ウマ男 新たな歴史を創る者   作:アフターヌーンティー

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 ヤバイ…育成が全然Aに行かない…。どうして……



 あ、それではどうぞ。


嵐の日本ダービー

  〜東京レース場・立花side〜

 

 ワァアアアアア!!!

 

 

 「うわぁ!凄い観客!何人いるんだろ」

 

 「ザッと2万人くらいじゃない?」

 

 「2万人か、凄い人だ」

 

  と僕とライスさんは目の前に広がる観客の多さに目を奪われていて、シービーさんとタイシンさんは腕を組んでレースが始まるのを待っていた。この中で燈馬君達は走るのか…なんだろ、凄い緊張してきた。

 

 「あら、立花じゃない。奇遇ね」コツコツ

 

 「オハナさん!」

 

  とオハナさんがこっちに近づいて来た。

 

 「どうですか?エルコンドルパサー」

 

 「えぇ、コンディションはバッチリよ」

 

 「そうですか。燈馬君もバッチリです」

 

 「そう、楽しみにしてるわ」

 

  とお互いの出バするウマ娘の調子を確認し合った。エルコンドルパサーは今、無敗で5連勝しており世間からは“怪鳥”と呼ばれている。けど、燈馬君だって負けてない。必ず勝ってくれるって信じているから。

 

 「やあ、クレアのトレーナー君。久し振りだね」

 

 「シンボリルドルフ会長。お久しぶりです」ペコッ

 

 「そんなに畏まらなくてもいい。燈馬の所へは行かなくてもいいのかい?」

 

 「先程、燈馬君の所に行ってきました。とても集中していたので長居していたら邪魔になるだろうと思ってついさっきここに来たんです」

 

 「そうか」

 

  と腕を組んでリギルの所へ戻っていた。

 

 「立花、良かったら一緒にレースを見ないか?」

 

 「いいんですか!?」

 

 「と言っても、この多さでは前に行くのも無理だろうけどな」

 

  オハナさんの言う通り前列の方ではほぼ密集状態になっている為、前で見ることは叶わないだろう。

 

 「邪魔にならないのなら、よろしくお願いします」

 

 「えぇ、メンバー達もいるけど気にしないで」

 

  とオハナさんに続いて僕達はリギルの方へと移動した。

 

 「すまないトレーナー。遅くなった」タタッ

 

 「ウン、大丈夫。気にしてない…から…」

 

  とオグリさんと新しく入ったスーパークリークさん基、クリークさんが帰ってきた。2人とももの凄い量の食べ物を持って(・・・・・・・・・・・・・)

 

 「オグリさんはわかる。けど、クリークさん。貴方もその量を食べるのですか?」

 

 「はい。あの、ダメでしょうか…」シュン

 

 「ウウン、気ニシナイデ沢山タベテー(棒読み)」

 

 「ありがとうございます!」パクパク

 

  とオグリさんとクリークさんは嬉しそうに食べ始めた。頼む…もってくれ、俺の財布……。

 

 『それでは、日本ダービーに出場するウマ娘のパドックを行います!』

 

  とアナウンサーの声と共にレース前のパドックが行われ始めた。

 

 『最初に出て来たのは、皐月賞と桜花賞を制した4枠7番、18番人気シノン』

 

 「チッ、あいつ出るのかよ」

 

 「ホント。頼むからあの4人の邪魔だけはしてほしくないよな」

 

 「…黙って聞いていれば、ふざけたことを言いやがって」チッ

 

 「落ち着けブライアン。ここで何を言ってもしょうがないさ」

 

  とイラつくナリタブライアンさんをシンボリルドルフさんが宥める。世間一般からの燈馬君の印象はほぼ最悪と言ってもいいだろう、見ている人からすると皐月賞と桜花賞を訳のわからない勝ち方をしているし、ストレスだって溜まる一方だ。

 

 『…そして6枠12番、皐月賞を逃したもののダービーで驚異の逃げ脚を魅せてくれるのか!4番人気、トリックスター!セイウンスカイ!!』

 

 「セイウンスカイーーー!」

 

 「スカイちゃーーーん!」

 

 『続いて3番人気、不屈の闘志でダービーを勝ち取れるか!1枠2番、キングヘイロー!』

 

 「「キングーー!!!」」

 

 『このウマ娘も負けてはいません!3枠5番、2番人気スペシャルウィーク!!!』

 

 「スペシャルウィークーーー!!!」

 

 「頑張れーー!!」

 

 『最後は、ここまで5戦4勝!負けを知らない無敵の怪鳥!エルコンドルパサー!!』

 

 ワァアアアアア!!!

