親友「オレ、○○って苦手なんだよ」ワイ「おっ、そうだな(遠い目)」   作:ryanzi

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今回は番外編ですね、はい。


CASE:鈴鹿さくや(トレーナー視点)

彼は別にウマ娘プリティーダービーをやっていたわけではなかった。

それでも、彼がウマ娘の世界で上手くやっていけたのは、管理業務が得意だったからだ。

前世でLobotomyの99日チャレンジを一時間で終わらせたのは伊達ではない。

とにかく管理業務が得意だった彼は自然とトレセン学園のトレーナーになっていた。

仕事だけではなく、プライベートでも上手くいっていた。

前世よりも友人を多く作ることができた。もちろん、全員モブだったが。

別にモブだから見下しているわけではないのだが、前世を知らない者がいないのは辛かった。

だから、転生者掲示板とかいうものに慰めを見出すのは当然だった。

あと、エロゲーや同人誌でも自らを慰めていた・・・自らを慰める・・・自慰・・・なるほど。

 

「ボクがいるから、こんなのいらないよね?」

 

「やめてくれええええええ!」

 

・・・その心の慰めを担当ウマ娘のトウカイテイオーに燃やされたのだ。

彼女はどういうわけか全ての同人誌の隠し場所を知っていた。

よくよく考えてみると、どういうわけか毎日視線を感じていたような気はしていた。

自らを慰めるのに必死で気づいていなかったのだが。

 

(・・・あれ?この状況まずくね?)

 

脳裏によぎったのは、かつての友人で会ったトレーナー。

唯一、転生者であることを打ち明けることができた人間。

そんな彼は、ハイライトを失ったハルウララに引きずられて消えた。

次に思い出したのは、一般職員の友人。

そんな彼はシンボリルドルフと共にやはり消えてしまった。

二人だけではなく、多くの友人たちが消えていった。

中学時代、同級生はウマ娘のクラスメイトと共に退学していった。今は幸せそうだが。

高校時代、担任の先生が教え子のウマ娘と共に海外に行った。やはり幸せそうだが。

大学時代、サークルの先輩は・・・もう言うまでもないだろう。

もっと多くの友人たちが消えていったような気がする。覚えていないだけで。

今日まで生き残ることができたのは奇跡というほかなかった。

気が付けば体が動いていた。幸いにも、タクシーにすぐに乗ることができた。

運転手が親切であったおかげだ。心に余裕ができ、スマホを取り出す。

何か面白そうなスレがないか探す。

目的地のない逃避行だが、こういう娯楽くらいは楽しんでおかねば。

 

親友「オレ、鈴鹿さくやって苦手なんだよな」ワイ「おっ、そうだな(遠い目)」

 

嫌な予感しかしなかったが、彼はそれを開くことにした。

マギレコも知らないわけではない。むしろ、転生してからさらに詳しくなった。

どれもこれも、転生者掲示板を見るようになったからだ。

マギレコ世界の詳細は手に取るようにわかる。

 

1:親友が鈍感で辛い

そういうわけでレースは始まっております

Kamihama Sinyu Cup

実況・解説はこのワイが務めさせていただきます

 

もう何が起こったのかは理解できた。

これはあれだ。そう、親友とやらが追いかけられているのだろう。

その親友の無事を、彼は祈った。親近感を感じたからだ。

あと、スレにも書き込んだが、捕まれと言われた。

冗談じゃない。エロゲーこそが慰めなのだ。

ウマ娘に欲情することはなかったといえば嘘になるだろう。

でも、あくまでトレーナーとして弁えてはいるつもりであった。

それに、あの友人の言葉をどうしても思い出してしまう。

 

「俺には君の人生を背負うことなんてできない」

 

彼も同じようにトウカイテイオーの人生を背負うなんてできないと考えていた。

背負うことができるのは、自慰の後の掃除の責任だけだ。

 

ワイの親友は責任感重すぎる奴ですので、断ったのでしょう!

 

イッチの親友とやらも同じだったのだろう。

だから、彼と同じようにさくやから逃げている。

さて、親友は元ホームレスの人たちの助言で川に飛び込むのをやめたようだ。

さらにしばらく見てると、今度はこども食堂の人に助けてもらったらしい。

羨ましくなった。彼を助けたのはタクシーの運転手だけだ。

いや、助けを求めなかったからだろう。転生してから、ずっとそうだった。

辛いと思ったこともあれば、助けてほしいと思ったこともある。

でも、彼は決してそれを言わなかった。自分の力だけでやっていこうとした。

どういうわけか心が虚しくなる。とりあえず、続きを見る。

逃げ込んだ寺にいた魔法少女はなんとさくやとグルだった。

だが、さらにそれを上回る展開が待っていた。

タクシーが突如止まった。車の前にはテイオーが立っていた。

 

「すみませんね、お客さん。雇われちまったんで」

 

運転手はにやりと笑いながら言った。グルだったのだ。

よく考えたら、あんないいタイミングで学園前にタクシーが来るのがおかしかったのだ。

それからの彼の行動は彼自身も驚くほど早かった。

川に飛び込んだのだ。一瞬で近くに会った川に向かって。

あやうく捕まえられるところだったが、間に合った。

これは親友の行動を参考にしていた。

幸い、川の流れはかなり急だった。昨夜の雨のおかげだろう。

テイオーといえど、長距離走は苦手なはずだと祈りたかった。

水流に運ばれながら、冷静に考える。

どうしてテイオーはこんな行動に出たのだろうか?

