ウマ男 新たな歴史を創る者   作:アフターヌーンティー

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 ルドルフ会長のあの衣装はなんだ!?!?!?!?

 エッッッッッッッッッチ過ぎる!!!!けど、俺にはシービーが!!でもサポカブライアンも捨てがたい…!!!

 ああああああああああ!!!!!!ジェルが…!ジェルがぁああああああ!!!!!(ムスカ状態)












燈馬「作者が訳わからんことになってるが、とりあえず本編を読んでくれ」


約束を果たすために

 〜トレーニングレース場・立花side〜

 

 「お疲れ様!今日のトレーニングはここまでだよ!」

 

 「つっかれた〜…」ハァハァ

 

 「今日も今日でキツかった…」ハァハァ

 

 「ライス、もう立てない〜…」ハァハァ

 

 「私も…。ちょっと横になりたい…」ハァハァ

 

 「今日もハードでしたね〜…」ハァハァ

 

 「今日は長距離がメインだったしな。いいトレーニングだった」

 

  8月31日。僕達は夏休み最後のトレーニングを行っていた。9月からは新学期で夏から秋に変わる。秋は季節の変わり目でもあるし、何よりG1レースがたくさんある。それを乗り越える為にもスタミナなどのトレーニングは欠かせないんだ。

 

 「さ〜て、夏休みが明ければ各々のレースが待ってるよ。まずはオグリさん、君は9月に入ったら重賞レースに出てもらうよ。今度はタマモクロスさんに勝てるよう、頑張ろうか」

 

 「あぁ。今度はタマに負けない!」

 

 「次にタイシンさんとクリークさん。9月の後半のG2レース4つを獲ってもらうよ。」

 

 「クリークさんでも手は抜かないから」バチバチ

 

 「私もです〜。お互い頑張りましょうね〜」バチバチ

 

  やっぱり2人共、お互いに意識してるみたいなんだね。

 

 「お互いにライバル視するのはいいことだよ。でも、他のウマ娘達も君達を警戒してることを忘れないでね」

 

 「「はい!」」

 

 「そして、燈馬君。君は9月の間はまだ準備期間にする予定でいるよ。なんでかわかるかい?」

 

 「10月にぶつけるからだろ?」

 

 「その通り。10月に入ると菊花賞、秋華賞が待ってる大事な時期だ。そんな時に怪我なんてされたら全てが水の泡になる。だから9月の間だけは慎重に行きたいと思ってる。どうかな?」

 

  と僕は燈馬君に提案をする。

 

 「構わない。だが、一度もレースに出ない、なんてことは無いだろ?」

 

 「うん。僕の方でも出て欲しいレースには目星をつけているよ。一度もレースには出させない、なんてことはしないさ。君のレースでの勘は折り紙付きだからね」

 

  ここでレースの勘を失うと取り戻すのに時間がかかる。だからある程度、レースに出てもらって勘を失わないようにしてもらうんだ。

 

 「9月では燈馬君とライスさんは同じメニューを行ってもらう予定だよ。ライスさんもいつでもデビュー出来るように頑張ろうね」

 

 「はい!ライス、頑張る!」

 

 「そして、最後にシービーさん」

 

 「うん」

 

 「シービーさんは────────

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

“凱旋門賞”に出てもらうよ」

 

 「「「「が、凱旋門賞!?」」」」

 

 「遂にきたんだな、シービー」

 

 「うん。やっと出られる、凱旋門に…!」

 

  凱旋門賞。フランスで行われる国際的に有名で世界最高峰のレースの一つとされている。勝てば“世界最強のウマ娘”と称される程のレース。そもそも、凱旋門賞に出場すること自体が凄いと言っても過言じゃないくらいだ。

 

 「数多くの日本のウマ娘達が凱旋門賞に挑んできた。でも、日本のウマ娘は“過去に一度も勝てたことがない”レースでもある」

 

 「勿論、知ってる。あのディープ先輩だって負けたレースなんだから」

 

