ウマ娘 泡沫の安寧   作:小鳥遊 小佳夏

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汝、皇帝の神威を見よ

トレセン学園の会議室。学生たちが立ち入らないスペースにある会議室で、二人のウマ娘が激しく言い争いをしていた。

「だからそうじゃない! ここはもっと!」

「そうしてたら支出過多になるじゃない! そのためだけにほかの策をつぶすわけにはいかないわ!」

ここ最近、毎日繰り広げられるこの光景。言い争いをしているウマ娘たちの名を、シンボリルドルフとクレナイといった。

 

「はぁ・・・。ほんとルドルフの相手も疲れるわねぇ」

「それはこちらのセリフだ、まったく」

言い争いに決着がつかないまま会議は終わりとなり、他の参加者よりも遅くに二人は並んで会議室を出た。ウマ娘としてレースから引退し、それに伴ってトレセン学園を卒業することになった時。ルドルフはこれからもトレセン学園と関わり続けられる道を模索した。全てのウマ娘が快適に過ごせる環境を。生徒会長時代に掲げていた理想を、ずっと追い求めたいと願ったからである。そしてクレナイはそれについていった。二人で同じ道を歩まんとしたために。その結果、まずルドルフは学園の理事として数年働いた後、秋川理事長の後任としてトレセン学園の理事長になった。ウマ娘のことを思う姿勢がすごすぎて秋川理事長の後任に、という話になったのだ。

クレナイはというと、教員免許を取得し教師として学園に舞い戻った。そして数年の勤務ののち、学長となった。というか鳴らされた。ルドルフを止める役として、生徒会長時代はエアグルーヴとかナリタブライアンとかがいたものの、ルドルフが学園のトップになってしまえばもはや止める者がおらず、それを心配して止められるクレナイを理事長と同じくらい権力のある役職にという流れによるものだ。まあクレナイも教員の立場からトレセン学園をよりよくしようと学長職に励み、そして二人でより良くしようとした結果、頻繁に今回のような議論が巻き起こるのだ。とはいえ、ルドルフが独走するよりかはまだましというのが他の理事の見解である。

 

「んで、この後は何かあったかしら?」

「いや特に無いな。というかトレーニングの日なんだから、予定を入れられていては困るよ」

「ああ、そうだったわね。なら着替えて」

「ああ、レース場に」

エレベーターの中でそんな会話をした二人は、エレベーターから降りた後それぞれの執務室に向かう。そして更衣室で二人ともジャージに着替えた後、レース場へと向かう。そこでは、何人ものウマ娘がそれぞれウォーミングアップをしていた。

「はい、それじゃみんな集まって」

「トレーニングを始めようか」

ウォーミングアップしていたウマ娘たちは、みんなチームに入ったり担当がつく前のウマ娘たち。どうしてもトレーナー不足から、全員に専属のトレーナーやチームへの加入をさせることができず、入ったばかりとか才能がないと思われてしまったウマ娘はレースはおろか、それぞれに合ったトレーニングをすることさえできない始末になってしまっていた。そこをどうにかしようと考えたルドルフとクレナイは、自分たちが走ってきた知識やトレーニングを元に彼女たちを鍛えられないかと、週に一回という決して多くはない時間ではあるものの、彼女たちのトレーニング指導に当たっているのだ。結果として、少しづつではあるものの、みんなまとめて教官がトレーニングるのに比べ、より能力が向上しているようだ。とはいえ、全員をまとめて見れない以上、根本的に解決するにはトレーナーを増やさないといけないのだが、ドブラックか仕事環境に加え、ウマ娘の引退と同時に結婚して学園を去るトレーナーも多く、ルドルフとクレナイが頭を悩ませ続けることだろう。

それはさておき、こうして現役生徒の交流や後進の育成にも励むルドルフは、生徒会長当時に比べて生徒との間に壁を感じなくなったと言う。まあ今でもたまに洒落を言って部屋が凍り付くことがあるらしいが・・・。凍り付くのはおいておき、壁を感じなくなった結果、より学園生が何を必要としているのかもわかり、ルドルフの後を継いで生徒会長になったエアグルーヴの協力も受け、少しずつではあるものの、ウマ娘が過ごしやすい環境の構築という夢に一歩一歩、確実に近づけているのは間違いない。そしてそれが達成できた暁には、優れた功績としてルドルフの名は、またそれを支え、時に敵対し、ルドルフが暴走することなく、洒落で場を震撼させることも回避できるように尽力した陰の功労者であるクレナイの名もともに、永遠にトレセン学園の名誉理事長と名誉学長として語り継がれていくことだろう。

 

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ルドルフとクレナイ

共にトレセン学園を改革し、新たなトレセン学園を作ったものとして名前が語り継がれている。

二人は晩年に至るも、名誉職でありながら学園をより過ごしやすいものへすることに尽力し、噂ではトレセン学園の資産価値をウン兆円にあげることに成功したとかなんとか。そんな噂はさておき。彼女たちの功績の中でも特にわかりやすいものが一つある。トレーナーがつく前にトレーニングを診てもらっていたウマ娘たちのあこがれであり続けたことだ。彼女たちはクレナイとルドルフのトレーニングのおかげでトレーナーの目に留まれるようになったと感じていて、忙しい中自分のトレーニングを見てくれたことに感謝し、またその姿勢にあこがれを持った。その結果、引退後トレーナーとなるウマ娘が多くなり、トレーナー不足の問題も解決の兆しが見えているという。

そんな彼女たちは、尽力しすぎたせいか過労によりルドルフが先に、そしてクレナイも後を追うように他界。学園をあげての葬式が行われ、二人の亡骸は一緒の棺に入れられ、学園の中のどこかに埋葬された。その上には記念樹が植えられた。これからも、ずっと学園と、学園生と共にあり、見守ってくれるようにとの願いが込められているそうだ。

 

 

 

 

 

ウマ娘 泡沫の安寧

汝、皇帝の神威を見よ(シンボリルドルフ√)End




というわけで、ルドルフルートでした。

一応個別エンドのほかに、集団エンドも書きたいなと思っているので、ゆっくりお待ちいただければと思います。
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