 

 『堂々の1番人気です!!!』

 

 「無敗でダービーに挑戦か」

 

 「まあ、プレッシャーは結構あるだろうけどね」

 

  とシービーさんが呟く。無敗でダービーに挑戦、この事例は過去に一度だけある。それはシンボリルドルフさんも同様に無敗でダービーに挑んでいる。また、同じチームでダービーを勝っているウマ娘がいるからか少し緊張の表情が窺える。

 

 「エルコンドルパサーさんにスペシャルウィークさん、セイウンスカイさんとキングヘイローさん。どれも強敵揃いのこのレースに燈馬君は勝てるのかな」

 

 「勝つよ、必ず。だってその為にたくさんトレーニングしたんだからさ」

 

  とタイシンさんが真剣な眼差しでレース場を見つめていた。タイシンさんやシービーさん、他のメンバーだって燈馬君が勝つことを願っている。

 

 「頑張れ!燈馬君!」

 

  僕はターフの上に立つ燈馬君に声援を送った。

 

 

 

 

  〜同所・燈馬side〜

 

 「(今日のレースは距離2400m、バ場状態は良、左回りの最後の直線で坂がある。そして、何より警戒しないといけないのが)「風間センパイ」…」

 

  とストレッチをしていたら後ろからマスクをつけたウマ娘に声をかけられた。

 

 「(“怪鳥”エルコンドルパサーか)何の用だ?」

 

  するとエルコンドルパサーに指を指され、彼女はこう言った。

 

 「今日のレース、エルはあなたに勝ちマス!」ビシッ

 

 「(宣戦布告ってやつか)随分と自信があるんだな」

 

 「ハイ!なんたってエルは怪鳥、エルコンドルパサーですカラ!!」ドンッ!

 

  と胸を張って宣言してきた。

 

 「じゃあ、その怪鳥とやらの走りを見せてもらおうか」

 

 「モチロンデス!!何故ならエルは世界最き「負けたら…」?」

 

  と俺はエルコンドルパサーの言葉を遮り、彼女に近づく。

 

 「お前が負けたら、お前を北京ダックにするからな」

 

 「エ…」

 

  とエルコンドルパサーが固まる。

 

 「当たり前だろう、宣戦布告をしたんだ。それぐらいの対価は支払ってもらわないとな」

 

  と言うとエルコンドルパサーが慌て始める。

 

 「ま、マサカ!じ、冗談…デスヨネ!……」

 

 「…」

 

 「エ、あの風間センパイ…何か言ってくだサイヨ」

 

 「…」

 

 「あの…ホントに、何か言って下さい…」

 

 「…」

 

 「あ、あの…ホントに…」

 

 「…」

 

 「あの…」

 

 「…」

 

 「ご、ごめ「なーんてな」!」

 

  とエルコンドルパサーの言葉を遮る。

 

 「怖い顔をしていたのなら謝る。中等部の子から宣戦布告をされるのは初めてでな、少しからかおうとしただけだ」スッ

 

 「!」

 

  と俺はエルコンドルパサーに右手を出す。

 

 「いいレースをしよう」

 

 「…ハイ!」ガシッ

 

  とお互いに握手を交わした。

 

 「それではゲートに入って下さい」

 

  と係員が声掛けをする。

 

 「そろそろレースだ、先に行くぞ」

 

  と俺はゲートの中に入る。すると、次々とウマ娘達がゲートに入っていく。

 

 

 ♪〜〜〜!!

 

 

 『さあ、クライマックスの時が近づいてきました。ダービーウマ娘に選ばれるのはどのウマ娘か!?』

 

 「フゥ〜〜…」

 

  ゆっくり息を吐きながらレースの方に意識を向け、スタートの構えをする。

 

 

 バァン!ガコン!

 

 

 『今、スタートしました!!』

 

 

 ワァアアアアア!!!

