それでは、どうぞ
〜海辺・燈馬side〜
ジュウウウウ〜〜〜!!!
「は〜い!追加焼けたよ〜!!」
「ウ〜ン!美味しいデース!!」パクパク
「これにチリソースをかければもっと美味しいデース!」ビューッ
ビチャ…
「エ〜〜ル〜〜〜?」ピキピキ
「グ、グラス!あ、あの〜これは〜…「問答無用です」ピギャアアアアア!!」
「はい、燈馬君」
「すまない」
と俺は焼けた肉を貰う。今、俺達は海辺でBBQをしている。今日はオフの日なのでトレーナーが近くのスーパーに行って食材を買ってきてくれたそうだ。
「それにしても、結構買ったんだな」パク
「うん、ウマ娘は結構大食いの娘達が多いからね」ジュウジュウ
「トレーナー、おかわりはあるだろうか」
「もうちょっと待ってね。もう少しで焼けそうなんだ〜」ジュウジュウ
とオグリが皿を持ってやってくる。
「?どうした、燈馬」
「いや、お前の水着姿って初めて見た」
「学校指定の水着以外は着たことなくてな。…その、似合ってるか?」モジモジ
「よく似合ってる」
「そ、そうか。良かった///」
とオグリが顔を赤らめる。オグリの水着は上下とも白色のビキニだ。オグリらしくさが出ている。
「ねぇ、そんなところでイチャつかないでくれる?」
「タイシンか。お前もよく似合ってるぞ」
「フンッ」プイ
と顔をそらすタイシン。タイシンの水着もピンクのビキニで胸辺りにヒラヒラが付いているものだ。
「お兄様!ライスの水着、どうかな?」
「ライスもいいじゃないか。可愛いと思うぞ」
「そう、かな///」エヘヘ〜
と嬉しそうにするライス。ライスはタイシンと同じようなもので色は紺色だ。
「はいはい。私は可愛くないですよ」
「そんなことはないぞ、タイシン。お前の水着も可愛くてよく似合ってるし、勝負服とはまた違って格好良さから可愛さへのギャップもある。その水着が正にそのギャップを体現していると「もういいわよ!!///」そうか?」
「っ〜〜〜〜〜〜!バカ!」ゲシッ!
と思いっ切り太腿を蹴られる。凄く痛い。
「いいな、タイシンさん。あんなにも褒めて貰って…。ライスも褒めて欲しかったな…」
「私ももっと見て欲しかった…」
「燈馬君って変なところで饒舌になるね。普段もそうしてほしいくらいだよ」
「…俺は、単純に感想を言っただけなんだが?」イテテ
とトレーナーが焼けた肉や野菜を皿に盛り付ける。
「あら燈馬。タイシンにはあ〜んなにも褒めていたのに私の水着の感想はないのかしら?」ギュッ
「はいはい、お前もよく似合ってるぞ。シービー」
「そこはもっと魅力的だ!とかセクシーだね!とか言ってほしかったな〜」プク〜
と頬を膨らませながらシービーがやってくる。シービーは緑と白のビキニにパレオがついた水着だった。
「ウマ娘ってホントに凄いよね。何着ても似合うんだもん」
「どうなんだろうね。そこのところはよくわからないけど、よく似合うとは聞くね」ギュッ
確かに世間からはウマ娘は美女が多いと聞くな。俺にはよくわからんが。あと離れろ。
「シービー、燈馬から離れろ。くっつき過ぎだ」
「そうよ、シービー!燈馬から離れなさいよ!」
「いいじゃん、だって私が先に燈馬のところに来たんだもん」ギューッ
とルドルフ達も水着になってやってくる。それに対してシービーは抱きしめる力を強める。
「お兄様?」ハイライトオフ
「燈馬?」ハイライトオフ
「あんた、何やってんの?」ハイライトオフ
と近くにいたオグリ、ライス、タイシンの声のトーンが下がる。なんでだろうか、凄く怖い。
「(トレーナー、助けてくれ)」チラッ
とトレーナーに視線で助けを呼ぶも───。
「サテト、ソロソロ食材モ無クナッテ来タシ食堂ニ行ッテコヨット」(棒読み)
と全力疾走でホテルへと逃げていくトレーナー。
「(待て、どこに行く。この状況をどうにかしてくれ)」
「ねぇ燈馬。この中で誰の水着が好き?勿論、ワタシダヨネ」
「何を言っている、ワタシニキマッテルダロウ?トウマ」
