トウカイテイオー三冠故障なしRTA   作:名無しの権左衛門

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甘くて胸焼けするので、渋みと苦みを加えました。


5:夏休みイベント!!

 序盤の好スタートをふいにするRTA、はっじまーるぞーい!(ヤケクソ)

 

 ……はい。私が悪かったですね。

 

 色々あるんですけれど、本当に色々あるんですけれど優しすぎました。

もう少し厳しくやっていればよかったですね。

これでRTAは最速ではありません。ま、いいや、一応怪我をしないようにします。

 

 えー失敗した原因ですが、簡単に言えば教導トレーニングと共同トレーニングを

やらなかったこと。そして、メイクデビューにさっさと出さなかったことですね。

 スキップしながら話していきましょう。

夏の自費合宿は、二ターン使った九十九里浜で訓練しようか。

丁度海開きしている場所でもあるし、鍛えたい能力値にあった場所・取得したいコツもありますし。

何よりあいつがいるかもしれない。

 

 

 何を言えばいいかなぁ。

 とにかく私がソロがよかったというのが、この教導トレーニングです。

これが何って思うことでしょう。

これはトレーナーが担当ウマ娘と同じ訓練をすると、教導の形になります。

教導状態であると能力上昇率や治療回復効果に、補正がかかるウマ娘がいます。

(勿論逆も然り)

 補正がかかるのは、トレーナーラブ勢または好感度8以上のウマ娘です。

あとはサポート科のサポートとトレーナーの指導力も影響しますね。

 

 私のプレイングを見てください。

私が教導したのは、トウカイテイオーです。

 

 はい、間違ってましたね。

本来ならば、シットリテイオーにするために無駄に使ってしまったターンを、

全てマヤノトップガンに使うべきでした。

そしてトウカイテイオーは、保健室に入り浸りにすべきでした。

 するとトウカイテイオーは、好感度ややる気が上がらない代わりに怪我が早く治りますし、マヤノトップガンは教導トレーニングで能力が普段より高くなっていました。

更に実質担当ウマ娘が一人なトレーナーを、トレーナー評価回復に努めさせて得られたはずの共同トレーニングをマヤノトップガンに施せばメイクデビューを1着にすることができたでしょう。

 

 そうそうなぜこの時期に、メイクデビューをしたのかを言います。

それは先述したように、マヤノトップガンは大器晩成であること。

メイクデビューに出走するNPCウマ娘の能力値が、限界値に達すること。

ウマ娘の好感度とやる気が一定以上の場合、スパート時のスタミナ消費を0~2秒間抑えられること。

同じく上記の数値が一定以上の場合、トレーニング効果が上昇すること。

チーム評価・トレーナー評価が1以上で人脈を作ると、共同トレーニングが発生しやすい。

メイクデビュー前状態だと、面倒なやる気ダウンイベントが来ないこと。

メイクデビューを毎日開催最後の一週間にやると、ファン数・レースボーナス・チーム評価が微増すること。

メイクデビュー前は、ライバルが出現しない。etc

 

 今羅列できるものだけでも、これだけのものがありますね。

完全な失策です。

 

どこが失策なんだコノヤローと結構思うでしょう?

 

 実はソロだと2着であっても問題なかったんですよね、OP戦前に未勝利戦やりゃいいんで。

ただ未勝利のまま12月過ぎると退学という点が問題なだけで、

些細なことだったりするんですよ。

 

 で、何が問題か。

 

 トレーナー評価とチーム評価。さらにはマヤノトップガンが及ぼす影響です。

 

 最初にトレーナー評価とチーム評価について語りましょう。

 

 トレーナー評価は、相手からプレイヤー側に与えられる情報の正確さに関する数値です。

これは以前話した通りなんですが、これが下がると陰口とか

チームを持つトレーナーが共同トレーニングを持ちかけてこない、レースボーナスに補正がかからない、夏合宿に誘える有名トレーナーを誘える確率やその量・倍率や補正がかからないといった事が起こります。

 

 そしてチーム評価は、プレイヤー側からNPC側に与えられる人気や名声に関する数値です。

これが影響するのは、入着順のファン数の補正・人脈をえたトレーナーがNPCトレーナーに

共同トレーニングを持ち掛けられる確率、卒園に伴う引退式に来るファンの倍率、

入園式後の選抜レースで玉石混交のウマ娘がチーム入りを希望する。

更にチーム評価が2以上になると、予定表の予約優先が発生。

チーム評価が5以上になると、特別トレーニング機材の搬入と使用権利を受諾できます。

 予定表(後述)の予約優先はともかく、特別トレーニング機材の搬入は本当に見逃せません。

何故なら、アプリ版と違ってトレーニングレベルは最高で8ありますので。

これにより、2レベル確定で上昇します。

ジュニア級で2レベル上昇の3レベルは勲章ものですよ!