 

 

 

 『まず先頭を行くのはセイウンスカイか、いや内からキングヘイロー、ヤスラギセイタも来た!!』

 

  早いなあの3人、だがキングヘイローに至っては少し焦っているな。

 

 『先頭は第一コーナーから第二コーナーへ!さあ、どのウマ娘が先手を取るのか!?』

 

  今1番でキングヘイローが第二コーナーを曲がり、続いてセイウンスカイと先頭集団が次々と駆け抜けていく。スペシャルウィークは第二コーナーの手前の位置に、エルコンドルパサーはその後ろにいた。因みに俺は最後方、追込の位置だ。

 

 『第二コーナーを曲がり向こう正面へ!セイウンスカイは2番手の位置、行ったのはなんとキングヘイロー!!ペースを飛ばして戦略を変えてきました!!』

 

  キングヘイローには感謝しないとな。なんせそれだけ目立ってくれると、こっちは走りやすいからな(・・・・・・・・・・・・)

 

 『第三コーナーカーブを曲がります!先頭はキングヘイロー。何処で仕掛けるかセイウンスカイ!そしてスペシャルウィーク、エルコンドルパサー!!』

 

  さて、今の状況で17人のウマ娘のマークが全てあの4人にいった。(・・・・・・・・・・・)観客も実況も解説も、ここにいる全員が。……そろそろアレを使うか。

 

 「ミ…ィ…ション、開始」

 

 『ここでセイウンスカイが上がってくる!キングヘイローを捉える事は出来るのか!?』

 

  一人、また一人と抜いていく。だが、抜かれた事に誰一人として気づかない。全員が必死になって先頭との距離を詰めようと走る。その体力がいつまで持つだろうか、ペースアップは構わないが坂があることを忘れるなよ。

 

 『ここでセイウンスカイが先頭に立った!キングヘイローはここまでか!?』

 

  やっとこさ、6番手の位置に来た。長かったな。

 

 『残り400mを切った!スペシャルウィークだ!スペシャルウィークがセイウンスカイに迫る!』

 

  お、ピッチ走法だな。あの短期間で習得したか。(現在4番手の位置)

 

 『並ばない!並ばない!あっという間にスペシャルウィークだ!』

 

  

 

 

 

 ビューン!!!

 

 

 

  お。

 

 『おおっと!内から凄い足!!飛ぶように走る怪鳥!!その名も、エルコンドルパサーだ!!!迫る迫る!スペシャルウィークに迫る!!』

 

  はぇええな、エルコンドルパサー。流石、怪鳥。

  と呆けていると坂が近づいてきた。

 

 「(これぐらいの距離だったら、何歩で行けるだろうか(・・・・・・・・・・)、やってみるか。距離は400mといったところか)」

 

  と俺は右足に力を込め、思いっ切り地面を蹴る。

 

 

 ドンッ!!!!!!!

 

 

  という音がしたが今は関係ない。1歩、1歩と力を込めて蹴り、先頭の二人に近づく。

 

 「あ、やべ」

 

  とスピードを出し過ぎたせいか、スペシャルウィークの真後ろまで来てしまった。

 

 「よっ」タンッ

 

  とスペシャルウィークを躱す。

 

 「「えっ」」

 

  ようやく気づいたのか、2人の目が点になっていた。

 

 「じゃあな」

 

  とペースを上げて2人を抜く。

 

 『いや!シノンだ!!皐月賞、桜花賞同様にスペシャルウィークの後ろから姿を現し、残り100mで先頭に立った!』

 

 「おいおい、ウソだろ!?」

 

 「スペシャルウィーク頑張れ!!」

 

 「エルコンドルパサー負けるな!!!」

 

 『止まらない!止まらない!シノンが止まらない!そのまま差が開いていく!!』

 

  代々10歩ってとこか。

 

 『ゴール!!今シノンがゴールをしました!!エルコンドルパサーとスペシャルウィークを抑え、日本ダービーを制しました!』

 

  これでクラシックは2冠目、後はオークス、菊花賞、秋華賞の3つだk「ふざけたけるな!!!」。

 

 「こんなの、こんなのまかり通る訳ないだろ!!」

 

 「そうよ!無効よ、無効!!」

 

 「そうだ!!そうだ!!正々堂々と勝負しやがれ!!」

 

  と一人の観客が声を荒らげた。それに続いて一人、また一人と声を荒げる。

 

 「なんでお前何だよ!!」

 

 「スペシャルウィークが勝つのを楽しみにしてたのに!!」

 

 「卑怯者!!」

 

 「トゥインクルシリーズに姿を現すんじゃねぇ!!」

 

 「帰れ!帰れ!!」

 

 帰れ!帰れ!帰れ!帰れ!帰れ!帰れ!帰れ!帰れ!帰れ!帰れ!帰れ!帰れ!帰れ!帰れ!帰れ!帰れ!帰れ!帰れ!帰れ!帰れ!帰れ!…

 

  と観客全員による帰れコールが出た。

 

 「風間先輩…」

 

  とスペシャルウィークが寄ってくる…が。

 

 「来るな」

 

 「!」

 

 「お前はライブの準備をしていろ」

 

  とスペシャルウィークにそう言って、俺はターフを後にした。

 

