星と水底のおとぎばなし   作:小日向ひより

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18.シンガポールの一幕

 

 

 数日の漂流を経て、ジョースター一行は無事に救助されシンガポールへと到着することができた。

 

 シンガポールはその地理的特性を生かし、自由貿易港として繁栄するいわば東南アジアのビジネスセンターである。

 法人税率の優遇やエアラインの確保を積極的に行い、金融、貿易、国際会議、国際展示会を中心として外貨を稼ぎ、今も発展を続ける他民族国家。

 

 海沿いにずらりと並ぶビル群はまさにその象徴といえるだろう。

 

 また、観光客にとっても税関がなく、安く良い品物を手に入れられるのでショッピング天国と言われる所以である。

 ジョースター一行はこれまでの疲労を癒すべく、本日はホテルに泊まり、これからの動向を話し合うことになった。

 

「ジョセフー、アンちゃんどうする?」

 

 ポルナレフがなぜか警官に絡まれている時に澪が聞く。どうやら彼の荷物が粗大ゴミと勘違いされたらしい。

 漂流中に澪とアンはかなり仲良くなっており、友達といっても差し支えのない関係を築いていた。

 

「それなんじゃよなぁ」

 

 今は少し離れた位置にいるが、あくまでアンは巻き込まれただけの一般人。

 守りながら戦うのはともかく、わざわざ連れて行って危険に晒す必要はない。

 

「おい、おやじさんに会いに行くんじゃあないのか?」

「俺たちにくっついてないで早く行けばぁ」

 

 とりあえずの疑問をジョセフがぶつけ、ポルナレフが急かすとアンは露骨にそっぽを向いた。

 

「ふん、五日後に落ち合うんだよ。どこ歩こうがあたいの勝手だろ!」

 

 天下の往来なので、そう言われればその通りではある。

 

「テメーらの指図は受けねーよ」

 

 ただ、口ではこう言ってても視線はチラチラと承太郎へと矢印が向いており、本人についてくる気まんまんっぽいのが問題なのだ。

 

「あの子、我々といると危険だぞ」

 

 アヴドゥルの言も最もだ。もし人質にされたり不慮の事故にでも遭ってしまっては目も当てられない。

 

「僕的にはちょっと寂しいけど、だからって危険地帯に連れて行く気にはなれないな」

 

 せっかく仲良くなれたのは嬉しいけど、それとこれとは別問題だ。

 むしろ仲良くなれたからこそ、これ以上巻き込みたくないと思う。

 心でも身体でも、いらぬ傷をつけてしまっては彼女の家族に申し訳が立たない。

 

「しかし、お金がないんじゃあないのかな」

 

 花京院が思いついたことを口にして、ジョセフは腕を組んだまま頷いた。

 

「しょうがない、ホテル代を面倒みてやるか」

 

 結局、アンが父と落ち合うまでの間の金銭的負担を面倒みてあげよう、ということで話はまとまった。

 さすが不動産王。太っ腹である。

 

「ポルナレフ、彼女のプライドを傷つけんよう連れて来てくれ」

「あいよ」

「僕が行っちゃだめなの?」

 

 いちばん仲良くなっているのは自分のはずなのに、なぜポルナレフなのだろう。解せぬ。

 

「ダメじゃないが、一応あやつもフランス人じゃし……」

 

 女子供には紳士的であろう、ということだろうか。

 

「おい! 貧乏なんだろ? めぐんでやるからついて来な!」

 

 ダメじゃん。

 

 あまりにもあんまりな物言いに、アンが怒るというより呆れ顔をする中、澪は我慢できずに飛び出した。

 

「ポルナレフさん! それでもフランスの人ですか!?」

「えっ、今のじゃダメなのかよ!」

「だめだめです!」

 

 憤然と言い捨てて、澪はアンに向き直った。しゃがみ込んで目線を合わせ、誘うように手を伸ばす。

 

