RTAお休み回!異世界から帰ってきたら現実世界がチートだらけのハーレムだった件
やぁようこそ、マイハウスへ。
このテキーラはサービスだから、まず飲んで落ち着いて欲しい。
うん、「箸休め回」なんだ。済まない。
仏の顔もって言うしね、謝って許してもらおうとも思っていない。
でも、このタイトルを見たとき、君は、きっと言葉では言い表せない「
殺伐とした世の中で、そういう気持ちを忘れないで欲しい。
そう思って、この箸休め回を挟んだんだ。
じゃあ、注文を聞こうか。
「…誰に喋っているのですか兄さん。」
おや、起きたは良いけど肌寒いからベッドから出ずに小芝居してたら美の化身が部屋に入って来ましたね。
明るくピンクに近い赤髪は肩口で切り揃えられ、右前髪の一房だけ三つ編みに纏められたソレが全体の印象をシャープに纏めている。
シルエットだけでも美を感じさせる彼女、恐らくはシルエットどころかその雰囲気や存在感のみしか解らぬ盲目の人間だろうとも対峙するだけでそのあまりの美を理解したと涙を流すだろう。
しかし、それは正しく群盲が象を評すに等しい行為…目の見えぬ者達がこの美の化身の美を理解したと言うなど片腹痛い。
俺の8.0の視力を持ってしてもこの美の化身の美しさは視認しきれない程だ。
切れ長で少し吊り気味の双眸は一見すれば完成された芸術品のように見えつつも何処か近寄りがたい印象を与えるかもしれない、しかしその美しい黒曜石を思わせる緑がかった黒い瞳を見れば理解出来よう。
著名な芸術家がその半生を費やし産み出したのだろうと万人が直感するその双眸すらこの人智を越えた美を飾る額縁に過ぎなかったという事実。
近寄りがたい等、当然の事。
何処の世界に星を掴もうと本気で思う人間が居ると言うのだ。
そして、スッと通った鼻筋はそれだけでこの星が幾億の年月をかけ産み出した自然という芸術品を鼻で嗤う程の雄大さとえもいわれぬ感動を与えてくれる。
ここまで語れば無論、あの艶かしくも初々しさを感じるという矛盾をなんら違和感なく達成するという偉業を成した口にも言及しなければなるまい。
平均からみれば大きめのソレは決してマイナスになることはなくむしろ…
「なんですか、朝から人の顔をジロジロと…
不躾ですよ兄さん。
というか何に拝んでいるんですか?」
おっと、これはいけない。
朝っぱらからあまりにも美しいものを見たせいで自然と身体が片膝を立て手を組んでしまっていましたね。
人は自身の理解を越えた時、何と無しに拝むと聞きますが…こうして一緒に暮らしているというのにまだ理解の外とは、末恐ろしいですね。
…あっと、これは申し訳ない。
あまりの美しさに我を忘れて紹介が遅れてしまいましたね。
この美の化身こそが俺の妹、
いやーホント…可愛いなぁ」
「………馬鹿な事を言ってないで早く降りて来て下さい。
そろそろお父さんが限界ですよ。」
…?あっ、最後の方声に出てましたか…
いやー、あのゴミを見るような目でそんなに見つめられたら…興奮しちゃうじゃないか…♥️
…馬鹿やってないでそろそろ起きて朝ごはんの準備でもしましょうかね。
淡月ちゃんも言ってた通りそろそろ家の大飯喰らいがうるさそうですしね。
さてと、着替えも終わったし髪をといてリビングまで降りますかね…おや、櫛が綺麗になってる。
誰か掃除してくれたんすねぇ…やっぱ淡月ちゃんやろなぁ!可愛いうえに気が利いて…最高かぁ!?
親父の可能性もゼロじゃないですが思春期の息子の部屋に無断で侵入して櫛を綺麗にしていく妖怪みたいなのは想像したくないので淡月ちゃんがやってくれた事とします。イイネ?
「あっ!俊稀ちゃん!!おはよー!お父さんもうお腹ペコペコのペコちゃんだよー!」
はい、このリビングのソファーに座ってる頭悪そうな赤髪のデカイのが俺の親父です。
名前?忘れちゃった。
「俊稀ちゃぁーん!ん!ん!!」
…?こっちに駆け寄って来たかと思えば目を閉じて頬を差し出してきた?
とうとう脳がやられたんだろうなこの馬鹿は…
それかサンドバッグ宣言でしょうね。
最近は異世界転移続きで録にトレーニング出来てないのでそれを補ってやろうと言う事ですか…
よし、じゃあ死ね!!
