会場に着いて筆記試験を受けたが、
『なんだこれは? 現役の時の将官昇任試験に比べたらかなり簡単じゃないか。この程度であれほど頭を悩ますほどか?』
俺は全て解答し、20分経ったので会場外へ離席した。
いやぁ、あの時の試験官の顔は忘れられねぇな。
目を点にして、解答と俺を交互に見てくるもんだからさ。
笑いを堪える事に必死だったよ。
ま、問題が間違っているのもあったから、丁寧に間違いを書き直しておくのと同時に、正しい答えを記入して、理由付けまでしておいたからね。
「ふむ、次までやる事が無くなってしまったな。」
転生した身であるから、携帯もないから時間を潰せない。
持ち物は、嗜好品として軍服に入っていたタバコと、スキットルに半分くらい入っているお酒くらいだ。
「一服するか。」
しかし、未知の場所でもあるから場所が分からない。
「職員に場所を聞きたいが、見当たらないな。」
とりあえず、目の当たりにした者に尋ねるとしよう。
そう考えていると、丁度通り掛かった。
「すまないが、そこの眼鏡をかけた人」
「ん、私?」
いかにもキャリアウーマンみたいな雰囲気の人に声を掛けた。
「イエス! ちょっとお尋ねしたいのですが、お時間は宜しいかな?」
「ええ、少しなら構わないわ。」
こちらに向き合ってくれる。
「助かる。えっと、喫煙場所を探しているのだが、教えてもらえないだろうか?」
「喫煙場所だったら、隣の職員棟の屋上にあるわよ。」
「職員棟か。受験者は立ち入れますか?」
「受験者? もしかして貴方受験者なの?」
驚いたように聞いてくる。
まあ、試験会場から30分しか経ってないからな。
「ああ、誤解しているようですが、試験は受けましたし、問題は全て解答欄を埋めましたよ。ついでに間違ってる所もあったので、書き直して、理由付けまでしておきました。」
「え?」
この人もかいな………。
「それで、話を戻しますが、受験者も入れますか?」
「え、えぇ。試験期間中は、解放はされてるから行けるはずよ。」
「丁寧にありがとうございます。」
俺は一言お礼を言って歩き出す。
そして、すれ違いに一言伝えた。
「オタクの皇帝サマ、そろそろ休ませてあげないと身体壊れちまうよ。左足首と、股関節右側を触診して確かめてみることだな。」
その言葉に目を見開く。
「貴方は一体!?」
「ただのお節介だよ。ま、騙されたと思って、やってみるといいさ。学園最強チームのトレーナーサマ。」
俺は右手を振りながら、喫煙所に向かった。
「アレがただの受験者? 冗談じゃない。」
そのつぶやきは誰にも聞き取れず消えた。