「アンちゃん。アンちゃんのパパさんと落ち合うまで、一緒にホテルに泊まらない?」

「……いいのかよ」

 

 もちろん、と澪はにっこりする。

 

「ダメなら誘ったりしないよ。僕も、もうちょっとだけでもアンちゃんと一緒にいられるなら嬉しいなぁ」

 

 それは澪にとって単純な事実で、素直な言葉だった。

 付き合いはほんの数日の間であっても、アンも澪には好意を持っていた。二心のないものが相手だと意地を張るのも長続きしないし、なぜか好かれているというのは直感的に理解している。

 

 だから、そう言われて嬉しくないワケがないのだ。

 

「そっ、そこまで言われちゃしょーがねーな。いいぜ!」

「やったぁありがとう!」

 

 ハイタッチしてアンとキャッキャする澪を見て、アヴドゥルがポルナレフの肩を叩いた。

 

「ポルナレフ、あれが上手な誘い方というものだ」

「うるせーよ!」

 

 

 

☓☓☓☓☓

 

 

 

 ジョセフが選んだホテルはかなりハイクラスだと一目で分かった。

 

 エントランスホールは広く清潔で、調度品も高級と分かる。大きな花瓶にいけられた花は紛れもない生花で、馥郁とした香りが薄く漂っていた。

 階層も多く、働いているボーイたちの対応も丁寧で、これならセキュリティの面でも期待できるだろう。

 

 現在はシーズン真っ盛りということで、飛び入りの自分達は部屋を分けることになってしまったがこれは致し方ない。

 

 部屋割りは、ジョセフとアヴドゥル、学生繋がりということで承太郎と花京院、性別の問題でアンと澪、そしてポルナレフが一人部屋になった。

 

「俺も一人の方がのびのびできるぜ。願ったり叶ったりだ」

 

 一足早くキーを引き抜いて指先でくるくる回し、ポルナレフは揚々とエレベーターへ向かった。

 

 皆もそれに続き、澪とアンも客室へと入った。

 

 室内は広めで天井も高く、ベッドはふたつ。

 バスルームとトイレは同じで、あとは普通のホテルと同じようにテレビやテーブル、冷蔵庫や金庫やその他諸々。

 澪はざっと室内を確認してからベッドに腰掛け、背負っていたリュックを降ろして中身を探る。実はまだちゃんと全てを把握しているワケではないのだ。

 必需品や愛刀を確認して、着替えがあったので引っ張り出して「マジか」ちょっとイヤな顔をしてからため息を吐きつつ手早く着替え、今まで着ていた服や下着などをまとめて袋に入れた。

 

「アンちゃーん」

「なんだよ?」

 

 もうひとつのベッドに迷わず飛び込んだアンがのろりと顔を上げる。

 

「今の内にランドリー行ってくるから、なんかあったら教えてくれる?」

「わかった~」

 

 その声も眠気を含んでいて、澪はくすりと笑って部屋を後にした。

 高めのホテルは室内設備も整っているので、ランドリーもすぐに見つかった。恰好があれだったので人目を死ぬほど気にしながら駆け込む。

 

 入っていた着替えはなぜか体操服だった。

 年代的にまだブルマだし、肌の露出も多い。未練がましく上着を引っ張って太股を隠してみたりしつつ不満顔。

 確かに小さく丸められて便利は便利かもしれないが、それにしたって。あの短時間では服を選ぶ余裕もなかったのかもしれないが、もう少しマシなものはなかったのだろうか。

 仕事着も入っていたが、あちらは着替えるのに時間がかかるしある意味体操着より目立つ。

 

 並んでいる洗濯機のひとつに洗濯物をまとめて入れて、備え付けの洗剤を入れてスイッチオン。

 

 用心として近くにあった椅子に座ってぼんやりしていると、澪も眠気が押し寄せてきた。これまで気詰まりだったせいもあるのだろう。

 

