ライスのお兄さまがトレセン学園で働くお話   作:お兄さま第0号

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 ナリタブライアンが一発目で育成目標達成できたので投稿(三冠は悔しいことに最後のレースでカフェに差されました……その分、後半シナリオで取り返しましたが)
初めて時計の遡りなしでクリア出来たのもちょっとした喜びです。


お兄さまの学園巡り その1

 応接室に戻ってきた御幸と理事長、秘書のたづなを交えた面談はとんとん拍子で終わった。

面接の中で様々な質問に答えた御幸は人格的に問題無しと理事長に太鼓判を押されて、業務内容や業務時間に関する様々な説明を済ませた後のこと。

 

「提案ッ!ウマ娘達は放課後から本格的に練習を始める。今の内にマシバ君はトレセン学園の校舎以外の施設をたづな君と一緒に見て覚えてくるといい!」

 

「それはありがたいですね。この学園は思ってたより広大で……」

 

 たづなも初めて会った朝方の失敗を働きで取り戻そうとやる気のようだ。

自信に満ちた笑顔を浮かべて握手を求める理事長に、御幸も自然を笑みを浮かべて応じる。

 

「それでは改めて宜しく頼むぞ!真志場御幸君!」

「此方こそ秋川理事長。これから宜しくお願いします」

 

 

 先に退出した理事長を見送って、荷物を部屋に置いた御幸とたづなも応接室を出る。

理事長の話にもあった通り校舎内は授業中のウマ娘の邪魔になる為、日を改めて教室の位置や仕事に必要な道具の置き場などの説明を受けることにした。

二人がまず向かったのは校舎の正面入り口を出て三女神石像がある噴水の十字路を左に曲がった先にある屋内運動場、分かり易く言うなら体育館と講堂である。

千単位の生徒を抱えるトレセン学園の体育館は普通の学校のそれとは規模が違った。

 

「おぉ……」

「正面の出入り口は生徒用、教職員その他関係者用は此方になります」

 

 そう言って靴からスリッパに履き替えた二人は体育館内へと入っていく。

スライド式で木製の両開き扉は閉じていて、中から床を擦る音とボールの弾む音がする。

たづなは後ろの御幸に向かって少しだけ躊躇いながらも言った。

 

「生徒の皆さんは授業中なので、なるべく邪魔にならないように小声で端を進みながら館内の説明をしますね。……それと……マシバさんには申し訳ないんですが、なるべく生徒達とは顔を合わせない方がいいかもしれません」

 

「あー確かにそうっスn――――――そうですね」

 

 既に応接室の中で自分が不審者扱いされたという事を笑い話のつもりで伝えた御幸。

それに対して理事長は「心外ッ!人を見かけで判断してはいかんだろう!」と言っていたが、彼女の後ろでたづなは物凄く気まずい表情を浮かべて二人から顔を背けていたのだ。

自分の顔に手を当てて口調を直しながら納得して頷く御幸にたづなは間を置いて頭を下げる。

 

「……すいません。こんな失礼な事を採用したばかりの方に……」

 

「いやもう気にしてないんで大丈夫ですよ駿川さん」

 

「……そう言って頂けるとありがたいです」

 

 たづなは両開き扉の取っ手を引いた。

中では中等部のウマ娘達が体操着に着替えてバスケットボールをやっている。

遠くにいたジャージ姿の教師が御幸を見てギョッとした表情になるが、その前にいるたづなが笑みを浮かべて軽く会釈をしたことで事情を察したのか頷きだけ返して生徒達に向き直った。

入り口の扉を閉じて中を歩きながらたづなは説明を始める。

 

「この体育館は朝八時から遅くとも夕方の十八時まで生徒が使用します。用務員となる真志場さんは主に学園が発注した備品などを運び入れる作業等で利用しますね。館内の清掃や設備の定期点検等は学園側で業者を雇っています」

 

 彼女が指さしたのは広い体育館の奥にある「体育道具置き場」と書かれたプレート付の扉。

御幸は頭の中で備品を持って運び入れる自分の姿をぼんやりイメージしていた。

そんな時だった、一つのバスケットボールが何かの拍子で二人の方へ飛んできたのは。

飛んできたといってもそんな勢いはなく、直前で床に落ちてコロコロと転がる。

 

「あ、すいませーん!」

 