  ディープインパクト。“英雄”と呼ばれていたウマ娘で三冠を達成した後、凱旋門に挑んだけど惜しくも3着だった。

 

 「だからこそ、私が凱旋門賞を獲って世界最強の称号を手に入れてみせるよ」

 

 「シービー先輩なら出来るよ!」

 

 「そうですよ!その為に一生懸命頑張ってきたんですから!」

 

 「その為にも、体調を万全にしてフランスに言って貰わないとね」

 

  各々の気合も十分!これからが楽しみだ。

 

 「それじゃあ、各自ダウンストレッチをしたら寮の門限に間に合うように帰るんだよ」

 

 「「「「はい!」」」」

 

  と僕は道具を片付けて資料作成へと取りかかった。

 

 

  〜燈馬side〜

 

 「落ち着かない様子だな」

 

 「そうかな」

 

  とダウンストレッチをしているシービーに話しかける。

 

 「まだ1ヶ月も空いてるんだぞ、ソワソワし過ぎだ。お前らしくもない」

 

 「私でも緊張はするもんだよ?」

 

 「緊張しているところは見たことはあるが、落ち着きがないって言ってるんだ」

 

  と俺はシービーの尻尾を指差す。ずっとシービーの尻尾が左右に揺れ続けている。

 

 「…不安なんだ、凱旋門の為に色々と頑張ってきたけど本当に勝てるのかなって」

 

  誰だって不安はある。特に凱旋門なんて日本のウマ娘が一度も勝てたことなんてないレースだ。

 

 「不安は誰だって付きものだ。あのディープさんでも始まる3週間前くらいまで寝れてなかったらしいしな」

 

 「見た見た。あの時のディープ先輩の隈、凄かったよね〜」フフッ

 

  とシービーの顔に笑みが溢れる。

 

 「自分を信じろシービー。お前ならやれる、出来る。だから胸を張れ」

 

 「うん、ありがとう燈馬。おかげで楽になったよ」

 

  とシービーの顔が晴れやかになる。どうやら吹っ切れたようだな。

 

 「それじゃあ帰るか。下校時刻も近いし「待って、燈馬」ん?」

 

  と帰ろうとする俺をシービーが呼び止める。

 

 「18時くらいから空いてる?」

 

 「空いてるが何かあるのか?」

 

 「実はね、ルドルフ達と私の家でBBQするんだけど、燈馬も来てよ」

 

 「いいよ、お前達だけで楽しんでこいよ」

 

 「ダメ。もうルドルフ達に話しちゃったし、ちゃんと来てね」

 

  待て、今の会話の中でどうやってルドルフ達に話しをしたんだ。

 

 「それじゃあ、18時頃に迎えに行くから準備だけしといてね。またね〜」タタッ

 

  とシービーが部室へと走り去って行った。

 

 「…マジかよ」

 

  俺の独り言は誰もいないレース場に響いた。

 

 

  〜自宅前〜

 

 「多分、帰り遅くなるわ」

 

 「了解。夏休み最終日なんだ、楽しんできな」

 

  と自宅に帰ってきた俺はババアと一緒にシービーの迎えを待っていた。

 

 「そういやババア、飯どうすんだ?」

 

 「藤二郎が飯行かないかって言われてね、ちょうど良かったしそこで食べてくるよ」

 

 「西宮校長もこんな老いぼれババアを飯に誘うなんてどうかしてるぜ」

 

 「クソ生意気なガキと飯食うよりかはましさね」

 

  ───ほぅ。

 

 「しかも西宮校長からの奢りなんだろ?ちったぁお返しとかしろよ、クソババア」

 

 「藤二郎はいいって言っているんだ。ホント良い奴だよ、どこぞのバカなガキ共と違ってね」

 

  西宮校長、このババアにブランド物とかせびってもいいんだぞ。

 

 「どこのバカな奴なんだろうな。俺はちゃ〜んとババアには敬意を払ってるのに」

 

 「問題行動を幾度となくやってきたのが敬意とは…。脳みそはお花畑で出来てるのかい?クソガキ」

 

 「お先お一人様なババアに言われたくねぇな」

 

 「年上に敬意も払えないバカに言われたくないさね」

 

 「「・・・」」

 

 「今ここであの世に送ってやる」ポキポキ

 

 「ほう、ずっとアタシに負け続けたあんたが勝てるとでも」ポキポキ

 

 

  ブゥ〜〜ン、キキッ!

