灼炎の皇女と紡がれし未来   作:咲野 皐月

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 皆さま、おはこんばんにちは。咲野 皐月です。


 今回は前回からの続きになりまして……チュートリアルファイトとなります。書いてたら意外に文字数が膨らんでしまったので、内容がかなり濃密になっているかなぁと思います。

 この小説では、Vスタンダード(2018年5月より適用されました)のカードプールやルールに沿ってファイト回を書こうかと考えていますので、よろしくお願いします。


 ヴァンガードの事を全く知らない、と言う方にもわかりやすく書いて行けるよう……頑張ります。

 それではスタートです。


帝国の暴竜と守護天使の邂逅

「では、まず始めにスタートフェイズよ。ここでは場にある横向き(レスト)となっているカードを全て縦向き(スタンド)にするの。今回はその対象が無いので飛ばして、次にドローフェイズ。自分の山札の上から一枚を引いて手札に」

優依の手札5→6

 

「なるほど……」

「その次はライドフェイズ。手札にあるユニットカードの中で、場にあるヴァンガードよりも1個グレードの大きいユニットを一枚選んで、その上に重ねて昇級(ライド)させるの」

 

 

 百瀬さんにそう説明をしながら、私はターンを進めて行きました。

 

 

「ライド、グレード1《鎧の化身 バー》!」

優依の手札6→5

 

「これが……ライド」

「ライドされたカードは、カードの能力を使う際に必要なコストになるわ。その時に効果を発揮するカードとかもあるから、気がけて見ておく事をお勧めするわよ」

 

 

 その後私は……ライドされてソウルにある《リザードランナー アンドゥー》の効果を使って、さらにデッキの上から一枚を引いて手札にしました(優依の手札5→6)。

 

 

 そしてその次のメインフェイズでは、ユニットを仲間として呼び寄せる行動──コールと、ユニット一体一体が個々に持つ能力を使える事を、注意点と併せて説明しました。

 

 このターンで私ができる事は何も無かったので、メインは何もしない事を告げた後にバトルフェイズへと移りました。

 

 

「それじゃあ……行くわよ、バトル!」

「……!」

「と思ったのだけれど、先攻の1ターン目は攻撃が出来ないのよ。これは一部例外こそあるけど、それ以外は絶対に出来ないから覚えておいてね」

「は、はい……!」

「私は、これでターンエンドを宣言するわ。さあ……次は貴女のターンよ。私がやった通りに進めてみて」

優依の手札6/ダメージ0/ドロップ0

 

 

 私は百瀬さんにそう言って、ターンを譲り渡しました。

 

 先程のファイト開始前に勝利条件などは伝えていなかったので、伝えるとするならば……このターンのダメージフェイズが妥当でしょうか。

 

 

 そんな事を私が考えている間にも……彼女の初めてのカードファイトが、今まさに始まろうとしていました。

 

 

「私のターンです。スタートフェイズでスタンドできるカードは無いので、次にドロー。そして手札から1枚選び……ライド《刻印の守護天使(マーキング・セレスティアル) アラバキ》!」

天音の手札5→6→5

 

「順当に出来たわね。この後は言わなくても良い?」

「はい。グレード1のユニットにライドされたので、ペヌエルの効果を使ってデッキから一枚ドローします。私もメインは何もしないで、バトルに入ります」

天音の手札5→6

 

 

 私が教える暇も無く、彼女は自分の出来る事をスムーズにこなしていました。後で詳しく話を聞いてみたのですが……彼女にはどうやら三つ上にお姉さんが居る様で、ファイトの流れはその人のを見て学んだのだとか。

 

 

「アラバキでヴァンガードに攻撃します!」

「ノーガード。ここでするのはドライブチェックよ。自分のデッキの上から一枚目を捲り、それがトリガーユニットであれば能力を使用する。能力の解決が全て終わった後かトリガー以外の場合は手札に加えるの」

「は、はい(お願い……応えて……私のデッキ!)」

天音の手札6→7

 

 

【ドライブチェック】

一枚目《懲罰の守護天使(ホットショット・セレスティアル) シェミハザ》(

 

 

「こ、これは……」

「お見事。今貴女が引き当てたトリガーは、クリティカルトリガー。好きなユニットを一体選んで、そのターン中パワーを+10000させ……相手に与えるダメージの数を表す、クリティカルを増やす事が出来るの」

「な、なら……効果は全てアラバキへ!」

 

 

刻印の守護天使 アラバキ

パワー:8000+10000→18000/クリティカル:1+1→2

 

 

