森と海がもたらす恵みのもとに成り立つ漁村、モガの村。
有名なマグロを初め、量産に成功したキングトリュフ、空前絶後のブームをもたらしいたモガハニーなどの特産品を用いた交易が盛んなその港に、ある一隻の船がやってきていた。
比較的小さなその船の先、港に見える人影に精一杯手と長い操虫棍を振っている影があった。
彼女こそ、カムラの里を初め外へと羽ばたいていた専属ハンターの弟子━━
「やぁ〜!!ボクの故郷!!このアテンス様が帰ってきたぞ〜!!!」
━━アテンス・センテラである。
モガの村の人々はひとつの家族である。
誰が最初にそう言ったかな?まあ覚えてないけど、それがホントのことだっていうのはボクが一番よく知ってる。
「よく戻ってきたな、向こうでの生活はどうだった?」
「そりゃあもう斬新な生活だったさ!このボクが暮らすには食事水準が些か低かったけどね?特にマグロが無いのがほんっっっとうにキツかったよ!それにあったとしてもとっっっっっても高い!買えたもんじゃあないね!村長は知っているかもしれないけれど他の場所だと魚が本当に高いんだよ、ボクに相応しい魚はいないね!」
村長を初め数人の村人がこうして聞いてくれている状況…フフ、やっぱり気分がいい!
あっちじゃボクのセリフを邪魔する奴やボクの話を無視する奴までいるからね!
「おいアテ公!この武具類が言ってた土産か!」
「まだアテ公なんて呼んでるのかい!今のボクは向こうで数々の戦いを生きのび多くのモンスターを狩った最強無敵で容姿端麗な師匠にも次ぐ英」
「どうやらそれがお土産らしいですのニャ」
「こらぁあぁあー!ニャン公ぅ!!ボクがまだ喋ってる途中でしょうがぁあ!!」
このッ…!ニャン公なんて拾ってくるんじゃなかった…!!
「まあまあ、向こうでの狩りとかを教えてくださいよ。長い口上なんて挟まず、さぁ!
さぁ!!さぁ!!!」
「君は強調が激しいんだよアイシャ!!はぁぁ…全く、寡黙なのはお師匠だけだったのを忘れていた……!」
本当に疲れてしまう…!これじゃあ向こうと変わらないじゃあないか…!
…ま、こういうのも悪くないけどさ…
「まあ、まあまあいいのさ。アイシャ!!手紙で言ってた通りボクはいまノリに乗っている!武器はボクの操虫棍があるから好きに他の武器を研究に使ってもらうとして、だ。依頼だよ依頼!!武勇伝を語るのもボクは大歓迎だけど何せ運賃でお金が足りない!さぁアイシャ、ボクに相応しい依頼を」
「ないんですねこれが!」
「…どうしてさ。」
「まあまあその操虫棍を下ろしてくださいよ。あなたの手紙に応えて一応ハンターズギルドの方にいい依頼を送ってくれるよう手紙を送ってはいたのですよ。」
「それで?」
「しかしあなたも知ってのとおり、ここはかなり切り離された場所です。つまるところ…音沙汰ナシ、ですね!」
「どうしてさぁぁあぁあ!!」
…こんな彼女が、お師匠の代わりに活躍する話。
それが、この物語である。
・師匠
常に防具を着込む彼女の師匠。プレイヤー
性別はアテンスも知らない。
狩る相手によって武器防具を変えるくらいに色々なので防具を持っている。
回復薬を飲んだ直後のガッツポーズはアテンスにも引き継がれてしまった様子。