 

 なお搬入機材はランダムのもよう。

ほんとパワプロ方式はさぁ……。

 

 

 

 さて、お次はわかっちゃう系女子のマヤノトップガンですねー。

この子は割と厄介なんですよ。

最初はトレーナーラブ勢として、そしてチーム結成のために入れたようなもんです。

 ただまあ、PART1で云った通りちょっと後悔してきたかなぁという。

あ、別にチーム評価が上昇してでてきた特別トレーニング機材で練習レベルが上昇して

体力が削れるけれど、実は指導力Cならレベル1で教導トレーニングしたほうが

おやすみせず、うまくいけば一年間ずっと練習漬けにできて非常にウマ味

だなんて思ってませんよ!

おかげで友情度(友情トレーニングに必須)や好感度を荒稼ぎできて、

エンジョイ勢ハルウララと邂逅して、ダートのコツとパワーの強化ができていたなんて微塵も思ってませんし!

なんならチーム結成しなかった方がいいんじゃないかって、そんな最低なこと

ほんと全然思ってませんし!!!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 マヤノトップガンは、メイクデビュー戦で1着以外になると好感度が激減し練習をさぼります。

更にチーム全体にトレーナー不要論が湧き、トレーナー評価・チーム評価が

強制的に-1されトレーナーも過労というマイナスコンディションを取得します。

 

 

解消方法は、選抜レース前後で発生するイベントのみです。

 

 

 

 

 ホントさぁ、やめてくれよぉ。

 

 

 まあ今回は何故か、やる気と友情度が減る音だけが聞こえて済みました。。

 

 

 

 

 

 

 さて、7月に突入しますが、その前に外泊することを予定表に組み込んでおきます。

この予定表は、アプリ版のレース予約と同じ機能です。

どこで何をするかを予定表(カレンダー)を開いて、レース・外泊・購買・訓練・模擬レース等の行動を予約することができます。

 もしもその予定日になった場合、画面に”予定通り実行しますか?”と吹き出しが出てきます。

ちなみに予定を取り消す場合、予約が必要なイベントや外泊場所の資金が消えます。

そしてウマ娘のやる気が激減して、訓練内容に支障が出ます。

これはトレーナーへの好感度が高いほどなりやすいですね。

 

 別に予約しなくてもいいんですが、予約した方がウマ娘のやる気が上がりやすくなります。

更に二週間以上前に予約しておくと、トレーナー評価が高ければ飲み会で築いた

人脈が活きます。そう、合宿を通した協同トレーニングというものを行えます。

 通常の共同トレーニングはアプリ版で言うところの、友情トレーニングではない

効果が上昇したトレーニングの事です。

あのキラキラしていないウマ娘たちが、各種トレーニングにアイコンで出ている奴ですね。

 で、この協同トレーニングは、各種トレーニングに”参加したトレーナーの指導力”と

”参加したトレーナーの特殊能力”・トレーナー評価・チーム評価の影響が直接反映されます。

 

 デメリットとして、”参加したチームのウマ娘”も強くなりますが、

それを加味しても協同トレーニングはウマあじです。

 

 もしも参加したトレーナーに、凝り性(全訓練レベル+1<上限レベル8>)・

心配性(訓練時に怪我しても、やる気や能力の低下が発生しない)・

料理上手(休息時資金の使用量により、やる気や能力上昇・怪我率低下・体力回復)・

整体師(休息時10%の確率でデバフを消し、G~Cの各種適性のうち一つの適正レベルを+

    1する)・

愛妻家(トレーニング効果が低下するが、その他全確率や効果が半減する)・

全力疾走(5%の確率でイベント発生。

     体力を全消費する代わり、選択したトレーニングに付随する能力上昇値を大幅

     に加算する)

等がいた場合、それらが全てウマ娘に効果が出てきます。

 ちなみに凝り性が、このゲームにおける一番のチートです。

レベル8の時の能力上昇はレベル7の1.4倍で、しかも消費体力がレベル5と同じなのじゃ。

そしてレベル7の時の消費体力は、そのままレベル7の時のを参照しまっせ。

 

 

 

 

 

 トレーニングするってレベルじゃねえぞ!!

 

 

 

 っし。

 

 じゃあ、気をとりなおして7月の合宿に行くゾー。

デッデッデデデカー……ん? 

 

ちょっとまて、その特徴的な真っ白さんは?

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 来 ま し た。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 ゴールドシップです。

 

 

 

 

 

 

 

 まだ尺がありますので、彼女に関して説明をしましょうか。

 

 

”君は?”

