これはびっくり大穴ウマ娘 作:キングヘイロー↙️↓↘️➡️↗️⬆️
1話 そのウマ娘は
「長い間、お疲れさま」
あるトレーナーが担当のウマ娘に声をかけた。
ウマ娘の名前はダイユウサク。
今日は38戦ものキャリアを重ねた彼女の最後のレースだった。
名家の生まれでもない、特別足も速くない。
ケガに弱かった、体格もパワーも平均以下だった。
トレーニングやレースに耐えられず、体調を崩したことも数え切れない。
メイクデビューすらままならず、遅れに遅れて新馬戦はおろか未勝利戦にも間に合わず、1勝戦でデビューし2戦連続タイムオーバーでの大差負けした劣等生。
初勝利はシニア級でのことだ。
そんな彼女が、歩んできた道のりは平坦ではなかった。
それはラストランとなった今日も例にもれない。
「ごめんなさい、着いていくこともできなかった」
ダイユウサクが苦笑する。
引退レースは15着、勝敗に絡めず、ただ1400メートルを走ってきただけだった。
だが、ターフを駆ける彼女は全力だった。
必死で腕を振り、前を向く、その姿は常にトレーナーの誇りだった。
悔いはない。言葉に出さずとも、互いの表情が雄弁に物語っていた。
「ありがとう、ユウサク。キミに出会えたことは俺の誇りだ」
「ありがとう、トレーナー。あなたのおかげでここまで来れた」
彼女が走った時代、オグリキャップ、メジロマックイーン、トウカイテイオー、綺羅星のごとき主人公たちがいた。
ダイユウサクは決して主人公ではなかっただろう。
だが、彼女が放った輝きは、それらに劣るものではない。
38戦11勝。
『マックイーンがきた! ヤマニングローバルもきている! さあマックイーン抜け出るか!? マックイーン3番手!』
『黄色と赤の勝負服が伸びてきたっ! ダイユウサクだっ!! メジロマックイーンはどうだ!?』
『ユウサクだっ!! ダイユウサクだっ!! これはびっくりダイユウサクだ――!!』
主な勝鞍――有馬記念。
【史実馬紹介】
ダイユウサク
85年生まれ、生涯成績38戦11勝
主な勝ち鞍、GI有馬記念、GIII京都金杯。
若い頃は超虚弱体質ゆえに調教もできず、4才(当時の表記)秋でデビューし、2戦連続タイムオーバーでの大敗を喫した。
しかし、5才まで休養させたことで体質が改善し、徐々に好走を重ねる。
運命の有馬記念では14番人気の単勝137.9倍という出るのも場違いと言われそうな予想から、当時の最強馬メジロマックイーンをレコードタイムで撃破した。
あまり愛想のない性格だったそうだが、とても大人しくて賢く、レースでかかったりしない操縦性の高い馬だったらしい。
反応があればポツポツ続けようと思います
作中の時代、大阪杯や高松宮記念はGIIでした。ウマ娘時空ということで現代風にGIに統一するのが良いか、それとも当時のままGIIにするか、どちらが良いでしょうか。よろしければ回答お願いします
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ウマ娘時空を尊重、G1にする
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時代背景を尊重、G2にする
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ややこしいので当該レースの描写は飛ばす