ブレイクダンスをスマートファルコンに教えた後、たづな秘書にこの話を持ちかけてみた。
「え? うまぴょい伝説の振り付けを覚えたいから、私と桐生院さんと理事長代理でやって欲しいと?」
「ええ。俺がスマートファルコンを受け持ったのは知ってますよね?」
「それは勿論です。」
「俺が担当したからには、1着以外あり得ません。そしたらURAのダート部門を優勝するのは間違いないと確信しています。」
俺は自信を持って答える。
「は、はぁ。」
「だからこそですよ。スマートファルコンにあの大舞台でセンターとして踊って貰いたいから、振り付けを教えたいんですよ。でも、俺はうまぴょい伝説の曲自体を知らないんですよ。」
「そうですか。まあ、元軍人なので娯楽には疎いと思いますが……何故、私たちなのですか?」
純粋な疑問で聞いてくる。
「正直に言います。覚えてもないし、知らない曲を男の俺が踊り出したらどう思いますか?」
「……ああ、そういうことでしたか! それなら分かりました! 2人には私から伝えておきます。」
「ありがとうございます! ちなみに見るのは俺だけなので、周りの目は気にしないでいいですよ。」
「そうですか。確かに、私も少し恥ずかしいです。」
俺は内心ガッツポーズをした。
さて、理事長代理さん?
貴方の運動神経の無さを見せてくれ!
そこから1度解散して、2時間後に再度集合することになった。
俺は弄れるのが楽しみで仕方ない。
さて、どうやって時間を潰そうかな?
適当に敷地内をブラブラしていると、反対側から理事長代理が某魔術師殺しのように絶望した顔をして歩いてきた。
それで俺のツボに1ストライク
そして歩いている時に、左足を挫いた。
2ストライーーク
そして、トドメと言わんばかりに思いっきりズッコケた。
ストライーーーク!
バッターアウト!!
俺は我慢できずに、ゲラゲラ笑い出した。
「ヤハハハハッ! は、初めて見た! 目の前で何もないのに転ぶ人!!!」
いや、初めてじゃないな。
軍属の時に部下のを見てたな。
まるでピタゴラ○イッチみたいだったなぁ。
まず転ぶとき、引っ掛けていた物干しを巻き込んで、物干しに掛かっていた物全てがそいつに降り注いだ。
トドメと言わんばかりに物干しに引っ掛けてあったタライがそいつの頭に直撃した。
アレはもう傑作だった。
「ブフッ、理事長代理大丈夫ですか?」
「あ、ありがとう。」
そのままなのは気が引けるので、理事長代理を起き上げる。
「どうしたのですか?」
「実は、2時間後にうまぴょい伝説を踊ることになりました。」
「それで?」
「私、全くと言っていいほど運動が出来なくて、どうしようかと悩んでいたのです。」
「そうですか。ちなみに、踊ってもらうように言ったのは俺だ!!!」
「え!?」
理事長代理は顔を上げると俺を見て驚いた。
「あ、貴方はさっきの……!」
「ヤハハハハッ! 楽しみにしてるぜぇ! 理事長代理サマ!」
俺は、笑うだけ笑った後に逃げ出した。
「あ、ちょっと、待ちなさい!」
後ろから声が聞こえた後に、『へぶっ!』と声が聞こえた。
おそらく転んだのだろう。
さぁて、2時間後が楽しみだなぁ。