”あたしはゴルシってんだ、よろしくな!”

”よろしく、ゴルシ”

 

 

 あ、間違えた。

ウマ娘三大イベントについてだ。

 

 

”お、今から海にいくのか?”

”ああ。砂浜の方が、脚に来るだろうと思ってな”

”へぇ、いいじゃねえか”

 

 

 ウマ娘三大確定イベントとは、何ぞや?

そうお思いのあなた! 聞きたいですか!

そうですよね、聞きたいですよね!?

 

 

”じゃあ、アタシと協同トレーニングしようぜ!”

”君、トレーナーなのか?”

 

 聞きたいとな!

それはとても素晴らしい心掛けですねえ!

今から説明いたしましょう、このゲームの最大難関イベントを!

 

 それは、三年目のクリスマス・二年目のバレンタイン・一年目の夏休みです!

 

 

”おう、ゴルシちゃんはトレーナーだぜ!”

”でもその服は、中央トレセンのものでは?”

”4か月前までは学生だったんだよ、別にいいじゃねえか!”

 

 

 ん? なんかおかしいこと言い始めましたが、きにしませんよ!(震え声)

 

 三年目のクリスマスは、色々なマスクデータの集大成です!

告白もありますが、トレーナーラブラブ勢は卒業後に結婚を申し立ててきます。

 なお、質問の返答の如何によっては、トレーナーの人生が終了します!

つまり、育成終了ですね。失敗じゃないのがミソです!

これが育成失敗でしたら、クソミソですね。

 

 

 二年目のバレンタインは、三年目のバレンタインや二年目のクリスマスにかかってくる

ものです。ここで好意的なものでなければ、今後の育成はさらに難しくなりましょうな。

頑張って彼女たちのハートを射止めてあげて、どうぞ。

本命は120回中13回しかもらったことがありません。

 そしてその13回の記録を吟味しても、あの選抜レース後のアレは

ちょっとおかしかったように見えますねえ。

ま、今回の2着で好感度もめっちゃ下がったことですし、問題ありません!

(問題がないとは言っていない)

 

 

”おおう、すまなかった。それで、新米トレーナーゴルシちゃん。

一緒に協同トレーニングしたいのか?”

”おうよ! 卒業前に中央トレセントレーナー試験に一発合格したってのに、

誰も声かけてくれねぇしよ”

”じゃあ、一緒にやらないか?”

”まじか!? ありがとな、トレーナー!”

 

 

 ちょっとまて、ゴルシが卒業してるってどういうことだ!?

 

 まあいいや……。よくないんだけど、今は置いといてください。

頭おかしぃなる。

 

 1年目の夏休みは、120*3回+αの経験のおかげで九十九里浜がいいという結果が出ました!

理由はやっぱりその距離と砂浜、そしてゴルシちゃんやスピカが出てくることですね。

彼らが出てくると、一般トレーナーにはない特殊能力を持って協同訓練を提案してくれます。

こっちから話しかけなくてもいいので、ターンを消費する代わり連打で終わります。

……ホントは学園内プールの方がいいんですけどね。

 

 

 さぁ、ここから本番です。

何故なら、ゴールドシップによる遠征が行われるからです。

 

 

 わけわからないって?

 

 

 大丈夫だ、問題ない。

何故なら、走者である私もわけわからんのだから。

 

 

 

 この遠征は、7ターンから31ターン(一週間から一か月)が消費される代わりに、

色んなスキルを習得したり、コツや特性・スキルポイント・ステータスポイント・消費ターンやイベント難度に見合う報酬が得られます。

また、選択肢はあれど、通常のターン消費とはシャレにならないくらい指の疲労率が

減少します。

 

 つまり、RTA向きなんですね。

(なお、プールには伝説のリギルがいますので、そっちの方がRTAに向いてます)

 

 

 

 ん? 失敗したら?

 

 

 

 

 RTA走者は、失敗したときの事は考えません。

何故ならチャートをちゃーんと確認して、行き当たりばったり臨機応変に

柔軟な思考で対応するからだ!

 

 

”じゃあ、あたしとあたしが育てたウマ娘と一緒に、遠征に向かおうぜ!”

”勿論だ。ゴルシちゃんのような優秀な子とトレーニングできるだなんて、

夢のようだ!”

”ははは! 面白いな! 夢じゃねえ、夢なんかじゃ終わらせねえからよ。

ちゃんとついてこいよ……!”

”ああ……!”

 

 

 脳筋と熱血、指導力が通常なおかげで頭ぱっぱらぱーな会話だなあ。

 

 あ、そうだ。

 

 ゴルシの遠征ですけど、何が行われるか聞きたいですか?