「……ちょっとだけ」

 

 敵意のある者が近付けば即座に反応できるし、と澪は腕を組んで浅い眠りに落ちた。

 

 

 

☓☓☓☓☓

 

 

 

 ホテル到着早々、ポルナレフが『悪魔』のスタンドを操る『呪いのデーボ』とやらに襲われたという緊急連絡がアヴドゥルに入った。

 そのため、急遽全員で集まって対策会議が開かれることになったのだが、なぜか澪たちとだけ連絡がつかない。

 既に花京院や承太郎も集まっている。

 

「まさか、澪も既に……!?」

 

 焦燥感に駆られた花京院の呟きに、ジョセフも焦りを感じつつ何度も電話をかけ直していると、

 

『ふぁい、もしもし~?』

 

 明らかに寝ぼけている感じのアンの声が聞こえてきた。

 

「その声はお嬢さんか! 澪はどうした?」

『澪? 澪ならランドリー行くって言ってたわよー……』

「そうか、分かった。なら澪が帰ってきたら伝え……」

 

 ツー ツー

 

 しかしジョセフが何かを言い終える前に電話が切れてしまった。おそらく寝落ちしたのだろう。

 

「うーむ……襲われているとは考えにくいが……」

「私が様子を見に行きましょうか?」

 

 アヴドゥルがそう提案したところで、ドアが開いた。

 何故か満身創痍のポルナレフである。

 

「ようやく来たか、対策会議を始めたいところじゃが……」

「……『悪魔』の対策ならいらねーぜ」

 

 ずるずる、と扉にもたれて座り込んだポルナレフが細い息で呟いた。

 

「もう、俺が倒したからな」

「おお、そうか!」

「よく見たらひどい怪我じゃあないか!」

 

 慌てて花京院が救急箱を取りに行き、その間にジョセフは波紋での治療を施した。

 

「お、もう殆ど痛みも感じねぇ……波紋ってすげぇな」

 

 大きな傷には包帯が巻かれたが、小さい傷は瞬く間に塞がって跡も残らない。

 さすがに肉が裂けてしまった箇所はすぐに回復、というわけにはいかないが歩く程度ならば支障がないくらいにまで治癒された。

 

「シーザーには適わんが、儂でもこれくらいならな」

 

 あっという間に治療も終わり、対策会議の相手もいなくなってしまった現状、集まっている意味もなくなってしまった。

 

「やれやれだ、俺は部屋に戻るぜ」

 

 あっさりとドアへ向かおうとする承太郎。

 

「待て、承太郎」

 

 唐突に響いたジョセフの声は、思いの外硬いものだった。

 そこに何かを感じ取ったのか、承太郎は振り向いてジョセフへと視線を向ける。

 

「澪がいない今だから、お前さんたちに言っておきたいことがあるんじゃ」

「……どういう意味だ」

 

 言い方に引っかかりを覚えた承太郎は訝しむ。他の面子もジョセフに注目した。

 

「これは、儂個人の願いで……シーザーの頼みでもある」

「ツェペリさんの……?」

 

 アヴドゥルの呟きにジョセフは頷き、あまりにも真摯な瞳で全員を見渡した。

 いつの間にか握られていた拳は震え、言葉にするのも辛そうだった。

 

「どうか、澪を守ってやって欲しい」

 

 口にされたのは、あまりにも簡潔かつ当然の願いごとだった。

 

「当たり前だろうが、なに今更寝ぼけたこと言ってやがる」

 

 言われるまでもなくしていることを改めて頼まれたところで、どうしようもない。

 承太郎が即座に返すが、ジョセフは首を振った。

 

「そうじゃあない……澪から『澪』を守って欲しいんじゃ。守ると言うと、語弊があるかもしれんが」

 

 その言葉の意味を図ることは誰にもできなかった。

 

 どういう、意味だろう。

 

