YOU MAKE LIFE(夢喰らい)   作:グゥワバス

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10話

 食堂にて。

 現在私を含めた5人のウマ娘と悪企みをしている。

 我らがいい子ちゃんことルドルフ(通訳)と他三名の海外勢ウマ娘(一人はトレーナー)

 

 ブロンドで活発そうなのがマーケイビュティでブラウンのなんかキリッとしてるのがファンブルス。

 で、偉そうにしてる赤髪がこいつらのトレーナー。ちなみに元世界一位。

 

 

 

 私はと言うと宝塚に出走表明をしている奴らの情報をこいつらに売り飛ばしているところだ。

 ルドルフと共謀して。

 

 但し自分のチームメイトだけは売らなかったのはいただけない。ルドがいなくなったら絶対に売り飛ばしてやろうと思う。

 と、思ったがそれをしたら貴重な通訳がいなくなってしまうので断念。

 

 エアグルーヴめ、命拾いしたな。

 

 

 

 

 さて、天皇賞(春)を獲った私はそれはもう調子に乗った。

 

 メジロアルダンに「天皇賞の楯はここにアルダンww」と吹かして校舎内で野良レース(障害・妨害有り)を始めたり。

 

 嫌がるネイチャをアルダンの前に立たせて「あたしはネイチャー、あんたは(メジロの)姉ちゃん。天皇賞の楯は無ーヂャン(ヤケクソ)」とクソラップをかまして校舎内で野良レース(第2R・3人立)を始めたり。

 

 メジロブライトの前で天皇賞の楯を掲げて「メジロ、プライド(どやぁ)」と仁王立ちして、どこからともなく駆け着けたアルダンと校舎内野良レース(第3R・マッチレース)が始まったり。

 

 

 とにかく調子に乗った。

 乗り過ぎてルドルフとエアグルーヴ(新副会長)に呼び出しを食らい、ごめんなさいをしに行った。テイオーを連れて。

 上手い具合にルドルフのご機嫌を取りつつ事を穏便に済ませた私は、テイオーにハチミーを奢ってやった。

 

 

 

 まあそんな感じでバ鹿を演じつつ集めた情報を提供していたというわけだ。

 ちなみにメジロの情報は「愉快過ぎてワロス」と一言で片付けた。

 

 真面目な話、メジロは情報をシャットアウトしているため全容が全く上がってこないのだ。

 これだと本当にただアルダンを煽っただけである。

 

 

 

「と言う事でメジロには気を付けなさい」

 

「そうだな。メジロ家がこのまま大人しく上半期を流すとは思えない」

 

『メジロファミリーね。何、共謀でもしてくれちゃうわけ?』

 

「いや、共謀はそもそもURAの規定で許されないんだが」

 

「メジロはバ鹿みたいにプライドが高いんだから。そんなことしたら当主に腹切り迫られるわよ」

 

 

 

 当主見たこと無いけど。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「と言うわけで当分うちで面倒見る事になった、マーケイビュティとファンブルスよ。

 ついでにトレーナーのブレイク」

 

 

 

 やっぱり印象が悪すぎたせいか、誰も共同で練習をしたがらないと言う事でうちで面倒を見る事になった。

 リギルも候補に挙がっていたのだけれど、やはりと言うか遠慮したみたい。これでエアグルーヴの出走は固いと見たわ。

 

 その点うちはシニア級が私しかいない上、宝塚への出走は考えていないから練習するには丁度いい相手となる。

 南坂Tに話を持っていったら、私の練習については無理をしないよう釘を刺されてしまったけど。

 

 

 故に後輩達には十分頑張ってもらいたいと思う。この娘らもメイクデビューが近いわけだし。

 

 

 

「私は蓄積された疲労を抜くと言う意味もあって当分は軽めの調整が続くわけだから、しっかり頼むわよあんた達」

 

「せせせ、先輩?この人らって世界を股に掛けてご活躍されてる方々では」

 

