グラウンドに着き、2人には軽いアップをしてもらう。
「さて、最初のメニューは決まってるがこなせるかねぇ?」
「「終わりましたぁ!」」
2人が元気よく伝えにきた。
「よし、そしたら、スマートファルコンについては、これを付けてジョギング2時間で、ハルウララはこのラダーをやってもらう。」
俺は重りがついた足と腕のサポーターをスマートファルコンに渡し、30メートルはあるラダーをハルウララに渡した。
「重りについては、足の方が左右と重りが違うからな。重い方を左足につけてやるように。あと、ラダーの方は俺が決めるタイムをクリアすることだ。」
「「了解!!」」
2人は拙いながらも揃って敬礼した。
「ははっ! 俺はもう軍属じゃないからな。ちなみに、トレーナーではなく、教官と呼んでくれ。お前達の正式なトレーナーではないからな。」
「「はい! 教官!」」
元気がいいな。
「よし、それでは初め!!」
2人はすぐに準備をしてメニューに取り掛かった。
スマートファルコンの方は順調そうだが、それがいつまで持つかねぇ?
ハルウララは、まあ、うん、予想してたけどね。
タイム、タイムっと。
………。
「遅い。」
つい本音が出てしまった。
足運びが悪いのか、途中で躓きかけてる。
「ハルウララ、ちょっと来な。」
俺はハルウララを近くに呼ぶ。
「な、何かなぁ?」
「そう怯えるな。ちょっとしたコツをな。」
俺はハルウララの手を取り、肩周りの柔軟を行う。
「ハルウララちょっと座って。」
俺はハルウララを座らせて、足首の柔軟を行う。
そしてトドメに、股関節の柔軟をする。
俺はハルウララと足を合わせて、お互いに開脚の状態になり、ハルウララを引っ張る。
「き、教官! い、痛い!」
ちょっと、いや、かなり良心が痛むが心を鬼にする。
「テメェが遅いのは股関節の周りが硬すぎるからだ! 股関節を柔くすれば短距離なら2秒から3秒は早くなるんだぞ!」
ハルウララは涙目になりながら柔軟をする。
5分くらい伸ばした後、ラダーに戻らせる。
「よし、もう一度やってみろ。」
「は、はいぃ。」
ハルウララはラダーに戻って早速始める。
しかし、さっきまでの動きとは打って変わって、スムーズに進み、かつ違和感がない。
「え?」
ハルウララ自身もかなり驚いている。
「そら見ろ。」
時間もさっきより断然早い。
目標タイムよりも10秒速い。
「やった! やった! 教官やったよ!」
ハルウララは嬉しそうに飛び跳ねる。
「良くやった。ただし、まだ油断するなよ? どんどんステップアップしていくからな?」
「分かった!」
「取り敢えずは、ハルウララは休憩だ。」
「うん!」
さてさて、スマートファルコンの方は?
30分くらいしか経ってないのにバテすぎだろ。
「スマートファルコン! 姿勢を崩さずに走れ!」
「む、無理ぃ〜!」
「ほう、喋る余裕もあるときた。姿勢を崩さずに走るか、俺に最大限の威圧をされながら走るのどっちがいいんだ?」
「し、姿勢を崩さずに走りますぅ〜!!」
スマートファルコンは姿勢をすぐさま戻して走り出した。
「次、姿勢を崩したら、問答無用で追いかける。」
「は、はいぃ〜!!」
さて、ハルウララは次のステップに移れる。
「よし、次、ハルウララについては、瞑想だな。」
「え?」
「瞑想だ。絶対に寝るなよ。座禅を組んで、心を無にして、己の本能と向き合うんだ。それをモノにできれば、お前は更なる高みに行ける。」
「よく分からないけど、やってみる!」
ハルウララは座禅を組んで瞑想し出した。
よし、これで己と向き合うことが出来れば、下手な相手には負けないようになる。
それよりも、さっきから俺に向けられる視線をどうにかするかねぇ。