 

 

 

  〜同所・シービーside〜

 

 

 帰れ!帰れ!帰れ!帰れ!帰れ!帰れ!帰れ!帰れ!帰れ!帰れ!帰れ!帰れ!帰れ!帰れ!帰れ!帰れ!帰れ!帰れ!帰れ!帰れ!帰れ!…

 

 「(何よこいつ等、自分達の思うような結果にならないくらいで大騒ぎして)」

 

 「僕、燈馬君の所行ってくるよ」タタッ

 

 「私も」タタッ

 

 「ライスも」タタッ

 

 「「…」」タタッ

 

  とミスター・トレーナーが燈馬の所へと走って行き、それに続いてチームのみんなもトレーナーの後を追った。

 

 「君は行かなくていいのかい?シービー」

 

 「行きたいわよ、それは。すぐにでも燈馬の所に行って名一杯抱き締めてあげたいわ」

 

  とルドルフが私の所に近づいてくる、エアグルーヴやマルゼンスキー達も一緒に。

 

 「それで?答えは分かったのかしら」

 

 「わかったよ。答えは、“ミスディレクション”だね」

 

 「御名答、ルドルフ」

 

  とルドルフの言葉に他のメンバーが首を傾げる。

 

 「ねぇ、ルドルフ。ミスディレクションって何なの?」

 

 「それは私が説明するよ」

 

  と後ろからフジキセキが出てくる。

 

 「ミスディレクションとは所謂、手品の技法の一つ。正確には視線誘導さ」ポンッ

 

  と何もないフジキセキの左手からバラの花が出てくる。

 

 「視線誘導って?」

 

 「簡単に言うと意図的に相手の視線をコントロールすることさ」

 

  そう、燈馬がレース中に姿が消えていたのはこのミスディレクションを使っていたからだ。私も最初は気づかなかったが皐月賞で燈馬がミスディレクションを使っていたのがわかった。

 

 「で、でも!これだけの人数の人がいるのよ!?流石に一人は気づくんじゃないの!?」

 

 「違うよ、マルゼンスキー。“気付けないんだよ”」

 

 「どうして…」

 

  とマルゼンスキーがフジキセキに問いかける。

 

 「この場にいる全員が、燈馬にミスディレクションの使いやすい環境を作り出したんだ」

 

 「全員って、この会場にいる観客全員がってこと!?」

 

 「そうだね」

 

  とフジキセキの答えにマルゼンスキーを始め、ルドルフ以外の全員が驚く。

 

 「ピースは2つ。1つ目は燈馬自身、燈馬は世の中のイメージでは最悪なイメージを持たれているということが挙げられるだろうね」

 

 「イメージだけでそんなに変わるわけが無いだろ」

 

  とエアグルーヴが呆れた顔で言う。

 

 「じゃあエアグルーヴ。君はイモムシに対してどういったイメージがあるかな」

 

 「イモ…!」

 

  とエアグルーヴの言葉が詰まる。確かエアグルーヴって虫が嫌いなんだっけ。

 

 「あ、あれはウネウネと動いて“気持ち悪いんだ”。それもゆっくりと動いているから余計にだ!“触りたくも見たくも無い”!」

 

 「そう、嫌いなものってそう言った“見たくない”という行動があるんだよね」

 

 「どういうことだ」

 

 「つまり、燈馬は世の中からのイメージは最悪。みんなからの嫌われ者。嫌いな人は“応援したくない”、“見たくない”んだよ」

 

 「だから、燈馬を除いた17人のウマ娘を応援して、燈馬は嫌いだから応援しない、要は見たくないっていうことが起きるってわけだ」

 

  だから、視線が外れる。というのはまだ早いだろうね。

 

 「そして、2つ目。これが何より重要で、それは“注目を浴びていたウマ娘がいたこと”」

 

 「注目って、エルコンドルパサーのことか?」

 

  とエアグルーヴが言うとフジキセキが首を振る。

 

 「確かにエルコンドルパサーもそうだけどもう一人、今回のレースで1番目立ってたのは誰か覚えているかな?」

 

  とフジキセキの質問にみんなが考える。そして、

 

 「“キングヘイロー”か」

 

 「正解、ルドルフ」

 

  とルドルフが答えを導き出した。

 

 「今回のレースでキングヘイローは得意な先行や差しではなく、“逃げ”だった。それを見ていた実況もキングヘイローに目を奪われていた。そして、実況はアナウンスだからその言葉に観客全員が先頭へと視線を誘導され、後方の方は余り見られていない。だから燈馬はタイミングを見計らってミスディレクションを使い、先頭へと一気に躍り出たってわけさ。これが燈馬が使っていた姿が消えるマジックのタネだね」