「ジョースターさん、それは一体……」

「よくわからねぇな。ボケたかジジイ」

 

 戸惑ったような花京院と鼻白んだような承太郎の物言いに、ジョセフは目線を鋭くして一喝した。

 

「ボケてこんなこと言うワケないじゃろうが!」

 

 部屋全体にびりびりと響く、彼らしくもない怒号だった。

 

 なぜこんなにもジョセフが必死なのか理解ができない。

 だが、とても重要なのだということは肌で伝わった。

 ジョセフは自分を落ち着かせるためか、こめかみに手を当てて一度息を吐き、早口で捲し立てた。

 

「いいか、澪にとって儂は戦友、承太郎はほぼ家族、花京院は幼馴染みじゃったな。アヴドゥルとポルナレフはもう仲間と認識しとるはずだ」

 

 それは澪と話していれば自ずと分かる、それこそ自明の理だった。

 

 澪は基本的に身内贔屓というか仲間意識が非常に強い。

 普段の穏やかな雰囲気に隠れがちだが、他人と仲間との線引きがぱっきりと別れている。いっそ差別と言っていいほどだ。

 余所に気を払わない分、懐に入ったとみなした人間に対する情が殊更に厚い。

 

「あやつは、きっと仲間や家族──承太郎。お前や花京院を守るためならなんでもするじゃろう」

 

 ジョセフの声にはなぜか悲痛な響きが混じっていた。

 

 目元が険しくなり念を押すように、言葉が重ねられる。

 

「本当に()()()()だ。この意味が分かるか?」

 

 本来ならばそれは頼りになる話だ、と一笑に伏せられる内容だ。そのはずだ。

 けれどジョセフの語る口調が、表情が、瞳が、じわじわと承太郎たちの不安を募らせる。真昼のはずなのに、ここだけが夜のようだ。

 

「……過去、儂とシーザー、そしてミオは柱の男たちと戦った」

 

 それは空条家でジョセフたちと澪が劇的(?)な再会をした時に知ったことだ。

 唐突ともいえる過去語りに少しばかり周りは驚いたが、それが必要な説明なのだと誰もが理解したから口を挟むものはいなかった。

 

 ジョセフはとうに過ぎ去った時間へと思いを馳せるように中空を見据え、続ける。

 

「当時、ミオの波紋は弱くてな、儂らの後方支援役に回っておった」

 

 まぁ、後方とは名ばかりの前方支援と称した方が早い行動だったのだが、さておき。

 

「だが、ちょっとした読み違いで、ミオだけが柱の男たちのアジトに先に入ってしまった」

 

 思い出す。

 

 小さな諍いが火種となって、ジョセフとシーザーは殴り合いの喧嘩をした。

 今ならあの時の自分たちは冷静ではなかったと反省することもできるが、当時は若かった。

 お互いに歯止めが利かず、シーザーは先走り、自分は拗ねて、ミオはシーザーについて行って──結果はあの有様だ。

 

 ともあれ、シーザーの暴走だのといったあれこれは承太郎たちに聞かせるようなものではない。親友として伏せておいた。

 

「ミオの役目は儂らの支援じゃ。敵のアジトで、目の前にはその中のボスがひとり」

 

 スイス・サンモリッツ。

 

 主格であるカーズしかいないと思われたアジトの廃ホテルには、既にワムウが到着していた。その時点で自分たちは読み違っていたのだ。

 

「……ミオは、何をしたと思う?」

 

 本来ならば、今でも口にしたくないことだった。

 

 けれど、そんなことを言える状況ではなくなってしまった。

 本人にその気がなくとも、シーザーとジョセフが受けた衝撃は並大抵のものではなかったのだ。

 

 ジョセフは鮮明に覚えている。

 

 爆発に次ぐ爆発の音。

 凍り付くような寒さと土埃の混じった粉塵と火薬の臭い。

 一部が瓦礫と化したアジトと、まるでゴミクズのように雪原に転がっていた血達磨の矮躯。

 