「んもー!そうじゃなくて!お父さんにお早うのキッスは!!」
あ~!駄目だぁ!!渾身の右ハイキックでも微動だにしないや!
しかもなんかキモいこと言ってますよこの馬鹿…やっぱ脳がやられてんすねぇ。
淡月ちゃんやココロン先輩ならともかくなんでこんな2M近い化け物のほっぺにチューしなきゃなんねぇんだよ…
しかもキッスって言う辺りに限りなく純度の高い殺意を覚えますよ…ご丁寧に身を屈めて俺が背伸びしなくてもほっぺに届くようにしてる辺りも尚ムカつくし。
「ふむ…
ここは潔く引くのも親の役目では?」
唐突に肩に重みを感じたと思ったら天女が俺の首に手を回してしなだれかかっていた。
…はっ!天女かと思ったらココロン先輩か!!
いやー、遂に俺の日頃の行いが良すぎて日常にご褒美が与えられたのかと思ったら…いや、ココロン先輩に出会えるこの日常こそがご褒美…!
そうだろうな、そうに違いねぇや!
俺と同じく腰まで伸ばした黒のロングストレートはまるで宇宙を思わせる程に深く底知れない輝きを…
「…いつまで人の息子にへばり付いてる気だ?」
「おやおや、親の…それも男親の嫉妬は醜いですよ?早く子離れしないと、俊稀君の為にならないのでは?」
…ココロン先輩?あのぉ~別にこの馬鹿をどんだけ虚仮にしてもいいですし、子離れしろって諭して頂けるのは誠にありがたいんですけど…一応、この馬鹿はちゃめちゃに化け物なんで気をつけないと…
「子離れ?俺から俊稀ちゃんを奪おうってのか…お前如きが…?
笑わせんなよ…二度は言わねぇ、早く離れろ蚊が。」
「おやおや、みっともないな。
俊稀君が盗られると騒いだかと思えばすぐに実力行使をちらつかせる…自分に余程自信がないんだろうね?
奪おうとする輩を排除する事でしか自分の側に置くことが出来ないと暗に認めてしまっている…まぁその通りだけどね?」
ココロン先輩が言い終わった瞬間にけたたましい炸裂音が響いた。
それは世間一般では殆ど聴くことのない音…物体が音速を超えた事を表す音、ソニックブームだった。
恐らくはこちらに衝撃波がいかぬように計算されと思われるがあまりの爆音に一瞬心臓が止まる。
恐ろしく早い手刀…俺じゃなきゃ死んじゃうね…
しかし、俺の後ろにいたココロン先輩は微動だにせず…どころか自身の腕を俺の胸辺りにまで垂らしながら半ば俺に覆い被さるような体勢で俺の肩に顎を乗せていた。
「おお、怖い怖い。
私のようなか弱い一般人が喰らえば塵も残らず消滅してしまいそうだね?
ふふ、俊稀君…とても怖くて腰が抜けてしまったよ、さぁ私をおぶっておくれ?」
ん゛がわ゛い゛い゛!!
よーし、お兄さんいくらでもオンブしちゃうゾ~!
「
それにお父さんも、朝から騒がないで下さい。」
声の方に目を向けると学生服に着替えたマイシスターが辟易した顔で言っていた。
「ふむ、可愛い後輩に言われては仕方ないね?」
「………はーい。」
淡月ちゃんの鶴の…美の一声で親父は再びソファーに座り、ココロン先輩は俺からスッと離れてしまった。
…別に、離れられて残念だなぁとかもうちょっとココロン先輩の服が薄着だったらなぁとかは思ってませんよ?
…嘘です思ってました。
「兄さんも、さっさと朝食の準備をして下さい。
早くしないと全員遅刻しますよ。」
おっと、そうだったそうだった。
えーと、今が6時半で8時半に出ればギリギリ間に合うから…急がなきゃね!
おべんとの用意もあるしテキパキ行こう!
テキパキ…テキパキ…
はい、出来た!
後はおべんとの盛り付けして…
「おやおや、相変わらず素晴らしい手並みだね?
俊稀君のパートナーになるにはこれ以上の腕がいるのかな?」
!!ココロン先輩が俺の肩に顎を乗せてる…!
さっきもあったけど、この肩に顎を乗せるのって…こう、良いよね!!
アーイイ、遥かにイイです。
「…出来たんなら早くしましょう。
今日の朝礼は
あそっかぁ、今日は
よし、皆いただきますしてさっさと学校に…いこうね!
