ウマ男 新たな歴史を創る者   作:アフターヌーンティー

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 2日目は昼と夜で分けて投稿しようと思います。

 そして、某野球マンガのトレーニングが出てきます。

 それでは、どうぞ


合同合宿 2日目(昼)

 ────ノ…。…ま。シ…ン。とう…。

 

 「(誰だ…。俺の名前を呼ぶのは……。)」

 

  俺の意思とは関係なしに手が伸びていく。

 

 

 

 

     今日から貴方の名前は─────────。

 

 

 

  〜自室・燈馬side〜

 

 「……」

 

  変な夢だった。よくわからない、知らない男女が何か言い争っていた。あれは誰だったんだろうか。

 

 「…とう、ま」スリスリ

 

  胸の辺りから寝言が聞こえる。見るとルドルフが上に乗っかって寝言を言っていた。

 

 「こいつの寝言が夢にまで聞こえたのか?」ナデナデ

 

  まさかな、と思いながらルドルフの頭を撫でる。ルドルフは嬉しそうな顔をしていた。

 

 「今、何時だ?」

 

  と時計を見る。今5時20分だ。

 

 「今の内にルドルフを部屋に連れて行こう。今なら誰も起きてないしな」

 

  とルドルフを降ろし、ベッドから降りる。

 

 「さてと。ッ」

 

  とルドルフを抱き上げ、自室を出てルドルフの部屋へ向かう。

 

 「…」

 

 

 

 

 「よいしょっと」

 

  とルドルフをベッドにそっと降ろす。ルドルフはまだ起きていない。

 

 「さて、誰もいない内に部屋に戻ろう」ガチャ

 

  と部屋の扉を開ける。

 

 「……」

 

  バタン

 

  ダレカイタ。

 

 「誰かいたが気のせいだ。うん、そうに違いない」ガチャ

 

  気を取り直してもう一度、扉を開ける。

 

 「……」

 

 「……」

 

  気のせい「おい」

 

  と扉の前に立っているウマ娘が閉めようとした扉を掴む。

 

 「お、おはよう。ブライアン」

 

 「……」

 

 「ブライアン?」

 

 「詳しく聞かせてもらおうか」ハイライトオフ

 

 「…ハイ」

 

 

 

  俺とブライアンは俺の部屋に移動する。ブライアンはベッドの上に座る。

 

 「…あー、ブライアン。これには理由が「その前に」え?」

 

 「その前に服を着替えろ。臭くて敵わん」

 

 「俺、そんなに汗臭い?」

 

 「いいから着替えろ」

 

  と服を持って脱衣場へと向かった。

 

 

 

 「なぁ、俺ってそんなにも匂うのか?」

 

  とブライアンに聞く。するとブライアンはベッドから立ち上がり、こっちに近づいてくる。

 

 「…」スンスン

 

 「?」

 

  と匂いを嗅ぎ始めた。

 

 「チッ、まだ残ってやがる。まあ、少しはマシになったか」ボソ

 

 「何か言ったか?」

 

 「座れ」クイ

 

  とベッドに座るよう指示される。

 

 「…座ったぞ」ポス

 

 「…」ポス

 

  と無言でブライアンは俺の膝の上に座る、しかも対面で。どっかで見たぞ、この光景。

 

 「抱きしめろ」ギュッ

 

  とブライアンが抱きしめて言ってくる。

 

 「なあ、お前らの中で抱きしめ合うっていうのが流行ってるのか?それをするなら俺じゃなくて「いいからしろ」…」ギュッ

 

  と恐る恐る抱きしめる。

 

 「それで、何をしていたんだ」

 

  と俺は昨日のことをブライアンに話す。

 

 「同じベッドで寝ただと?」ギロッ

 

 「ハ、ハイ…」

 

 「何故断らない」

 

 「勿論、床でも寝ようとしたぞ。けど、ルドルフが許してくれなくてだな」

 

 「いいか?お前の隣は私だけだ。百歩譲って座ったり、並走のは許す。だが寝るのは許さん」

 

 「ハ、ハイ」

 

 「お前は私のモノだ。誰にも渡すつもりは無い。お前は私の渇きを唯一潤す者。今もこれからもだ」

 

 「…」

 

 「だから罰として、お前にこれをやる」

 

 「なん…ッ!」

 

  カプッという音がする。こいつ、噛みつきやがった。

 

 「ブ、ブライアン…!」

 

 「…ぁ。フゥ…」ハイライトオフ

 