おそらく、自分からは逃げられないぞという意思表示のためだろう。

スレを見ると、イッチの親友は終末鳥のE.G.Oで飛んで逃げたらしい。

驚くことでもない。彼はLobotomyをやっていたので知っていた。

別にE.G.Oを使うのに特別である必要はないということを。

まあ、人外ばかりいる世界で感覚が麻痺していたのもあったが。

彼は心の中でイッチの親友を祝福した。お前は自由に向かって飛び立てたのだ。

同時に妬ましくもなった。お前は助けてもらえるんだな。

 

「さて・・・俺もようやく自由だな」

 

「ううん、だめだよ?トレーナーはボクと一緒にいなくちゃいけないんだから」

 

危うくショックから溺れそうになったが、テイオーが助けてくれた。

・・・正確に言えば、とうとう捕まってしまった、だが。

彼はそのまま岸辺に引き上げられることになった。

 

「・・・どうやって?」

 

「えっ?一緒に流されればいいだけじゃん」

 

「こりゃ一本取られたな・・・」

 

実にその通りであった。彼は華氏451度を読んでいなかった。

だからこそ、川に飛び込むことの欠点を知らなかった。

そもそも、あれは当局が追いかけるのを諦めたから成立した逃走劇だ。

いつの間にかスマホまで取り上げられていた。

 

「イッチさんの親友さん、空を飛べる魔法少女に叩き落とされたそうだよ」

 

「そっか・・・残念だ」

 

「ボクはよかったと思うけど」

 

テイオーはスマホに何か打ち込んで返した。

 

「女の子の告白を断って、しかも飛んで逃げるなんて・・・。

惚れさせた責任を取るべきだと思わない?」

 

彼女はにっこりと笑って言った。

ああ、もう逃げられない。

 

「トレーナー、もういいんだよ」

 

気絶させられる、と思ったら抱きしめられた。

その温もりは、何か暖かいものを思い出しそうになる。

 

「辛くなったら、ボクに言ってほしい。

ボクはトレーナーのこと、ずっと見ていたから」

 

「盗撮で?」

 

「うん」

 

わかってはいたが、知りたくはなかった。

でも、見ていたということは・・・転生者掲示板も見られていたということ。

テイオーは何もかも見抜いていたということなのだ。

道理でスレを見ても淡々としているのか。

・・・彼の目から涙が溢れ出した。

転生者だということを知っていた友人はとっくに消えた。

でも、今はテイオーがいる。

彼は寂しかったのだ。転生者としての彼を知る者はいなかった。

いや、一人いたのだが、ハルウララのせいで消えたのだ。

でも、彼の愛バは事実を知ってもなお、彼を愛していた。

トレーナーとしても、一人の人間としても。

テイオーは突然立ち上がって、彼を背負った。

 

「ほら、この近くに温泉があるからさ!そこで暖まろ!」

 

「・・・そうだな」

 

なお、その温泉が混浴だということを彼はまだ知らない。

しかも、昨日の大雨のせいで誰もいないということも。

テイオーはそれを知っていて彼を運んだ。

その後のことは・・・語るまでもないだろう。

ただ一つ言えるのは・・・彼はもう孤独ではないということ。

関係ないけど、混浴の露天風呂って、よく同人誌の舞台になるよね?




読者諸賢「おかし、ウマ娘の二次創作じゃねえか!」


おまけ

運転手「ふふふ・・・あのトレーナーは転生者として二流だな。一流の転生者はウマ娘に関わらない!そういうわけで、俺はタクシーの運転手に就職したのだ!今回はお金欲しさにテイオーと関わったけど!さて、帰るか・・・うん?なんか女性の人が手を振ってる。乗せてほしいみたいだな!霧でよく顔が見えないけど!とりあえず、運転手としての義務を果たすか!」

数秒後・・・

運転手「まさか幼馴染の葵ちゃんだったとは!こんな場所で会えるなんて!」

桐生院葵「ええ、テイオーちゃんに場所を教えてもらったので」

運転手「へっ?」

桐生院葵「カーうまぴょい(意味深)に興味ありませんか?あっ、強制なので答えなくていいですよ?」

運転手「卑しか女杯(震え声)」



今日の教訓:ウマ娘世界では人間の女性にも気を付けよう!
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