「私のチームにいるはずが「サイレンススズカ」…え?」
俺は言葉を被せる。
「サイレンススズカ伸び悩んでるだろ?」
「………。」
いや、伸び悩んでると言うよりは、適正じゃないが正しいかな?
「勝つレースをさせるのは良いが、適性が合わないと元も子もないぜ? 特に、サイレンススズカは逃げしか取れないはずだが?」
「貴方に何が分かるのよ。」
「いや何にも。だが、言えるのは、何事も徹底的な管理をしても、そこに何が残る? 彼女らは1人で戦う。下地を作るのは当たり前だが、最後に鎬を削った時信じれるのは何だ?」
俺は4人に問う。
「トレーナーでしょうか?」
緑の悪魔が答える。
「違う。最後は己自身だ。」
4人は目を点にしている。
「何だ? その時に『トレーナーが言ったからこうする』って難しいこと考えるのか? 敵はそこにいるんだぞ? 俺は軍属だったからな。俺から言わせると、トレーナーは『指揮官』でウマ娘達が『兵士』だ。」
4人は顔を顰める。
「そう顔を歪めるなよ。俺的に分かりやすくしてんだからよ。……話を戻すぞ。トレーナーは、ウマ娘に適切なトレーニングを示して、適性のあるレースに出る。簡単に言うと指揮官が指示を出して、兵士に戦わせるのと同じだ。」
4人は真剣に話を聞いている。
「そこでだ。指揮官が無能で、兵士に適切な武器を持たせなかったらどうなる?」
「壊滅か全滅」
「そう! その通り! だから、指揮官は兵士1人に対して、分析をして適切な配置を行う。これが、お前らに例えるとトレーニングとレースだ。」
俺は答える。
「じゃあ、兵士に苦手な武器、苦手な配置にしたら、どう言いたいか分かるよな?」
「………。」
トレーナーは黙るしかなかった。
「いや、お前さんを無能と言ってる訳ではないよ。ただ、本人達にも意見を聞かないと何も始まらないぜ? なにせ、学園最強のチームだろ? だったら、1人の適性くらいは見極めないと後々誰かを潰してしまうよ?」
俺はそう締め括った。
「さて、これだけ啖呵を切ったんだ。何が証明しなくてはな。」
俺は理事長室の窓際による。
グラウンドが見渡すことができるベストなポジションだ。
「じゃあ、誰にしようかね?」
俺は呟く。
4人は不思議そうに俺を眺めている。
隣には理事長がちょこんと並ぶ。
「じゃ、あそこの『似非アイドル』と『小柄なピンク』にしようかね。」
俺は不敵な笑みを浮かべる。
「「なっ!?」」
それに驚くトレーナーとポン帝
「確認! 本当に彼女達で良いのか!?」
理事長まで驚いている。
「もう見たから知ってる。勝てたら更に楽しいだろうな?」
俺はトレーナーに向かい合う。
「さて、この挑戦4日後に受けて貰えるか?」
「勿論よ。後、名乗りが遅れたわ東条ハナよ。」
「じゃ、おハナさん。俺が負けたら、アンタのサブにでもなろう。」
「貴方が勝ったら?」
「1週間だけ俺のサブになって貰おう。何故なら、トレーナーの業務は初だからな。色々と教えて貰おうか。」
俺は挑戦的な笑みを浮かべる。
「分かったわ。覚悟してなさい。」
「そうこなくてはな。」
俺たちは握手を交わした。