朝起きたら地球がファンタジーになってるんだが? 作:あくてん
あの後は特に何事も無くダンジョンから出て、家に帰った。ステータスを確認してみるとかなり変化していた。
〈七星 一夏Lv.5〉
18/999 STR
6/999 INT
13/999 DEX
8/999 VIT
Exp4/20
ジョブ:剣士
スキル
・アームクラッシャー
上から下に武器を振り下ろす。その攻撃は地面を割る。
・スプリント
速く走ることが出来る。
・一閃
素早く横払いの一撃を放つ。それは風を切り、残像を残す。
ステータスがかなり上がっていて、新しいスキルも取得していた。新スキルの「一閃」は人狼に放った横払いがスキルとして強化された物だろう。
試しに使ってみるとあの時とは比べものにならないぐらい早く振る事が出来た。隙が大きい代わりに一撃の重いアームクラッシャーと一撃は軽いが素早く攻撃でき隙が少ない一閃を使い分けるのがこれから大切になるだろう。とはいえ現状では一閃も十分な攻撃力を持っているがな。
あれから一旦レベル上げを中断し、数日が経ったある日のこと。テレビで衝撃の情報が流れ、直ぐ様日本中に拡散された。その内容は特定のダンジョンを一般開放すると言う物。その特定のダンジョンとは日本にあるダンジョンでも簡単な部類に値するダンジョンの様だ。
その背景には色々な事があるらしいが、そんな事はどうでもいい。重要なのは合法的にダンジョンに入れると言う事だ(別に今までも違法では無かったけど)
ダンジョンに潜るにはまずやる事がある。それは探索者登録だ。ダンジョンに入る者は探索者と呼ばれ、探索者になるにはまず専用の登録所で申請しなければならないらしい。
と言う訳で現在例の如く猿と一緒に探索者申請をしに行っているとうい所だ。
早速登録所に入ってみると既に来ていた人でごった返していた。受付に並び、暫くすると
「次の方どうぞ」
俺の番が来た。小部屋に案内され、椅子に座り職員と対面すると説明が始まった。要約するとダンジョン内は色々な事があって危ないから気を付けてねという事と、今はまだ関係ないけど階級というものがあって階級が低いと簡単なダンジョンしか入れないよという物。
階級にはアイアン ブロンズ シルバー ゴールド プラチナ ダイヤモンド オブシディアン の七段階に分かれているらしい。
説明が終わると名前や住所などの登録をし、ステータスの確認が始まった。ステータスの確認と言っても此方が喋ったり書いたりする訳では無く、虚偽報告の観点からも考えて職員のスキル「鑑定」でステータスを確認するらしい。
一通りが終わるとカードが渡された。免許証の様な者で名前やジョブ等が書かれている。階級はブロンズの様だ。階級は主にレベルによって決まる様なのでレベル上げをしていたからブロンズスタートなのだろう。
登録が終わり、猿と合流しダンジョンに行く事にした。今回行くのは今まで行ってた洞窟のダンジョンではなく一般公開された新しいダンジョンだ。
登録所のすぐ近くにあるそうなので早速入ってみよう。
「簡単だったな」
「ああ」
結果から言うとすぐに攻略できた。と言うのも今まで行ってた洞窟のダンジョンよりも簡単で一本道ではないものの敵はスライムしか出てこず、時間さえかければ攻略できるダンジョンだった。
余りにも呆気なかったので猿と相談した結果、現状入れるダンジョンで一番難しいのに行ってみようと言う事になった。電車を乗り継いで着いたのはブロンズ以上の探索者しか入れないダンジョン「砂漠の迷宮」
地面が全て砂で出来ていて迷路の様になっている事からその様な名が付いたそうだ。早速入ってみよう。
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「うわ、歩きづらいな」
中に入ると情報通り地面は砂で出来ていて足が取られる構造になっていた。周りは砂岩で囲まれており、壁に掛かった松明に照らされていて四方に道が続いているまるで迷路の様だった。
「てか、誰も居ないな、こんなんなってたら人でいっぱいとも思ったが……」
入る時にもかなりの人数が居たので複雑な迷路でも1人ぐらいは見えると思ったが、誰一人として居ない。同時に入った人としか一緒に入らないのだろうか。まあその辺はまた今度でいいだろう。
「どこから行く?」
「正直何処でもいい。」
「そりゃそうだわな」
だって目印の様なものも何も無いんだもの。全部同じ感じの道だった。
「でもどうやって行くかは考えてる」
「どうやって行く?」
「右の壁に沿って行く」
迷路の攻略法じゃねえか、いいね。
という事で右の壁に手を付き壁に沿って歩いていると、妙な風切り音と共に正面から何かが飛んd
「っ!おらぁ!」
