元軍人トレーナー   作:ユウ0725

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21話

謹慎が終わって理事長室に行き、今後はこんな事がない様にとありがたいご指導を受けて、グラウンドに来てみた。

 

「お〜、やってるやってる。」

 

1週間前見てやったスマートファルコンとハルウララが一生懸命に練習をしてた。

 

「ほお?」

 

よく見るとスマートファルコンは重りを付けて練習をしていた。

 

「ふむ、いい心掛けだが無理し過ぎて疲労が抜けてないな。」

 

少し考えていると、スマートファルコンがこちらに気付き、手を振りながらこちらに駆け寄ってきた。

 

「おはよう教官!」

 

「おう、少し無理しすぎだな。」

 

「あはは。」

 

「疲労が抜けてないから練習強度が下がっている。2日休みを取れば元に戻るぞ。」

 

「やっぱり教官には敵わないね。」

 

力無く笑う。

 

「教官に教えてもらって、模擬レースの申し込みとかされて受けたんだけど、あの日以来中々勝てなくて……。」

 

「そりゃそうだろ。あの日が俺が仕上げた最高の状態だったからな。」

 

スマートファルコンの目が点になる。

 

「あくまで調整だぞ。育成じゃないんだ。そりゃあの日を過ぎたら落ちていくだけだしな。」

 

「なにそれ!!!」

 

育成と勘違いしていたスマートファルコンに俺はある動きをする。

 

片足を上げて肘から上を胸あたりに持っていき、手首を曲げて左右に振る。

 

「教官、馬鹿にしてるのだけは分かるよ?」

 

「ダダダダ駄目ファルコン笑」

 

「教官!!」

 

俺は笑いながらその動きを続ける。

 

「頭がおかしいのはアイデンティティさ笑」

 

「むー!!」

 

スマートファルコンはむかれた。

 

それを見て満足した俺は動きを止める。

 

「んで、用事は何だ?」

 

俺はふざけるのを止めて本題を聞く。

 

「私を勝てる様にして下さい。」

 

スマートファルコンは頭を下げてきた。

 

「ふむ、お前は他の奴らの所に行ったのか?」

 

スマートファルコンは頭を上げてこちらを見る。

 

「何人かは行ったけど、どうしても練習内容が合わなかったの。」

 

俺は冷や汗が止まらなくなった。

 

ヤバいよヤバいよ。

 

え?

 

たった1日でここまで扉を開きかける?

 

「アレよりキツくなるぞ?」

 

「え? アレよりも?」

 

若干顔が引き攣っているが、嬉しそうな色も混ざっている。

 

失敗した。

 

完全に扉開いてるじゃん。

 

「はぁ、分かった。シニア期までにはポン帝や怪物に負けないように鍛えてやるよ。」

 

「ありがとう教官!」

 

「教官じゃない。もう、トレーナーだろう?」

 

「!? はい! トレーナー!」

 

スマートファルコンは嬉しそうな顔を浮かべると練習に戻っていった。

 

俺は携帯を取り出し、おハナさんに電話をかける。

 

3コールもしないうちにおハナさんは出た。

 

『貴方から電話なんてどうしたの?』

 

「また、出来てしまいました。」

 

『は? 何の話なのよ?』

 

「ドMが出来てしまいました。」

 

電話越しにガシャーンと音が聞こえた。

 

「どうしましょう。」

 

『私はなにも言えないわ。因みにどの娘?』

 

「スマートファルコンだ。」

 

『………どんまい。』

 

「どこで失敗したんだ! 調整は完璧だった筈だ!」

 

『私に言われても知らないわよ。あと、謹慎前の約束ほったらかした事に関しては許さないからね?』

 

それを最後に電話が切れた。

 

「憂鬱だ。ダダダダ駄目トレは俺でしたっと。」

 

まあ、何とかなると思いながら仕事に向かっていった。

 

 

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