疾走せよ、熱きウマ娘たちよ。   作:気まぐれな富士山

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セイウンスカイルート模索中です。


第1走 入部せよ、彗星のチームに。

片田舎の町に育った。

 

昔っから走るのが大好きだった。

 

前は誰かと一緒に走ってた気がする。

 

でも、誰も追いつけなかった。

 

次第に、1人で走るようになった。

 

最後に誰かと本気で走ったのは、どのくらい前だろうか。

 

今は、思い出しても仕方ない。

 

____________________________________________

 

 

「パンかご飯か。フレークかヨーグルトか。迷うなぁ・・・」

 

 

一人暮らしはいいものだ。

 

遠慮はいらないし、好きな物を食える。

 

 

「よし、パンとフレークだな。」

 

 

朝食は大切だ。

 

朝は朝食を食べて眠気を覚まし、体を元気にさせる。

 

 

「飯を食ったらそのまま学園へ、か。条件とはいえ、いい家を出して貰ったもんだ。それに給料もいい。」

 

 

歯を磨いて、顔を洗って。

 

いつもの車椅子に座って、音楽を聞きながらパックをする。

 

肌荒れは怖いからな。

 

神棚に手を合わせて、

 

 

「行ってきます。」

 

 

大抵俺は登校の1時間前、つまり朝の7時には家を出る。

 

家は学園から徒歩10分。

 

俺なら大体20分ってところだ。

 

だから、まぁ、学校も一番乗りって訳だ。

 

 

「おはようございます、たづなさん。」

 

「あ、梶谷トレーナー。おはようございます。早いですね。」

 

「まあ、性分なもので。たづなさんこそお早いんですね。」

 

 

たづなさんとは基本毎日校門で会う。

 

彼女も丁度来た所だ。

 

車椅子を押し、部室の鍵を開け、換気をして、メンバーのデータをまとめる。

 

 

「昨日入ったのは、マルゼンスキー、トウカイテイオー、オグリキャップ、セイウンスカイ、アグネスタキオン、ハルウララ、ウォッカにダイワスカーレット・・・中々にクセの強い面子だな。」

 

 

走りに関してもバラつきが大きいが、それは走ってからのお楽しみだな。

 

戦績を並べて、比率化して・・・

 

 

時は流れて昼下がりの食堂・・・

 

 

「いただきます。」

 

「あ!トレーナーさんだー!一緒にご飯食べよ!」

 

「ウララちゃん!迷惑だって・・・」

 

「いや、構わんぞスペシャルウィーク。どうせこの後会うんだ。むしろ、仲良くしておきたかったからな。そっちには、セイウンスカイ、グラスワンダー、そんでもってエルコンドルパサーにサイレンススズカか。」

 

「よろしくデース!」

 

「かなり人数が多くなっちゃいましたね。」

 

「まあ、いんじゃない〜?」

 

「みんなで食べると美味しいね!」

 

 

ハルウララ・・・花のような笑顔で周りに人を惹きつける。しかし、授業成績がかなり低く、デビュー戦は恐らく負ける。だが、そのポジティブさは1級品。成長性はA。

 

 

「もう授業キツすぎ〜。眠たくなっちゃうよ。」

 

セイウンスカイ・・・のんびりとした性格とは裏腹にかなりの戦略家。授業では負け無しで、『差し』も『逃げ』もこなす。しかし、本人には今のところトレーニングの気力が低め。成長性B。

 

サイレンススズカ、エルコンドルパサーの情報も欲しかったが、まぁいいだろう。

 

 

「食っとけよ。この後集まるからな。」

 

「えー、午後はセイちゃんのお昼タイムなのに・・・」

 

「メンバーで顔合わせるだけだよ。本格的なトレーニングは明日からだ。」

 

 

昼下がりのトレーナー室・・・

 

 

「えー、自己紹介と目標を一人一つ・・・」

 

「マルゼンスキーよ。目標はそうね、楽しく走ることかしら?」

 

「ボクはトウカイテイオー!目標は、無敗の三冠ウマ娘!」

 

