ライスのお兄さまがトレセン学園で働くお話   作:お兄さま第0号

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 たくさんの感想ありがとう御座います!
設定がめちゃくちゃガバってるのに気づいて作者がめっちゃかかり気味です;
ウララ、なんとか頑張って飛び級したことにしよっか(現実逃避)
皆さんはエイシンフラッシュ手に入りましたか?
作者は…………ハハッ…………
あ、ちなみに確定の方でナリタブライアンは来ました
育成したら徐々にこっちでも絡んでくると思います


やっぱり不審者なお兄さま

 これはまだまだウマ娘として大成する前のライスシャワーのお話である。

ごく普通の一般家庭に生まれた彼女には年の離れた兄、御幸がいた。

幼い頃から家に籠りがちのライスシャワーの遊び相手はほとんど御幸だった。

 

 彼もまだ小学生だったが、妹の我儘に嫌な顔一つせず付き合っていた。

人形遊び、絵本の読み聞かせ、絵描き……活発な男の子が好む遊びではないだろうに。

 

「お兄さまっ、つぎはこれがいい!」

「青いバラの絵本か。ライスはこの本が本当に好きなんだな~」

「うんっ!」

 

 晴れた空の下、家の和室で二人はいつものように遊んでいた。

人形を片付けて棚に戻す御幸の傍で絵本を差し出すライスシャワー。

彼は頷いて座布団の上に座って彼女に絵が見やすいよう広げる。

小さなウマ耳をぴこぴこと動かして、ライスシャワーは御幸の隣にぺたんと座った。

 

「むかし、むかし。あるところに――――――」

 

 ゆっくりと絵本の脇に書いてある内容を声に出して読み始める御幸。

ライスシャワーはそれを聞いて絵本の世界にのめり込んでいった。

それから暫くして陽が傾くころ、御幸は絵本を読み終えて傍らのライスシャワーへ視線を向ける。

 

「すぅ……くぅ……」

 

 絵本の内容の途中で泣いて、喜んでと感情移入が忙しかったライスシャワーは眠っていた。

御幸は微笑み彼女の髪をそっと撫でると、近くから座布団を二枚引っ張り出す。

華奢な妹の体をそっと抱き上げて、並べた座布団の上に寝かせると上からタオルケットをかける。

 

「おやすみライス」

 

 そう言って御幸は部屋の片づけをしようと立ち上がろうとしたが――――――

不意にライスシャワーが彼の服の裾を引っ張り、動きを止められてしまう。

目を丸くして驚いた彼だが、仕方ないと云った風に笑ってその場に座り直す。

それから母が帰ってきてライスが目覚めるまで、御幸はそこでじっとしていた。

 

 

「中断ッ!兄妹の再会を優先しつつ、ライスシャワーとハルウララ両名は授業に戻りつつ道中までマシバ君と話しながら歩くといい!戻ってきたら面接再開とする!」

 

 と理事長の粋な計らいでトレセン学園の校舎内を歩く三人。

ハルウララは興味津々といった様子で二人の左右を移動して回り

ライスシャワーは恥ずかしさ半分、嬉しさ半分に御幸と手を繋いで歩いている。

 

「へぇーっ!それじゃあライスちゃんのお兄さんってずっと海外にいたんだー」

 

「あぁ」

 

「ねぇねぇ、その傷って痛くないの?」

 

「ん?あぁ、これな。ずっと前の傷だから、触られても平気だよ」

 

 ハルウララの無邪気な質問に淡々と答える御幸。

心の中で「俺と話しててもビビらない子とか妹以外にも天使が!?」と感涙に咽び、これから絶対に彼女とは仲良くしようと決心しているのだった。

一方でライスシャワー、繋いだ手に頭を預けて尻尾をブンブン振っている。

()()()()()()のだろう、一呼吸おいて落ち着くのも惜しいほどに。

やがて質問の途切れたハルウララに代わってライスシャワーが口を開く。

 

「………ねぇ、お兄さま」

「どうしたライス」

 

「……寂しかった?」

 

 本当は御幸から言うべき言葉を先にライスシャワーは言ってしまった。

手は繋いだまま、ほんの僅かな時間で御幸は足を止めて彼女に視線を合わせる。

ライスシャワーも恐る恐る彼を見上げて――――――

 

()()()()()()

「―――――――――ッッッ!!」

 

 分かり切っていた答えを口にした御幸に、ライスシャワーは息を呑んで人目も憚ることなくギュっと強く抱き着いた。もう片方の腕を彼女の背に回して御幸は更に言葉を続ける。

 

「寂しい思いをさせてごめんな、ライス。嘘ついていなくなったりしない。兄ちゃんライスの目が届くところに絶対いるからさ。……()()()()()()、許してくれるか?」

 

「……ぅんっ……うんっ!」

 

 御幸の言うあの時とは二人が離れ離れになった時のこと。

御幸が海外に出て行く話をした時、幼いライスシャワーは泣いて彼を引き留めようとした。

彼女が泣き止んで眠るまで御幸は「何処にも行かないよ」と嘘をついていたのだ。

置手紙には「嘘ついてごめん」と書いたが、御幸はずっとそれを後悔していた。

 

 また泣き出しそうになるライスシャワーの頭を撫でる御幸。

兄妹の感動的な場面の横でハルウララはまた無邪気に「よかったねー!」と笑う。

するとそこへ――――――

 

「ちょわっ!!?報告にあった不審者発見!学級委員長は見逃しませんよぉっ!バクシン、バクシーーーン!!そこの貴方、止まって下さあぁぁぁいっ!」

 

「あれっ?サクラバクシンオーさんだ!」

「ば、バクシンオーさん!?ふ、不審者って―――」

 

「不審者……………まあ、俺の事だよな、絶対……ハハッ、ハハハ……」

 

 廊下の向こうから全速力で駆けて来るのは鹿毛のポニーテールを揺らすウマ娘。

学級委員長であり短距離なら無敵と呼ばれるほどの実力者サクラバクシンオーだった。

キキィィィッ!と急ブレーキをかけて三人の前で止まる。

 

 ハルウララが「いつも元気だよね!ウララも負けずに~うーららー!」と返す。

ライスシャワーは驚きつつも彼女の言う不審者を探そうと左右を見回した。

御幸だけは自分のことだとすぐに気づいて、渇いた声で自虐的に笑う。

 

「さぁ、不審者さん!この学級委員長が来たからには大人しくお縄に―――」

「ま、待ってバクシンオーさん!この人は不審者じゃないんです!私のお兄さまなんです!」

「ちょわっ!?なんと!?ライスシャワーさんのお兄さまであらせられましたか!」

 

「なぁハルウララちゃん「ウララでいいよ!」ウララちゃん、俺って不審者に見えるか?」

「わかんない!でも優しい人だってウララは思うよ!だってライスちゃんのお兄さんだもん!」 

「そうか……ありがとな……」

 

 この時、不審者扱いされたことで凹んでいた御幸は気づかなかった。

理事長、ハルウララに続いて身内以外で彼の傷を見ても驚かなかった者。

その中にたった今やってきたサクラバクシンオーが含まれていたことに……

 




サクラバクシンオー……ライスシャワーと同じクラスの学級委員長
           短距離・芝であれば最強なのだが本人は長距離希望
           トレーナーの口車に乗せられながら、今日も元気にバクシン
           学園内で不審者が出たと噂を聞いて教室を飛び出した
           作者の中でゴルシの次に一回目の育成が上手くいった娘です

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