モガ村に轟かせ、我が名声   作:ただのおじさん

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1話目 孤島の狩り

 モガ村と言えば、と聞かれれば多くの人々は「マグロ」や「モガハニー」などの特産品の名を上げる。

 しかし、モガ村に一度でも言ったことがある者は必ず「海」と答えるんだ。

 それは何故か?このモガの村がある孤島がかなり小さく、海に密接に関わっているからだ。

 そして海に密接なここでは…

 

「あぁもう!また水中かい!!」

 

 操虫棍は本当に役に立たない!

 目の前のガノトトスは足を引きずりながら水中へと逃げ込んでしまった。

 こうなれば操虫棍の持ち味の虫も飛び上がりも不可能、ただのちょいと長いランスもどきに成り下がる。

 それに気がついたのはいつかって?五回海中に潜る羽目になった時だよ!

 

「はぁぁ、防具が重い…」

 

 しかも水を吸うせいで異様に重たくなる!ボクはそこまで力がある訳では無いから正直潜りたくないが……あのやんちゃ小僧に採った獲物で負けたくないからやる他ない。

 チャナガブルを釣り上げるってなんなのさ!!

 

「はーっ……!」

 

 とぼんと水に落ちた直後に突っ込んでくる影!コイツはかなり嫌らしい、獲物が飛び込んだ直後の安定していない所を狙ってきている。

 しかしボクはモガ村の出身!水中での狩なら村長と師匠に叩き込まれた身!!ちょいと回避機動をとれば…

 

「っぐぐ……」

 

 オーケー、オーケー、回避はできた、回避はできたけど足がつりそうだ…!

 なんせ防具が重たすぎる!水中じゃロクに使えな………

 

「…ぼぼぶばべおぶ(そうびかえよう)…」

 

 水中なのも忘れて呟きながら、ボクはがら空きのガノトトスの後頭部に操虫棍をぶっ刺していた。

 

 

 

 

「ほら!ボクのガノトトスの方がデカいぞ!」

「えー!アテねー釣ってないじゃん!ズルだよズル!」

「ズ〜ル〜じゃ〜な〜い〜!これはボクのスキルを使った釣り上げで〜す〜!」

 

 目の前のヤンチャ小僧はさすがに敗北する予感がしてるのか抵抗してきているが…フッフン!ボクが狩ったガノトトスはガノトトスはこれまでボクが狩った中でもかなりデカい!

 チャナガブル?あんなの優に超えるさ!

 

「さぁ〜アイシャ!村長!そして漁港の姐さん!サイズはどうだい!!勿論ボクの方がでかいんだろうけどね?まあ一応聞いておこうじゃないか!ボクは優しいから君のチャンスに」

「1cm差でチャナガブルだな…」

「そうだねぇ。尾びれがもうちょっと残ってればよかったんだが」

無駄な部位破壊ですね!

 

 ………えぇ??????

 

「マジ!?やった!やったー!アテねーに勝ったー!!」

「バ、バカな…!?たった1cm…!?」

 

 尾びれ…そうだ!水中に潜られるのにムカついて…確かこれで泳ぎにくくなればいい、と……ック…!!

 

「なんてことだ…なんてことだ……!ボクが負けるなんて…!」

「でもアテねーは狩ってるんだもんなー…オレよりすげ〜よ!アテねー!」

「こ、こぞ…いや、君は……!」

「ほら!だから元気出てこーぜアテねー!アテねーならチャナガブルを超えるガノトトス、もう一回狩れるよ!」

 

 君ってやつは…!

 小生意気でウロチョロしてるヤツだと思っていたボクに対してそんな言葉を…!

 こうはしてられない…!!

 

「ありがとう…ありがとう……!ボクは今、君に立ち直らせてもらった…!もう一度行ってくるよ、海に…!!」

「オレのチャナガブルを超えるガノトトス、待ってるぜ!アテねー!」

「待ってい給え!!すぐにでももってこようじゃないか!!」

 

 

 

 …この後、自分が装備を変えていないことも忘れてガノトトスを狩りにまた海と陸を往復する羽目になった。

 明日は筋肉痛だ…




・やんちゃ小僧
わんぱく坊主のこと。
チャナガブルを釣り上げるのはマジである。将来は有望なハンターとなるだろう

・漁港の姐さん
漁港の女主人のこと。
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