 ジョセフは周囲の返答を待たずに解答を示した。

 

「自爆じゃよ」

『──ッ!』

 

 全員に驚愕と戦慄が走ったことを肌で感じる。息を呑む気配が伝わり、誰もが顔色を変える。

 

 言葉だけでこれだけの威力なのだ。直視してしまった自分たちなど推して知るべし、といったところである。

 澪の性格が当時と変わっていないなら、可能性が消えない。

 

 それがジョセフには恐ろしく、悲しいし、不安だ。

 

 それならば、先手を打たなければならない。たとえ、思い出すだけで心の傷が抉られるように軋んでも。

 

「柱の男の弱点は波紋と陽光。時間は昼間、アジトを壊せばそれだけ日差しが差し込む範囲が増える」

 

 逃げる、という選択肢は存在していなかった。

 ミオは己にできることを考え、最適解を出し、ためらいひとつせず実行に移した。

 

「だからミオは、そのボスから全力で逃げ回りながらアジトの一角を壊しに壊した」

 

 そこには悲愴な覚悟も殉教の精神もなく、いっそ機械的なほどに無慈悲な歯車のようだった。

 ジョセフたちという、敵に対抗しうる波紋の使い手をできるだけ潤滑に稼働させ、また生かすための機構装置。

 ミオは逃げ回りながら壁に亀裂を入れ、窓を壊し、邪魔な装飾品を破砕して、ワムウの必殺技すら利用して瓦礫の山を築いていった。

 

「ただ、儂らの活路を開くために」

 

 ミオは約束を守り、役目を遵守する。

 そして、そこに『自分の身の安全』は一切含まれていない。

 それは自己犠牲という言葉すら生温い、狂信的ですらあった。

 

「当然、相手はそれを阻止しようとした。壁際にまで追い詰められ、そこでミオが選んだのが──自爆じゃった」

 

 火器を与えたシュトロハイムが今でも恨めしいが、本人が望んだというのだから仕方がない。今更咎め立てするようなことでもない。

 本人にとってはそうでなくとも、自分にとっては数十年も昔の話だ。

 

「爆発の衝撃がとどめになって、奴らのアジトの一角は完全に崩落した」

 

 ジョセフの紡ぐ昔話に、皆言葉もなかった。

 

 平素の澪を知っているからこそ、現実感の薄い、まるで遠い物語のようだった。

 けれど悲しいほどの事実だというのは痛いほど理解できたし、ジョセフの危惧していることが少しずつ全員の脳裏に浸透し始めていた。

 

 いっそ厳かな様子で、ジョセフは過去を締めくくった。

 

「ミオは支援という役目を果たしたんじゃ──自分の身体の一切を、厭わずに」

 

 結果、ミオの身体は重傷を負った。

 

 常人ならば死んでいたであろう痛手を負い、敵には危険視され、にも関わらずシーザーの制止(催眠)を振り切って決戦の場まで現れた。

 それも、まるで味方のピンチに必ず訪れる往年のヒーローみたいに颯爽と。全ては自分たちを支援するためだけに。

 

 手助けして、生かす。それだけのために。

 

 結論だけで話をするなら見事、ミオはその本懐を成し遂げたが──生還することができたのは、命冥加に生き延びることができたのはそれこそ神の気まぐれか、あるいは奇跡だった。

 

 奇跡は、そうそう何度も起こらないから奇跡なのだ。

 

 考えたくもないが、もし、似たような事態に陥ったら澪は何をするか。決まっている。ジョセフは最悪の答えを知っている。

 

 その時のために、どうしても必要な布石だった。

 

「だから──頼む」

 

 改めて、ジョセフは全員を見渡し、懇願した。

 

「どうか澪を、守ってやってくれ」

 

 先程と同じ言葉が、全く異なる意味で全員の胸を貫き、響いた。

 

 

 

 

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