「よし、今日は終わりだ。」
「はいぃ〜。疲れたぁ〜。」
スマートファルコンは、汚れることすら気に留めず地面に寝転がった。
「我ながら厳しく設定したが、まさかやり遂げるとは驚きだな。」
内心かなり感心していた。
朝練の時の坂路ダッシュを60本追加したが、かろうじてコイツはやり遂げたのだ。
まあ、後半はかなりバテていたがな。
「取り敢えず、1週間は坂路ダッシュを繰り返す。坂路のメニューで身体を作ることにより、他のウマ娘よりスタミナとスピードが格段に上がるからな。」
「はぁい。」
「しかし、その分の怪我をしやすい。特に、膝から下に痛みを感じたらすぐに報告するように。しなかった時は、な?」
「え? 何? 私何されるの? 凄く怖いんだけど?!」
「金輪際運動ができなくなっても良いんなら、報告しなくてもいいがな。」
スマートファルコンは首を大きく横に振り、
「します! ちゃんとします!」
大声で言ってくれた。
「それなら良い。さて、そろそろ終わろうか。スマートファルコンも夕飯と門限もあるだろ?」
「そうでした! お疲れ様でした!」
「はいよ〜、お疲れさん。」
スマートファルコンは早々に帰っていった。
さて、俺も帰る前に1本行きますか。
「すまない、少し良いだろうか?」
「ん?」
そこには芦毛のデカいウマ娘がいた。
「おや、デカバナナ先輩じゃないですか? 何用で?」
「誰の頭がデカいって?!」
わぁお、コンプレックス引き当てちゃったみたい。
「はい、カリカリしない。んで、聞きたいことって?」
「あのメニューは理にかなっているのかと思ってな。」
なるほどねぇ?
「じゃあ逆に聞くが、3年間クロカンを走ったやつと、平坦な競技場を走った奴が一緒に走ったら、どっちが勝つと思う?」
「………平坦な方か?」
「ブッブ〜ハズレだ。正解は逆だ。クロカンは簡単に言うと山道だ。アップダウンのある道を走る。んで、片方は何の起伏もない平坦を走る。山道を走ることにより体幹も鍛えられる。それに、坂を駆け上がるから、当然脚力も付く。そんな強化された奴が、何の障害もない平坦なところで走ったらどうなる? そりゃあ、圧倒的に勝つだろうな。」
「そう言うことか………。」
理解したように頷いている。
「そそっ、理解が早いようだから言うけど、コレで身体を作ってやってると言うことだ。」
「そうか。ただの根性論だと私が勘違いしていたようだ。」
「わかれば良いのさ。話は終わり?」
「ああ、済まないがそれだけだ。」
「いや、別に構わんぞ?」
「引き止めて悪かった。」
「はいはい、んじゃあの、ビッグバナナ。」
俺はそう言うと同時に走り出した。
後ろから『私の頭は大きくないぞ!!!』と聞こえてくるが無視した。
さて、ネタができた。
次は、どうやってイジろうか少し楽しみになった。