 

 ほう? ほうほうほう! 聞きたいとな!

しょうがないなあ! 聞かせてしんぜよう!

聞きとうないって? 嬉々として聞いているじゃないか。

 

では、盛大に言ってやろう!

 

 

 第三位! 高知県山奥での砂金狩り。

資金入手と共にハルウララと邂逅し、山奥でイワナ釣りもあるぞ!

やる気や体力回復もあって、なかなか……うん、おいしい!

 

 第二位!! 運命のダイスロール!からのサティスファクションで満足!する

マネーゲームです!

東京証券取引所で、G2を5回1着した時の賞金~G1を3回1着した時の賞金が手に入ります!

強欲で傲慢な幸運のツボを押せば、国内ランダムで約1億円の一戸建てが1軒入手できますぞ!

 なお、クリスマスの時ここで過ごせば、大体結婚ルートになりますのでご注意を。

 

 

 第一位!!! 海の黒いダイヤモンドであるクロマグロ漁船! 

事前に航空自衛隊の航空ショーに行っていると、F-15E戦闘機から秋刀魚が撒き餌されて釣りやすくなるぞ!

釣る場所は、北方領土・ハワイ近海・竹島近海・尖閣諸島です!

戦闘機の機動やマグロ漁・噴火・隣国のウマ娘との交流で、特殊なスキルを覚えたり

かなりの資金・能力値を上昇させるぞ!

 なお。マグロ漁とかいいながら、ホホジロザメ・ダイオウイカ・シーラカンス・シロナガスクジラが釣れるのはお兄さんとの秘密だゾ!

 

 そうそう……釣る場所が意図的なのは、課金者が日本に次いで多い国をリスペクトしてるからだゾ!

ゲームに国際問題を取り入れてはいない、いいね? わかったね?

 

 

 

 

 

 ヨシ!

 

 じゃあ、結果はっぴょー!

 

 

 

 

 

 

 

”というわけで、今からアタシたちと砕氷船に乗り込んでもらう”

”さいひょうせん? クリオネでもみつけるのか?”

”いや。いまから、調査捕鯨にむかうぞ。ついでに、龍涎香を探す!”

”よし! 早速向かおう!”

 

 

 

 

 

 

 ナニイッテルノ……?

わからない、わかりたくもない……。

これが、これが世界の選択とでもいうのか!?

 

 

 

 

 

 まあ、114514歩譲っていいとしよう。

それで、何ターンかかるんだ?

 

 

 

 

 

”何日かかるんだ?”

”ざっと二か月だな!”

 

 

 

 あっふーん(察し)

 

 

 

 

 これは……だめかもしれんね?

 

 

ーーーーーーーーーーーーーー

 

 

 

「トレーナーちゃん! マヤちんの走り、ちゃんと見ててよね!」

「勿論だとも。マヤがキラキラしてるとこ、見ているよ」

 

「テイオーちゃんも、マヤの事応援しててね!」

「うん。マヤノ、こんなところでつまずいてちゃダメだからね」

 

 やっと、やっと……メイクデビュー!

トレーナーちゃんの手前言えなかったけど、すごく退屈だったんだ。

 毎日毎日階段を登るだけだし、スタミナはテイオーちゃんにも勝ってる。

トレーナーちゃんもマヤは、今の状態だったらメイクデビューは安定して走れる

だろうって云ってた。

 

 安定して走れるのに、なんで何度も階段を登らないといけないのって。

アタシはトレーナーちゃんに聞いたことがあるんだ。

てゆーかテイオーちゃんは邪魔しないで、腹筋してればいいんだよ。

 

 それでねトレーナーちゃんは、”マヤはワクワクするレースをしたいんだろ?

だったら、最高に楽しめるようになれるよう、この訓練をしてほしい”って云ったの。

マヤは”何で?”って疑問が止まらなかった。

アタシはすぐに、”わからない”素敵なレースがしたいのに。

 

 でも、そんなつまんないこともやってたら慣れちゃった。

どんな風に体を動かしたら、体の疲れを少なくして上がり切れるかわかっちゃうんだもん。

だからトレーナーちゃんが掲げてる目標が終わったら、テイオーちゃんと一緒に体幹エクササイズしてる。

アタシの体は、まだ走り足りないって訴えてくるけど、練習とか階段ダッシュはつまんないし楽しくない。

 

 あ、それでもねトレーナーちゃんと一緒に階段ダッシュするのは楽しかったよ!

 

 だってテイオーちゃんが、ほっぺを膨らませてマヤとトレーナーちゃんの併走をうらやましそうに見てたんだよ?

