ウマ娘 泡沫の安寧   作:小鳥遊 小佳夏

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今日は難産でした
もっとクレナイ好き好きアピールさせたかった・・・


クレナイとキタサンブラック

「次! 坂路10本! GO!」

「はいっ!」

私の指示を受けて、キタサンブラックがトレーニングコースの坂路ダッシュに向かう。私は首からストップウォッチを下げ、手にバインダーを持って、それを見守る。

で、ここで私が何をしているかというと、キタサンブラックのトレーニング指導をしている。

トレセン学園はウマ娘の中でも試験にパスした精鋭のウマ娘が集まる場だけども、全員がトレーナーから指導を受けられるわけではない。トレーナーの絶対数不足。元々勤務時間なんてあってないようなもの。常にウマ娘のことを考えられウマ娘に愛情を注げる、一種の変人というか、変態というか、社畜というか、そういう人達でないとトレーナーは務まらない。土日休日もないようなもの。そんな過酷としか言えないのに、多いとはいえたかが知れてる給料と、ウマ娘が成功した暁の名声しか出ない。そしてその給料も仕事に消えていくことが多い、とここまで言えばまあトレーナーの絶対数不足の理由もわかるのはないかと思う。

とは言え、そんなことでウマ娘の前途を閉ざしていいはずもなく。私やルドルフが、仕事が放課後までに終わった場合に限ってにはなるけども、希望のウマ娘のトレーニングを見ることになったというわけ。ゆくゆくは引退したウマ娘の新たな道になんて構想もどこかにあるのかもしれないわね。

それで、その制度にいち早く応募したのがキタサンブラック。私がデビューしてすぐのころに私のファンになってくれたウマ娘で、私にあこがれを抱いてくれているみたい。だからかトレーニングも私を指名してくれて、まあ他のウマ娘があんまり応募してこないのもあって、私がキタちゃんの専属トレーナーになってる感じがするわね。

・・・噂によると、キタちゃんが他のウマ娘に、私のトレーニングに応募しないように仕向けてるとか聞いたけど、さすがにデマよね、うん。

さて、キタちゃんのトレーニングに戻ると。

ふむ、パワーもしっかりついてきてるわね。入学してこの時期なら、いい感じじゃないの。

「坂路終わったら休憩よ。もう一息頑張りなさい」

「はい!!」

 

ーーーーーーーーーーーーーーーー

 

きっちり坂路10本を仕上げたキタちゃんと一緒に、トレーニングコース脇のベンチに座る。

「はい、お疲れ様。はい、はちみつレモンよ」

「あ、ありがとうございます」

私が持ってきたクーラーボックスの中から、自家製のはちみつレモンが入っている水筒を渡す。私も別の水筒から水分補給。ふぅ、さすがにトレーニング見てるだけでも汗かくわねぇ。

「あの、クレナイさん。私、トレーニングちゃんとできてますか?」

不安そうな声で聴いてくるキタちゃん。

「別に問題はないわね。というかあったらその場で指摘しているし。大丈夫よ、入ってからこれだけの期間でこの仕上がりなら、間違いなく上位陣に食い込んでいけるわ」

「えへへ、よかった」

ふいに見せる笑顔が可愛い。

「よし、それじゃあもっと早く走れるようになりたいので、続きお願いします!」

「ええ、行きましょうか」

水筒をクーラーボックスに戻して、またトレーニングコースに。

「ところでさっきのはちみつレモン、私の自家製なのだけれど味はどうだった?」

「え、あれクレナイさんの手作りなんですか!? ・・・もっとゆっくり飲めばよかった」

? 後半がぼそぼそと言ってて聞こえなかったわね?

そしてこの後のトレーニングで、キタちゃんはいつも以上にものすごいトレーニング結果を残した。いったい何が原因だったのかしら・・・?

 

ところで、そのあとにプールに移してスタミナトレーニングをしようとしたところ、私の水着姿を見たとたんに鼻血出して倒れたのはいったい何だったの? 私が着てたの、学園指定のじゃなくて、紅のビキニにパーカーを羽織ってただけなのだけど、何に触れちゃったのかしら??

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