 

 「お待たせ、燈馬!…って何やってるの?」

 

 「ちょっと待っててくれシービー、今このババアをあの世に送ってから車に乗るから」ポキポキ

 

 「そこの小娘、骨壷の準備をしてくれないか?このバカを葬り去らないとアタシの気が済まないのさ」ポキポキ

 

 「二人共落ち着いて!燈馬、あなたの親でしょ?そんなことしたらダメ!」

 

  とシービーが止めにくるが今は関係ない。

 

 「ババア、覚悟は出来てるか?」

 

 「来な、クソガキ。返り討ちにしてやる」

 

  よし、まずはババアの顔面を────!

 

 「二人共、落ち着いてください」パンッ!

 

  とババアとの間に一人の男が割り込んでくる。

 

 「「西宮校長(藤二郎)」」

 

 「御二方、仲がよろしいことはいいことですがもう少し場所を弁えるよう、お願いします」

 

  と周りをみると近隣の住民がこっちを見ていた。

 

 「…命拾いしたね、クソガキ」

 

 「良かったな、寿命が縮まなくて」

 

 「…さて、各々行く所がありましょう。それと燈馬君?」

 

 「ん?」

 

 「女の子を泣かせてはいけませんよ」

 

 「え?」

 

  と後ろを見るとシービーが涙を浮かべながら立っていた。

 

 「それでは私どもはこの辺りで失礼します。行きましょうか、理事長」

 

 「そうするさね。バカ燈馬、……楽しんできなよ」バタン

 

  とババアが車に乗り込み、西宮校長が一礼して車に乗る。二人はそのまま車で横を通り過ぎて行った。

 

 「…何か言うこと、あるんじゃない?」

 

 「…すまん」

 

 「絶対に親を殴ったりしたらダメだからね。絶対にだからね」

 

 「…はい」

 

  とシービーは車に乗り込み、俺も後を続いて乗り込む。ドアは運転手さんが閉めてくれた。

 

 「それでは出発します」

 

 「お願い」

 

  と車は動き出し、シービーの家へと向かった。

 

 

  〜シービーの家(トウショウ家)〜

 

 「お嬢様、風間様。お着きになりました」ガチャ

 

 「うん、ありがとう」

 

  と開いた扉からシービー、俺の順に外に出る。目の前にはアニメとかで出てくる屋敷があった。

 

 「でっか…」

 

 「でしょ!この土地にはレース場だってあるからね」

 

  マジか、流石金持ち。

 

 「行こ、燈馬!家の中を案内してあげる!」

 

 「あぁ。よろしく頼むよ」

 

  と家の中に入って案内をしてもらった。やべ、迷子になりそう。

 

  〜⏰〜

 

 「遅かったな、シービー」

 

 「ごめんごめん、燈馬に家の中を案内してたんだ〜」

 

 「二人でか」

 

 「まぁね。デートみたいで楽しかったよ〜」

 

 「ふ〜ん」ハイライトオフ

 

  とルドルフが俺の方を見る。何その目、怖い。

 

 「ブライアン、もっと野菜を食べろ」

 

 「私は肉だけで十分だ」

 

 「ハヤヒデはブライアンを思って言ってるだよ?ちゃんと食べてあげなきゃね」

 

 「チッ」

 

  と奥ではフジ達がもうBBQを楽しんでいた。

 

 「あ〜!何始めてるのさ!ちゃんと残してるよね!?」

 

 「肉は無理だな」ヒョイ

 

 「おいブライアン!私の皿に野菜を入れるな!』

 