 

 今じゃもう脚が治ってトレーナーちゃんを独り占めできなくなっちゃったけど、

スタミナだけはテイオーちゃんより沢山ある。

だから放課後すぐにトレーナーちゃんのところに行って、頭をなでてもらうのが日課になってるの!

これをするとね、テイオーちゃんが虚ろな目で見てくるんだ~。

”ボクのトレーナーなのに”だって。

 

 トレーナーの隣は、アタシの居場所だよ。

 

 アタシが一着になったら、抱きしめてくれるかな?

ん~! 今から楽しみだなぁ。

 

 おっと今からパドックに行かないとね!

 

「よ、マヤノトップガン」

「あ、エースちゃん!」

「相変わらず元気だな!」

 

 パドックに向かってる途中、エースストライカーのエースちゃんにあった。

この子は中距離で先行。前の選抜レースだと、テイオーちゃんと途中でせめぎあってたんだ。

でもアグレッサジルバちゃんに追い抜かれちゃって、そのまま三着だったの。

アタシは逃げてたから、エースちゃんの走りは知らなかったんだけど、後で

トレーナーちゃんに見せてもらったんだぁ。

 そしたらね、ゴルトゾーンさんのマークを全力で振り切って走ってたんだ。

トレーナーちゃんもゴルトゾーンさんの威圧?って奴が見えたらしくって、

マヤに作戦は逃げで行くようにお願いされたの。

 

 そんなにまずいものなのかな?

 

 アタシはエースちゃんと駄弁っていたら、ついにパドック前に来てしまった。

まだまだ話足りないのにな~。

 

 さーて、メイクデビューの人気はマヤちんが全部かっさらっちゃうもんね☆

 

 

<二番人気、マヤノトップガン>

 

 

 ええええええええ~~!!!

嘘でしょ!? さっきターフでウォーミングアップしてたじゃん!

観客全員節穴なの!?

 むぅ一番人気は誰なんだろ。

少なくともマヤちんより大人なんだろーなー。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

<一番人気、オヴニルシャルペ>

 

 

 

 

 え?

 

「マヤノトップガン。あいつはまずいぞ」

「ん、うん。なんだろ、ズズズっていうオーラが凄いね」

 

 

 知らない。あんなのわかんない。

アタシ、逃げ切れるの?

それくらい、あの人は恐ろしかった。

 

 

 でもトレーナーちゃんの笑顔のために負けないもん!

素敵なオトナになるために、レースで勝って余裕をみせつける!

うん、これでいけるはずなんだから!

 

 

「お、おお、何か燃えてるな?」

「勿論だよ。絶対負けないもん!」

「だよな。あいつ如きに気圧されるようでは、この先1着になれなさそうだ」

 

 

 

<春の中山メイクデビュー2500M、天気も晴れ最高の良場になりました>

 

<ここで勝ち抜けば、さらなる飛躍とチャンスが生まれます。

さあ、勝ち抜くのはどの子なのか。メイクデビュー戦、はじまります>

 

 

 絶対にマヤが勝つ。ターフでウォーミングアップしているとき、場の感じはわかったから。

今回は場所に差はないと思う。そもそも昨日から晴れだったし、朝露も昼前には

蒸発してた。

選抜レースだと一部ダートっぽくなってたから、踏み込みの強い子が生き残っていっただけだと思う。

 

 だけど今日は違う。完全に実力勝負だ。

絶対に負けられない。負けたら、テイオーちゃんに取られる。

それだけは絶対に嫌。

 

 

「マヤノー! 負けるなー!」

「マヤ! 全力でレースを楽しんで来い!」

 

 

 トレーナーちゃんの声を聴きながら深呼吸をする。

集中してゲートに挑まなきゃ。

じゃないと、あの子に呑まれちゃう。

 

 

<ゼッケン番号1番、サクラローレル。2番、アグレッサジルバ。

3番、ゴルトゾーン。4番、マヤノトップガン。5番、オヴニルシャルペ。

6番、シンデン。7番、アーセナルリバティ。8番、ジャングルポケット。

計8の出走です>

 

<メイクデビューの勝利で、トゥインクルシリーズに参入できます。

無事最後まで走ってもらいたいものです>

 

<全娘、ゲートに収まりました>

 

 

 ……ふぅ。

 

 

 

 

 っ!

 

 ガタン

 

 

 よぉし、無事にテイクオフ!

そのまま逃げて、あの子を突き放そう!

中山の直線は短いから、曲線が勝負の決め手!

最初は直線で突き放して、いつも通りの流れで……!

 走るときのフォームは、トレーナーちゃんと一緒に変えてきたから

完全に馴染んでる。

 

 前のフォームじゃ考えられないくらい速い!

やっぱり、トレーナーちゃんは凄い!