  と優越感に浸るブライアンがいた。

 

 「なにを…」

 

 「さあな、鏡でも見てみるんだな」スッ

 

  とブライアンが立ち上がり、部屋の扉へと向かう。

 

 「それとさっきまで着ていたあの服。洗濯にでも放り込んでおくんだな」

 

  とブライアンは部屋を出て行った。

 

 「あいつ、何したんだ?」

 

  と鏡の前まで行く。

 

 「あいつ、歯型なんて付けたのか」

 

  と薄っすらとではあるがブライアンに噛まれたような跡があった。幸いにも服を着れば隠れるし、数日でもすれば引くだろう。

 

 「それに服が何とかって言ってたな」

 

  と脱衣場に行き、さっきまで着ていた服の匂いを嗅ぐ。特段、それと言って汗臭さはなく逆にルドルフの匂いがするくらいだった。

 

 「(ルドルフの匂いがするくらいだが、何かあるのか?)」

 

  と疑問を持ちながら朝食の時間を待った。

 

 

 

 

 

 

  〜トレーニング室内・立花side〜

 

  a.m. 9:00

 

 「よし、みんな集まったな」

 

 「「「「はい!」」」」

 

 「これより、合宿2日目を始める。今日のトレーニングは立花にやってもらう!」

 

 「「「「よろしくお願いします!」」」」

 

 「はい、よろしくお願いします。今日も皆さん、ケガのないようにトレーニングをしましょう」

 

 「「「「はい!」」」」

 

  とオハナさんの掛け声のもと、合宿2日目が始まった。今日は僕がトレーニングさせる番だ。

 

 「それじゃあまずは各自ウォーミングアップとストレッチ。30分後、横6列で並んでほしい」

 

  と指示するとみんなはバラけてウォーミングアップを始める。さてとまずは「おお!リギルとクレアは合同合宿か!いいねいいねぇ!」もしかして…。

 

 「何、沖野。トレーニングの邪魔なら帰ってくれない?」

 

 「冷たいこと言うなよ、オハナさん。俺達だって今日ここを使う予定なんだよ」

 

  と入ってきたのはチームスピカのトレーナー、沖野さんだ。

 

 「こんにちは、沖野さん。スピカもここでトレーニングですか?」

 

 「まぁな。体幹トレーニングでもしようかなってな」

 

  そうなんですね、と返す。

 

 「それで?お前らは何すんの?」チラッ

 

  とトレーニング表を見てくる

 

 「僕らも体幹トレーニングをするんですよ。ちょっとやり方は違いますけどね」

 

  というと沖野さんはニヤッと笑う。まさか…。

 

 「なあ、俺らもそのトレーニングに混ぜてくれよ」

 

 「貴方ねぇ、今はうちとクレアがやってるの。だから貴方達は「なあ、頼む!1種目だけ!」…。どうするの?立花」

 

  とオハナさんは僕に話を振る。うーん…。

 

 「…目的は一致してますし、いいですよ。その代わり、1種目だけですからね」

 

 「ホントか!?ありがとう!恩に着るぜ!おーい、お前ら!今日はリギルとクレアと1種目だけ一緒にトレーニングすっぞ!」

 

  というとスピカのメンバーが集まってくる。

 

 「それじゃあスピカの皆さん、他の皆さんと一緒にウォーミングアップをしてきてくださいね」

 

 「「「「はーい!」」」」

 

 「なあ!トレーニングってなにすんだ!!」

 

 「それは、始まるまでのお楽しみっということでいいですか?ゴールドシップさん」

 

 「おっしゃー!やるぞ、マックイーン!」

 

 「ちょっと!押さないでもらえます!?」

 

  とスピカのメンバーもウォーミングアップに混ざりに行った。

 

 「凄いですね、あの“メジロマックイーン”さんまでチームに引き入れたんですか?」

 

 「ん?あぁ、ゴルシが連れてきてな。うちに入ることになった」

 

  メジロマックイーン。メジロドーベルさんと同じメジロ家の令嬢の一人でメジロ家悲願の天皇賞連覇を目指しているんだそうだ。それにしてもメジロマックイーンさん、可哀想に…。ゴールドシップさんに遊ばれてるなんて。

 

 

 

 「さて、ウォーミングアップも済んだことですし、トレーニングを始めたいと思います。まず始めに、靴下を履いて縦横と広く間隔を取って広がってください」

 

  というとみんな靴下を履いて広がる。

 

 「次に足幅を1m以上開けて立ってください。沖野さんとオハナさん、僕とで確認していきます」

 