 「女帝様が余りにも野菜を食べたそうにしていたから入れてやったんだ。感謝しろよ?」

 

 「貴様〜!!」プルプル

 

 「スズカも食べる?この人参、チョベリグに美味しいわよ?」

 

 「ありがとうございます、マルゼンスキー先輩。はむ。…凄い、本当に美味しいです!」

 

 「でしょ!バッチグーね!」

 

 「…」ハムハム モグモグ

 

 「もう!私もお肉食べる!オグリ、お肉残しといてよ!」

 

  とシービーがフジ達のところへ行って食べ始める。

 

 「…今日は来てくれてありがとう。燈馬」

 

 「いいさ、家にいても特にやる事なんてないしな」

 

  寧ろ俺が飛び入り参加的な感じなんだが。

 

 「しかし、合縁奇縁のこのメンバーが集まるのはいつぶりだろうか」

 

  ルドルフの言うとおりだ。このメンバーで集まるのは本当にいつぶりか。

 

 「それも、ここにいるウマ娘は全員燈馬に助けられたウマ娘でもある」

 

 「俺は助けてなんてない。ただ見ていたに過ぎない」

 

 「けど、君は手を差し伸べてくれた。誰も助けてくれない中、君だけが私達を助けてくれた」

 

 「俺は別に…」

 

  と俺はルドルフの方を見るとルドルフは優しい眼差しを向けていた。

 

 「…」ハァ

 

 「お〜い!二人共、早くしないとなくなったちゃうよ!」

 

 「あぁ、今行く。行こう、燈馬」

 

 「そうだな」

 

  と執事さんから焼けた肉や野菜がのった皿を受け取り、俺達はBBQを楽しんだ。

 

 

  〜⏰〜

 

 「そうか。フジはスプリンターズステークス連覇か」

 

 「うん、3連覇がかかってるからね。負けられないよ」

 

  3連覇か。どれ程強くなったのか見てみたいな。BBQも落ち着いてきた頃、俺達は今後の自分達の方針を話していた。

 

 「そっか。エアグルーヴは?」

 

 「私はエリザベス女王杯に出場する予定だ。前回は負けたが今度は勝つ」

 

  前回はクビ差の2着だったはず、勝ってほしいな。

 

 「ハヤヒデとブライアンはどうなの?」

 

 「私はまだ調整期間だ。下手にレースに出ると怪我の恐れがあるというトレーナーの指示でな」

 

 「私は大阪杯4連覇だ。ここ最近、私の渇きを潤す奴がいなくてな。そろそろお前と勝負がしたい」

 

 「楽しみにしてる」

 

  ブライアンの奴、大阪杯を3連覇してるのか。確か3連覇目のタイムはレコードだったはず。それにブライアンは宝塚記念も勝っており“春シニア三冠”も獲っている。

 

 「私とルドルフはウィンタードリームトロフィーよ。今度こそルドルフに勝つんだから」

 

 「君に負けるつもりは毛頭ないよ、マルゼンスキー。勝つのはこの私、皇帝シンボリルドルフだ」

 

 「私も重賞の後はドリームトロフィーに出場予定だ。2人に負けるつもりはない」モグモグ

 

  ルドルフとマルゼンスキーはウィンタードリームトロフィーか。お互いに一歩も譲る気配はなさそうだ。それとオグリ、お前はどれだけ食べるんだ?

 

 「燈馬はどうなんだ?」

 

  とフジから話しを振られる。

 

 「俺は菊花賞と秋華賞だ。三冠とティアラは必ず獲る」

 

 「スペちゃん、菊花賞でのリベンジに張り切ってるわ」

 

 「ドーベルもだ。お前に負けたくないとトレーニングを励んでいたぞ」

 

 「勝つのは俺だ。三冠もティアラも俺が獲る。負けるつもりはない」

 

 「菊花賞と秋華賞が楽しみね」フフッ

 

 「そうだな」フッ

 

  負けられねぇな、絶対に。

 

 「スズカは?」

 