「アグネスタキオンだ。目標としては、研究の一環になる走りをするよ。」

 

「セイウンスカイ。よろしく〜。目標とかそういうのはとくにないでーす。」

 

「私、ハルウララ!かっこいいウマ娘になるのが目標!」

 

「ウォッカだ。目標というか、隣のアホにだけはぜってー負けねぇ!」

 

「ダイワスカーレットよ。横のバカにだけは絶対に負けないわ。」

 

「「あぁーーん!??」」

 

「はいはい、喧嘩しない。えーっと、最後は・・・」

 

「オグリキャップ。目標は、日本ダービー優勝。」

 

「おー、凄い自信だね〜。」

 

 

オグリキャップ。通称『芦毛の怪物』カサマツトレセン学園出身のウマ娘。口下手だが、その実力、努力、想いともに本物。正に怪物だ。しかし、担当したトレーナーの財布が食費で尽きる程の大食らい。

 

 

「じゃああらためまして、チームコメットのトレーナー、梶谷だ。元陸上選手だから、力にはなれるはずだ。よろしく。何か質問は?」

 

「はいはーい!前々から気になってたんだけど、どうして車椅子なの?」

 

「これは、まあ、いろいろあってな。」

 

「ちょっと、テイオー。そういうデリケートなところに触れちゃチョベリバよ。」

 

「あ、そっか・・・ごめんなさい!」

 

「いや、いいんだ。また機会があったら話すよ。」

 

「そういえば、明日のトレーニングはどうするの?」

 

「明日のメニューはまた伝えるよ。あ、そうだ。これ、各自寮でやってくるように。日々の簡単なトレーニングメニューだ。こんくらいなら風呂上がりにでもできるだろう。」

 

「フムフム・・・正に理にかなっているトレーニングだ。私的にもこのくらいの自主トレがいいと思っていたところだよ。」

 

「とりあえずの目標は、全員のデビュー戦優勝!それまで、頑張っていこう!」

 

「「「「おーー!!」」」」

 

 

ウマ娘たちの部屋にて・・・

 

 

「お風呂上がりにやるのよね。」

 

「うわ、このストレッチ苦手なヤツだ。スカーレット、お前できる?」

 

「え?何それこっちに書いてあるのと違うんだけど。」

 

「別メニューってことか?」

 

 

コンコン

 

 

「はーい!あ、アグネスタキオン先輩!」

 

「やあスカーレット。失礼するよ。君たちのストレッチメニューなんだが、少し見せて貰えないか?」

 

「え、もしかして・・・」

 

 

ウマ娘思考中・・・

 

 

「なるほど。やはりそうだったか。」

 

「やはりって?」

 

「先程、ハルウララとオグリキャップのメニューも確認したんだが、やはり違うものだった。恐らく、個人個人に適したメニューだろう。君たちのも、弱い部分のストレッチだっただろう?」

 

「あ、確かに。」

 

「言われてみるとそうかもしれないわね。」

 

「私達のレースの記録を見たとして、ここまで的確に、ピンポイントで狙って相手の弱い部分を当てた・・・私たちは、もしやかなりの大物に当たったかもわからないぞ。」

 

 

 

トレーナーの部屋・・・

 

 

 

「多分あれで合ってると思うんだけどな・・・」

 

 

まあ、考えてもしょうがない。

 

アイツらが実戦するかどうかがカギだ。

 

 

「夢を、まだ追いかけられる、か。」

 

 

まだだ。アイツらが本当に価値のあるランナーなのか。

 

確かめさせて貰うぞ。

 

 

この動かない足で。

 

未来へのスタートをきる。

 

 

「明日からが勝負だな。」

 

 

____________________________________________

 

 

彼がこの学園に来た。

 

スカウト形式ではなく、希望するウマ娘たちでチームを作っている。

 

恐らく、彼は私の存在に気付いていない。

 

あの頃の私とは気づかないだろう。

 

ああ、それでも━━━━━━━━

 

 

「君とまた走りたいよ。」






最後の回想シーン、誰かわかりましまか?
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