ウマ娘が何を言ってるかわからない(困惑 作:勝利確信からのNT1攻め継覚醒640完殺
理事長が扇子を広げつつ一言発する
「憂慮!」
「サブトレーナーはまだウマ娘を受け持つ気は無さそうなのか?たづな!」
「やはり自分にはまだ早いので東条トレーナーの元で学びたいと仰っておりまして、意志を変えるつもりはないようです」
「しかーし!彼のウマ娘を見る目は確かだ!ナリタタイシンもダイユウサクも!走らせてみれば一級品ではないか!一目で潜在的な強さを見抜く彼の目を放って置くのはもったい無さすぎる!!」
「彼ももう三年目ですし、そろそろ担当を持つべきだと私も思うのですが・・・」
そう、サブトレーナーはもう三年目なのだ
トレーナー、施設の整備スタッフ、事務員、調理師
全て高度な試験を突破できるだけの知識と信用が無ければこの学園には採用できない
そうしてトレセン学園に相応しい高度な人員を多く集めようとしたが・・・あまりにもハードルが高すぎた
常に人員不足、さりとて美人ばかりのウマ娘と関わる者が信用の無い者の場合スキャンダルがあまりにも怖すぎる、中央トレセン学園の名を貶めるわけにはいかない。
結果ギリギリの人員で各部署阿鼻叫喚地獄絵図のスーパーブラック学園ができあがった
そんな中で人を遊ばせておく余裕なんて物は無い
多くのウマ娘が学ぶこのブラックトレセン学園の中、トレーナーは特に希少でウマ娘同士で取り合いになる程に人員は足りてないのだ
苦肉の策としてなんとかトレーナーに指導して貰えるウマ娘を増やす為に一人で複数人面倒を見るチームなんて制度もあるが、それを持ってしても人員はまったく足りていない
早急にトレーナーを増やす必要があるが、中央トレセン学園の名に相応しいトレーナーはそんなにポンポン出てくるわけは無かった
だから即戦力になりそうなサブトレーナーには簡単な詰込みで研修を終えつつ問題を起こさない人物である事だけ確認できたらすぐに一人立ちの予定だった
しかしこのサブトレーナーに教育をしつつ地獄のブラック業務を東条トレーナーがしていた時この男は自ら率先して働き己の有能さを示した
出走レースの書類手続きを先回りして処理、練習場の予約を予定に合わせて取得、東条トレーナーの作った練習内容を各ウマ娘にウマッターで通知、出走予定のレースの最寄りのホテルや食事処の予約、経費の申請、移動の為の電車や飛行機や車などの経費の確認やチケットの取得、トレーニング器具の簡単整備
全ての業務をノートパソコンと電話を使いこなしさっと片付ける、さらにウマ娘と雑談までしてコンディションを落とさないように留意しつつ、怪我等した時にすぐ保健室へ連れていけるよう見守っていたのだ
当然東条トレーナーも彼以上の仕事効率で普段はこういった業務を定時までこなす
そして定時を過ぎたあたりからやっと
ウマ娘のレースを鑑賞して対抗バの確認をしたり、各々のレースプランを作り上げたり、練習メニューを考えたり、どのレースに出走させるか考えたり、ウマ娘の相談に乗ったり、同僚と情報交換したり、会議をしたり、レース場で行われるイベントの確認と対応をしたり、マスコミ対応をするのだ
トレセン学園の寮に帰る時には深夜の2時3時なんていうのはザラで、さらには朝のトレーニングに付き合う為に6時起きをするような毎日だった
ブラックだったがウマ娘の事を想えばなんとかこなせた
しかしサブトレーナーがいると話は全て変わってくる
仕事を全部こなして、翌日の仕事にも一部手を出して、普通ならベッドで眠るだけの時間になる所、なんと18時に業務が終わるのだ
一度苦しい所から抜け出すと戻りたくなくなるのが人間だが東条トレーナーはその点しっかりしていた素晴らしい人物であった
これではいけない堕落してしまう前に独り立ちさせようと一層教育に力を入れた
しかしこのサブトレーナー、厳しい受験競争を抜けたわけでも、思想チェックを抜けたわけでも無いのでトレーナーやってく自信なんてものはないのである
つまり永遠に雑用でいたいのだ、よしんばトレーナーになるとしても
なるべく引き伸ばして先送りを行い勉強する時間をなるべく確保するつもりだった
こうして東条トレーナーから教えて貰った事は教え方がうまいのもありバンバン吸収する
