ボクは木の葉の里で『天才』だとは『無敵』だとか言われているが本当のところ、そんなことはない。天才であるならばこんな体になることはないだろう。ボクの左手は義手、右足は義足、左目は義眼。これは戦闘において受けた傷。ボクがもし、天才であったならば無傷で帰ることも出来ただろうに。
だからボクは天才でも無ければ完璧超人でもない。
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ボクは任務を終えて自分の自宅の前に着くと深呼吸をしてドアを開けた。
「帰ってくるのが遅いんじゃねぇのか、クソ野郎!」
玄関には赤い髪をした少女が出迎えてくれていた。この子の名前は多由也。元は音隠れの里の子供。
この子はボクが他里を旅していた時に拾った子。出会った時はとても言葉遣いが良かったんだけど気を許すようになったのか口が悪くなっていた。別に個人的には口が悪かったとしても問題ないと思っているから注意をしていない。
「ごめんね。話し合いが長引いちゃってね」
「ウチが食事を作って待っているのを知ってて遅くなったわけじゃないろうな!」
「憶えてたらボクは早く帰って来てたよ。君の料理は絶品だからね」
出会った時は食事を作ったことなんて一度もしたこと無かったらしいけど教えるとすぐにマスターしてしまい、すぐにボクの腕を通り越した。
「そ、そうか。それなら次からは早く帰ってくれよな」
「分かったよ」
ボクは彼女の頭に自分の手をのせて数分の間、撫でた。彼女は振り払うこともなくボクが撫でている間は静かでボクが撫でるのを止めると彼女はボクを見上げた.。この形だと彼女から上目遣いを受けている感じなのだ。そしてボクはこの子の上目遣いに弱い。
分かったよと口にして撫でるのを再開した。彼女は撫で始めるとまた静かになった。
そして食事を食べ終わるとボクと多由也はお互いに今日あったことを話した。これはいつもの日課でボクと多由也は今日あったことを報告する。任務を行う時はなるべく一緒にしてもらうようにはしているがそれも絶対ではない。だからこそ、別行動の日は情報交換をしている。
多由也と知り合ってからもう十年近くの年月が経過している。だからお互いのことは癖から好きな物まで何でも知っている。他人を理解するにはまずはその人の好きな物などを理解する必要があるからね。
「多由也と知り合ってもう十年か」
「何だ、気持ちわりぃ!思い出に浸るところなんて…気持ちわりぃんだよ!!!」
「まだ思い出に浸るには早いけど……ちょっと思い出してね」
この子は元々、捨て子という形で音隠れの里にいた。別に同情したわけじゃないが…自分という同じ境遇の子供を見て見ぬふりも出来なかった。両親、身内が居ないものがどれだけこれからの人生で苦労するのかを知っている。だからボクは多由也を拾う事にした。
「ウチらの旅はまだ終わらねぇんだからそんな辛気臭いことを言うんじゃねぇよ!!!ノミ虫が!」
「まあ、それもそうだね。ボクたちはまだこれからだからね」
今日もそんな風な会話を繰り広げながらボクと多由也の一日が終わっていく。