「これで私は、2点のダメージを受けたので……2回のダメージチェックを行なうわ。さっきのドライブチェックとやり方は同じだけれど、その後が違うから気を付けて。ダメージチェック」

優依のダメージ0→2

 

 

【ダメージチェック】

一点目《ドラゴンアーマード・ナイト》

二点目《ドラゴンナイト ブルジュ》

 

 

「カードが、ダメージゾーンに……」

「これが私の受けた傷……言わば、ダメージ。自分の先導者(ヴァンガード)が傷つく様を見て、戦意を喪失した仲間(ユニット)たちが逃げ出すの。このカードが6枚に達した時、全てのユニット達との契約は破棄され、私たちはただの霊体へと戻り消滅する」

「そうなんですね……」

 

 

 私の説明を聞いている百瀬さんが、見るからに肩を落としてガックリしていました。……まあ、私も最初に義妹へとルールを教えた時は、そんな顔をされて精神的に堪えましたがね……。

 

 そう言うのが二度目ともなると、若干ですが耐性が着いてしまうみたいですね……我ながらなんて酷な教え方をしたものだと後悔しますよ。

 

 

「ヴァンガードと言うゲームは、ただ楽しいだけじゃあ無くて……相手の繰り出す一手や二手も先を読んで行動しなければいけないのよ」

「わかりました……ターンエンドです」

天音の手札7/ダメージ0/ドロップ0

 

「授業は終わり……ここからは、全身を持って体感して貰うわよ! スタンド&ドロー、ライド《ドラゴンナイト ネハーレン》!」

優依の手札6→7→6

 

────────────────────────

 

 その後行なわれた優依の第3ターンは、メインフェイズに《ドラゴンアーマード・ナイト》と《鎧の化身 バー》をリアガードとしてコールし、アタックフェイズへと移行(優依の手札6→4)。

 

 ヴァンガードの攻撃では、ドライブチェックで《槍の化身 ター》を当て、天音に2ダメージを与える事に成功した(優依の手札4→5)。

 

 

 

ドラゴンナイト ネハーレン

パワー:10000/クリティカル:1+1→2

 

ドラゴンアーマード・ナイト

パワー:10000+10000→20000

 

 

 

「つ、強い……です……! ここまで、一気に詰めて来るなんて……。ですが……!」

天音のダメージ0→2

 

 

【ダメージチェック】

一点目《後躯の守護天使(セレスティアル) アールマティ》

二点目《サニースマイル・エンジェル》((ヒール)

 

 

「捲れたわね」

「ゲット、ヒールトリガーです! 自身のダメージが相手と同じかそれ以上なら、ダメージゾーンからカードを1枚ドロップゾーンに置いて、ユニット一体のパワーを+10000……アラバキに追加します!」

 

 

刻印の守護天使 アラバキ

パワー:8000+10000→18000

 

 

 ダメージチェックにより捲れた《サニースマイル・エンジェル》のトリガー効果を使い、最初にダメージとして置かれた《後躯の守護天使 アールマティ》をドロップゾーンに置いて回復させようとしたが……今回は優依の受けているダメージが天音よりも多かった為、回復できずじまいとなってしまった。

 

 

「続けて行くわよ、後列に居るブルジュを横向きに(レスト)して前列のユニットを支援(ブースト)……《ドラゴンアーマード・ナイト》でヴァンガードに攻撃! バトル時効果で、相手のリアガードが三枚以下なら、自身のパワーを+5000!」

 

 

ドラゴンアーマード・ナイト

パワー:20000+6000+5000→31000

 

 

「手札にある《懲罰の守護天使 シェミハザ》で、ヴァンガードを守護(ガード)します! ガードに使用したユニットは使い切りなので、ガードで使用したらそのままドロップゾーンに置きます! ……ありがとう、シェミハザさん」

天音の手札7→6/ドロップ0→1

 

 

刻印の守護天使 アラバキ

パワー:18000+15000→33000

 

 

『健闘を祈ってるよ、私たちの先導者(マイ・ヴァンガード)♪』

 

 

 残るリアガードでも攻撃した結果……ガーディアンとしてコールされたシェミハザの妨害を受け、優依は天音に2ダメージしか与える事が出来ず、ターンを返してしまう事になった。

 

 

「やるわね……ターンエンド」

優依の手札5/ダメージ2/ドロップ0

 

「私のターンです。スタンド&ドロー!」

天音の手札6→7

 

 

 そう意気込んで始まった天音の第4ターンだったが、グレード2のカードが手札に存在しなかった為、メインフェイズで《礎の守護天使(アンダーレイ・セレスティアル) ハスデヤ》をヴァンガードの後ろへとコールし、手札とダメージゾーンの交換を行い、バトルフェイズへ。