 

<4番マヤノトップガン、二番手のエースストライカーに三身差>

 

<大きく差を広げています。このレースは、彼女が作りそうですね>

 

 芝が固い。それに、ちょっと差が出てる?

だったらあんまり速度は出さないようにして、速度を維持。

このままカーブを曲がって、脚への負担を軽減しないと。

 

 1500の看板。

まだスパートには早すぎるし……脚がっ。

なんで……!

今はかばいながら走るしかない!

ちょっとペース配分を調整して、後ろの子たちと開け過ぎないように。

 

 

 

 

 100Mが長い。痛い。苦しい。

でも、トレーナーちゃんに、トレーナーちゃんに……!

”よく頑張ったね、マヤ”って褒められたいからっ。

それだけのために、アタシは頑張れるからっ。

 

 

 

「よく頑張ったな」

 

 

 

 え?

 

 

 痛くてイタくて、コース取りのために前を向いてた。

でもお腹の底に響くような重い声に、一瞬だけ意識をむけちゃった。

 

「だが、無意味だ」

 

 どういうこと?って思ってると、あの子はアタシを一気に抜き去っていった。

 

 

 その景色はゆっくりに見えて、ゴールまで一直線に差されてしまった。

やめてってアタシは、いつの間にかゴールしたターフの中で思った。

全ては一瞬の出来事で、マヤが二着だってことに実況で知らされるまで譫言を呟くばかり。

 

 

<1着はあの圧倒的な走りを見せたマヤノトップガンにまさかの刺客、オヴニルシャルペ!>

 

 

「ここまでやれないとは思っていなかったぞ、君が」

 

 オヴニルシャルペは、アタシに目もくれず地下道に降りていった。

 

「マヤノトップガン、送るよ」

「ごめんね」

「構わないさ」

 

 

 アタシはエースちゃんに肩を貸してもらいながら、痛まない脚を引きずってターフを後にする。

別にあのまま帰ってもよかったんだけど、今のマヤをけが人っていう色眼鏡でみて欲しかったから。

理由はわからないけど、そう思ったんだ。

 

 

 控室。

 

 

 エースちゃんに別れを告げて、アタシの控室に来た。

 

 怖い。トレーナーちゃんはアタシに期待してた。

なのに、あんなことになるなんて思わなかったっ。

こんなのじゃ、マヤよりテイオーちゃんにトレーナーちゃんが取られちゃう……。

あんなマヤじゃ、絶対嫌われる。わかるっ。わかっちゃうもん!

 

 だってゴールまで耳に入ってきたのは、オヴニルシャルペの声だけだったんだ。

トレーナーちゃんの声は、全然聞こえなかった。

その代わり、いつの間にか脚は痛くなくなってた。

 

 それなのに、スパートをかけるほど力が入ってこなかった。

 

 そもそもそんな気すら起こらなかった。

 

 ずっとイタくて辛くて、何でかわからないことになって。

 

 ほんとに、なんで……1着になれなかったんだろう。

足が痛くなるまで、二番目の子の足運びや呼吸の粗さからたれになったのはわかってる。

アタシのレースについてこられなかったんだ。

 それにぎりぎりで抜かせられるかどうかの力加減にしたから、他の子も抜かそうと変に

肩ひじ張ってて途中で群に呑まれたのも分かってる。

 

 

 たしか今日の先行は4人いて、マヤも含めて逃げが二人。

オヴニルシャルペが差しで、アーセナルリバティが追い込み。

やっぱりあのレース展開で、差してくるのは早過ぎるよ。

 

 わかんない。全然わかんない。

 

 何が足りなかったの。トレーナーちゃんを想う気持ちなら、絶対に負けないもん。

1着になりたいっていう気持ちも、誰にも譲らないくらい強く持ってた。

 

 

コンコンコン

 

「マヤ、入っていいか?」

 

 

 トレーナーちゃん? 

 

 アタシは思考をいったんやめて、トレーナーちゃんに入ってもらった。

テイオーちゃんも一緒に入って来て、二着になったことへの憎まれ口もあるかなって思ってた。

でも、テイオーちゃんはこの場にいない。

マヤのためにっていう気持ちは、この時全然わかなかった。

むしろ悪いことばかり。

 

 

「マヤノトップガン」

「っ!」

 

 フルネーム。嫌な予感がたくさん溢れてくる。

捨てる。捨てられる。解放。釈放。嫌悪。憎悪。悪意。解消。解約。

嫌、嫌、嫌。聞きたくない! 何も知らない方がいい!

