ウマ娘が何を言ってるかわからない(困惑   作:勝利確信からのNT1攻め継覚醒640完殺

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何をしても勝ちたい

指導力、選手の才能、資金力

全て負けている事なんて自覚している、だからと言って走る事も指導するも止められはしない


努力して、努力して、努力する

選手とトレーナーが信頼し合い限界までトレーニングを重ね強くなったと思えば

天才は同じだけの努力でさらに強くなる

努力すればするほど、見せつけられる

天才は・・・いるって事を

いつかは、勝つ為に、そんな日が来ない事を内心で知りつつ努力する事の苦しさは、勝ってるやつになんてわかりはしない

減量は苦しいのに

努力するのはキツイのに

反復するトレーニングは辛いのに

遊んでたとしても天才たちに負けるという結果は多分変わらないのに

諦めてしまったら楽になるのに・・・

何故諦めないかって?

考えた事も無かった・・・きっと・・・それは









ウマ娘の意地にすぎない


残念二流モブトレーナー草摩

ここブラックトレセン学園には2000人程のウマ娘が通っている

 

2000人のウマ娘に対してトレーナーは凡そ50人程だ

 

50人全員がチームを編成しているが平均して5~10人程しかウマ娘を抱えていない

 

つまり最大でも500人程しかトレーナーは面倒を見ていないのである

 

しかしトゥインクルシリーズに出走するには必ずトレーナーが必要だ

 

つまり、1500人程はトレセン学園に入学したにも関わらずトゥインクルシリーズを走る資格すら与えられないのだ

 

そもそもトレセン学園に入れる事がまず優秀さの証である、トレセン学園に入れずに泣く泣く地方に行く子もかなり多い

 

そして地方レベルとは隔絶した実力を持ったウマ娘だけが2000人集まり

 

その中からさらに3/4が脱落する蟲毒ともいわんばかりの実力による蹴り落としあいをして

 

やっとトレーナーにスカウトされて中央のレースを走る資格を手に入れるのだ

 

会長の中央を舐めるなというのはこういった経緯から来ている

 

地方バなんていうのはそもそも格下の格下、お呼びではないのだ

 

そうして中央のレースをトレーナーと共に走れるようになってやっとメイクデビューの資格を得られる

 

これだけの話で中央のレースを走るウマ娘がどれだけエリート集団かわかって頂けるだろうか?

 

そして50のチーム、およそ500のウマ娘がメイクデビューを走り、10人で走れば・・・その中の一人だけが初勝利を飾り、栄光のセンターライブを行える

 

才能の凝縮された世界の中で唯一抜きんでる者になる為に日夜全員が切磋琢磨している

 

しかし勿論50のチームが均等に勝てるわけでは無い

 

ウマ娘はより勝てるチーム、リギルやスピカを初めとした強豪チームに入りたがる

 

当然だ、レースで勝つ為には良い指導、良いトレーニング機材、良いライバルがいる

 

勝ってるチームは勿論良い指導である事が察せられるし、賞金を使いトレーナーの自費で購入された最新機材のトレーニング機材がある事も多い

 

それに現状トップクラスの者のみとトレーニングができるとなれば技術を盗める機会だって多くなるだろう

 

そうやって有望な上澄みの5人か10人かのウマ娘は全て強いチームに取られて行く

 

後に残るのは言い方は悪いが二線級のウマ娘達だけだ

 

そうして夢も希望も無い、残りカスのようなチームが幾つも出来上がって行く

 

勝たせられない指導力、二線級のウマ娘、増えない賞金

 

現状G1はシンボリルドルフのような存在が現れれば、そのほとんどが一人の為のレースとなってしまう

 

そうならないよう、多くの対策を行い自分が優位に立とうとするが強者というのはそんな策等あっさり踏み抜いていく

 

戦い、負けると知っていても、戦う事を止められない

 

そんな敗北者のお話

 

 

 

トレセン学園にいるウマ娘は皆優秀だ、10を教えて5を知る普通の子と比べてトレセン学園の子は最低でも10を理解する

 

才能に溢れ、努力をする事も怠らず、レースに掛ける情熱も燃え盛っている、才気煥発といえるような子達ばかりだ

 

しかし多くのウマ娘の上澄みだけ集めれば、その中ですら能力の上下ができてしまう、まさしくエリート集団の中の上位のみが出走する権利を得られるという過酷さはあまりにも惨い

 

そしてその競争を勝ち抜いたとてG1の栄光はほとんどの者が手にする事はできない、そのG1勝利という未来が眩しければ眩しい程、その光を目指し飛び、多くが光に焼かれて落ちるのだ

 

そしてそういう風に嘯く私だってトレーナーとしてG1を勝利したいという気持ちがあるのだ

 

トレセン学園にいるのはそういう光に焼かれたやつだけだ、本気でG1を目指さないやつなんてここには存在しない

 

とは言っても現実問題ほとんどの場合は圧倒的才能というのがG1を掻っ攫って行く

 

10のトレーニングで20の成果を得るやつに10しか成果を得られない者では届きようがないのだ

 

しかし、いつの時代も才能のない者だって負ける事を座して待っているだけではない

 