よし、おべんとも詰めたし…はいイタダキマース。
「いやー!やっぱ俊稀ちゃんのご飯は美味しいなぁ!!
お父さんこれならいっくらでも食べれちゃうよー!!」
頼むから黙って喰ってくれ。お行儀の悪い…
て言うかあんま喰わんでくれ…親父が本気で喰いだすとエンゲル係数がとんでもないことになる。
「……」モグモグ
ほら!見てごらん淡月ちゃんを!!
リスみたいにほっぺ膨らませて無言で食べてるよ!
しかも擬音がモグモグだもん…カワイイ!
親父みてーに何喰ってもモニュモニュいわんもんな。
て言うか焼き魚やらだし巻き玉子やらからどうやったらモニュモニュ鳴るんだよ…
「……」メリ…ナポ…サクッ
あーら↑可愛い!ココロン先輩もお上品に食べて…食べて…
皆俺と同じもの食べてんだよね?
鳴るかな?そんな擬音?
……まぁ、いいか!カワイイし!
「ごちそうさまでした。」
うん、こうやってちゃんといただきますとごちそうさまが言える…中々出来る事じゃないよ!
その辺りキチンとしてんのが俺の淡月ちゃんなんすねぇ~↑!!
あっ!食器流しに浸けといてくれるの!?
いやー、毎朝毎食のことですが…ホントによう出来た妹やでぇ…
「ごちそうさま、いつものことながらご相伴に預かってしまって…悪いね?」
いいんですよぉ、ココロン先輩のそのスレンダーながら適度にむっちりとした下半身が俺の作った飯で出来てると思えばそれだけで…フフフ、下品なんですがその、
「おかわりぃ!!」
「有るわけねぇだろ、さっさと食器洗えや穀潰しが。」
「なんかお父さんにだけ厳しくない!?
…ハッ!これが反抗期!!?」
ちげーよ、只の区別だよ。
カワイイ女子二人と同じ扱いしてもらえるとおもってんのか?このクリーチャーは…
「行ってきます。」
ああん!待ってよ、淡月ちゃぁーん!!
一緒にイこ?
ああ↑~この無の表情で睨まれるのがたまらなく気持ちええんや!
て言うか全員同じ学校なんだし一緒に登下校したいじゃん?…したくない?
という訳で、イテキマース!
さて、学校まで徒歩15分ぐらいの道のりですし今日はちょっと早めに出れてるのでのんびり行きますかね。
「ふむ、なら私はこちらを貰おうかな?」
そう言うとココロン先輩が俺の左腕に抱きついてくる…
…?…?………?
だめだ、りかいが、おいつかない、ひだりうでに、やわっこいのが、あたってる
「……」ギュッ
ミギウデ、ニモ、ヤワッコイ、ノガ、アタッテ
オレ、シアワセ、コノタメニ、イキテル
「おやおや、随分といじらしいね?
お兄ちゃんが盗られるのが嫌なのかな?」
「…別に、そう言うのではありません。
ただ…兄さんが空いた手で天ヶ峰先輩に変なことをしないように抑えてるだけです。」
「抑えてる…ね?いやはや、私は本当に可愛い後輩をもったものだね?」
…ハッ!此処はドコ?俺は…確かチートハーレムの主だった筈…!
「…………」
…ああ、もう学校に着いたのか…
速いなぁ…普段は一秒でも速くと思うのに、この一瞬だけは永遠に続いて欲しかったなぁ。
おはよう、向上ちゃん。
「………」
うん、元気だよ!向上ちゃんも元気そうで良かったよ。
「…………」
んー、まぁぼちぼちかなぁ。
向上ちゃんこそ立ちっぱだししっかり食べないとだよ!
ちゃんとおべんと作ってきてるから昼に取りにきてね。
「……」
いいよいいよ、3つ作るのも4つ作るのも変わんないかんね。
「…いつも思いますけど、良く解りますね。」
ん?ああ、そう言えば向上ちゃん滅多に喋んないもんね。
でも表情見てれば解るよ?ねー!
「表情…ふむ、私達にはずっと無表情にしか見えないけどね?」
「…」
だよねー!向上ちゃんは結構顔に出るタイプだもんね。
「……」
おお、ほんとだ!もうこんな時間かぁ。
確かにそろそろ教室に行こうか。
じゃあ向上ちゃんまたね、バイバイ!
