元軍人トレーナー   作:ユウ0725

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第11話

俺は短く息を吐き、目を閉じる。

 

そして、一気に限界まで殺気を撒き散らす。

 

近くでトレーニングしていたウマ娘は、震え上がりこちらを向く。

 

それにわき目も触れずスマートファルコンに向かって走り出す。

 

「はぁはぁ………えっ? ぴぃやぁぁぁぁ!」

 

スマートファルコンは、悲鳴を上げながら弾かれたように走り出す。

 

「テメェ! 二度はないぞ!」

 

「ご、ごめんなさいぃぃぃ!」

 

俺は全力で追いかける。

 

ウマ娘と人間の身体の違いの関係上勿論追いつくはずは無いのだが、後ろからの全力のプレッシャーと走っていた疲れにより、徐々にスマートファルコンは追いつかれ出す。

 

「なんで!? なんで引き離せないの!?」

 

「テメェの走りが崩れてるからだ! さっさと立て直せ! しばくぞ!」

 

「ひぃぃぃ!!」

 

それを見ていたウマ娘達はのちにこう言った。

 

『ファルコが勝つ様になったのは見てて嬉しいけど、あの練習だけは絶対に、生涯やりたくない。』

 

追いかけ出して、1時間が過ぎる頃、タイマーの音が鳴った。

 

「お、終了か。」

 

俺は追いかけるのを止めて、殺気を収める。

 

「はっ、はっ、はっ、し、死ぬかと思ったぁ〜………。」

 

辛うじて逃げ切ったスマートファルコンは、ダートということも忘れて、仰向けに倒れた。

 

「うん、最後は良かった。その感覚を忘れるなよ? 忘れたら、分かってるよな?」

 

「わ、分かりましたぁ………。」

 

俺は大きく深呼吸をすると、私服の上着を脱ぎ、タンクトップ1枚になる。

 

「あっつ。全く、久々に体を動かした。ちょっと疲れたくらいか?」

 

少量の汗が頬を伝う。

 

(((アレだけ追いかけて、少し疲れただけで済むなんてなんていう化け物よ!!!)))

 

「スマートファルコンは10分休憩して、その後にトレーニング開始だ。それまでに呼吸を整えておけ。」

 

「は、はいぃぃ〜。」

 

さてと、ハルウララの方はどうだ?

 

寝てはないが、雑念が多いな。

 

「ハルウララ、雑念が多いぞ。頭を何も考えずに真っ白にしろ。余計なことを考えるんじゃないぞ?」

 

「はい!」

 

そう伝えると、さっきよりはマシな瞑想ができる様になっていた。

 

「よし。それを続けろ。寝たら分かるよな?」

 

「は、はいっ!」

 

若干、身体が跳ね上がったが、すぐに瞑想に移った。

 

ハルウララは暫くは大丈夫だな。

 

「スマートファルコン、次は中距離2000mを走ってもらう。その時には重りを外してよし。だが、俺の判断でまた装着してもらうからな。」

 

「はい! ファルコ頑張りま〜す!」

 

「よし、その意気だ!」

 

スマートファルコンは重りを外し出す。

 

「スマートファルコン、重りを外すということは、着けていた時に比べて身体がかなり軽く感じるはずだ。その時に注意するのは足だ。」

 

「足?」

 

「そうだ、足が後ろに流れやすくなる。これは、足が後ろに流れる事により、折角地面を蹴って力を伝えているのに、その力が全て流れて、推進力が落ちてしまう。これに注意して走れ。いいな?」

 

「はい!」

 

「よし、そしたらスタート位置につけ。タイムを計測する。」

 

「よ〜し! ファルコいっきま〜す!!」

 

スマートファルコンはしっかりと足首の柔軟をして、スタート位置についた。

 

「それでは始める。」

 

スマートファルコンは構える。

 

「用意、スタート!!」

 

その瞬間、スマートファルコンの姿が一瞬消えた。

 

そして、盛大に地面に顔面からダイブしていた。

 

 

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