ウマ娘が何を言ってるかわからない(困惑 作:勝利確信からのNT1攻め継覚醒640完殺
メイクデビューを大差のレースレコード勝利
次走の皐月賞ではG1、2000mという短い距離での5馬身差
東京優駿では並みいる外国の一流を抑え7馬身差の1位
秋華賞に至ってはG1レースでありながら異例の大差勝ちをした
異次元から現れ、瞬く間に駆け抜ける
ライバル達を絶望させ、見る物の目を眩ませる超光速粒子
そのウマの名は、アグネスタキオン
私は夢を見る、研究続きの毎日だとて睡眠から逃げ切る事は生きている以上できはしない
昔の私は眠っている時間が無駄に感じられ研究が進まない事に苛立ちを感じていたが今は違う
夢だ、ただ毎夜続く夢を見る
その夢が・・・甘美なる夢が私を包み込む
現実にありえた事ではないとわかっている、未だにトレセン学園に入学していない身
その私が勝負の三年間をいかに走り抜くかという夢など、正しく夢物語だ
しかし、その甘い甘い夢物語は私の心の中で何かに対する期待を持たせる
未だに入っていないトレセン学園への希望を持たせるには十分な物だった
この私アグネスタキオンの走りは自慢じゃないが速い
しかし全力を出せばそれだけで壊れるのがわかっている私はいつも苦しい想いをしていた
ただ全力でターフを駆け、風を感じ、高揚感の任せるままにゴールへと向かう
多くのウマ娘が当たり前にこなしている事が私にはできなかった
それでも走る事は諦められなかった
だってそうだろう?
見た目は人と同じ、しかし筋力はその数倍、この脅威の肉体が何処まで行けるのかという浪漫を追求しないなんて嘘だと思った
さらにいえば私には走る才能があった
この脆い足は、しかし7割の走りですら他のウマ娘を圧倒できたのだ
だからこそ、この足でウマ娘の限界まで到達したいと強く願った
私の願いはただ一つ
トゥインクルシリーズで強力なライバルと走り、ウマ娘の可能性を追求する事
しかし内心無理である事は自分でもわかっていた
何といっても、私のこの足が何処までも付きまとうのだ
全力も出せず、今にも壊れそうな、この、不出来な足が
それでも夢を捨てきれず夢の中の私はトレセン学園に入学をした
しかし、やはりというべきか、トレセン学園ではまったくうまくいかない日々が続いた
トゥインクルシリーズで走るにはトレーナーが必要だ
その為に必要なトレーナーにアピールする為の模擬レースには私はほとんど出走できなかった
やはり、足の問題だ
調子の良い時でないとまともに走れないのだ
いかに体調管理しようとどうしようもない事もある
そういう時私は模擬レースをさぼり研究をして過ごした
私の足を治す為の研究だ
実家からお金を貰い、幼少の頃からの研究を重ねるが中々進展しない
調子が上がらず模擬レースをさぼる
研究に没頭しては睡眠不足や不摂生により調子が下がる
また模擬レースに出られず研究に没頭する
そうして何の進展もないまま季節が過ぎれば模擬レースにも出ず
研究で迷惑を掛け続けるトゥインクルシリーズに興味のない問題児が出来上がるわけだ
しかしその頃にはもう諦めが自分を支配していた
いくら方法を探しても、この脆い足をどうにかする方法等やはり見つからなかったのだ
自分でトゥインクルシリーズを走るのは無理だというネガティブな考えばかりになってしまい
自暴自棄になった私は他人を実験と称して巻き込んでみたり、手に入れた試薬で教室を黒焦げにしたりとバ鹿な事を繰り返した
ついにはそういった素行の悪さから退学の話が持ち上がり、仕方ないという思いと、自分の夢が終わるという悲しさと、少しばかりの解放感というごちゃ混ぜになった感情を味わっていた時
そんな時、自分のトレーナーに出会ったのだ
退学前に会長に一戦だけと言われ模擬レースを申し込まれた