「そんな方々を破った私を相手にいつもあんたらは練習しているんだから。

 胸を借りるだなんて弱気なことは言わず、喰らう勢いでぶつかって来なさい。T、あいつらにも言ってやって。ちびっ子舐めんなって」

 

「もちろんです」

 

「ちびっ子言うな! でも上等じゃん。この人達倒せたら一気に世界レベルじゃん」

 

 

 

 最近テイオーが私に似てきた件。

 ウソ見たいでしょ。まだデビューしてないのよこのビックマウス。

 

 ターボはターボで相変わらずだし、ネイチャも始めこそ日和っていたが私が勝てたって聞いてからなんか妙に自信持ち出したし。

 

 

 何はともあれ後輩達はギラギラし出したし、それなりにいい練習にはなるでしょうよ。

 ブロンド(マーケイビュティ)も似非紳士(ファンブルス)も存分に調整して欲しい。

 

 

 

『可愛気があっていい娘達ね。ビュティ、ファン、揉んでやりなさいな』

 

『『OK』』

 

「あ、あははー。先ずはお手柔らかに相手してあげてくださいね」

 

 

 

 

 そんな形で始まった合同練習会。

 改めてその走りを見るとやはりレベルの高さが伺える。

 

 それでも私といつもバチバチに練習しているだけあって、後輩達も中々喰らい付く。

 

 最終的にはブレイクも一緒に併走することとなり、後輩達にとってはそれはもう阿鼻叫喚の事態となるのだが。

 とりわけブレイクが意地悪そうな笑顔で本当に楽しそうに走っているのが印象的だった。こいつはドSだ。

 

 

 ちなみに最後まで喰らい付いていたのは意外にもネイチャ。

 ターボは体力面で。テイオーは身体への影響を鑑みてトレーナーがストップを入れながら。

 

 ネイチャだけが素の体力と根性で喰らいついて、それはもう三人の海外勢に(練習面で)可愛がられていた。ネイチャは泣いてもいい。

 

 

 

「ヘーイ、ミスモフモフ。ハリーアップwwハリーアップww」

 

「ハァハァ、先輩、い、いつか、ハァハァ、いつかぶっ〇してやる、ハァハァ」

 

 

 

 まあ煽ってるのは私なんですけど(笑)。

 ヘイ、ネイチャ、スッッマーイ、スッマイーイww

 

 

 

「うへぇ、サイドテールもブレイクTと同じくらい悪い笑顔」

 

「いい、テイオー。叩ける時に完膚なきまでに叩いておかないと、敵は待ってくれないのよ。

 確かスピカの良く食う娘もそんな事言ってたわ」

 

「絶対楽しんでるだけでしょ。

 まあいいや。いい加減僕も休めたし。南坂T、少しくらいいいでしょ?」

 

「ええ、もう2、3本なら許可します。ほら、ターボさんも休めたでしょう?」

 

「ゼェゼェ、テ、テイオーが行くなら……よし、ターボ全開!」

 

 

 

 やっぱりやられっぱなしってのは性に合わないらしい。

 ネイチャに負けず劣らずの獰猛な表情で世界レベルに挑みに行った。

 

 そんな三人の姿を見ていると、ちょっとだけ羨ましく思ってしまう。

 

 

 

「やけに大人しくなりましたね」

 

「あの子らが可愛すぎて弄りたくなっちゃうのよ」

 

「困った先輩ですね。本当に」

 

 

 

 あんな風に切磋琢磨できる仲間がいたらって、少しだけ思う。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 時は刻々と流れていく。

 

 ゴールドシップが発起したチームシリウスの始動。

 今年のクラシック世代のオークス、ダービーのウマ娘の誕生。

 そして上半期のマイル覇者を決める安田記念。

 

 

 特にダービーは近年稀に見る激闘だった。

 海外帰りのグラス何某、メキシカンみたいなウマ娘を抑えて、最後はあのよく食うウマ娘が捥ぎ取った。

 ゴール直前、三竦みのデッドヒートで当たり負けせず『捻じ伏せた』と言った印象が特に強かったかな。

 