 バスケットボールが足元に転がった御幸は屈んでそれを拾い上げた。

たづなは駆け寄ってくるウマ娘に「大丈夫ですよー」と言って、直後にハッと気づく。

このまま彼が顔を上げて生徒にボールを返せば、必然的に生徒と顔を合わせる事になる。

慌てて制止しようとするが既に生徒は彼の目の前に来ていた。

 

 その生徒は赤みがかった栗毛のツインテールのウマ娘”ダイワスカーレット”だった。

中等部とは思えないほど華やかで優美かつ母性の象徴が立派な容姿のウマ娘である。

小生意気で勝気な性格から同室のウマ娘とよくケンカしていることで有名だ。

 

「ほい」

 

「あ、ありがとうござ――――――」

 

 頭を下げてボールを受け取ろうとしたダイワスカーレットがピシっと石化する。

遠くにいてちゃんと見ていなかったが、彼女の目の前にいるのは強面の巨漢だった。

同じ男である彼女のトレーナー沖野とは全く別次元の存在と思える御幸。

たづながしまったと口に手を当ててダイワスカーレットを落ち着かせようとするが―――――

 

「ぴ、ぴゃあああああああああああああああああああ!!!」

 

 ダイワスカーレットは体育館に反響するほどの甲高い悲鳴を上げてしまった。

御幸はある程度覚悟を決めていたので心的ダメージは大きくなかったのが救いだろう。

 

「アッハハハハ!どうしたんだよスカーレット、変な声上げて――――――」

 

 彼女のルームメイトであり同じく中等部一年のウマ娘”ウオッカ”がやってくる。

濃い鹿毛にメッシュの入った、非常にボーイッシュな容姿の彼女はダイワスカーレットの聞いたこともないリアクションに笑いながら近づいてきて――――――

御幸を見てダイワスカーレットと同じようにその場でピシっと石化した。

 

「あ、ぅ――――――」

 

「す、スカーレットさんウオッカさん落ち着いて下さい!この人は新しく来た用務員の方で、決して今噂になってる不審者等では―――」

 

(ゴフッ……)

 

 たづなのフォローはありがたいが、御幸は心の中で血を吐く勢いのダメージを受けた。

そんなカオスな状況で御幸を目にしたウオッカが取った行動はというと……

 

「ち、チンケなゴロでっ失礼しましたぁぁぁっ!!」

 

 最近読んでいる格闘漫画のキャラクターが口にしていた目上の極道に対する挨拶の真似だった。

背筋を張って両手を身体の横にくっつけて九十度ピッタリの角度でのお辞儀。

幸いな事にこのネタが通じなかった御幸は首を傾げて「お、おう……?」と困惑していた。

それから数分後、教師に声をかけられて我に返った二人から謝られる事になる。

 

*

 

「……あ、あの……大丈夫ですかマシバさん?」

 

「問題ないっすよ」

 

 とは言うものの、薄ら笑いを浮かべる御幸の目は死んでいた。

早々と講堂の説明を終えて体育館を後にした二人は噴水の前に来ている。

ふと御幸は噴水の中央に立つ三女神の石像に目を向けた。

 

「………」

 

「………どうかしましたか?」

 

「ん、いや――――――なんでもないっスよ」

 

 自分の中に疼く奇妙な感覚。

それを振り払って先に歩いていくたづなの後を追う御幸。

彼は何を思い、彼女らは彼の中に何を見出したのか……?

まだ語るべき時ではない。

 




ダイワスカーレット……全てのトレーナーが等しく通る一番最初のウマ娘
           此方でもスピカと沖野トレが存在しているので
           彼の指導の下、仲睦まじくウオッカと切磋琢磨している
           お兄さま(ヤクザ)の恐怖には勝てなかったよ……
           文章力が鍛えられたらいつか個人の惚気話を書きたい

ウオッカ……ダスカのルームメイトで同じスピカの一員
      育成一回目で見事に全目標達成までいってくれたので満足
      ダスカ程ではないがお兄さまは怖かったようです
      最後の台詞の元ネタは炭酸抜きコーラで御馴染み刃牙より
      柴千春が最大トーナメント中に花山薫に言ったセリフです
      あの世界基準で例えるならお兄さまの顔は感想で貰うように
      花山薫か若い頃の範馬勇次郎ですかね……そらビビるわ

ヒシアケボノ欲しいけど……ブルボンとフジキセキが再PU来るまで我慢……ッ!
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