「違うわ。燈馬はこのナウい私の水着に決まってるわ。ソウデショウ?トウマ」
「私の水着に決まってる。まさか、ホカノオンナヲエラブワケナイヨナ?トウマ」
「ねえ燈馬、エランデヨ」
「ダレノミスギガイインダ?」
ジリジリと寄ってくるルドルフ達。何か打開策はないのか。
「…みんないいと「ダ〜メ。ちゃんと一人を選んでね」…」
完璧に逃げ道がない。どうするか。
「(どれもいい水着だし、この中で一人となると何が起こるかわからない。どうしたものか)」
と頭を回転してどう答えるか考えて導き出した答えは──。
「…ナ」
「?ダレ?」
「トレーナー…かな」
「「「「「…」」」」」
「燈馬、それは無いよ」
「燈馬って、もしかして男が「断じて違う」…」
「じゃあ、誰なんだ?」
さて、どうするか。「センパイ方〜〜!!」タタッ
「どうした、エルコンドルパサー」
とエルコンドルパサーが走ってくる。
「ビーチバレーをしまセンカ!?今、人数が足りなくて」
ビーチバレーか、なるほど。
「よし、答えが出たぞ」
「「「「「!!」」」」」バッ
と全員がこちらを向く。怖いな。
「答えってなんデスカ?」コテン
と後で来たエルコンドルパサーが首を傾げる。
「一番いいと思うのは──────
「ん?どういうことデス?」
「エルコンドルパサーはこの中で一番水着が似合ってると思うぞ」
「え!そ、そうデスカ!///ありがとうございます…///」モジモジ
「「「「「……」」」」」
と全員の目線がエルコンドルパサーに向いた。因みになんだがエルコンドルパサーは水着は赤色をメインとした物だ。
「へぇ〜。そうなんだ〜」スタスタ
とシービーがエルコンドルパサーのところへと歩いて行く。
「ねぇエルコンドルパサー。ちょうど私さ、ビーチバレーがしたかったんだよね〜」
「そうなんデスカ!?じゃあやりまショウ!!」
「それとさ、負けた方は罰ゲームっていうのはどうかな?」
「罰ゲーム?なんデスカ?」ワクワク
「負けた方はね──────
「え?」
「それは名案だな。シービー」
「え、あの…」
「ほう、腕がなるな」
「女帝の実力、見せてやる」
「いいわね!かっ飛ばすわよ〜!!!」
「バレーでもキセキを起こせるよう、頑張ろうかな」
と全員がエルコンドルパサーに近寄る。
「あの〜みなさん。もしかして、怒ってマス?」
「「「「「ぜ〜〜〜〜んぜん」」」」」ピキピキ
「燈馬センパイ!助けてくだサイ!!センパイ方、何でかわからないんですけど凄く怒ってるんデスガ!?!?」
「知らん、お前が怒らせたんだろ「イヤ、絶対に燈馬センパイデスって!!」ビーチバレー頑張れよ」
「助けてぇええええええええええええ!!!!」
とエルコンドルパサーはシービー達に連れて行かれてしまった。
その後、エルコンドルパサーの姿を見たものがいなかったとか─────。そして、時間は昼から夜へと変わる。
〜夏祭り会場・鳥居前〜
「────ってなわけで帰りが遅くなる」
『うん、わかった。二人で楽しんできてね』
「それと、シービー達には内密に頼む」
『了解。もし聞かれたらトレーニングに行ったとでも言っておくよ』
「よろしく頼む」ピッ
「お待たせ〜!」カランカラン
とトレーナーとの電話が終わったのと同時に浴衣を来たスズカが近づいてくる。
「待ったかな?」
「いいや。全く」
今日の夜はスズカと夏祭りに行くことになっている。
「いい浴衣だな。自前か?」
「うん、お母さんがくれたの。…どうかな?///」クルッ
とその場でゆっくりと回るスズカ。浴衣のデザインは緑をメインとして、百合の柄がたくさん入っていた浴衣だった。
「いいんじゃないか。よく似合ってるぞ」
「ありがとう、燈馬君。それじゃあ、行こっか」
と俺の手を引いて会場へと足を踏み入れる。
〜⏰〜
「まずは何がいいかな」
「スズカがやりたいものでいいぞ」
「う〜ん、それなら…」
と一つの屋台の前に止まる。
「これかな。お祭りの定番だし」
「金魚すくい?」
「うん。これで金魚を掬うの」ハイ
