『分かったよライス君。ブルボンに授けた全てを君に教えよう』
躊躇いも迷いもありません。
世界一を、最高を目指すために、ライスは中央の門を叩く決意をしました。
ブルボンさんのお父様もライスの決意を受けてか、ライス専属のトレーナーとして協力してくださる事になりました。
本来ならブルボンさんの入学に合わせて中央のトレーナー業に復帰する予定だったそうです。
『君の実力ははすでに全国クラスだ。本格的に走り始めた期間を考慮すると破格のポテンシャルを秘めている。
だからこそ、地方で地力を着けてからクラシック戦線に臨むという事も大いに賛同できた。
しかし私はね。ブルボンや全国の強豪達と早い段階から競わせて上を目指すべきだとも思っていた』
早い内から全国の強豪達と競い合うことはライスも考えていました。
でもそこにはブルボンさんがいたら、どうしても
それじゃあ駄目だったんです。
『なるほど。ブルボンは目指すべき指標でもあり、限界でもあったんだね。
皮肉なもんだ。ブルボンが離脱することで君の限界を無くしてしまうなんて』
ブルボンさんがいない以上中央で鎬を削ることに躊躇いはありません。
何より夢を託されたんです。悠長に鍛えるつもりもありません。
最短経路を最速で駆け上がるだけです。
世代の最強だろうが歴代最強だろうが。
立ちはだかる強豪は押し退けるだけです。
『いい目をしているよ、本当に。
これからよろしく頼むよ、ライス君』
そこから先は特筆して語ることはありません。
ブルボンさんのおとう……ううん、トレーナーさんとトレーニングを積んで。
世代の強敵と鎬を削り
有馬で世界最強と相見えたり
『あんたの名前を見付けたからね。来てやったよ』
色々な事がありました。
その一つ一つが全て私の
一つ、懸念があるとすれば先の阪神大賞典。
『桜舞う阪神の栄光は、サイドテイルに吹き込んだ!!』
阪神で見た後ろ姿が私をイライラさせる。
この人はかつての私の
ブルボンさんを思い起こさせる。
姿形や性格も全く似ていないのに、走っている姿だけはどうしてもダブってしまいます。
……ライスは、そんな幻想にうつつを抜かしている暇など無いんです。
「次の天皇賞では絶対にサイドテイルさんに負けませんから」
最高のウマ娘を目指すのに、
『やっぱあんたら大好きだわ』
だから、私の
ーー夢に憧れる小さなウマ娘の回想・了