  と一人一人の足幅間隔を見ていく。よし。

 

 「そして最後に、その状態をキープしたまま“1時間半”立ってもらいます」

 

 「「「「「い、1時間半!?」」」」」

 

 「待ってくれ」

 

  とシンボリルドルフさんが挙手をする。

 

 「どうぞ」

 

 「このトレーニングになんの意味があるんだ」

 

 「じきにわかると思いますよ」

 

 「?」

 

 「それでは始めます。現在、時間は9時30分。11時まで立ち続けてもらいます。あと一人でも脱落者がいれば、その時点でもう一度1からやってもらいます」

 

  というとみんなが真剣な表情になる。

 

 「それでは、始め!」ピッ

 

  とスタートする。

 

 「なあ、このトレーニングはどんな効果があるんだ?」

 

 「さっきも言いましたが、後に表れると思いますよ」

 

  と沖野さんも聞いてくるがこのトレーニングは効果が現れるまで時間がかかる。だからそれまで待ってもらわないと困るのだ。

 

 「立ってられるとか楽勝だろ!」

 

 「そうね!あんま大したことなさそうね」

 

 「こんなトレーニング、余裕余裕!」

 

 「こんなトレーニングでゴルシ様を追い込もうざ100年早ぇぜ!」

 

  と余裕の声が聞こえる。その威勢、何処まで持つかな?

 

 

  〜20分後〜

 

 「う、そ…!」プルプル

 

 「なんで…!?」プルプル

 

 「立ってるだけなのに〜!」プルプル

 

 「ふ、震えが止まんねぇ…!」プルプル

 

  と苦しそうな声が聞こえる。他にもリギルやクレアのみんなも苦しそうな表情をしている。

 

 「そろそろ効いてきたみたいだね」

 

 「「「「!?」」」」

 

 「なんでか教えてあげようか。実はヒトって必ず片方の足を杖代わりとしてと立ち、もう片方は休める習性があるんだ。だから、力が均等に伝わっている今の状態で立ってるだけでも凄くきついんだ」

 

  というとウマ娘は嘘だと言わんばかりの表情をしている。

 

 「それに靴下を履かせた理由は摩擦を抑えるためなんだ。摩擦があったらそっちへと力逃げていくからね」

 

  と説明する。このトレーニングは内転筋と体幹を同時に鍛えるトレーニングだからね。

 

 「そこ!メジロマックイーンさん!」

 

 「!」ビクッ

 

 「膝に手をつけないように。次したら最初からだからね」

 

 「す、すみま、、せん…でした…ッ!」プルプル

 

  とメジロマックイーンが膝に手を置こうとしたのを注意する。そうしてしまうと、トレーニングの意味がないからね。

 

 「あと1時間以上ある。頑張って立つんだよ」

 

 「い、1時間もあんのかよ!」

 

  とゴールドシップが声を荒げる。まあ、この状態で辛そうじゃないヒトなんて「フア〜…」一人いたわ。

 

 「ライス、前のめりになってきてるぞ」

 

 「は、はいぃ!」プルプル

 

 「ていうか、なんであんたは平気そうなのよ!」プルプル

 

 「相変わらず、君には驚かされてばかりだよ。燈馬君」

 

  みんなが辛そうにしている中、一人燈馬君だけ涼しい顔をしていた。さっきまで腕を組んでいたシンボリルドルフさんやナリタブライアンさん、そしてシービーさんでさえ辛そうにしているのに。

 

 「(どうしよう、このままだったら燈馬君だけが余裕のままトレーニングが終わる。それだけは避けたい、そうじゃなかったらこの合宿の意味がなくなってしまう)」

 

  と試行錯誤していると。

 

 「あら!立花ちゃんじゃない!奇遇ねぇ!」

 

 「南原さん!お久しぶりです!」

 

  と外から南原さんがやってくる。

 

 「立花、この方は?」

 

 「このヒトは南原満さん、燈馬君の知り合いです」

 

 「どうも、トレセン学園のトレーナーをやっています。東条ハナです」

 

 「同じく沖野っていいます」

 

 「ご丁寧にどうも。南原満といいます。あのバ…燈馬がお世話になってます」

 

  と挨拶をする。

 

 「南原さんはどうしてここに?」

 

 「実はここで武天の陸上部が強化合宿をやっているの。そしたら、たまたまトレセンの娘達がトレーニングをしているのが見えてね。ちょっと覗いて見ようかなって思ってね」

 