と紙のついた手鏡のようなものを貰う。
「こんなので掬えるのか?」
「掬えるよ。ほら、あれ見て」
とスズカが指差す方向を見る。そこには20代くらいの男女が俺の持っているもので金魚を掬っていた。
「なるほど」
「やってみようよ。おじさん、やってもいいですか?」
「おう!1回400円な。そこの兄ちゃんはどうする」
「やろう。二人分出す」
と1000円を出す。
「いいよ!自分の分は自分で出すし」
「祭りの案内をしてくれるんだ。これくらいはさせてくれ」
「お!兄ちゃんかっこいいこと言うねぇ!はいよ、お釣りの200円。金魚すくいのほうも頑張ってもらおうか!」
とお釣りを受け取って水槽の中で泳ぐ金魚を見る。
「なぁスズカ。金魚は何匹まで掬えるんだ?」
と隣のいるスズカに聞こうとするとスズカは凄く真剣な表情をしていた。
「(これは話しかけたらダメなやつだな)」
「そこの嬢ちゃんの代わりに俺が答えてやるよ。金魚の数は何匹でもいい。その手に持ってある紙が破れるまで何匹でも掬ってもいいぞ」
「なるほど」
つまり、ここにある金魚全部掬ってもいいと。
「(面白そうだ)」
と俺は金魚を掬うことに集中した。
〜スズカside〜
「……えい!」ヒュッ!
ポチャ…
「惜しいね、嬢ちゃん」
「はい…」シュン
と手に持っていたポイをおじさんに渡す。
「(結局、1匹も取れなかった…)」
金魚すくいは何回かやったことはあるけれどやっぱり難しかった。
「(もうちょっと我慢すべきだったかな?けど、紙も破れそうだったし…)」
と考え事をしていると、ふと思い出したことがある。
「そういえば私、誰かに話しかけられてたような…」
「ん?それは隣の兄ちゃんだよ」
「え?燈馬君?」チラッ
と燈馬君の方を見てみると─────。
「すげ〜!どうやってんだ!?」
「あんな捌き方初めて見たぞ!」
「あの人、もしかして金魚すくいのプロ?」
「何匹掬ってるんだろ」
「…うそでしょ」
と燈馬君を見てみると燈馬君の掬いの容器には“たくさん積まれた金魚達”がいた。
「しかも、とってもスピードが早いんだけど」
「…」ヒュッ、ヒュッ、ヒュッ…
と水槽の金魚達が次々と掬われていく。そして────。
ビリッ…
「…破れてしまった」
と全部掬い終わったのと同時に燈馬君のポイも破れてしまう。
「す、凄いよ燈馬君!初めてなのに全部掬っちゃうなんて!」
「そうなのか?」
「私なんて、1匹も取れなかったんだもん…」
と私は自分で言って自分でショックを受ける。うぅ…。
「なら「やだーー!!」?」
と燈馬君の隣から男の子の声がする。
「やだやだやだ〜〜!!金魚ほしいよーー!!」
「取れなかったんだもん、しょうがないでしょ?」
「やだやだー!!」
「はぁ…。どうしよう」
と男の子のお母さんなのか凄く悩んでいる顔をしていた。
「あの子ね、4回やっても取れなかったんだよ。サービスしようか?って言ったら“自分で取る!!”の一点張りでね」
とおじさんが説明してくれた。そうなんだ、ちょっと可愛そうだな。私はその男の子に近づく。
「ねぇ僕、おじさんからもらった金魚じゃダメかな?」
「やだ!僕が取った金魚がいいの!」
「う〜ん、どうしよう…」
とどうやって説得しようか悩んでいると。
「…」ゴソゴソ
「燈馬君?どうしたの?」
とゴソゴソしだす燈馬君。すると────。
バシャ!!
「燈馬君!?」
「兄ちゃん!どうしたんだい!?」
と燈馬君が自分の容器に入っていた金魚を水槽の中に戻した。
「坊主」
「?」
「取り方、教えてやろうか?」
「え、いいの!?」
「あぁ。おじさん、これ」チャリ
「そんな!代金は私が「構わない、そら坊主。その紙をおじさんからもらいな」…」
「うん!」
と男の子はおじさんからポイをもらう。
「いいか?坊主。金魚をすくうには力を入れたらダメだ。そっと金魚の下に紙を持っていけ」
「こう?」スーッ
「そう。そのままゆっくりと金魚に近づける」
「…」スーッ
「よし、あげろ」
「えい!」ヒュッ
ポチャ!