 

 それに対して優依からはノーガードの宣言を受け、ドライブチェックを行なう事に。

 

 

「ドライブチェック」

天音の手札6→7

 

 

【ドライブチェック】

一枚目《真紅の奇跡(クリムゾン・インパクト) メタトロン》

 

 

「ダメージトリガー・チェック」

優依のダメージ2→3

 

 

【ダメージチェック】

三点目《盾の化身 ラーム》

 

 

「私はこれでターンエンド、です」

天音の手札7/ダメージ2/ドロップ1

 

「百瀬さん……私、最初の時点で貴女にこう言ったわよね?『本気で来なさい』と」

「は、はい……言いました……」

「私の本気、見せてあげる。スタンド&ドロー」

優依の手札5→6

 

 

 優依から放たれるオーラが、次第に紅蓮の炎を思わせる様な緊張感を纏って来た。それを見た天音は少し萎縮してしまうが……何とか平静を保つ事が出来ていた。

 

 そして、優依が動き出す。

 

 

「ライド・ザ・ヴァンガード! この世の全ての物を焼き尽くす、黙示録の炎……《ドラゴニック・オーバーロード》! ゲット、イマジナリーギフト:フォース!」

優依の手札6→5

 

「こ、これが……伝説の、オーバーロード……。こんな所で、出会えるなんて……!」

「……惚けてるみたいだから、一応説明はするわね。イマジナリーギフトと言うのは、グレード3へと昇級した事を祝福した、仲間たちからの少しばかりの贈り物なの」

 

 

 終始見蕩れている天音を他所に、優依は『イマジナリーギフト』の説明を始めた。……それが彼女にどこまで伝わるのかは分からなかったが、お互いの使うギフトについては説明をする事にしたのだった。

 

 その後……フォースのマーカーはヴァンガードサークルに設置され、オーバーロードのパワーが+10000された後、メインフェイズへと移った。

 

 

ドラゴニック・オーバーロード

パワー:13000+10000→23000

 

 

「さらに行くわよ、ヴァンガードの後ろに《ドラゴンモンク ゴジョー》……右前に《クレステッド・ドラゴン》、その後ろに《レッドジェム・カーバンクル》をコール!」

優依の手札5→2

 

「い、一気に、リアガードサークルが、全てユニットで埋まった……」

「仕上げに。オーバーロードのスキルで、自身のソウルから1枚をドロップゾーンに置いて、自身のパワーを+10000。これでパワーは33000!」

優依のドロップ0→1

 

 

 『ソウルブラスト』……ヴァンガードの下に重ねられているカード、云わば『ソウル』をドロップゾーンに置いて能力の使用コストとする事である。今回の場合はソウルを一枚ドロップゾーンに置いたなら、自身のパワーを+10000すると言う効果である。

 

 

ドラゴニック・オーバーロード

パワー:23000+10000→33000/ソウル3→2

 

 

「行くわよ、バトル!」

「……!(さっきよりも強い攻撃が来る……より一層気を付けないと!)」

「まずはブーストをせずに、オーバーロードでヴァンガードに攻撃!」

「ノーガード!」

「ここでこのターンの運試しよ。……チェック・ザ・ドライブトリガー。ファーストチェック」

優依の手札2→3

 

 

【ドライブチェック】

一枚目《魔竜導師 ラクシャ》(☆)

 

 

「ゲット、クリティカルトリガー。効果はヴァンガードに付与して、パワーをクレステッドに。セカンドチェック」

「……そうか、グレード3になったから、ドライブチェックの数が1回増えているんですね」

「そうよ、これが『ツインドライブ』。グレード3のユニットは、ヴァンガードとして攻撃した時に2回ドライブチェックが出来るの。……改めて、セカンドチェック」

優依の手札3→4

 

 

ドラゴニック・オーバーロード

パワー:33000/クリティカル:1+1→2

 

クレステッド・ドラゴン

パワー:13000+10000→23000

 

 

【ドライブチェック】

二枚目《槍の化身 ター》(☆)

 

 

「ゲット、クリティカルトリガー。効果はヴァンガードに付与して、パワーは《ドラゴンアーマード・ナイト》に」

「ダブルクリティカル!?!?」

「貴女のクランはプロテクトタイプ……これくらいの攻撃なんて、軽く防いで見せなさい!」

 

 

ドラゴニック・オーバーロード

パワー:33000/クリティカル:2+1→3

 

ドラゴンアーマード・ナイト

パワー:10000+10000→20000

 

 

