「え、俺の意見は? 」

 

「そんなものマリアナ海溝に沈めてきたぜ」

  

「それじゃあ仕方ないな」

 

「いや、諦めないでよ」

そしてトレーナーも質の悪いことに、ゴールドシップの悪ノリに乗っている。パッと見気が合わなさそうな二人だが案外そうでもないらしい。

 

「それでタイシン、答えはどうだー? 」

 

「.....どうも何も」

 

勿論答えはノーだ。

 

アタシに直接的な被害は無いにせよ、ゴールドシップの悪ノリに自分から乗ってるにせよ、トレーナーがひどい目に合いそうな時は見過ごせない。トレーナーが連れてかれるのはきっと、あの部屋だ。尚更OKなんて出すわけがなかった。

 

それにアタシは今、すごく疲れている。昨日夜遅くまで、自分が遊んでいるてるゲームの育成素材を回収していたせいだ。だから今すぐにでも、誰の邪魔が入らないトレーナー室で仮眠を取りたい。そう思っていたトレーナー室に入ったらこの様だった。正直、早くこの目の前の光景から解放されたい。

 

「──良いよって言うと思う? 」

 

不機嫌丸出しの声でゴールドシップに言葉を返すが、当の彼女は「まあまあ」と言いながら悪びれた顔もせず、顔には笑顔を浮かべていた。

   

「どうしてもダメか? 」

 

「当たり前」

即答で返す。

 

「意思は固いようだな....よし、じゃあアンタに良い情報を提供しようじゃねーか」

 

「情報....? 」

 

「おう、アンタにとって有用な情報だったらトレーナーの事を諦めてくれよな」 

 

このまま押し問答になるかと思いきや彼女から意外な提案が出る。

──情報提供

彼女の言葉を信じるなら、情報を提供するからトレーナーから手を引けという事だろう。

 

「有用な情報...って、それを信じるに価する根拠は? 」

 

「そればっかりはゴルシちゃんを信じてもらうしかないな。 それにタイシン、お前も気づいてるんだろ? 」

 

「な、何が....?」

 

先程までの笑顔なままで、意味深な言葉をアタシに告げた後どこからか、人間用のヘッドホンを取り出した。

  

「それじゃあ教える前に....こいつをトレーナーにっと」

 

肩に担がれているトレーナーにゴールドシップは器用にヘッドホンを被せる。

 

「え、俺なの? というか聞いちゃダメなのか? 」

 

「ガールズトークを聞くなんて、トレーナーは変態なのかー? 」

 

「いや、タイシンはともかくお前がガー「今なんか言った? 」....な、なんでもありません」

 

「余計な事を言わないが身のためだぞー」

 

そう言いながらゴールドシップは手元の端末を操作する。どうやらあのヘッドホンは無線だったようだ、先程までうるさかったトレーナーが静かになる。

その様子はトレーナーが、餌付けされる動物のような感じを覚える。

 

「これで、良しと.....って、タイシン何でそんな顔してるんだ? 」

 

「その、何というか、あとで叱っておこうかと思って」

 

「なんだそりゃ──まあ、いいけどよ。それじゃあ早速、本題に入らしてもらうぜ」

 

後でトレーナーの事を叱っておくことを決意して、ゴールドシップの方をしっかりと見据える。一体彼女が何を気づいたのか、それをしっかりと聞く必要がある。

ただアタシは薄々と気づいていた、トレーナーと気が合うということは思考回路が彼とほぼ一緒という事、つまりトレーナーの考えていることはある程度分かる、つまりゴールドシップが言いたい事は十中八九──。

 

「....お前のトレーナー結構無茶してるだろ、それこそ結構な頻度で徹夜とかもやってるだろ」

 

──トレーナーが無茶している事だろう

 

「──いつ気付いたの? 」

 

「一週間前ぐらいかな、最初は疑問だったけど、昨日ある人から教えてもらって、確信って感じだな」

 

いつの間にか笑顔が消えた顔で真剣な目で話し掛けてくるゴールドシップ。その視線にいたたまれず少し居心地が悪くなる、ゴールドシップにしては珍しいその真剣な目つきは、トレーナーがそうなったのは──。

 

「それで、アタシを責めるの? 」

──アタシのせいだと、訴え掛けてくるよう気がしてくる

 