男の子のポイは破れてしまったが、掬った金魚は見事に容器の中に入った。
「「「「「おおー!!!」」」」」パチパチ
と見ていた人達から拍手があがる。
「やったよ!お兄さん!」
「あぁ。中々筋がいいな」ガシガシ
と男の子の頭を撫でる。
「そらよ坊主!お前さんの取った金魚だ!」
「ありがとう!!」
とおじさんが男の子の金魚を袋に入れて男の子に手渡す。
「本当にありがとうございます」ペコッ
「いえ、大したことではありません」
「またね、お兄さん!ウマ娘のお姉さん!」ブンブン
「またね」フリフリ
とその親子は帰って行った。
「他の所も回ろうぜ」
「うん」
と燈馬君の後をついて行こうとするが。
「嬢ちゃん」クイクイ
とおじさんに呼び止められる。
「なんですか?」
「あの子、嬢ちゃんの彼氏さんかい?」
「か、彼氏…///」
「だって嬢ちゃん、あの子といるととっても楽しそうにしてるじゃないか」
「いえ、その…まだ…///」
「まだ彼氏じゃないのかい!?早くしないとあんないい男、他の女に取られちまうぞ!」
「そ、それは!」
それは嫌だ!だって燈馬君を取られたら私…。
「ならこの祭りで勝負だな」キラーン
「勝負?」
「おう!」
と勢いよく頷く。
「具体的には、何を…」
「決まってるだろ!嬢ちゃんの方から告白するんだよ!」
「え…」
えぇええええええええ!?!?
「こ、告白って男の子からするものじゃ…///」
「なーに言ってんだ!今じゃ男も女も関係ねぇ!好きになっちまったんならそっからは真っ向勝負でコクるんだよ!」
「うそでしょ」
ずっと男の子からだと思ってた。だって、恋愛小説なんかは男の子が告白してたし。
「だから正面から告白するんだよ。好きです!って。じゃないとああいう男は振り向いてはくれないぞ」
「…」
おじさんの言う通りだ。確かに燈馬君は恋愛には疎い。だったら私から思い切って告白するべきなのかな…。
「スズカ、どうした?」
「ふぇ!と、燈馬君?」
「お、どうやら嬢ちゃんを心配して迎えに来てくれたみたいだぜ?」
「///」
「?」
燈馬君はこの状況を理解出来ていないのか、首を傾げる。
「そら、行った!行った!営業の邪魔だよ!」
「邪魔になるみたいだ。行こうスズカ」
「う、うん///」
と燈馬君が私の手を握って先導してくれる。
「嬢ちゃん!!」
「!」
「思い切って言ってみな!!」
とおじさんからエールを貰った。
〜燈馬side〜
金魚すくいの屋台を離れ、綿飴や射的、かき氷などスズカの案内のもと、屋台を巡っていたのだが。
「…///」
どうにもスズカの様子がおかしい。金魚すくいの前にいたので、あのおじさんに何かやられたのかと聞くと必ず首を横に振る。どうしたんだろうか。
「もしかして具合悪いのか?ならホテルに…」
「大丈夫!具合は悪くないよ、大丈夫」
「だったらいいんだが…」
とそのまま屋台を巡っていると────。
「きゃっ!」ギュッ
とスズカが俺に抱きついてくる。
「どうした?」
「ううん、何でも…あ」
とスズカの左足の下駄の鼻緒が切れていた。
「鼻緒が切れたか。少し外れよう」
「うん」
「ほら、乗れ」
と俺はスズカの前に行ってしゃがむ。
「でも…「その足じゃ歩けないだろ?ほら」…うん」
とスズカは俺の背中にのり、下駄を持ってそのままおんぶする。
「重くない?///」
「いいや。まだバーベルの方が重いさ」ヨイショ
俺はおぶったまま、屋台から少し外れたベンチへと移動する。
「待ってろ。今、直してやる」
と切れた鼻緒を抜き取って射的で取った景品の付属品の布を下駄に取り付ける。
「すごい…」
と声を漏らすスズカを横目に簡易的な鼻緒を作ってスズカに渡す。
「どうだ?履けるか」
「…うん、大丈夫。ありがとう」
どうやらちゃんと履けれるようで良かった。