「……ぐ、うぅっ!」

「これで貴女が受けたダメージは3……3回のダメージチェックをしなさい」

「だ、ダメージ……チェック……!」

天音のダメージ2→5

 

 

【ダメージチェック】

三点目《天罰の守護天使(ワイルドショット・セレスティアル) ラグエル》

四点目《機動病棟 フェザーパレス》

五点目《団結の守護天使(ソリディファイ・セレスティアル) ザラキエル》

 

 

「トリガーは無い様ね」

「こ、これで攻撃はあと2回……いや、オーバーロードならここで攻撃が終わりな訳が無い!」

「……正解よ。オーバーロードの能力を使用(アビリティブラスト)! ダメージゾーンにあるカード一枚を裏向きにして、手札から《クレステッド・ドラゴン》と《槍の化身 ター》をドロップゾーンへと破棄する事で、オーバーロードは再攻撃が可能(スタンド状態)となる!」

優依の手札4→2/ダメージ3→2(1)/ドロップ1→3

 

 

 優依はコストを支払い終えると、自身のヴァンガードをスタンドして……再攻撃が可能な状態にした。それが分かっていたのか、天音は言い様の無い恐怖と威圧感に悩まされていた。

 

 

「お、お願いします……!」

「勢いは結構。今度はゴジョーの支援も付けて、オーバーロードでヴァンガードに攻撃! ゴジョーのスキルをここで使用し……相手のリアガードよりも私のリアガードの数が多いなら、ブーストされたユニットのパワーを+3000!」

「そ、そんな効果があったんですかっ!? それじゃあオーバーロードは……!」

 

 

 そう。今現在の段階では……《ドラゴニック・オーバーロード》のパワーは33000なのだが、後列に居るゴジョーのパワーをそこに加算するため、能力を未使用の状態で41000へと上昇する。さらに、ここからゴジョーの効果を使うとなると、その数値が一気に44000へと跳ね上がるのだ。

 

 

「再攻撃するわよ……オーバーロード、我が前に立つ邪魔者を切り伏せなさい!」

「ひっ……! て、手札にある《恋の守護者(バトル・キューピット) ノキエル》で完全ガードです! 使用コストとして《ミリオンレイ・ペガサス》をドロップゾーンに!」

天音の手札7→5/ドロップ1→3

 

「チェック・ザ・ドライブトリガー」

優依の手札2→3

 

 

【ドライブチェック】

一枚目《ドラゴニック・オーバーロード》

 

 

「ふぅ……トリガーじゃなかった……良かっ『それで安心して良いのかしら?』……て、あっ」

「行くわよ。ブルジュの支援を受けて……《ドラゴンアーマード・ナイト》でヴァンガードに攻撃! 攻撃時効果でパワーを+5000!」

 

 

ドラゴンアーマード・ナイト

パワー:20000+6000+5000→31000

 

 

「の、ノーガードです!」

「……!」

 

 

 この時の天音の宣言を受けて、優依の眼が大きく見開かれた。彼女はこの後にもう一度大きな威力の攻撃を受けなければならない……その為には手札から最低でも25000以上のガード値を払わないと凌げない、と思っていたのだが。

 

 それを目の前の天音はと言うと……この31000と言う高火力の攻撃を『ノーガード』と宣言したのだ。

 

 

「(ふふっ、面白いじゃない。貴女の思い描く自分自身のイメージ……この私に全て見せてみなさい!)」

「ダメージトリガー、チェック!」

天音のダメージ5→6




 今回はここまでです。如何でしたか?


 最初は優依ちゃんの視点でお送りしましたが……途中からの地の文が、三人称視点へと切り替わったのには気づきましたでしょうか?

 実は今回からの新しい試みとして、ファイトのナレーションでは小山力也さんのボイスで脳内再生して頂こう……と言う考えなのです(そのキッカケとしては、あるアニメが理由なのですがね)。


 それではまた次回です! 今回も感想を是非!

 いつもの様に……高評価やお気に入り登録の程を、よろしくお願いします(次回でファイト回は一旦一区切りにして、少し日常回を挟む予定です)!


 そして……このお話の投稿日である、本日6月27日ですが……Pastel*Palettesのキーボード担当で『北欧から来たサムライ』を二つ名に持つブシドー少女、若宮 イヴちゃんのお誕生日です!


 パス病みでは誕生日回を用意する事が出来ませんでしたが……この場を借りて、改めてお祝いをさせてください!

 本当にお誕生日おめでとう……イヴ!

ファイトの描写について

  • 第2話と第3話の形式が良い
  • 第6話(最新話)の形式が良い
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