違う世界線の話になります。
謹慎の3日目あたりだろうか?
部屋にいるだけだから、何となしにテレビをつけてみたんだよね。
そしたらバラエティ番組で特集をしてたんだよ。
『現代に名を残す偉人達』ってね。
なんとなくコーヒー飲みながらこれを見てたんだけど、あるコーナーでとんでもないのを発見してしまったんだよ。
『では、ゲストの方に聞いてみたいと思います!』
そう司会の人が言って映し出したのは………
「ンン〜〜〜〜〜??」
どっかで見たことある顔だな?
『はい、ゲストとして参りました。『星崎澪』です。』
俺は名前を聞いた瞬間にコーヒーを吹き出した。
「はぁ!?」
そんな俺の心は知らんとばかりに番組は進んでいく。
『星崎さんが思う偉人は誰ですか?』
司会が尋ねる。
『私が元特殊部隊にいたのはご存知ですよね?』
『はい、存じていますが……』
『私は当時隊長をしていた『榊龍一』隊長と言います。』
『何故でしょうか?』
『何故と聞かれると、彼はどの完璧な軍人はこれまで見たことがありません。作戦に戦闘、個々の能力の見極め、そして癖の強い連中の統率が取れたのですから。』
『そんなにすごい方なのですね?』
星崎は首を横に振る。
『凄いなんて言葉では言い表せないです。私達の部隊の教訓は聞いたことありますか?』
『はい、確か……『一個中隊』でしたよね?』
『そうです。これは、個人の戦闘能力が1つの中隊に匹敵すると言う意味で付けられています。そのせいか、所属していた人数は10人もいませんでした。でも、戦地ではその少人数で大隊規模の敵を斃してきました。』
『普通なら負けそうな戦力差ですね。』
『そうですね。個々の能力が異常すぎたからですね。例を上げるとすれば跳弾で一気に3人も撃ち抜く狙撃手とか、ね?』
司会の顔が若干引き攣っている。
『お、恐ろしい集団ですね。』
『その中でも隊長は群を抜いてました。』
『例えば?』
『戦闘機に片手で捕まり、亜音速の中で敵を撃破し、次の戦闘機に飛び乗る。その戦闘機をそのまま飛んでる状態で鹵獲します。鹵獲した戦闘機で敵陣地のド真ん中に突撃、単身で大隊規模の敵を殲滅してました。』
『生きているんですか?』
『勿論です。しかも、邪魔だからと言う理由で武器は現地調達ですよ? 最初の方は徒手で倒していくんですから。』
このアホ!
なに勝手にベラベラ喋ってるんだ?!
『ちなみに私は、パラシュートなしで空挺降下ができますよ?』
『十分おかしな集団ですよ!!』
『ですが、味方の裏切りによって私達はバラバラになってしまいました。隊長だけ見つかってないのです。』
『そうだったのですか………。』
『まあ、裏切り者はすぐに見つけて、ロケットに括り付けて、宇宙に裸で飛ばしましたけど。』
『あんたらの部隊の人間の方が恐ろしいわ!!!』
司会が叫ぶ。
『まあ、私は戦場から退き、このように社会に適合してるのですから。他の人も溶け込んでますよ?』
『そうだったのですね。他の人は一体どんな職業に?』
『ん〜、大半が警備会社かな。一部は自分たちの趣味の物作りとか、畑とかしてるよ。』
『なんというか、意外ですね?』
『さっきの話を聞いたらそう思っちゃうよね?』
『星崎さんはどう言った職業に?』
『SM』
『はい?』
俺は画面を二度見した。
『だから、SM嬢だよ? ちなみにM担当よ。』
『そんな情報聞きたくねぇよ!!』
『フヒッ! おっと、失礼しました。少々その罵倒が心地よくて。』
『もうダメだ。なんでこの人ゲストに呼んだんだ?』
『いやぁ、テレビだからこそ言いたいことがありましてね?』
『ロクでもなかったら張り倒しますよ?』
星崎は体をクネクネさせる。
『それはそれでご褒美なのですが、置いときましょう。では、気を取り直して。………隊長、見ているんでしょう? 近いうち逢いに行きますからね? 20年前に居なくなって私達がどれだけ探したことか。』
司会も静かに聞いている。
『貴方が居ないからご褒美くれる人がいないじゃないですか!!』
「結局それかい!!」
『このアホ引っ張り出せぇぇぇぇぇ!!!!』
黒い服の男達に引っ張られていく星崎
『あ、ちょっと! まだ、言いたいことが! せめて、乱暴に適当に運んでくれると嬉しい!!』
『もうお前黙ってろ!!!』
司会は息を切らせて叫ぶ。
『はあ、大変失礼しました。一旦コマーシャルです。』
俺はテレビの電源を切った。
そして頭を抱える。
「はあ、あのバカが謹慎終わったらどうするんだよ。」
それよりも………
「近未来の転生だったのかぁ。」
まあ、驚きはしなかった。
「ま、いつでも俺は俺だ。この時代を楽しむだけだな。」
俺は口角を少し上げて笑った。
そのあと、スマートファルコンとハルウララから電話が来た。
簡潔に言うと、『あたおかは教官じゃないか』とのことだ。
コイツらテレビ見てたのかよ。
今度会ったら、全力で追いかけてやろう。