しかしそもそも自立してメインで自分が指導するトレーナーなんてやる気も無ければできる気もしないサブトレーナーは東条トレーナーの元でもっと学ばせてくださいと頭を下げ続けたのだ
そうして独り立ちする予定だったサブトレーナーは東条トレーナーの指導方法を学びながらずるずると色々な言い訳をしてメイントレーナーとして働く事はせず
ついには別のトレーナーの仕事も学ぶといいつつ学園のほとんどのトレーナーの各種書類仕事等の業務を請け負いはじめ、そのうちさらに学園スタッフの仕事まで手伝い始めた
その結果できあがったのが
色々なトレーナーの元を回って事務仕事をこなしたり
トレーナーが練習を確認できない時に練習を見守ったり
簡単なトレーニング用具の整備等を行ったり
オグリ等大食い組が飯を所望した時に皿洗いや簡単な盛り付け等で調理スタッフを手伝ったり
イベント時の仕事が忙しくなる時期に生徒会の仕事を手伝ったりと
本職には及ばないが正しく全ての業務をそれなりにこなせるスーパーサブともいえる人物ができあがってしまった
普段は各トレーナーの備品の発注や出走レースの書類提出等を纏めて請け負い、いざという時には色々な仕事を代わりにこなせる
完全ブラック業務の日々で疲労が溜まりもうだめだと思った時、冠婚葬祭のどうしても休みたい時等どうしようもない時にはサブトレーナーに投げる事ができるようになったのだ
彼の存在はトレセン学園の中で驚くほど大きい、ブラック学園に差した一条の光だと言い切れるだろう
しかし彼を雑務での採用をしたわけではない、トレーナーとして採用したのだ
中央のトレーナー試験の厳しさは筆舌に尽くしがたい、そして中央のトレーナーたる資格を得てもトレセン学園に採用されるかはまた別問題という難しさがある
同じだけの努力をするなら他の分野で超一流となっていくらでも稼げる立場になれるはずだ
ここまでの困難に立ち向かいながらそれでもわざわざ中央のトレーナーになるような者は大抵自分で育てたウマ娘を世界一にする事以外興味が無いのだ
これこそ中央に来るような奇特なトレーナー全員の目標であると言い切っても良いくらいである
しかしサブトレーナーはその目標を一旦横に置いて、長い間雑用や改善を行う立場に留まり学園が円滑に動くようにサポートしてくれている
恐らく多くのウマ娘の事を想っての事だろう、本当に頭が下がる思いだ
彼にはトレーナーとしてウマ娘を見る目がある、つまりトレーナーとしての能力も一流である事が察せられるのだ、だから
「陳謝!彼にはすまないと思っている!この学園の労働環境は言い辛いが良くない!彼もそれを懸念して自分がサブトレーナーとして色々な仕事をする事で学園スタッフに余裕を持たせようとしている!」
「私が書類仕事等は手伝っていますが、それでも圧倒的に手が足りていませんしね。万年人手不足のこの状態をなんとかしないと彼もトレーナーになる事に頷かないかも知れません」
実際サブトレとしてはやりたくないからやらないだけなのだが、やりたくないからやりません等と社会に出た人間が言えるはずもなく適当な事言って遠回りに断れないかなーと喋っただけである
「しかーし!いい加減この状態では不味い!今日こそは彼を説得してトレーナー業務を担当してもらうぞ!」
「そうですね、いつまでもサブトレーナーとして食い物にしてると外部に見られても言い訳できません。担当を持ってその実力でトレーナーとしての実績を残して頂かないと」
こうしてトレーナーをしたくないサブトレと絶対トレーナー業務させたい二人との話し合いが始まろうとしていた
見る目があると言われてるけど、BNWの一角を忘れる事なんて競馬ファンなら無い
メジロマックイーンの一人舞台だと思われてた試合を大穴中の大穴ダイユウサクが何のドラマも無く普通に勝って1着なのはあまりにも有名
全員血筋が悪いので走らないと思われてたけどG1で結果を残した馬、トレセンでも注目されていなかった
しかし名前を憶えていたサブトレがやたらと気にかけトレーナーが見つからない中
得意な〇〇な脚質で走ってみろ~とか、ペース配分は~とか史実準拠の簡単なアドバイスを投げる
そしたらとたんに模擬レースで一人旅を繰り返すようになり、サブトレーナーはかなり見る目も指導力もあるんじゃ・・・!?
的な勘違い展開