耳をかしたくない!! トレーナーちゃんに言わせるくらいなら、アタシが先に云う。

その方が、まだ、楽だもん。

 

 

「トレーナーちゃん、ごめんなさい。アタシ、やっぱり――」

「お疲れ様。最後までよく走ったね、脚は痛くないか触ってもいいかな?」

「ぇ、ぁ、ぅん」

 

 トレーナーちゃんは、なぜかアタシの頭をなでてきた。

 

 

 そのことに思考が停止する。

途中何か言ってた気がするけど、よくわかんない。

 こういう時、どうすればいいか、全然知らない。

今まで勝ってきたから。誰かに心配はされても、慰められることはなかったから。

 

 

「痛くないか?」

「痛くない。きもちいい」

「よかった。そうだ、ちょっと話をしてもいいかな」

「うん」

 

 ココロがズキズキする。

脚じゃない。

 

 

 何を言われるかわかってるから。テイオーちゃんを取るんでしょ?

だってトレーナーちゃんは、新人だから。新人は基本的に、一人のウマ娘を育てることから始めるって聞いたことがある。

だから上の人を納得させるために、アタシとの契約を解消するんでしょ?

 わかってるから、そんな悲しそうな表情はやめてよ。

 

 

「マヤノトップガン、敗因はわかってるかな?」

「トレーナーちゃんへの想い?」

「違う」

 

 トレーナーちゃんは、優しそうな目からちゃんとしたトレーナーへの目つきをして

アタシの瞳を矚る。

触診する手は止めないで。

 

 練習するときとか、テイオーちゃんとトレーナーちゃんの隣を取り合ってる時の

ほほえましそうな目じゃない。

 

 怒り?

 

 

「練習への熱意が足りない」

「ぁ……」

「大方、つまらないんだろう?」

「……」

 

 怖い。

 

 

 云いたくない。

 

 

 トレーナーちゃんが何を求めてるかわかっちゃうから。結果がわかってるのに、いちいちそれを繰り返す意図が読めない。

 

 そんなこと謂ったら、怒られる。

 

 

「目を反らすな。それとも何か、俺の事を信じられないとでも言いたいのか」

「違う!」

「じゃあいいなさい」

 

 アタシは悪くないでしょ。そもそも、トレーナーちゃんが、マヤの事をわかってくれないのが悪いんだから!

マヤはトレーナーちゃんの、楽しそうな笑顔も真剣な顔もむこうずねを打って苦しそうな顔も計画表を練ってる厳しい顔もアタシたちのアプローチで照れてる顔も好きだもん!

なのに、なんでわかってくれないの!

 

 

 

 

 

 

 

 

――って、聲に出せたらいいのに

 

 

 

「そうか、言えないか。すまないな、マヤノトップガン。

自分は君のトレーナーになれそうもない」

 

「ぇ?」

 

 

 なんで

 

 

「自分みたいな君をわかってやれないやつより、わかってくれるトレーナーを

受け持ってやってくれ」

 

 

 ねぇ、なんで

 

 

「もちろん引継ぎはちゃんとやるし、君をわかってくれる人を探そう」

 

 

 

 なんでなの?

 

 

 

「さあ、かえろうか」

 

 

 なんでそんなに悲しそうなの?

 

 

 

 アタシはココロがすれ違う音が聞こえた気がした。

 

 

 

 

 

 

 

―――――

 

「トレーナー。どういうこと? どうしてマヤノを負けさせたの?」

「強いて言えば、才能があるからだ」

 

 

 マヤノが車の中でぐっすり寝た後、トレーナーがボクに話してくれた。

これだけでもボクという存在が、トレーナーの中で大きくなってることがわかるんだ。

頼ってくれてる。そう思うほど、トレーナーの役に立ちたいって思いが強くなった。

でも、そのお願いがマヤノを救うためだなんて、思いもよらなかったけど。

 まぁ仕方ないか。だってトレーナーはトレーナーだし。

マヤノの事もしっかりカバーしないといけないもんねー。

 

 

 

 ……負けることでトレーナーのココロを独り占めできるんだぁ。

 

 

 

 

「テイオー。マヤノには言えないんだが、今回のメイクデビューは俺が仕込ませてもらった」

「ぇ、えっ!? あっ」

 

 突拍子の無いカミングアウトに、すっごく驚いてしまった。

あまりの声の大きさに、出した本人であるボクも驚いちゃった。

起きていないか後ろを見たけど、マヤノはぐっすり眠ってる。

よかったー。

 

「今回のメイクデビューは、あの新進気鋭である長蛇を招致したんだ」

「ちょうじゃって?」

「ステイヤーと蛇を合わせた言葉で、そのはオヴニルシャルペという」

「! それって」

「シニアにすらいないとされる、スタミナイーターの使い手だ」

 