 「そうだったんですね」

 

  南原さんって面倒みが良いんだなぁ。

 

 「それはそうと、何悩んでたの?」

 

 「えっと、実は燈馬君にどうやって負荷をかけたらいいか分からなくて…。変に負荷をかけてケガでもされたら元も子もないですし」

 

 「へぇ…。ねぇ、これ時間は?」

 

 「1時間半です。今、30分経過してます」

 

 「ふーん、そう」トコトコ

 

  と南原さんは何処かへ歩いて行った。

 

 「どちらへ!」

 

 「ちょっと忘れ物をしたのよ」

 

  とそのまま行ってしまった。

 

 

  〜1時間経過〜

 

 「あと30分、気を引き締めるんだよ!」

 

 「「「「は、はい!」」」」プルプル

 

  とウマ娘達に気を引き締めるよう促す。

 

 「いやー遅れごめんなさい、ちょっと持ってくるのに時間がかかっちゃってね〜」

 

  と南原さんが戻ってくる。

 

 「あの、南原さん。それって…」

 

  と南原さんはそのまま歩いて行き──。

 

 「燈馬、貴方だけ特別メニューよ」ヒョイ

 

 「?……うぐっ!!」ガシャン!

 

 「「「「!?」」」」

 

 「60kgのバーベルよ。それ担いで貴方は2倍の3時間立ってなさい」

 

 「「「「さ、3時間!?」」」」

 

 「おい、ちょっと待て!そんなことをしたら身体が壊れ「こんなことじゃこの子は壊れないわ」ッ!?」

 

 「それにそんな簡単に壊れるようなトレーニングをさせてないもの」

 

  と沖野さんや僕、オハナさんは黙って見ることしか出来なかった。

 

 「ほら、燈馬。身体が前のめりよ。姿勢を正しなさい」

 

 「うっ!くっ…。フッ!」プルプル

 

  と燈馬君がバーベルを担いだまま姿勢を正す。それと同時に足も震えだす。

 

 「あなた達はあと30分、頑張りなさい。この子は私が見といてあげる」

 

 「わ、わかりました…」

 

  と燈馬君は南原さんに任せて僕ははウマ娘達に集中した。

 

 

  〜1時間半経過〜

 

 「終了!そこまで!!」ピーッ

 

 「ぁあ!!つ、疲れた…」ドサ

 

 「た、確かに…」バタ

 

 「もう僕、動けないよ〜!」バタ

 

 「ハァハァ、会長。大丈夫、です、か?」バタ

 

 「あぁ、九死一生とはこのことだな…」ハァハァ

 

 「だが、あいつは…」ハァハァ

 

  とみんなが疲れている中──。

 

 「ほら、後1時間半よ。頑張りなさい」

 

 「くっ!…ハァハァ」プルプル

 

  燈馬君だけは立っていた。

 

 「お兄様…」ハァハァ

 

 「燈馬…」ハァハァ

 

  とチームメイトが見守る中、燈馬君は立ち続ける。

 

 「凄ぇ忍耐力だ」

 

 「えぇ。あんなのどうやったら鍛えれるのよ」

 

 「…」

 

  僕は静かに燈馬君を見守り続ける。それに燈馬君は30分で大量の汗が吹き出しており、息もきれている。あんな燈馬君、初めて見た。

 

 「ほら、立花ちゃん。次の指示を出しちゃって」

 

 「あ、はい!20分休憩したあとスピカのメンバーは沖野さんに「立花、このまま見ていていいか?」え?」

 

 「あいつが本当に3時間立つのか、見たいんだ」

 

 「…わかりました」

 

  とみんなて燈馬君を見守り続けた。

 

 

  〜2時間半経過〜

 

 「…あと30分」

 

 「ハァハァ、、ハァ…」プルプル

 

  燈馬君はまだ立ち続けている。

 

 「燈馬…」ギュッ

 

  とシービーさんが両手を握って見守る。

 

 「ふーん、ここまで我慢強いなんてね」

 

 「ま、、まぁ、、な…ハァハァ…」プルプル

 

 「それじゃあ、燈馬には────

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

そのままスクワットでもしてもらおうかしら」

 

 「…は?」プルプル

 

  今、なんて…。

 

 「冗談じゃない!!そんなことをさせたら風間の身体は完全に壊れてしまうぞ!!」

 

  とオハナさんが激昂する。

 

 「冗談よ。ちょっと言ってみただけ」

 

  と笑って言う。冗談だとしてもこの状況でそんな冗談は言えない。

 

 「…おい、あいつまさか!」

 

  と沖野さんが何かに気づく。僕も遅れて沖野さんの目線の先を見る。

 

 「(燈馬君がバーベルを持ち直してる…まさか!)」

 

 「止めるんだ!燈馬君!!!」

 

  という僕の叫び声も虚しく、

 

 「ッッッァァアアアア!!」ガシャン!

