元軍人トレーナー   作:ユウ0725

8 / 34
第8話

あの後から理事長室に2人を呼んで貰った。

 

「説明! 彼女達は『ハルウララ』と『スマートファルコン』だ!」

 

俺は2人を頭から足まで見る。

 

「ほう! ほうほう!」

 

やっぱり目に狂いはなかった。

 

「ファルコだよ〜! ウマドル目指して頑張ってま〜す!」

 

「うっらら〜! ハルウララだよ!」

 

2人とも元気がいいな。

 

「ハルウララちょっといいか?」

 

「ん? なに〜?」

 

俺はハルウララの腕、足を軽く触ってみる。

 

「あははっ! くすぐったいよぉ!」

 

ハルウララは身を捩る。

 

「あっと、すまないな。」

 

俺は触るのを止める。

 

「ちょっと全身に力を入れてみてくれるか?」

 

「いいよ! はいっ!」

 

今度は触らずに、ハルウララの周りを一周する。

 

「もういいぞ。」

 

ヤバい。

 

こんなに身体が頑丈な奴初めて見た。

 

「次はスマートファルコンいいか?」

 

「本当は、お触りは厳禁だけどいいよ。」

 

次はスマートファルコンの手足を軽く触る。

 

「よし、全身に力を入れてくれ。」

 

「は〜い!」

 

スマートファルコンの周りを一周する。

 

ふと、気になったことがあった。

 

「スマートファルコン、足を少し突くぞ?」

 

俺は脹脛を軽く突く。

 

「ふむ、なるほどねぇ。もういいぞ。」

 

俺は少し考える。

 

2人ともポテンシャルは悪くはないが、何せバランスが悪すぎる。

 

「ほうほう。2人のことは良く分かった。」

 

「確認! 2人を4日だけ受け持つというのに変更はないか?」

 

理事長は再度聞いてくる。

 

「勿論。こんな逸材を4日だけでも受け持てるのは嬉しい。」

 

「了承! では、こちらを渡しておく!」

 

手渡されたのはトレーナーバッジだった。

 

「ん、では練習に入る前に、2人に自分の身体のことをしっかり理解してもらう為に少し話すぞ。」

 

2人は真剣な眼差しになる。

 

理事長と秘書は耳を傾けている。

 

「2人とも適性はダートだ。しかし、スマートファルコンについては芝も走らないこともないが、今回はダートに趣を置いてもらう。何故なら時間が足りないからだ。4日という短い時間の中で、2人には勝てるようになってもらう。」

 

「「はい!」」

 

「いい返事だ。まずは、スマートファルコンからだ。」

 

「ファルコから?」

 

「おう。お前は足の左右のバランスが悪い。バランスが悪いということは、レース後半に足が疲れて伸びなくなる。あと、腕の筋力が足りてない。だから、この2点を重点的において練習する。」

 

「はい!」

 

「次は、ハルウララ。」

 

「うっらら〜!」

 

「ハルウララは、走り方が悪いのと、気持ちが足りていない。」

 

「え?」

 

「走り方は改善できるが、気持ちの面は自分自身と向き合うか、命の危機に襲われて、生存本能を全開にするかしかない。だから聞く。走るだけで満足か?」

 

「………ウララは勝ちたい。」

 

「よし! それを聞けただけで十分だ。4日間は本当にキツい練習になると思うが、付いてきてくれるか?」

 

「「勿論!」」

 

2人は真っ直ぐに俺を見つめてきた。

 

ならば俺も本気でやってやる。

 

「よし、俺もちょっとスイッチを入れますかね。」

 

普段から仕事いや、任務をしていた時の空気を滲ませる。

 

雰囲気が変わったのが分かったのか2人は怯え、理事長と秘書は冷や汗を流している。

 

「これが仕事の時の空気だ。2人とも生存本能を全開にしたら、これ以上の鋭い空気になるぜ。」

 

2人は頷くだけだ。

 

「よし、これより任務を開始する。2人ともFollow me」

 

「「い、Yes sir!!」」

 

 

  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。