私自身も踏ん切りに丁度良いだろうと受ける事にした
レースの仔細は省くが、私は僅差で負けた
全力を出せない体で、会長相手に僅差だった
自らの力を確信して、尚それを生かせぬ脆さに悲しみを覚えた
しかしそんな所をみせるわけにもいかない
なんでもないようなフリをして立ち去ろうとした時
私達の走りを見たトレーナーが興奮してスカウトさせろと言ってきたのだ
学園を去るつもりだった私は遠回りに断った
つまり、試薬を三個取り出し、チラつかせながら
問題児だと有名な私のモルモットになるなら良いと答えたのだ
私が危ないウマ娘である事は有名だ
その時はこうすれば即断れるだろうと思ったのだ
しかし、トレーナーは即座に飲み干しこう言った
君とウマ娘の限界の先を追求したいと、私の走りの果てをみたいと言ったのだ
その目は狂気的で、興奮に満ちていて、ただ速さだけを追い求めていた
私と同じだ、ウマ娘の速さの限界という浪漫を追い求める物の目だ
愚かだと自覚し、尚諦めきれず、必死に手を伸ばす様はまるで私だ
まるでバ鹿としか言えない有様のトレーナーに自分と同じ物を見て、私はもう一度浪漫を信じてみる事にした
それからは色々な事があった
トレーナーを手に入れたからといって私の足は突然治るわけではない
だからジュニア期にはデビューこそしたが私がレースに出るのにはかなりの間隔をあけて調整を繰り返さねばならなかった
大きなレースに照準を合わせ、研究をしつつ調整を重ねていく
しかし調整しようにも実際には練習すらできない日が何日も続く日もあった、毎日のトレーニングも負荷を上げる事ができない
そういう日は研究をするしかない、そうすればやはり気ままで掴み所がない研究一辺倒のウマ娘だと思われ周りから避けられていく
しかしそんなウマ娘を相手にしてもトレーナーは理由も聞かずに練習場でずっと待っていた
練習に現れない私を待って何日もだ
トレーナーは思い込んだら一途で融通が利かず自分の事を絶対曲げない
私を信じると言ったのならそれを絶対に曲げない
ある日私の食生活を話せば、弁当を作ってくれた
料理は暖かく栄養バランスが整っていて見栄えも素晴らしかった
私の親は放任主義で研究にお金を出してはくれるが、名門だけあり忙しく料理を作ってくれた事等は無い
だからかトレーナーの手作り弁当はおいしく、私の心を満たしてくれた
普通、わがままばかり、研究しかしない、レースにも出ないとなれば文句の一つも言う物だが、トレーナー君は常に私の事を第一に扱ってくれた
今ならわかる、私はトレーナーに甘えていたのだ
そして甘えた私をトレーナーはちゃんと受け止めてくれた、それがただ嬉しかった
こうしてジュニア期はほとんど走れなかったが、トレーナーとの仲を深めた
クラシック期序盤にはなんとか体が出来上がってきたのに加え
トレーナーの調整のおかげでレースに出る事ができた
足の事もあるので、勿論本気では走れなかった
それでも私はトレーナーと一緒に、一位であり続けた
7割も力を出せれば負ける事等は無かった
権威あるG1レースを走り1位になった、無敗での勝利を重ねていった
しかし、それは私の欲しい物ではない
私の求める物はウマ娘の可能性の果てにある限界点、ただそれ一つであった
このトレーナーと、一緒にウマ娘の果てを見る
その為の研究がついに実を結びクラシックの夏についに、故障に強い身体を手に入れた
何年も研究を重ねて、自分をも実験材料にしてようやく手に入れた
そしてやっと・・・やっとウマ娘の限界を追い求める事ができるのだ
今まで7割も出せば大差勝利ができたのだ
7割も出せばウマ娘の限界が見え始めていたのだ
7割も出せば無敗のG1連勝ができたのだ
で は 1 0 割 で は ど う な る の か ?