 

 と言うか2着、3着の娘は以前テイオーもやり合ったことがあるたみたい。

 グラス何某とは1勝1敗で、メキシカンには全敗とのこと。

 『ザーコwwザーコww』って言ったらテイオーが『年下弄って楽しい?(憐みの目)』って囁かれた。少しだけ敗北感を覚えた。

 

 

 ちなみによく食う娘は巨漢Tとこのウマ娘らしく、あやつの手腕も中々のものであると感心した。

 これはサイレンススズカも宝塚までにどんな進化を遂げているか楽しみである。

 

 

 

 

 更に時は流れる。

 時に厳しく、時にもっと厳しく、時にクソほど厳しく、たまに優しく。

 

 

 追い込みの時期になってくると前後半制で練習を行うようになる。

 特に後半はブレイク自らガチモードで2人を追い込み後輩達を驚愕させていた。あれが世界最高峰かと。

 

 ちなみに私はその世界最高峰を破ったウマ娘である。おい、お前らこっち見ろ。

 

 

 この頃になると私の練習についても一部ゴーサインが出たので、存分に暴れ回る事にした。

 なお、ブレイクとガチ勝負になったので後輩達の仇討ち(建て前)のために捻じ伏せてやった。

 ちなみに後輩達は皆ブレイクを応援していた模様。解せぬ。

 

 まあ世界一位といっても現役引退しているわけだし。勝因と言うよりあちらさんの敗因は言ってしまえば、老いぃ、ですかね。

 これを指摘したらブレイクと取っ組み合いのケンカに発展した。

 

 Tが仲裁に入って事なきを得たが、流れるような体捌きで私らを鎮圧したTの生態がいよいよ以て分からなくなってきた。

 でも律儀に私が言ったことを通訳しなければ取っ組み合いのケンカにはならなかったとも思うんだ。

 おい、南坂。こっち見ろ。

 

 

 どもかく私としてはちょっとした調整だからこれ以上は本気になれない。

 だからTに鎮圧されているお宅のブレイクさんを無視して私に挑もうとしないで残り2人。

 

 制限のせいで今日はこれ以上走れない私の代わりに、後輩達はめったクソに可愛がられた模様。

 

 

 

 

 

 

 

 さて、6月ももう終わりが近付いたこの頃。

 天皇賞(春)が終わってからおよそ2か月。練習はもちろんだが、時には全力で遊びも楽しんだ。

 

 授業後、練習がオフの日にはゲーセンに行ったり、カラオケに行ったり、BBQをしたり(良く食うウマ娘とオグリも乱入済)

 完全オフの日にはTがチャーターしたマイクロバスに乗ってネズミの国に遊びに行ったりもした。なお、何故かパイセン2人も

ちゃっかりいた。

 

 折角日本に来ているんだから多少はね。楽しんでもらわないと。

 

 

 どれだけ大人びていても結局は年頃の女の子でもあるのだ。

 始めの印象こそ最悪だったが、うちのチームでバ鹿騒ぎをしている内に最後はトレセン学園内のウマ娘ともある程度は打ち解けたと思われる。

 

 レースが近付くと獰猛になってくるのと同時に、少し寂しそうにも見えもしたからきっとそうだと思う。ターボにハグする回数も増えてたし。

 

 

 

『むううう、やっぱり寂しいわ。ミスター南坂! ターボ持ち帰ってもいい?大丈夫、立派なマイラーにするよ』

 

『バ鹿ビュティ。スプリンターに決まっているだろう』

 

「いやいや、ターボさんを持ち帰るのは勘弁してくれませんか」

 

「いやだぁぁぁああああ!!

 ターボカノープスから離れたくないいぃぃぃぃ!!」

 

『『冗談だよ(半分)』』

 

「あんまり揶揄わないで上げてくださいね(目が少し据わっているんですよね)」

 

 

 

 何となくだけどターボを持ち帰ることも吝かでは無さそうなのよね。

 それ指摘したらターボがガチ泣きしそうだから言わないけど。

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