これはびっくり大穴ウマ娘   作:キングヘイロー↙️↓↘️➡️↗️⬆️

1 / 18
ヒシアマ先輩が出ないから初投稿です。


1章 落ちこぼれのウマ娘
1話 そのウマ娘は


「長い間、お疲れさま」

 

あるトレーナーが担当のウマ娘に声をかけた。

ウマ娘の名前はダイユウサク。

今日は38戦ものキャリアを重ねた彼女の最後のレースだった。

 

名家の生まれでもない、特別足も速くない。

ケガに弱かった、体格もパワーも平均以下だった。

トレーニングやレースに耐えられず、体調を崩したことも数え切れない。

メイクデビューすらままならず、遅れに遅れて新馬戦はおろか未勝利戦にも間に合わず、1勝戦でデビューし2戦連続タイムオーバーでの大差負けした劣等生。

初勝利はシニア級でのことだ。

 

そんな彼女が、歩んできた道のりは平坦ではなかった。

それはラストランとなった今日も例にもれない。

 

「ごめんなさい、着いていくこともできなかった」

 

ダイユウサクが苦笑する。

引退レースは15着、勝敗に絡めず、ただ1400メートルを走ってきただけだった。

 

だが、ターフを駆ける彼女は全力だった。

必死で腕を振り、前を向く、その姿は常にトレーナーの誇りだった。

悔いはない。言葉に出さずとも、互いの表情が雄弁に物語っていた。

 

「ありがとう、ユウサク。キミに出会えたことは俺の誇りだ」

「ありがとう、トレーナー。あなたのおかげでここまで来れた」

 

彼女が走った時代、オグリキャップ、メジロマックイーン、トウカイテイオー、綺羅星のごとき主人公たちがいた。

 

ダイユウサクは決して主人公ではなかっただろう。

だが、彼女が放った輝きは、それらに劣るものではない。

 

38戦11勝。

 

『マックイーンがきた! ヤマニングローバルもきている! さあマックイーン抜け出るか!? マックイーン3番手!』

『黄色と赤の勝負服が伸びてきたっ! ダイユウサクだっ!! メジロマックイーンはどうだ!?』

『ユウサクだっ!! ダイユウサクだっ!! これはびっくりダイユウサクだ――!!』

 

主な勝鞍――有馬記念。

 

 

 

 

 

 

 

【史実馬紹介】

 

ダイユウサク

85年生まれ、生涯成績38戦11勝

主な勝ち鞍、GI有馬記念、GIII京都金杯。

 

若い頃は超虚弱体質ゆえに調教もできず、4才(当時の表記)秋でデビューし、2戦連続タイムオーバーでの大敗を喫した。

しかし、5才まで休養させたことで体質が改善し、徐々に好走を重ねる。

運命の有馬記念では14番人気の単勝137.9倍という出るのも場違いと言われそうな予想から、当時の最強馬メジロマックイーンをレコードタイムで撃破した。

あまり愛想のない性格だったそうだが、とても大人しくて賢く、レースでかかったりしない操縦性の高い馬だったらしい。




反応があればポツポツ続けようと思います

作中の時代、大阪杯や高松宮記念はGIIでした。ウマ娘時空ということで現代風にGIに統一するのが良いか、それとも当時のままGIIにするか、どちらが良いでしょうか。よろしければ回答お願いします

  • ウマ娘時空を尊重、G1にする
  • 時代背景を尊重、G2にする
  • ややこしいので当該レースの描写は飛ばす
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。