「どうする、まだ屋台を回るか?」
「うん。私、リンゴ飴が食べたくて…いいかな?」
「あぁ。それじゃあ行こう」
とリンゴ飴の屋台へと移動することになった。
「それにしても、増えたな」
「うん。人混みが凄いね」
と人混みを掻き分けて進む。
「スズカ、大丈夫か?」
・・・・
「スズカ?」クルッ
と振り返るとスズカの姿がなかった。
「どこに行った」キョロキョロ
見渡すもスズカの姿がない。最悪だ、はぐれてしまった。
「スズカ!どこだ!」タタッ
と俺ははぐれたスズカを探しに向かった。
〜スズカside〜
「どうしよう、燈馬君とはぐれちゃった…」キョロキョロ
私は屋台の道から離れて電灯の近くにいました。私達が来た時にはまだ人混みはなかったのだけれど、今では凄いヒト達がお祭りを楽しんでいた。
「(どうしよう…携帯も置いてきてちゃったし、かと言って下手に動けば燈馬君に会えないかもしてないし…)」
とどうやって燈馬君と会うか考えていた時だった。
「ねぇ君、もしかしてサイレンススズカさんかな?」
「え?」
と振り向くと帽子を被り、カメラを持った男性2人が近づいてきた。
「そ、そうですけど…私に何か」
「いやー!現役のウマ娘さんにこんなところで出会えるなんて!今日はとても素晴らしい日だ!」
「は、はあ…」
「実は色々なウマ娘さんにどんなプライベートをお過ごしなのか色々聞いていまして」
「インタビュー…ですか。すみません、学園から許可の出ていない取材、インタビューは出てはいけないと言われているので…」
「そこを何とかお願いできませんかね〜。取材料なんかも払いますので!」
「いえ、ですからインタビューは「ほんのちょっとで終わるので、そこを何とか」…で、ですから」
とインタビューを断わろうとしていたら───。
「いいから来いよ」ガシッ
と男性一人が私の腕を掴んで無理矢理連れて行こうとしました。
「離してください!「おい、こいつを押さえろ」止めて!」
「黙ってついてくればいいんだよ!」
ともう一人の男性が私の身体を押さえつけて抵抗出来なくしました。
「力入れてもいいよ。けど、ヒトに危害を加えればどうなるかわかってるよね」
「!」
ウマ娘の力はヒトより数倍もあり、ヒトに危害を加えればケガでは済まされない。下手をすれば骨折でも済まされないからです。
「大丈夫大丈夫。俺達についてこれば祭りよりの楽しいことが出来るからさ」ニタァ…
「そうそう」ニタァ…
「(やだ!誰か、誰か助けて!)」
叫ぼうとしますが口が塞がれてていて何も出来ません。
「(…燈馬君!助けて!)」ポロ…
もうダメかと思っていた時でした────。
「ほう、祭りより楽しいことか。俺にも教えてもらおうか」
「あぁ?誰だ、てめぇ」
「…燈馬君!」
〜燈馬side〜
「なんだ?ガキはすっこんでろよ」
「悪いな、その娘は俺の連れでね。返してもらおうか」
スズカを見つけたと思ったら、よくわからん男達にスズカが絡まれていた。
「この娘は俺達と遊ぶんだよ。自称彼氏さんはあっち行きな」
「ほざけ。嘘をついてでしかウマ娘に近づけないお前らクズなんかにスズカを渡すと思うか?」
「ほう、俺達とやろうと?」スッ
「別にいいぞ」
と男の一人がボクシングの構えをする。
「来いよガキ。びびって手も出ないか?」
「そうか、それじゃあお言葉に甘えて…」ダッ!
と俺は地面を蹴って男に詰め寄る。
「ダメ!燈馬君!」
「死ね!ガキィ!」ブン
と男は俺の顔面に向けて右ストレートを入れてくる。
「…」スッ
と俺は躱して、男の懐に入り込み────。
「ほらよっ!」ボコッ!
「ぐふ!…おえぇ!」ドサ
と溝内に肘打ちを入れて、男は腹を抱えて倒れ込む。
「お、おい!…てめぇ!」ブン
ともう一人も襲いかかってくるが。
「そら」バキッ!
