セイウンスカイルート模索中です。
片田舎の町に育った。
昔っから走るのが大好きだった。
前は誰かと一緒に走ってた気がする。
でも、誰も追いつけなかった。
次第に、1人で走るようになった。
最後に誰かと本気で走ったのは、どのくらい前だろうか。
今は、思い出しても仕方ない。
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「パンかご飯か。フレークかヨーグルトか。迷うなぁ・・・」
一人暮らしはいいものだ。
遠慮はいらないし、好きな物を食える。
「よし、パンとフレークだな。」
朝食は大切だ。
朝は朝食を食べて眠気を覚まし、体を元気にさせる。
「飯を食ったらそのまま学園へ、か。条件とはいえ、いい家を出して貰ったもんだ。それに給料もいい。」
歯を磨いて、顔を洗って。
いつもの車椅子に座って、音楽を聞きながらパックをする。
肌荒れは怖いからな。
神棚に手を合わせて、
「行ってきます。」
大抵俺は登校の1時間前、つまり朝の7時には家を出る。
家は学園から徒歩10分。
俺なら大体20分ってところだ。
だから、まぁ、学校も一番乗りって訳だ。
「おはようございます、たづなさん。」
「あ、梶谷トレーナー。おはようございます。早いですね。」
「まあ、性分なもので。たづなさんこそお早いんですね。」
たづなさんとは基本毎日校門で会う。
彼女も丁度来た所だ。
車椅子を押し、部室の鍵を開け、換気をして、メンバーのデータをまとめる。
「昨日入ったのは、マルゼンスキー、トウカイテイオー、オグリキャップ、セイウンスカイ、アグネスタキオン、ハルウララ、ウォッカにダイワスカーレット・・・中々にクセの強い面子だな。」
走りに関してもバラつきが大きいが、それは走ってからのお楽しみだな。
戦績を並べて、比率化して・・・
時は流れて昼下がりの食堂・・・
「いただきます。」
「あ!トレーナーさんだー!一緒にご飯食べよ!」
「ウララちゃん!迷惑だって・・・」
「いや、構わんぞスペシャルウィーク。どうせこの後会うんだ。むしろ、仲良くしておきたかったからな。そっちには、セイウンスカイ、グラスワンダー、そんでもってエルコンドルパサーにサイレンススズカか。」
「よろしくデース!」
「かなり人数が多くなっちゃいましたね。」
「まあ、いんじゃない〜?」
「みんなで食べると美味しいね!」
ハルウララ・・・花のような笑顔で周りに人を惹きつける。しかし、授業成績がかなり低く、デビュー戦は恐らく負ける。だが、そのポジティブさは1級品。成長性はA。
「もう授業キツすぎ〜。眠たくなっちゃうよ。」
セイウンスカイ・・・のんびりとした性格とは裏腹にかなりの戦略家。授業では負け無しで、『差し』も『逃げ』もこなす。しかし、本人には今のところトレーニングの気力が低め。成長性B。
サイレンススズカ、エルコンドルパサーの情報も欲しかったが、まぁいいだろう。
「食っとけよ。この後集まるからな。」
「えー、午後はセイちゃんのお昼タイムなのに・・・」
「メンバーで顔合わせるだけだよ。本格的なトレーニングは明日からだ。」
昼下がりのトレーナー室・・・
「えー、自己紹介と目標を一人一つ・・・」
「マルゼンスキーよ。目標はそうね、楽しく走ることかしら?」
「ボクはトウカイテイオー!目標は、無敗の三冠ウマ娘!」
「アグネスタキオンだ。目標としては、研究の一環になる走りをするよ。」
「セイウンスカイ。よろしく〜。目標とかそういうのはとくにないでーす。」
「私、ハルウララ!かっこいいウマ娘になるのが目標!」
「ウォッカだ。目標というか、隣のアホにだけはぜってー負けねぇ!」
「ダイワスカーレットよ。横のバカにだけは絶対に負けないわ。」
「「あぁーーん!??」」
「はいはい、喧嘩しない。えーっと、最後は・・・」
「オグリキャップ。目標は、日本ダービー優勝。」
「おー、凄い自信だね〜。」
オグリキャップ。通称『芦毛の怪物』カサマツトレセン学園出身のウマ娘。口下手だが、その実力、努力、想いともに本物。正に怪物だ。しかし、担当したトレーナーの財布が食費で尽きる程の大食らい。
「じゃああらためまして、チームコメットのトレーナー、梶谷だ。元陸上選手だから、力にはなれるはずだ。よろしく。何か質問は?」
「はいはーい!前々から気になってたんだけど、どうして車椅子なの?」
「これは、まあ、いろいろあってな。」
「ちょっと、テイオー。そういうデリケートなところに触れちゃチョベリバよ。」
「あ、そっか・・・ごめんなさい!」
「いや、いいんだ。また機会があったら話すよ。」
「そういえば、明日のトレーニングはどうするの?」
「明日のメニューはまた伝えるよ。あ、そうだ。これ、各自寮でやってくるように。日々の簡単なトレーニングメニューだ。こんくらいなら風呂上がりにでもできるだろう。」
「フムフム・・・正に理にかなっているトレーニングだ。私的にもこのくらいの自主トレがいいと思っていたところだよ。」
「とりあえずの目標は、全員のデビュー戦優勝!それまで、頑張っていこう!」
「「「「おーー!!」」」」
ウマ娘たちの部屋にて・・・
「お風呂上がりにやるのよね。」
「うわ、このストレッチ苦手なヤツだ。スカーレット、お前できる?」
「え?何それこっちに書いてあるのと違うんだけど。」
「別メニューってことか?」
コンコン
「はーい!あ、アグネスタキオン先輩!」
「やあスカーレット。失礼するよ。君たちのストレッチメニューなんだが、少し見せて貰えないか?」
「え、もしかして・・・」
ウマ娘思考中・・・
「なるほど。やはりそうだったか。」
「やはりって?」
「先程、ハルウララとオグリキャップのメニューも確認したんだが、やはり違うものだった。恐らく、個人個人に適したメニューだろう。君たちのも、弱い部分のストレッチだっただろう?」
「あ、確かに。」
「言われてみるとそうかもしれないわね。」
「私達のレースの記録を見たとして、ここまで的確に、ピンポイントで狙って相手の弱い部分を当てた・・・私たちは、もしやかなりの大物に当たったかもわからないぞ。」
トレーナーの部屋・・・
「多分あれで合ってると思うんだけどな・・・」
まあ、考えてもしょうがない。
アイツらが実戦するかどうかがカギだ。
「夢を、まだ追いかけられる、か。」
まだだ。アイツらが本当に価値のあるランナーなのか。
確かめさせて貰うぞ。
この動かない足で。
未来へのスタートをきる。
「明日からが勝負だな。」
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彼がこの学園に来た。
スカウト形式ではなく、希望するウマ娘たちでチームを作っている。
恐らく、彼は私の存在に気付いていない。
あの頃の私とは気づかないだろう。
ああ、それでも━━━━━━━━
「君とまた走りたいよ。」
最後の回想シーン、誰かわかりましまか?