 「私は秋の天皇賞に向けて頑張ってるわ。先頭の景色を譲らないためにもね」

 

  秋の天皇賞か。スズカと対決するのは近いかもしれないな。

 

 「最後にシービー、君の方針は?」

 

  と最後の一人、シービーの番になった。

 

 「私は凱旋門賞に出るよ」

 

 「が、凱旋門ですか!?」

 

 「ほぅ…」

 

 「なるほどね〜」

 

  とエアグルーヴが驚き、フジとスズカは目を大きく開いていた。対してルドルフ、マルゼンスキー達は冷静だった。

 

 「日本ウマ娘初の凱旋門ウマ娘に輝けるよう、頑張るよ」

 

 「応援してるぞ、シービー」

 

 「えぇ!自信を持ってね!」

 

 「頑張ってください、シービー先輩」

 

 「みんな、ありがとう。私、絶対に勝つよ!」

 

  とシービーが意気込んでいたその時だった。

 

 「その意気です、シービー。決して弱気になってはいけませんよ」コツコツ

 

 「お母様!」タタッ

 

  と屋敷から一人のウマ娘が歩いて来た。

 

 「皆様、お初お目にかかります。ミスターシービーの母、“トウショウボーイ”です。この度は我がトウショウ家に来ていただいて誠にありがとうございます」

 

 「お初お目にかかります。私、トレセン学園で生徒会長を務めておりますシンボリルドルフです」ペコ

 

 「私は生徒副会長のエアグルーヴです」ペコ

 

 「私はビワハヤヒデと言います。こっちは妹のナリタブライアンでエアグルーヴ君と同じ生徒副会長を務めております」ペコ

 

 「…」

 

 「こら、ブライアン!」

 

 「大丈夫ですよ。よろしくおねがいしますね、ナリタブライアンさん」

 

 「…よろしく」

 

  と小さな声で挨拶を返す。流石は大人な対応、ブライアンも見習って欲しいものだ。

 

 「っ!」キッ

 

  睨むな睨むな、あと心を読むな。

 

 「では改めて、私はトレセン学園の栗東寮の寮長を務めておりますフジキセキです」ペコ

 

 「私はサイレンススズカです。よろしくお願いします」ペコ

 

 「オグリキャップです。よろしくお願いします」ペコ

 

 「ええ、フジキセキさんとサイレンススズカさん、オグリキャップさんもよろしくおねがいします」

 

  ───で、最後に俺か。

 

 「風間燈馬です。シービーとは同じ、チーム…」

 

 「…」

 

  と自己紹介をしようとしたらトウショウボーイさんが驚いた顔をして俺の目をジッと見つめていた。

 

 「燈馬はね、URA史上初のクラシック三冠とトリプルティアラの両方に出場を許可されたヒトなんだよ!」

 

 「はい、シービーの言っていたことは事実でサインももらってるんです」

 

 「あの時、話を聞いた際は嘘としか思っていませんでした」

 

 「そうだよね〜。あの時はビックリしたよね」

 

 「そうよね。本当にビックリ───。」

 

  と周りの奴らが楽しそうに喋る中、俺とトウショウボーイさんの間に異様な空気が流れる。。トウショウボーイさんは他の話に目もくれず、ずっと俺と目を合わせ続けていた。まるで俺を知っていた(・・・・・・・)かのように。

 

 「───様、お母様?お母様!」

 

 「っ!ど、どうしたの?シービー」

 

 「どうしたの、じゃないよ!ずっと燈馬の顔を見てたからさ」

 

 「え、えぇ…ごめんなさい。…よろしくお願いしますね、燈馬さん」ニコ

 

 「は、はい。こちらこそ」

 

 「そうだ!家に花火があるんだ。だからみんなでやらない?」

 

 「いいわね!」

 

 「夏の風物詩だしな」

 

 「では、消火の為の水を用意しないとな」

 

 「では、お片付けの方は私達が行いますので皆様はシービー様の元へお急ぎください」

 