 マヤノが練習を終わらせすぐに自室へ帰って寝る宣言をした後、トレーナーの

ところに行って菊花賞のためのステイヤー研究を一緒に行ったんだ。

今期の手ごわいステイヤーを見定めることは、今後の練習において最も大事だって

トレーナーが言ったから。

 おかげでスタミナイーターという業が、どれだけの効果を及ぼすのかわかったんだ。

 

 一言でいえば恐ろしい。

 

 やり方は難しくて、一度スリップストリームを使って後方まで来る。

次に同じ脚力、回転数、歩幅を作り出して一歩地面に足をつけるたびに、

同程度以上の衝撃波を加える。

すると微弱な振動で、蹄鉄に加わるはずの力や一部の力の伝播が非効率に発生。

 これらによって筋肉や骨に異常が発生して、ズレによる痛みや無駄なスタミナを使わせるという超高等技術であるということが分かったんだ。

 

「脚に爆弾があるマヤノやテイオーには厳しい相手だ」

「いやいやいや、ちょっとまって、厳しいのになんで当たらせたのさ」

「研究資料の充実もあるが、天才は早めに敗北を味わってほしかったんだ」

「やっぱり、マヤノは……」

「手、抜いてるよ」

 

 手より足なんだけど、とトレーナーは悲しそうにつぶやく。

 

 

 そうだね。マヤノもうまく隠してたんだろうけど、トレーナーへの好きよりも

自分の興味の方が勝ったみたいなんだよね。

以前模擬レースをマヤノといっしょに見に行ったとき、ボク以上に擬音語で

感覚的にレース展開を予知したのは凄かった。

 

 あれが天才肌っていうのかな。

それと同時に、ユキノビジンちゃんにも言ってたんだけど、ほとんど全部わかっちゃうことはつまんないって言ってた。ということは、練習もつまらないってこと。

 

「そんなに手、抜いてるの?」

「手というよりかは、気合が入っていないというべきかな。

筋肉を意識しない筋トレや目標の無い練習は、効果を感じる前に辞めることが多いしやったとしても効果は薄いんだ」

「そういえば、前にもそんなこと言ってたね」

 

 

『経験上練習をおろそかにする者は、基本的に自分は才能があると食って掛かる。

だが中~長距離は、努力とフォーム・そして自分にとってのレースという『型』を

作っていないと、怪我もするしなにより”勝つ”ことはできない』

 

 ”勝つ”という言葉に、どんな意味を込めてるのかわかんない。

だけどトレーナーは、マヤノやボクを大切に思ってくれてることはわかった。

勿論ボクはわかる前から知ってたんだけどね!

そこは抜かりないよ!

 

 だって、トレーナーはボクのモノなんだもん。

自分の事を知らない自分がいるわけないじゃん。

だから全部わかりたいし、知りたい。

どこまでトレーナーが、話してくれるかわかんないけど。

勿論トレーナーが、ボクを知りたいっていうなら全部教えてあげる。

 

 特にハジメテなことから、かな?

それでも最初に当てウマにされたのが、マヤノだったなんてね。

そこのハジメテは取られちゃったけど、次はそうはいかないから。

 

 

ガタン

 

「うっ」

「わっと……穴?」

「後で#9910しておこう。マヤは?」

 

 ボクは道路にできた穴でおこった振動で、マヤノが起きていないか矚てみる。

 

 

 ふーん、なるほどー。

耳がこっち向いてるね。

 

「ぐっすり寝てるよ。よっぽど疲れたみたいだね」

「そっか。後13分で着く。テイオーも少し寝ていてもいいんだぞ?」

「んーわかった。ついたら起こして」

「りょーかい」

 

 

 

 ボクはトレーナーの匂いが染みついた助手席で、まどろみの世界へ赴く。

包み込まれるような安心感で、ボクは一気に意識を深くした。

勿論、帰ったらやらなきゃいけないことがあるから、それは脳裏に刻み込んで……だけどね。

 

 

 それじゃあ、マヤノ……お部屋に戻ったら、お話しよっか。

勿論、車の中で聞いたことスベテだよ。

 

 

 大丈夫。トレーナーには言わないからさ。

だからマヤノも、トレーナーの事をわかってあげてね。

 

―――

 

「大したことなかったな」

「オヴニル、ただのメイクデビューでそれは時期尚早では?」

「ゴルトか。ああ、確かに語弊があったな。精神面で大したことがない、だ」

「なるほど、乱せばいけるか」

 

「ああいう手合いは、最初が肝心だ。さて、トレーナーのお手並み拝見といこうじゃないか」

 

 

 

 




 本編はクラシック行ってるのですが、彼女たちの心情がメインと化してるのでそれらの
添削ががが。

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