「ぶべら!…」ドサ
鼻に裏拳を入れて、鼻血を出しながら倒れてしまった。
「…ケガはないか?スズカ」
俺はスズカに近づいてケガがないか確認する。
「う、うん…。でも…」コクン
と頷くスズカ。良かった、ケガはないみたいだ。
「わかってる。ちょっと待っててくれ」
と俺はスズカから離れて男達が持っていたカメラを手に取る。
「…やはりか」バキッ
俺はカメラのSDカードを抜き取り、握り潰す。男達が持っていたカメラは録画モードになっていた。恐らく、襲われたところを警察か何かに突き出すんだろう。一応、カメラ本体とこいつらの携帯も壊しとくか。
「…行こうスズカ。ここから離れよう」
「ごめんなさい…、腰がぬけて上手く立てないの…」
「なら、またおぶってやる。掴まれ」
とスズカの前にしゃがみスズカをおぶってその場から離れた。
〜⏰〜
「ここなら問題ないだろ」
「ありがとう燈馬君、助けてくれて。私、怖くって…」プルプル
「なに、あの状況だったら誰だって怖いさ。それにはぐれてしまったのは俺の落ち度だ。すまない」
「そんなことないよ!私がちゃんとついて行けてい「それでもだ。ちゃんとスズカのことを考えていなかった俺の責任だ」燈馬君…」
自分に腹が立つ。ババアに散々言われてきた“女の子を危険な目に合わせるな”と。女の子は、特にウマ娘は危険な目に合いやすい。それも守れないようでは男として不甲斐ないとまで言われた。
「クソが…!」チッ
「燈馬君…」ギュッ
とスズカの手の握る力が強くなる。
「燈馬君、余り自分を責めないで。私、燈馬君に助けてもらって本当に嬉しいの。もし来てくれてなかったら私なにされてたかわからないもん。でも、こうして燈馬君とまた一緒にいれてるだけでも私は嬉しいな」
「…スズカは優しいんだな」
「それは燈馬君もでしょ?」フフッ
「俺は、優しくなんて「それは言わない約束でしょ?」…」
スズカには敵わないな。全く…。
「…燈馬君、私ね…私…」
とスズカがなにかいいたそうにしていた。
「どうした?」
「私、燈馬君のこと…」
「?」
「す、す…」
「す?」
「す、す─────
「え。そ、そうか」
何故か急に容姿を褒められた。
「あー!もう!違うのよ!そうじゃなくて!そういうことを言おうとしたんじゃなくて!!」
「ス、スズカ?大丈夫か?」
「!ち、違うの!気にしないで!ほら、リンゴ飴買いに行こうよ!」
「あ、あぁ」
とスズカに急かされてリンゴ飴を買いに行き、スズカは何故かずっと顔が赤いままだった。
〜合宿所前・スズカside〜
「本当に大丈夫なのに」
「あんなことがあったんだ。合宿所まで見送らせてくれよ」
お祭りから帰ってきた私は燈馬君と一緒に私の宿泊している合宿所まで来ていた。私はいいと言ったのだけれども燈馬君がどうしても合宿所まで送らせてほしいと言われたので仕方なく了承した。
「今日は楽しかったよ。祭りって言うのは楽しいものなんだな」
「誘ったかいがあって良かったわ」フフッ
良かった、燈馬君も楽しんでもらえて嬉しいな。
「いよいよ合宿最終日だな」
「そうだね」
明日で合宿も最後。合宿が終われば夏休みです。
「(夏休みも燈馬君と遊びに行きたいな)」
夏休みが始まれば、授業もなくレースに向けてトレーニングの日々。勿論、お休みもあるけれど燈馬君とお休みが被ることは少ないかもしれない。ちょっと残念だな…。
「じゃあな。明日もお互いに乗り切ろうぜ」
と燈馬君が自分のホテルへと戻って行きます。
「燈馬君!」ダキッ
私は燈馬君のところへ走って行き、抱きつきました。
「?」
「夏休みも会えるかな…?」
私、燈馬君に何聞いてるんだろう。そう思っていると。
「何言ってんだよ。会えるに決まってるさ、必ずな」ポンポン
と燈馬君が頭を撫でてくれました。
「そう、だよね…うん。ごめんね、呼び止めちゃって」パッ
「いいさ。いつでも呼んでくれ。また遊ぼう」
「うん。またね」
「またな」
と燈馬君は今度こそホテルへと戻って行きました。
「いつでも…か」
私が寂しい時や不安な時に呼んだら来てくれるかな。でも、そんなことで呼んだら迷惑かな。
「けど、まずは合宿を乗り切らないとね」
と合宿最終日に向けて気合を入れた私は合宿所に入り、合宿最終日に向けて就寝した。
読んで頂きありがとうございます
いよいよ合宿も最終日!燈馬達に待ち受けるトレーニングは何なのか!お楽しみに!
それでは、また〜