  とシービーは自分の家に戻って行き、他のみんなはシービーの後を追った。

 

 「燈馬さん」

 

  とトウショウボーイさんに呼び止められる。

 

 「何でしょう」

 

 「首から下げてるネックレスについた指輪を見せてくれないかしら」

 

 「はい」チャリ

 

  とトウショウボーイさんに指輪を見せる。

 

 「…」

 

  とトウショウボーイさんが指輪を見ている。とても悲しそうに。

 

 「あの、この指輪に心当たりがあるんですか?」

 

 「─────ごめんなさい。知っている物かと思っていたのだけれども、見間違いだったわ」

 

 「そうですか、気にしないでください」

 

 「ええ」

 

  とトウショウボーイさんの顔色が少し良くなる。

 

 「燈馬!こっちこっち!」

 

 「娘のところへ行ってあげてください。あの娘、ちょっとわがままなところがあるので」

 

 「わかりました。行ってきます」ペコ

 

 「気をつけてね」

 

  とトウショウボーイさんに軽く一礼してからシービー達の元へ向かった。

 

 「お母様と何話してたの?」

 

 「シービーのわがままをどう直せばいいですかって相談してた」

 

 「私、わがままじゃないよ!?」

 

  とシービーとともに花火をする場所へ向かった。

 

 

 

 「この手持ち花火凄〜い!」パチパチ

 

 「シービー、振り回すと危ないぞ」パチパチ

 

 「夏って感じで最高ね!」パチパチ

 

 「お、おい!スズカ!この花火はどういったものなんだ!?」アセアセ

 

 「それはねずみ花火よ。エアグルーヴ、慌てちゃって面白いわね」フフッ

 

 「このねずみ花火、3色に光るとは珍しいな」

 

 「色鮮やかだな」

 

  とシービー達は手持ち花火などで楽しんでいた。

 

 「ガキか、あいつらは」

 

 「まあ、花火だし騒ぎたい気持ちもあるさ」

 

  俺とブライアンはシービー達から少し離れて花火を見ていた。

 

 「まあ、あいつらが騒いでるおかげで私はお前を独占できるからな」ギュッ

 

 「汗臭いし、暑いから離れろ」

 

 「断る」ギュ〜ッ

 

  これじゃあ身動きが取れないし、こいつらからの尋問が凄いんだ。頼むよ。

 

 「みんな、ちょっと集まって欲しいんだ〜!」

 

  とシービーが集合するよう、呼びかける。

 

 「行こうぜ、シービーが呼んでる」

 

 「なら、このまま行くか」グイッ

 

 「お、おい!」

 

  とブライアンに腕を引っ張られながらシービーのもとへ向かった。

 

 「それじゃあ、みんなに渡したいものがあるんだけど、その前にブライアンは燈馬から離れよっか。ていうかくっつき過ぎナンジャナイ?」ハイライトオフ

 

 「これでもまだ遠いほうだ。燈馬はすぐに別の女のところへ行くからな。私がこうしておいたら燈馬は私から離れないから大丈夫だ」

 

 「まあまあ、二人共落ち着いて。ブライアンはまず燈馬から離れよう?シービーが何か渡す物があるらしいからね」

 

  とフジが二人に落ち着くようにと言った。

 

 「しょうがないな」パッ

 

  とブライアンが俺の腕を離す。

 

 「それで、シービーは何をくれるのかな?」

 

  とルドルフがシービーに何を渡してくれるのかを聞く。

 

 「それはね…これ!」ジャーン!