正面から何かが高速で飛んできたので木刀で弾いた。何を弾いたのか確認してみた。
「ヒェ、アブナ」
飛んできたのは矢だった。運良く気付いて弾けたが、もし反応できてなかったら……
「結構気引き締めないとやばいぞ、猿」
「ああ、次は防ぐ」
そんなことを言い合い、気を引き締め合っていると猿が砂に足を取られて転んでしまった様だった。
「おい、気をつけろって言ってる矢先にな「下に何か居るぞ!!」っ!『アームクラッシャー』!!」
猿に当たらない様にスキルを放つが……
「駄目だ!砂に衝撃が吸収されてる!」
「クッソ!オラアアアァァァ!!」
足を掴まれていたらしく、それを無理矢理引き上げると死体に包帯を巻いた所謂ミイラの様な姿が見えた。
「『一閃』!!」
空中にまで持ち上げたミイラに向かって素早く一閃を放つ。直撃したミイラは体が二つに分かれ、吹き飛んだ後に消滅していく。感触からしてもとても体が柔らかくて耐久性が無いモンスターのだった。
・ミイラを倒した Exp+3
Exp 8/25
ミイラは狼と同じ経験値の様だ。このモンスターやさっきの矢のトラップからするとこのダンジョンは不意打ちや罠が多めの初心者殺しのダンジョンと言った所だろうか。
確かにある程度の経験がないと対応出来ないだろう。初心者が入ってしまったら腹に穴が空いて一発KOだ。ブロンズ以上で入れるというのは妥当だろう。
ただ、問題はミイラの攻撃方法が分かっていないという事だろうか。さっきは足を掴まれただけで終わったがそこから追撃する方法があるのならばかなり危険だが、どうした物か……
「俺に考えがある」
猿が提案した方法は2人で横に並んで木刀を砂に埋めて杖の様にして進むという物。進行ペースは落ちるが危険が少ない方法だ。左右をカバーし罠は猿のカウンターで防ぐ。地面は木刀で感知するという寸法だ。
様々な工夫をしながら俺たちは出方を目指し進んでいく。
道中出てきたモンスターを倒しつつ進んでいくと、出口の見える広間に出てきた。中は変わらず地面は砂で壁は砂岩だが、明かりがなく全体を見通せなくなっている。そして今までの流れで言うとボス戦が始まる筈だが……
ゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴ
広間に物音が鳴り響くが、暗くて何が起きているかわからない。仕方がないので周囲を警戒しつつ出口に向かって進んでみる。
「待て、何かいる……!」
少し進んだらすぐにわかった。デカすぎて気付かなかった。中央に聳え立つ20m程の何か。それが何かを理解してしまった時、思わず固唾を呑んだ。
「おい……やばくねぇか?」
「デカ過ぎんだろ…」
それは20mほどの巨人のミイラだった。今までと同様に包帯を巻いた姿だが、その大きさは比べるまでもなく大きかった。
巨大ミイラはゆっくりと動き出し、その巨大な足で踏み潰そうとしてくる。
「一夏!!」
「ッ!『スプリント』!!」
スプリントで急加速する事で足を回避しつつ巨大ミイラの後ろに回り込みそのまま
「『一閃』!」
後ろから足を切り転倒させるが……
「うわ、キモ」
切り飛ばした足と本体の足の断面からは子供サイズのミイラがわらわらと出てきた。巨大ミイラの中には無数のミイラが詰まっていたようだ。巨大ミイラの本領は質では無く量だったようだ。
「おい猿!これ以上増えないように手分けして狩るぞ!」
「俺お前と違って攻撃スキル無いんだけど!!!!」
なんか言ってるけど無視だ無視。スプリントを使い囲まれないように動きながら「一閃」、チャンスがあれば「アームクラッシャー」で纏めて攻撃する。
百はとうに超えているだろうか。狩れば狩るほど巨大ミイラの体は萎んでいき、遂には包帯だけの姿になった。
「ラスト一体!『一閃』!!」
最後の一体を倒すと巨大ミイラの包帯も消滅した。
・巨大ミイラを倒した Exp+42
Exp 50/25
Lv UP!!
Lv.5 → Lv.6
〈七星 一夏Lv.5〉
28/999 STR
6/999 INT
21/999 DEX
16/999 VIT
Exp4/20
ジョブ:剣士
スキル
・アームクラッシャー
上から下に武器を振り下ろす。その攻撃は地面を割る。
・スプリント
速く走ることが出来る。
・一閃(Lv.2)
素早く横払い直線の一撃を放つ。それは風を切り、残像を残す。
スキルにレベルなんてあったんだな、スキルの説明文が変わってる。使ってみると今までは横に振っていたが縦にも斜めにも振れるようになっていた。使いやすかった一閃がさらに強化されたな。
ステータスもかなり上がっていた。子供ミイラに殴られたりしたからVITもいつもより上がっていた。
そんなこんなで今回のダンジョン探索は幕を閉じた。