「責める? 何でだ?」

 

だがゴールドシップはアタシの言葉を聞くとキョトンとする。

 

「.....トレーナーがあんなに無茶するのは、アタシが原因だってこと」

 

目線を床へと落とす。

トレーナーが明らかにオーバーワークをしている原因、それは紛れもなくアタシだ。

アタシが弱いから、トレーナーに無茶をさせている。トレーナーからすれば、「気にするな」というのだろうが、アタシの個人的な夢の為にトレーナーがそこまで無理する必要はない。無茶するのはアタシだけでいい、だからアタシはこれからゴールドシップが言ってくる非難を受け入れ、そう覚悟した。

 

「ふーん、そんなことか」

 

だけどそうはならなかった。ゴールドシップの間延びした声がトレーナー室に響く。

 

「そんな事.....って、明らかにトレーナーは、アタシが原因で...「トレーナーが担当に無茶するのは当たり前だろ」...えっ」

 

床に落としていた目線をあげる、目線を上げたその先、ゴールドシップはいつものように笑っていた。

 

「確かにタイシンの言う通り、トレーナーにはあまり迷惑を掛けたくない気持ちは分かるけどな、トレーナーっていうのは好きでアタシらに世話を焼いてるんだ、何故だか分かるか? 」

 

「....分からない」

 

「まあこれに関しちゃあ、アタシもトレーナーの受け売りだからなー、まあヒントを上げるとするなら、()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()

 

──俺は君のトレーナーだ、最後まで君と一緒に夢を追いかけるよ。

あの時トレーナーが言った言葉。

ゴールドシップの言葉を鵜吞みにすると、この言葉以上な理由でトレーナーがアタシの為に無茶をする理由がある。だけどそれ以上の理由なんて、アタシには.........。

 

「──ゴメン、まだ分からない」

 

「そうか.....まあ気長に見つけてけばいいさ、っと話はそれたが、今回、こいつを連れていく理由は、無茶をさせないようゆっくりと休ませようと思ってな、うちの部室に連れて行ってゴルシちゃん考案のリラクゼーションを受けて貰おうと思ったわけだ」

 

ゴールドシップからトレーナーを連れて行こうとした理由を聞かされる。彼女は彼女なりにトレーナーを休ませようと思ったらしい。行き先があのマッドサイエンティストが居る理科室じゃなくて一安心する。

 

「....ん、分かった。連れて行っていいけどそいつをしっかりと休ませてやって」

 

そういうことならアタシが断る理由はない。それにトレーナーのことを理解している彼女なら、必要以上にトレーナーのことを変にはしないだろうと判断する。

 

「あいよ、ゴルシちゃんに任せろ、それじゃあっと」

ゴールドシップがトレーナーの耳からヘッドホンを取り外す。

 

「お、もう終わったのか、ガールズトークって奴は?」

 

「まあ、そういうこった。無事にタイシンの許可が下りたからお前を連れてくぞー」

 

「ええっ、マジ!? タイシン!?」

 

またジタバタしながらトレーナーがアタシの方を見ようとするので、トレーナーの前に行き一言。何も知らないトレーナーからしたら少しかわいそうな気がしたが構わず言い放つ。

 

「うん、そういう訳だから、行ってらっしゃい」 

 

そう言い放った直後、ゴールドシップが颯爽とトレーナー室から出ていった。背中に担がれたトレーナーは悲鳴を上げながら。

そして静かになったトレーナー室、アタシはソファーに横になる。

 

──気長に見つけてけばいいさ

 

先ほどのゴールドシップが言った言葉が脳を駆け巡る、暫くゴールドシップ言った意味を考えていたが、ほとんど限界だった為、すぐに意識がまどろんでくる。

 

「.....おやすみ、トレーナー」

 

そう呟くと、アタシは夢の中へと沈んでいった。

次の日、トレーナーから「めっちゃ、体軽くなった」と言いながら、アタシに報告してきたのは別のお話。

 




はい、タイトルからは考えられない割とシリアスでした。
本当は前話にでたこの話を書きたかったんですが、こっちの話の方が先に思いついたのでこの話でした。

これからも遅くなることは多々あると思いますが暖かい目で見守ってくれると幸いです。
それでは、次のお話でお会いしましょう。

(タイシン.....スカート.....(絶命))


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