 

  と虹色に編み込まれた紐を見せる。

 

 「それは?」

 

 「これはね、ミサンガって言って願い事を叶える為に足や手首に結ぶんだ。だからさ、みんなで足に結ばない?」

 

 「いいわね!ナウいヤング達が付けてるし、私達も付けましょうよ!」

 

 「確かにいいね」

 

 「あぁ。異体同心、心を一つにすることはいいことだと思うな」

 

 「私も賛成です」

 

 「私もだ」

 

  とマルゼンスキーを始め、この場にいる全員が賛成する。

 

 「それじゃあ、みんなに1本渡すから自分の利き足に結んでね」

 

  とシービーからミサンガを貰い、自分の利き足である右足の足首に結ぶ。

 

 「確かミサンガには色によって意味が違うと言っていたな」

 

 「どういった意味があるんだ?」

 

  と俺はハヤヒデに質問する。

 

 「まず、色はな────。」

 

  とハヤヒデは色の意味の説明をしてくれる。

 

 「─────という意味があるんだ」

 

 「なるほど、そういう意味があるのか」

 

  とハヤヒデからの説明を聞いて納得する。

 

 「ねぇ燈馬、みんなと約束したこと覚えてる?」

 

  とシービーが俺に話に振る。それに吊られて他の奴らも俺の方に目を向ける。

 

 「勿論だ。“ここにいるみんなが有名になって同じレースを走る”、そうだろ?」

 

 「うん」

 

  1年前にシービー達とした約束、“同じレースを走る”。一見、簡単そうに見えるが実はそうでもない。全員が全力で走れるレースを出る為には限りが出来てしまうし、チームの方針で出れるレースや出られないレースがある為、厳しい条件下となっている。

 

 「だから、このミサンガに誓うの。“みんなが同じレースに出て走れる”ように」ザッ

 

  とシービーが右足を出す。

 

 「そうだな」ザッ

 

 「うん」ザッ

 

  とルドルフ達も次々とミサンガの付いた足を出し、俺も右足を出す。

 

 「絶対に、ぜ〜〜〜〜ったいに約束だからね!」スッ

 

 「「「「あぁ!」」」」スッ

 

  と全員の足が上がる。そして─────。

 

 ダンッ!!!

 

 「「「「「約束だ!!!」」」」」

 

  と地面を強く踏み、約束を交わす。

 

 「よし!それじゃあ最後にアレやりますか!」

 

 「アレ?」

 

 「アレだよアレ!線香花火!誰が長くもってられるか勝負しようよ!」

 

 「いいね〜、のった!」

 

 「私は構わないわ!」

 

 「私もだ」

 

  と各々が一本ずつ線香花火を取る。

 

 「それじゃあ行くよ〜!…よーい、スタート!」

 

  とシービーの合図で火をつける。

 

   パチパチパチ…!

 

 「わぁ!綺麗〜」パチパチ

 

 「そうだな」パチパチ

 

  と小さくパチパチと音をたてながら、線香花火が始まる。

 

 「あれ?」ポト

 

  と俺の線香花火が始まるってまだ、1分もしないうちに落ちてしまった。

 

 「燈馬早〜い!」パチパチ

 

 「燈馬のだけ湿ってたのだろうか」パチパチ

 

 「わからんな」ジュッ

 

  と線香花火を水の張ったバケツの中に入れる。

 

 「最後まで残るのは私だけどね」パチパチ

 

 「いいや、私さ」パチパチ

 

 「負けるつもりはない」パチパチ

 

  と線香花火の音が響く。そして─────。

 

 「「「「「あ…」」」」」

 

  ポト…

 

 「落ちちゃったね〜」ハハッ

 

 「まさか燈馬以外全員とはな」フフッ

 

 「悪かったな、すぐに落ちて」

 

 「それじゃあ、そろそろお開きにしよっか」

 

  と線香花火も終わり、お開きということになった。

 

 「明日から2学期か」

 

 「ええ、これからもっと忙しくなるわね」フフッ

 

 「それじゃあオグリとスズカ、エアグルーヴ、フジはルドルフの車。燈馬、ハヤヒデ、ブライアンは私。マルゼンスキーは自分の車で帰ろうか」

 

 「「「「「はーい」」」」」

 

 「それじゃあ、私はお先にドロンするわ!またトレセンで会いましょうね〜!」

 

 「「「「またね(な)〜」」」」

 

 「それじゃあ、私の車はそろそろ出発だから乗り込んでくれ」

 