体が治り負荷が掛けられるようになったら、もうその事しか、考えられなかった
クラシック期の10月、ついに自分の全力を試せるレースが来た
菊花賞、そこに答えはあった
私は好きなようにターフを駆け、感じるままに動きまわり
そして何より、ウマ娘としての限界を追求する走りをした
その時の事は生涯忘れないだろう、私が生涯を掛けて臨んだ事が確かにそのレースにはあった
私の夢は叶った
満足して回りを見渡せば、私の勝利を称賛するファンの声援、輝かんばかりのトレーナーの満面の笑み、ウイニングライブ会場を埋め尽くす観客
ウマ娘の限界を知る為に走り抜いたその先には、素晴らしい世界が待っていた
多くの人に支えられ、多くの人に力を貰った、本人には言えないが、特に、トレーナーには
観客に、トレーナーに、多くの支えてきてくれたファンの為に何か返さなくてはと思った
何が返せる?悩んでも答えは一つしか出てこなかった
レースで勝つ事だ
丈夫になった足を使い、前とは比べ物にならない程のハードトレーニングを組む
私の足も、トレーナーも、私の心も、全て同じ方向に走り出す
そうなった私にトゥインクルシリーズで敵なんていなかった
さらに速くなっていく私の限界を目指す走りを見てファンになった子達からの声援が聞こえるようになった
声援は力になった、力をつければさらに声援は大きくなった
全てを自分の力に変えた私はまさに無敵だった
走り、走り、走り抜いて、私の三年間を勝利の山で飾った
そうして私の素晴らしい夢は終わったのである
但し、この夢の話はこれで終わりではない
夢の中で出た私の足を治す薬・・・
なんと夢の中で考えた理論の通りに作ったら出来上がってしまったのだ
トレセン学園に行くよりずっと前に、である
昔から7割の力で圧倒できた、今は10割の力で走れて、尚且つハードなトレーニングにも耐えられる
そうなれば私より早いウマ娘なんていなかった、一人で何処までも駆けて抜けていける、ウマ娘の限界を探す為の走りができた
しかし、ファンのいないレース、トレーナーのいないレース、競う相手のいないレース・・・どれも夢で最高の物を知ってしまえば味気なく感じてしまう
最高のレースを夢で見ればこそ、その夢に夢を募らせつつ日々鍛え抜く毎日を繰り返し、何年もの月日が流れついに入学の朝が来た
スピード、スタミナ、パワー、全てがウマ娘の限界に到達しているアグネスタキオンは
あのトレーナーのような人はいないのだろうかと思いつつ
朝の仕度を済ませて入学式に出席する為家を出る
所詮は夢の事と理解しつつ、既に夢の自分よりずっと強くなっている為絶対に夢の通りにはならない事は自覚しつつ、何故だか期待する事は止められなかった
そうして家を出れば明るい春の日差しが出迎え、今日の入学式の為に足を進ませれば
横を原付バイクが通った
そう、トレーナーのバイクである
「え・・・ええー!?ちょ・・・ちょっと待ってくれ!」
「シリアスでここまで引っ張っておいて普通にトレーナー君が出てくるのかい!?」
「しかも普通に私に気づかず無視して飛ばして普通に学園に向かってるし!」
「普通こういうのって夢の中で会いましたねみたいにロマンチックに出会うもんなんじゃないのかい!?」
「っていうかもう遥か先に向かってるし!どうすればいいんだこれは!?」
とりあえず先に行ってしまったトレーナーを追う事にしたタキオン
自己紹介どうすればいいのかとか、夢であったねとか言い出したら流石に引かれるだろうなとか、色々考えながら走ってたら普通に振り切られたアグネスタキオンにトレーナーとの輝かしい未来があるのかはまだ秘密である
溢れ出る才能x理論値スーパーハードトレーニングxG1をゲットしまくった記憶=初期スピスタパワーのステがすべてSS+とかいう糞バグ仕様タキオン様降臨
(それ以上練習する必要とかもう)ないです・・・