「理事長これを。」
緑色のスーツの女性からある答案用紙が渡された。
「驚愕! 何なのだこの点数は!?」
理事長は答案用紙を見て驚く。
何故なら回答がほぼ満点なのに対し、気付かないような間違いも修正してあるからだ。
「こんな点数これまでで見たことがありません。」
「肯定。その通りだ。どうしたらこんな点数が取れるのかが不思議なくらいだ。」
「試験官によると、開始20分でこれを提出して退出したそうです。」
「何と!?」
さらに驚く。
何故なら、このトレセン学園の試験は合格倍率がかなり高いうえ、試験問題もかなりの難易度となっていて、年間でトレーナーになるも者は、ほんの数名程度である。
その問題を開始20分で解き、かつ間違いまで書いて出すことなど前代未聞だったのだ。
「その者の写真はあるか?」
「こちらに。」
緑のスーツの女性が出したのは、試験会場に私服で現れた彼であった。
しかも、学園の監視カメラで撮ったにも関わらず、カメラに目線を向けているというオマケ付きである。
「この者は監視カメラの場所が分かっているのか!?」
「恐らくは気付いていると思います。」
「何と末恐ろしい。」
その時、ドアがノックされる音が聞こえた。
「理事長、シンボリルドルフです。」
「許可! 入っていいぞ!」
入ってきたのは、彼にアドバイスを受けたウマ娘だった。
「理事長、相談があるのですが。」
彼女は、真剣な表情で向き合う。
「本日、試験を受けに来た男性について尋ねたいのですが。」
「確認! 男性というのはこの者か?」
先程の写真を見せる。
ルドルフは目を見開く。
「肯定。やはりか。」
「何故、彼だと分かったのですか?」
「この答案用紙を確認してみよ。」
渡されたのは彼が書いた答案用紙だ。
目を通して行く度に、表情が硬くなる。
「これは、所属しているトレーナーも分からない知識がありますね。」
「肯定! その通りだ! ここに来るということは、彼と接触したと考えられる! 彼について分かることを教えてほしい!」
ルドルフは目を閉じ考える。
「私が背後から声を掛けたら、間合いを取って、左手を右鎖骨あたりまで持っていってました。」
その言葉に2人が目を見開く。
「それは本当なのですか?」
「確認! 確実に間合いを取ったのだな?」
「はい、間違いなく取りました。」
緑のスーツの女性と理事長は目を合わせる。
「たずな。」
「はい。間違いないと思います。」
2人は目を合わせて頷いた。
「どうしたのですか?」
ルドルフだけは、ついていけてないようだ。
「解答! 彼の名前は恐らく偽名だろう。そして、正体は………。」
「正体は?」
「間違いなく、元軍人だ。」