「…」
校門をくぐる頃には二人共腕から離れてしまっていた。
…哀しいなぁ。
「では、私はこちらなので。」
「ふむ、ではまた放課後にね?」
…二人共学年が上下にズレてるからここでお別れかぁ。
寂しいなぁ…
トボ…トボ…もう、なんかね…メンタルが如実にあらわれてるもんね。
トボトボ言ってるもん、たらちゃんじゃないんだから…
「はよーッス」ガララ
はい、着きました2-1の教室です。
さぁ、ちょっと早めに着いたしホームルームまで席でだらけますかね…
「あー、センパーイ。オハヨーございまーす。」
「…おはよう
ところでそこって俺の席なんだけど…知ってた?」
「んー、もちろん知ってまーす。」
「じゃあ退いてよ…」
はい、この朝っぱらから人の席を占領してるのは同じクラスの
左右で別れた白と黒のツートンカラーの髪が特徴的で、それなりに整った目鼻立ちと身長155cm(目算)の体躯はパッと見美少女です。
だが、男だ。
「先輩って、同級生じゃん…あとなんでセーラー服着てんの?そもそもウチの制服って女子もセーラーじゃないけど…?」
「んー、そりゃかわいーからですよー。
どーせなら似合うほー着たほーがいーでしょー?」
「せやろか?」
「そうだよ!」
!!隣の席の佐々木君!?
「可愛いは正義なんだ、つまり、明暗ちゃんはジャスティス…
…なんかそう言われるとそうなのかなぁ?
うーん、佐々木君が明暗ちゃんのファンクラブ会員じゃなければ素直に受け入れられたのかも知れない…
て言うか男だよ?皆知ってるでしょ?
「こんなに可愛いのにおちん○んまで付いてる…つまり無敵なんだ!わかるだろう!!」
佐々木君とファンクラブ会員の業の深さしかわかんないけど?
「んー、本人が居るのにそーゆーの言うのってー。
ちょっとハズカシーでーす。」
「ッッ!!」ザッ
…?佐々木君はなんで急に膝まずいたの?
「わからんか、我らの神が頬を染めながら唇を尖らせているッッ!!
これ以上言わなくてもわかるよなッ!」
…わかんにゃい。
とりあえず、朝からの俺を客観的に見るとキモかったんだなって事しかわかんない。
「てか、いい加減退いてよ。座れねぇじゃん。」
「んー、仕方ないですねー。
ほらー、温めておきましたよー。」
「木下藤吉郎かよ…てか別にエアコンはいってんだからそんな寒くねぇよ?」
「んー、そーですねー。でもー、寒いのヤなんでー早く暖かくなんないですかー?」
言われてもなぁ…まぁ、冬には冬にしかない良さがあると思って我慢して下さい。
「明暗ちゃん!寒いのならば俺の上着をッッ!」
「んー、汗臭そーなんでいーでーす。」
「ガハッッッ!!」
佐々木君ー!!
これは…ミンチよりひでぇや…
「……」
あっ、もうホームルームかぁ…
んー?ああ、佐々木君は心に深いキズを負っただけで身体は無傷だから大丈夫だよ向上ちゃん。
「………」
「センパーイ、センセーはなんて言ってるんですかー?」
「早く席に着けって。」
「はーい。」
「……」
「…今のはー?」
「皆揃ってるな、じゃあ朝のホームルーム始めるぞーだって。」
「…ほんとーにそー言ってるんですかー?いや、言ってはないですけどー…」
「……」コクコク
「…センパーイ、いつも通りでお願いしまーす。」
そうだね、効率悪いもんね。
俺は席を立ち教壇の向上ちゃんの隣に立つ。
「……」
「えー、数学の課題が今日の放課後までだから忘れないように。あと、もうすぐ冬休みだけどその前に期末試験があることを忘れるなよって。」
まぁ、要は通訳だね。
「…ほんとーによくその文量を読み取れますねー。」
んー、まぁ向上ちゃんとももう付き合い長いからねぇ。
慣れだよ慣れ。
「…」
「じゃあ、今日も1日頑張ってって。」
はい、昼です。
まぁ授業風景なんてつまらんからキンクリですよ。
「…」
あっ、向上ちゃん。はい、これおべんとね。
「…」
ん?あー、茄子の田楽入ってるけどちゃんと食べてよ?
ちゃんと甘めに作ってるから向上ちゃんでも食べれるって。
「…」
んもー、好き嫌いしないの!
そもそも、向上ちゃんがほっといたらお菓子しか食べないからおべんと作ってきてるんだよ!
「……」
誰がオカンだよ!!
「…」
ん?保健室?あー、かがみんが呼んでるって?