 

  南原さんの言ったスクワットを始めた。

 

 「あと30分」

 

  と南原さんは燈馬君に言った。

 

 「ッァァア!!」ガシャン!

 

  燈馬君は止まることなく、スクワットを続ける。

 

 「まさかあいつ、あのまま30分乗り切る気か!?」

 

 「南原さん!燈馬君を止め「この子が決めたことよ。口出ししないで」ですが!」

 

 「彼を信じなさい」

 

  と真剣な眼差しで見てくる。本当に耐えれるというのか。

 

 

 

  〜2時間59分経過〜

 

 「あと…1分!」

 

 「ハァ、ハァ、、、ハァハァハァ、ハァ…」ガシャン!ガシャン!

 

 「姿勢!きっちりしなさい!あと10分追加するわよ!」

 

 「ウ、ソ…でしょ…」

 

 「化物、ですわ…」

 

  全員、トレーニングを忘れて燈馬君を見ていた。本当に3時間をやり切ってしまいそうだ。

 

 「3、2、1…終了!!」ピーッ

 

 「…」ガシャン…

 

  と燈馬君がスクワットの途中で止まる。

 

 「ど、どうしたんだ?」

 

 「…」ガクガク

 

 「ッ野郎!スクワットの途中で限界を迎えやがった!!」

 

 「ウソ…!」

 

  誰もが絶句する。ダメだ、あの姿勢は非常に不味い!下手をすれば大事故だ!

 

 「燈馬!もういい!降ろせ!!」

 

  シンボリルドルフさんが叫ぶ。けれど燈馬君は動かない。

 

 「どうする燈馬。このまま降ろしてもいいし、上げてもいいわよ」

 

 「──ッ!」

 

 「「「「!!」」」」

 

 「───────ッ!!!!!」ガシャン!

 

  と燈馬君が声にならない声をあげ、バーベルを上げた。

 

 「終わりよ。よく頑張ったわね」ヒョイ

 

  と南原さんは燈馬君の持つバーベルを奪い取る。

 

 「「「「「燈馬ッッ!!!」」」」」ダッ

 

  とシービーさん達が燈馬君に向かって駆け出す。

 

 「その子、横にさせてあげて」

 

  と南原さんが燈馬君を横にするよう指示する。

 

 「ッバカ!!!なんてバカなことをするの!!走れなくてもいいの!?」

 

 「そうだぞ!!いくらなんでも無茶苦茶過ぎる!!」

 

 「ルドルフの言う通りよ!!無茶しちゃって!!」

 

 「心配したんだぞ!!」

 

 「良かった…!燈馬君…!」

 

 「このたわけ、いやこの大たわけ者!!少しは自分の限界というのを自覚しろ!!」

 

  とみんなが燈馬君のそばによる。燈馬君は肩で息をしており、汗も凄かった。

 

 「こんな感じにこの子をいじめればいいわ」

 

 「僕には到底出来ないです…」

 

 「まあ、やれって言われて出来るようなものじゃないからね」スタスタ

 

  と南原さんがバーベルを担いで出口まで移動する。

 

 「私は自分のところに帰るわ。それと燈馬だけど20分くらいしたらそれなりに体力も戻ってるしトレーニングさせるなり、好きにさせてね。それじゃ」

 

  と南原さんは帰っていった。

 

 「あいつもそうだが、あの人も化物だな。60kgもあるバーベルを片手で持ってるぞ」

 

 「えぇ。あの人達って一体何者なのかしら」

 

  オハナさんと沖野さんが帰っていく南原さんを見ていてそう呟いた。あの人の筋肉量は半端じゃない。

 

 「…それじゃあ、今からお昼にしますか」

 

 「「あぁ(えぇ)」」

 

  と僕達は燈馬君のところへと向かった。




 読んで頂きありがとうございます。

 書いてみたかった“大文字焼き”。実はこのトレーニング、やってみたんですが10分くらいで限界でした。それでも3時間立ってられるってホントに凄いですよね、化物です。

 続いては2日目の夜です。お楽しみに〜

 それでは、また〜
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