新しい理論やトレーニング方法というのはウマ娘の研究が進むにつれてドンドン増えている

 

10の成果を得られるトレーニングで足りないなら多くの論文や理論を検証し、30の成果を得られるトレーニングを摸索していく

 

そうしていつか勝てる日を夢みて毎日色々なトレーニングをしているのだ

 

しかし問題もある、単純に新しい摸索というのは金が掛かるという事である

 

新トレーニングの為のトレーニング機材であるとか、広いスペースを借りなくてはいけない場合だとか、最新のトレーニングについて学ぶ為の受講費等だ

 

しかしその為に賞金からお金を出そうにもその賞金はリギルやスピカ等の超一流が全てかっさらって行く

 

ハナっから下位のチームにチャンスなんてそうそう巡っては来ないのだ、勝てないからお金が無く、お金が無いから勝てない

 

だからと言ってただ黙って負けるのを待つわけにはいかない、なんとかして金策をしようというのが二流トレーナー草摩の課題だった

 

草摩トレーナーは五人のウマ娘を抱えているが最近は勝ち星に恵まれずなかなか新しい事に挑戦できないでいた

 

ジャラジャラがなんとかGⅢで一勝するという大戦果を挙げるも他のウマ娘達は未勝利かOPで掲示板に乗るか乗らないかという微妙な戦いを続けているという有様だ

 

なんとか最新のトレーニングを行ってこの状況から抜け出したいが、とても新しい事に投資するほどの資金がないという状況だった

 

ウマ娘を勝たせられない自分が腹立たしい、ウマ娘に対して申し訳ない、自分のウマ娘なら才能を引き出せばもっと戦えるはず

 

いつもいつもウンウン唸っては答えが出ない事を考え続けて

悩みに悩んでどうにか勝つ為のトレーニング費用を捻出できないかという思いから導き出された答えは出走奨励金を利用する事であった

 

やる事は単純である、ウマ娘がレースに出るにはトレーナーの書類が必要だ

 

そしてトレーナーはウマ娘の賞金の一割程を貰えるというルールがある

 

出走奨励金とは出走するだけで最下位でも貰える移動費や宿泊費等に当てられるような額の少ない賞金である

 

草摩トレーナーは自分が直接指導せずにただレースの出走登録だけをして、出走奨励金や賞金の一部を貰おうという魂胆である

 

勿論こんな事は褒められた行為ではない

 

しかし資金に困るトレーナーと、トレーナーがいないから出走できずに燻っている、そういった層のウマ娘とならwinwinの関係が結べるのではないかと思っての事だった

 

自分はジャラジャラを始めとしたチームメンバーをどうしても勝たせたい

 

例えウマ娘から賞金を吸い上げて金儲けする事にしか興味がないトレーナーと言われても、その程度の悪名は被るつもりでこの資金集め作戦を実行に移そうと決心した

 

トレーナー会議でこの話をして、事前に通達をすれば勿論再三止められたが、説得を繰り返し最終的には全員がそこまでの覚悟ならと認めてくれた

 

本当は書類仕事の手間もあるので10人程から始めるつもりだった、少人数の書類手続きのみして感触を確かめ、無理なく少しずつ増やしていく、そのつもりだった

 

しかし噂を聞きつけてトレーナーの元に来たのは500人を超えていた

 

 

「ここでならレースができるって、諦めてたレースに出られるって聞いて来たんです!」

 

「中央まで来て走れないなんて本当は嫌ですよ、ここで走る為になりふり構わず努力したんです、でも努力してもトレーナーはつかないんです、もう走れるなら地方でとも考えました、それでも中央のターフは別格なんです、諦めきれないからしがみついて、やっとチャンスが来たんです・・・離すつもりはありません」

 

「中等部はまだこれから本格化があるかもしれないけど~、高等部の私達はもう後が無いんだよ~!学園まで来て上には上がいる事を知ったけど、だからってレースは諦められないのよ~!」

 

「そこにチャンスがあるなら黙ってみてるなんてできないんです、私達はその為に中央に来て、それを諦めてないからトレーニングを欠かさなかった。ここで引き下がったりしたら卒業までレースを走れない事になってしまう・・・絶対に譲れません」

 

ウマ娘のレースへの情熱を見誤っていた、彼女達はトレーナーが付いて出走できる子よりよほど飢えていたのだ

 

エリートの自覚がある分、トレーナーにスカウトされないからといって騒ぐのははしたない、格好悪い、他の子に負けてスカウトされないなら実力不足であるからしょうがないと自分を抑えていただけで、レースの事を想わない子なんていなかったのだ

 

 

そうして500人もの子達が、最後のチャンスであると意気込み、にらみ合いに発展し、誰も譲る気がないのを察し、険悪な雰囲気になっていった時

 

この場をどうにかするには全員の出走登録を約束するしかなかった草摩トレーナーは、今後の自分が受け持つ5人のウマ娘の面倒をちゃんと見られるのか、どうしてこうなってしまったのか、500人の申請書類作成なんて到底不可能な事をどうすればいいのか、頭を抱えて机に突っ伏した

 

 

 

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