 「くれぐれも始業式に遅刻をするなよ。特に燈馬」

 

 「なんで俺?」

 

 「注意喚起だ、たわけ」

 

  注意喚起って俺遅刻なんて……やったことあるわ。

 

 「またね、燈馬君」フフッ

 

 「またな燈馬。トレセンで会おう」バタン

 

 「あぁ。またな」

  

  ブゥ〜〜ン…

 

 「それじゃあ私達も行きましょうか。まずはハヤヒデとブライアンを寮に帰さないとね」

 

 「よろしく頼むよシービー」

 

 「頼んだ」

 

 「それじゃあ、みんな乗って!」

 

  と俺達はシービーの車に乗り込み、栗東寮を目指した。

 

 

  〜自宅前〜

 

 「最後に燈馬の家だね」

 

 「わざわざすまんな」

 

 「いいよいいよ、気にしないで。私が誘ったんだもの」

 

  ハヤヒデとブライアンを寮に降ろした後、最後に俺の家に送ってもらった。あのひとときがまるで一瞬で終わったかのように周りは静かだった。

 

 「そういえば、日本を出るのはいつなんだ?」

 

 「始業式が終わったらかな。本格的にやらないと負けそうだからさ」

 

 「いつも通りやればいいんだよ。気負わなくていい、そうすれば結果はついてくる」

 

 「ありがとう、燈馬」ニコ

 

  とシービーの表情がにこやかになる。

 

 「それじゃあな。またトレセンで会おう」

 

  と玄関へ向かおうとしたら───。

 

 「ねぇ燈馬」

 

 「ん?」

 

 「もしさ、もし私が凱旋門を勝ったらさ。その…」

 

  とシービーの目線がズレる。

 

 「その、なんだ?」

 

 「…ううん、何でもない。もし良かったらさ、私の勇姿を生で見てほしいんだ。ダメ、かな…」

 

  とお願いされる。海外での応援は出来なくもないが、そうするには理事長からの許可書とトレーナーの承諾が必要になってくる。

 

 「わかった。トレーナーと理事長に頼んでフランスに行けるか聞いてみる」

 

 「ホント!?」

 

 「本当だ」

 

  こいつのレースも画面越しじゃなくて、久しぶりに生で見たいしな。

 

 「それじゃあまたね!私、頑張るから!」

 

 「あぁ。いい結果が出ることを楽しみにしてる」

 

  ブゥ〜〜ン…

 

  とシービーの車が帰って行った。

 

 「頑張れよ、シービー」

 

  と俺はシービーにエールを送って既にババアが帰ってきていたので家に入り、明日に向けての準備をした後すぐに就寝した。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

※ここからはちょっと気持ち悪い描写が描かれています。無理な方は目次へ戻りましょう。

 

 

  

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

  〜???〜

 

 「ハ、ハァハァ、ハァ…。っ!」ブルブル!

 

  と男はモニターの光しか点いていない暗い部屋の中、何か感じたのかブルブルと身体が一瞬震える。

 

 「っ、ハァハァ。もうすぐだね、もうすぐで会えるね…」ニタァ

 

  と男は部屋の壁、天井一面に貼られた写真を見てニタリと笑い、レロッと一枚の写真を舐める。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「僕の愛しい愛しいウマ娘(ミスターシービー)




燈馬「読んでくれてありがとう。最後のは…俺でもわからんな。なんせヤバい奴だと思うぞ。────さて、本編なんだが菊花賞を先に書くと言っていた作者なのだが急遽、シービーの出る凱旋門賞を書くそうだ。待っててくれているヒトには申し訳無いと思っている。恐らく、連続して投稿すると思うからもう少しだけ待っていてくれ、これからもこの作品のことをよろしく頼むよ。それじゃあ、また次回で会おう」




 ルドルフがぁああああ!シービーがぁあああああ!ブライアンがぁああああああ!

燈馬「あいつ、いつまでやってるんだ?」


 それでは、また〜
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