 

  燈馬は全て計算していたのだろうかと言わんばかりの策略をしている。流石、燈馬。あの状況でよく判断ができたのね、素晴らしいわ。

 

 「そして、何より凄いのは燈馬は一部のヒトだけではなく、ここにいる全員から姿を消したということ」

 

  ミスディレクションは使いどころやタイミングといったものが重要になってくる。特にタイミングが狂えば、ミスディレクションが使えず、不発になってしまうからね。

 

 「さてと、こうしている内にライブの準備が終わってる頃だと思うから、そろそろ行こうか」

 

  あら、もうそんな時間なのかしら。早く行かなきゃね。

 

 「燈馬の姿が消える原因がわかった訳だし、今日のウイニングライブもナウくてチョベリグにするわよ〜!!!」タタッ

 

  とマルゼンスキーがライブ会場へと走り去って行った。

 

 「そうね、私達も行きましょうか」

 

  とマルゼンスキーの後を追うように歩いて向かう。

 

 「(けど、1つ気になることがあるのよね)」

 

  そう思う理由は“何故燈馬がミスディレクションを使って走っているのか”ということ。

 

 「(理由は定かではないけれど、必ずある)」クルッ

 

  と私は振り返り、ターフの所にヒトが集まっている所を見る。そこには“直径3mほど抉れた穴”があった。あれは間違いなく燈馬がやったんだろうね。

 

 「早く君の全力が見たいよ、燈馬」

 

  そう言って私はライブ会場へと駆け足で向かった。

 

 

 

  因みにライブは観客の野次のせいで余り聞けなかった。私を含め、ルドルフ達も耳を後ろに倒して前掻きをしていた。ゼッタイニユルサナイ。

 

 

  〜ライブ終了後・燈馬side〜

 

 「「「「風間先輩(センパイ)!」」」」

 

  ライブ終了後、スペシャルウィークを始めとする中等部4人に呼び止められる。

 

 「どうした」

 

 「どうしたって、先輩の方こそ大丈夫なんですか?」

 

  とセイウンスカイが腰に手を当てて聞いてくる。

 

 「何がだ」

 

 「何がって、バッシングですよバッシング」

 

  あぁ、あのバッシングのことか。

 

 「気にしてないぞ。寧ろ、慣れてる」

 

 「慣れてるって言ったって今、とんでもないことが起きてますよ」ポチポチ

 

  とセイウンスカイが携帯の画面を見せてくる。そこには会場の選手出入口付近に人集りのある数枚の写真があった。

 

 「なんだこれ」

 

 「出待ちですよ、出待ち。先輩のね」

 

  と再び携帯を操作し、写真に対してのコメントがあった。

 

 “シノンは絶対に許さない”

 

 “あいつはここで潰す”

 

 “シノンを許すな”

 

 “いいぞ!潰せ潰せ!!”

 

 “シノン、トゥインクルシリーズ出場反対!!!”

 

 “今すぐに謝罪会見を開け!!”……

 

  などなどたくさんのコメントがあった。

 

 「ライブ中に学園の職員が来まして、裏口に車を停めているからそこに来てくれって」

 

  とキングヘイローが正面口の真反対の方を指差す。そこには学園の職員と思わしき人物が立っていた、たづなさんと一緒に。

 

 「行きましょう!!今、URA関係者が止めてくれていますが数で押し切られるのも時間の問題だって!」

 

  とスペシャルウィークが早く

 

 「いや、大丈夫なんだが」

 

 「大丈夫じゃありません!早く!!」パシッ

 

  とエルコンドルパサーに手を捕まれ、そのまま引っ張られながらたづなさんのいる方へと走る。

 

 「ホントに大丈夫なんだけどな」

 

  と呟きながら、車に乗り込み出発した。

 

 「それとエルコンドルパサー、お前北京ダックのこと忘れたなんて言わさねぇからな」

 

 「エッ!!あれ冗談じゃなかったんデスカ!?」

 

 「冗談だったらあんなことは言わん」ガシッ(頭を掴む)

 

 「イィダダダダダダダダダダ!!!」




 読んで頂きありがとうございます。

 いや〜、嵐の日本ダービーでしたね。主人公が消えたのはミスディレクションを使っていたんですね、驚きです。

 はてさて、次回は“オークス”です。投稿まで時間がかかると思いますが、よろしくお願いします。

    それでは、また〜








  オークスの動画見なくっちゃ
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