なんの用だろ?
「…」
あー、それかぁ。
なら仕方ないか…今から行っても大丈夫って?
「………」
オッケーじゃあ行ってくるわ。
「ノックしてもしもーし。」ガララ
保健室のドアを開けると中にはベッドに寝転がる黒髪のお姉さまが居た。
この泣き黒子がエロスを主張するお姉さまこそが
…ていうか人を呼んどいて寝てやがる。
良かったな、俺が紳士でよ…健全な男子校生の前で出るとこ出てる保健室の先生と二人きり…何も起きない筈がなく…ってなるとこだよ。
ほら、起きて起きて!
「むぅぅ、あと5分…」
もう!そんなテンプレ吐いてないで起きんだよ!!
「にぃぃ、あと気分…」
良いよね!傷○語!!
じゃなくて起きてってば!!
「みぃぃ…あれ?俊君?…なんで?」
やっと起きたか…
て言うか呼んだのそっちでしょうが…
「…ああ!そうそう!俊君ってば定期検診しなきゃだよ!!」
そう、かがみんの用とは俺の健康診断だ。
自慢だけど、普通の人間の身体してないかんね。
まぁ、だから普通の病院行くとややこしくなるんだけどね。
だから、健康診断は全部かがみんに頼んでる。
かがみんも普通じゃないからね。
「いつ見ても惚れ惚れしますなぁ。
この僧帽筋なんかもう…!いやでもこっちの腹斜筋君もだいぶえちえちだよ!」
…頼むから真面目にしてくんねぇかな?
「真面目だよ!!ウチは今誰よりも真面目に俊君を見てるよ!!」
見るんじゃなくて診て欲しいんですけど…
「うーん、大腿四頭筋様は相変わらずムチムチのエロボディだし!この尺側手根伸筋ちゃんなんかもう…実質S○Xだよ!!」
うるせぇ!!いいから早くしてくれって!
「最近無茶ばかりしてるでしょ?
筋断裂を繰り返してるね…それに、骨折も一度や二度じゃない…」
「…まぁ、それなりには…」
「いやはや、驚きだなぁ…こんなレベルで完成した肉体を持つ俊君でもそうなるとは、異世界とやらはとんだ魔境だねぇ。」
んー、全部が全部そうじゃないんすけどねぇ。
最近はハードなのが続きましたね。
「俊君、悪いことは言わないからもう止めなさい。
君の肉体は人類の至宝と言っても差し支えないが、これ以上酷使すれば壊れてしまうだろう。」
「ドクターストップってやつですかい?」
「そうだね。君の肉体に蓄積された損傷は俊君が思うより深刻だよ。
それに、只でさえ俊君…君は何かを
このままでは近い将来、必ず君は壊れるだろう。」
「…例え俺が死ぬとして、壊れるとして…それは今じゃない。」
「詭弁だね、確かにそうかもしれないけど時間の問題だよ。
君はこのままだと、こちらの世界に身を置く者としては特例的に…寿命で死ぬ事になる。」
「良いじゃんか、元々しわくちゃの爺になるまで生きようなんて考えてもねぇんだ。」
「…命は蝋燭のようなものさ。
人は皆、上側に火をつけそれを絶やさぬように注意を払って歩いていく。
でも俊君、君は走る為に両側から火をつけている。
そうすれば確かに火は消えにくいだろう。でも、走る度に火は燃え移り蝋燭はやがて虫食いのように全体が燃えてしまうよ。」
「それでも、俺はやらなきゃならねぇ。」
「…それは、件のお姫様の為に…かい?」
「さぁな。そこんとこ、俺にもよーわからん。」
「…悲しいね、君は確かに勇者と呼ばれるに相応しいだろう。
知恵を備え、勇猛とそれに見合う力も持っている…
俊君、君は世界を救うことが出来る力を持っている…だけどね、それは必ずしも世界を救わなければならないという訳じゃないんだ。
君は逃げたっていいんだよ。例え逃げたって今まで数々の世界を救った君を、誰も卑下したりしないさ。」
「…それでも、それでも俺は世界を救う。
…他でもない、俺自身の為に。」
そう言うと俺の身体が霞み始めた。
「また、行ってしまうんだね。
どうか、君の旅路に幸多からん事を…」
かがみんは膝を折って白衣の裾を摘まんでいた。
…それって白衣でやるもんじゃないよね?
ドレスとかでやる奴だと思うんですけど(名推理)
…さぁ、今日もまたちゃっちゃっと急いでクリアしよう。
俺の命が持つ限り。