ウマ娘が何を言ってるかわからない(困惑 作:勝利確信からのNT1攻め継覚醒640完殺
競バに絶対は無いが、そのウマ娘には絶対がある
最強の名をほしいままにしたそのウマ娘の名は
皇帝 シンボリルドルフ
誰にも話していない夢の話だ
昔夜、ベッドに入って眠ろうとすると深い眠りの中で必ず同じ夢を見る
一人のトレーナーとトゥインクルシリーズを駆け抜ける夢だ
トレセン学園に入学した時、私は最初から強かった
入学する前から英才教育という名のトレーニングを積み
入学当初の時点で他のウマ娘とはかなり実力差があったからだ
トレーナーからの勧誘はかなり多かった
選びきれない夢の私はトレーナーに宿題を出した
私とどうしたいのか?私とどんな未来を描くのか?
今思えば傲慢極まりないがその時の私は泰然自若に見えても入学したての上にトレーナー選びという今後を左右する重要な選択を前に冷静ではいられなかったのだ
そうして少し失礼な質問をぶつければ
とあるトレーナーは3年分のトレーニング表を持ちだした
自分に任せれば完璧な計画を立ててみせると
あるトレーナーは3年間のレース予定を出した
対策と傾向を細かに分析して必ず勝たせてみせると
数多いる歴戦のトレーナーの中
最後に話をした新人トレーナーが一番心に響き
彼と共にトゥインクルシリーズを戦う事にしたのだ
彼は自分がトレーナーなら勝てるとも、完璧なトレーニングをするとも言わなかった
ただ、私とエアグルーヴが共に笑いながら写っている写真を見せて
この顔がもっと見たいから君の担当になりたいと言ったのだ
全てのウマ娘の幸せの為に走る事を決めていた私にはその写真がとても魅力的に見えた
私が望むのは全てのウマ娘の幸せだ
それこそが私の一番の目的であり夢である
その事を言わずとも汲み取ってくれるこの人と一緒にトゥインクルシリーズを駆け抜けたいと強く思ったのだ
そうして始まったトゥインクルシリーズに
しかし波乱という物は存在しなかった
トレーニングを熟し、日々の生徒会の業務をこなし、休息を取り、レースに出て、勝つ
特別な事は何もしなかった、ただ当たり前に笑いあい、時にはジョークを飛ばして
気軽に話し合い、多くのウマ娘の手助けを二人でしながら、ただ走っただけの日常である
数多の勝利を祝い、私と壁を作らずに話を聞いてくれて、共に戦い抜いてくれる
壁を作られる事の多い私の、唯一絶対何でも話し合える相手
トレーナーというパートナーと共に三年間を走り抜けたのだ、それはそれは幸せな夢だった
そうして、幸せな夢から覚めると現実がやってきた
現実でも私は入学式を経験し素晴らしいトレーナーと一緒にトゥインクルシリーズを走れるのでは?という期待を抱いていた
そしてそれは半分だけ・・・現実となったのだ
夢にまで見た私のトレーナーはなんと現実に実在していたのだ
私が夢を語れば、素敵な夢だと、応援すると言ってくれた
ここから夜に見た夢のような素敵な毎日が始まるのだと理由もなく信じられた
しかし現実ではトレーナーでは無くサブトレーナー
私の専属になる事はできない立場であった
それでも私は諦めきれずに彼をサブトレーナーに抱えるトレーナー
東条トレーナーの元で指導を受ける事にした
彼がメイントレーナーだった夢の中の状況とは勿論色々と違った
しかしそんな事が気にならない程彼は夢の中の彼と一緒だった
多くのウマ娘の幸せを願い、行動する彼の姿が学園内にはあった
トレーナーが付かない為レースに出れない子の為に手を尽くしてレースに出場でられるようにしていたり
多くの業務を引き受けて学園内に余裕をもたらそうとしたり
数々の業務を自動化する事によって仕事の量を減らしトレーナーや事務等の人達が健全な生活を送れるようにしたり
数多くの人々を助ける為に努力をしていた
そのような業務を熟しながらも私の事もしっかりと見てくれていたのだ
厳しいトレーニングで疲れた時、彼はスポーツドリンクを差し入れてくれた
貰ったドリンクを飲みつつ、学園内の行事の話であったり、面白いウマ娘の話を冗談を交えつつ話す
学園内で逢えばいつも必ずブラックコーヒーを奢って、そっと私の話を聞いてくれる
生徒会の仕事が溜まればいつの間にか現れて仕事をさっと片付けてしまう
いつも皆の笑顔の為に率先して働く彼を見る
夢の中じゃなくてもウマ娘の幸せの為にしているという事がわかる
私の夢と一緒だ、同じ物を見ている同志は変わらず其処に居てくれた
彼にとっては私ですら幸せにするウマ娘の範疇に入るようで
壁を作られがちな私に冗談を飛ばし
私もちょっとしたジョークで返す
軽い会話をしていると周りにいた子達がもっと軽く接してもいいんだと察して私に気軽に話をしてくれるようになった
私の周りには緊張しているウマ娘ではなく
笑ってちょっとした冗談やスイーツ等の話題を話すウマ娘が多くなったのだ
周りのウマ娘が笑い幸せそうにしている今の状態こそ私が一人では成しえなかったウマ娘の幸せがある状況と言えるだろう
私は夢の中と一緒で、私とは違うやり方で簡単にウマ娘を笑顔にしていく彼に現実でも強く惹かれていった
そうして惹かれていった私は彼を専属のトレーナーにしたい、強くそう思った
彼のサブトレーナー歴はもう「三年目」だ
そろそろ、正式なトレーナーになっても良い頃だ
誰の専属になるか
私は彼に、私の担当になってほしいと、言いたかった
しかし私は結局恥ずかしさから一度もそんな事は言えなかった
校門の前でバイクに乗った彼と出会う
「ああ、トレーナー君、学園長が君の事を呼んでいたよ。何か用事があるようで顔を出してほしいと」
そう一声掛けてると彼は適当な返事をして去っていく
学園長の話は恐らく、正式なトレーナーになり専属なりチームを持てという話だろう
彼はこれから受け持つ生徒を探す為に東奔西走する事になる
そんな時私が担当になりたいと切り出せばおそらく彼は了承してくれるだろう
しかし、ただそれだけの事を考えただけで愛の告白をするかのように脈打つ心臓を抱えて、それを口にできるのかは終ぞわからなかった