約30分位説教を受け、今は今後のことについて話し合っている。
「まず、貴方の本名を教えてください。」
俺は目を見開く。
「お、偽名ってのが分かったのか?」
「調べましたから。」
こわっ!
まさしく緑の悪魔じゃないか!
「こわっ! まあ、偽名を書いた俺も悪いんだけどさ。」
俺は軍属の時に使っていたドッグタグを懐から取り出す。
「ほい。『榊龍一』これが本名さね。」
そして、そのタグを理事長に渡す。
「確認! しかし、それ以外にはないのか?」
痛いとこ突いてきやがる。
「なら、ほいっと。」
俺は運転免許証を渡す。
「うむ、確認した!」
「最初からそっちを出せば良いのでは?」
「そこ、うるさい。」
女性トレーナーに釘を刺す。
「証明できるのはこれぐらいかな?」
俺は腕を組む。
「分かりました。理事長どうされますか?」
「承認! 本日よりトレーナーになってもらう!」
な、なんデスと!?
「そんな簡単に決めて良いのですか!?」
「不要! テストの結果はともかく、ウマ娘達のコンディションや能力も分かるみたいだから、人材としては手放したくない!」
理事長は扇子を広げる。
そこには『決定』と書かれてある。
いや、『決定』よりも俺は、『激アツ』の方が……おっと、それだとパチンコになってしまうな。
「しかし、実績を上げてもらわなくてはならない!」
「だったら、実績が燻ってる奴を何かG1レースで優勝させましょうか?」
「「「「はい?!」」」」
4人の目が点になる。
「いや、軍属の時は教育部隊の長をしてましてね? こと育てることに関しては、変態やら神やら言われてたのですよ?」
その結果生まれたのが、部下であり、チームでもある変態共だがな。
「君、いくらなんでも無謀ではないか?」
「うるさい、ポンコツ皇帝、略してポン帝、ダジャレのセンスはいまひとつ。」
「そ、そこまで言うか?!」
ポン帝の耳が垂れる。
言いすぎた感は否めないが、事実だから仕方ない。
「ん? 何故、そこまで分かる?」
そこだよ、メッチャ気付いて欲しかったのは!
「俺は相手を見れば、性格、癖、調子、能力がほぼ分かる。そして、そこから分析して、更に何を行動するかどうかを予測する。まあ、外したことはないから、俺の前では隠し事は不可能とだけ言っておこう。」
「「「「え? こわっ!?」」」」
ぴえん
「こういうことだから、育成に関しては右に出る者はいないと思うがね?」
女性トレーナーは頭を押さえる。
「沖野くんと違った変態だわ。」
「心外だな。あんな人の足、しかも女性の足をペタペタ触るやつなんかと一緒にしないで欲しい。」
「だから! なんでそこまで分かるのよ!!」
そりゃあ、見たから。
「実績が必要なら、貴方のチームの燻ってる1人を俺に預けてみませんか?」
「え?」
「1週間いや、4日で仕上げてみましょう。そして、レースをしましょう。」
俺は相手を真っ直ぐ見据えて答えた。