燈馬「何か言いたいことは?」
主「すみませんでした…」
燈馬「約1ヶ月ぶりの投稿か。失踪でもしていたのか?」
主「いえ、単純に書く時間が…」
燈馬「それにしては随分とお気楽な休日を過ごしていたんじゃないのか?」
主「そ、それは…」
燈馬「今すぐに続きを書け。今すぐに」
主「ワカリマシタ」
それでは、どうぞ
〜車の中・シービーside〜
「シービーお嬢様、大丈夫ですか?」
「大丈夫だよ。私は、大丈夫…」
私は自分の車に乗って“ある所”に向かってる。正直言って凄く気分が悪い。車酔いなんて余りしないのに今日に限って車酔いが凄い。頭がクラクラするし、目眩もする。
「(…うっ!)」
と思わず吐きそうになるが必死に抑える。
「…お嬢様、やはりここは当主様に相談されたほうが「いいの」ですが」
「ごめん言えないの。これだけは、言えない…」
「…」
私が…。私がやればきっとあの娘達だって…。
ミスターシービーに一体何があったのか。これは、菊花賞が始まる2日前の話である。
〜菊花賞開催の2日前・10月6日〜
「シービーお嬢様、お食事の御用意が出来ました」コンコン
「わかった、今行く」
と私の執事が食事の時間を知らせに来てくれる。私は凱旋門賞の後、理事長の計らいのもと長期休暇を貰っていた。向こうで色々あったので精神的に安定するまで休んでいてもいい、来れる時に来たらいいと言っていたので理事長の言葉に甘えて休むことにした。勿論、休暇中は何もしないと言うわけにはいかず、トレセンの先生から宿題を貰ったり、自主的にトレーニングをしたりなど休暇を過ごしていた。
「あらシービーもご飯?」
食事の部屋に向かう途中、お母さんに出会う。
「うん。勉強もキリのいいところで終わったしね」
「そう。それじゃあお母さんと一緒に食べない?」
「いいの!?やったー!!!」
「ふふふっ」ニコニコ
お母様は仕事で何かと部屋からは出れないし、ご飯の時間だって会う時もない。お母様とご飯を食べれるなんて嬉しいな!
「今日も美味しそうね」
「うん、それじゃあ────。」
「「いただきます」」
とナイフとフォークを持って食事を取る。う〜ん!このお肉美味し〜い!!
「今日のご飯も美味しいわ。いつもありがとうね」
「有難きお言葉です、当主様」ペコ
とシェフの人達が帽子を取って一礼した。シェフの人達はみんな三ツ星レストランとかで働いていた人達ばかりで料理の腕も凄い。
「ねぇ、シービー」
「ん?どうしたのお母様」
「トレセンには、行けそう…?」
「うん。もうすぐ燈馬が菊花賞と秋華賞だし、菊花賞が終わったら行こうかなって」
「本当に?無理してはダメよ、シービー。もうちょっと休んでも「大丈夫だよお母様、心配しすぎ!」でも…」
「大丈夫だって!燈馬達もいるし、大丈夫大丈夫!」
「…そうね、あの子達がいれば大丈夫ね」
とお母様が再び食事を再開する。お母様は相変わらず心配性なんだから、大丈夫大丈夫。
「シービーお嬢様、お食事中失礼します」
「ん?どうしたの?」
「シービーお嬢様にお電話がありましたので、相手側がすぐ出るようお伝えされたのですが…。いかが致しましょう」
誰だろう、理事長かな?
「わかった、すぐ行く」ガタッ
と私は席を立って電話機のある所に向かい、ウマ娘用の受話器を取る。
「はい、シービーです」
『やあシービー、久しぶりだね〜』
「ッ!?あんたはッ!!」
『いや〜、ようやく突き止めることが出来たよ〜!酷いじゃないか、電話番号を変えるなら僕に言ってよ〜!』
「うるさい、あんたには関係ないでしょ?用が無いなら切る。あんたと喋ったって時間の無駄」
と私は受話器を降ろそうとすると─────。
『いいのかな?本当に切っちゃって』
「……どういう意味?」
『君の返答次第で、彼らに“災い”が降り注ぐことになるよ』
「“災い”…?」
どういう意味…、彼らって…。
『まあそんなことは置いといて…』
と男が一呼吸おいて──────。
『シービー、僕と生涯を共にしないかい?僕なら君を絶対に幸せに出来る!!だから、僕と結婚しよう!!!』
「無理。あんたと結婚なんて死んでも嫌」
どうせこんな事だろうと思ったわ。もういい、切ろう。
『そう来ると思ってたよシービー。けどね、君は必ず僕のもとに来ることになる。絶対にね』
「私は行かない。あんたのところなんて絶対に」
『…僕の返事を断ったことを後悔させてあげる』ガチャ、ツーツー…
と電話の切れる音がする。
「(後悔だって?そんなのしないに決まってるじゃない)」
「お嬢様、お相手の方はなんと?」
と執事が近づいてくる。
「アイツだったわ。お母様から接触禁止の出てたアイツ」
「そんな…!」
「執事さん、私達とアイツらの関係は知ってるよね?なのに、どうして出たの?」
「わ、私が電話に出た際はトレセン学園の担当教師と申した方だったので…」
「本当?」
「ほ、本当でございます!」
「まあ、この電話機は録音機能が付いてるから後でメイドの人に確認を取ってもらうわ。あなたも同伴してね」
「か、かしこまりました!」ペコ
「…」
最悪、よりによってアイツの声を聞く羽目になるなんて。
「(戻ってご飯食べよ)」
と私は部屋に戻り、食事を再開した。
〜菊花賞当日〜
「お母様、早く早く!」
「わかってますよ。そんなに焦らなくてもまだ時間はありますから」
今日は菊花賞当日。そして、燈馬の三冠がかかってる大事なレースでもある。本当ならレース場に行って観に行きたいんだけど、お母様に止められて仕方なくテレビで観ることにした。
「今日はどんなレースになるのかしら」
「燈馬が勝つに決まってるじゃん!燈馬はそう簡単には負けないよ!」
「あなたが言うなら燈馬さんを応援しましょうか」クスクス
と菊花賞が始まるのを待った。けど───────。
「…おかしいわね。全然始まらない」
「うん。何があったんだろ」
と出走するウマ娘達がゲートに集まるも一向に始まる気配がない。
「(何かあったのかな。トレーナーに電話してみよっと)」
とトレーナーに連絡してみることに。
プルプル…プルプル…ガチャ。
『もしもし、シービーさん?』
「トレーナー!今、菊花賞見てるんだけど何かあったの?始まる気配がしないんだけど」
『…』
とトレーナーに聞くとトレーナーは黙り込んでしまった。
「何があったの」
『それは…「隠さないで教えて、トレーナー」…わかった、実はなんだけど──────。』
とトレーナーから今の現状をお母様と一緒に聞いた。
「嘘…だよ、ね。そんなことって…!」
『嘘じゃない。さっき話したとおり燈馬君は今も京都レース場に向かってる』
走るたって京都まで400km以上も離れてるのに、そんなの間に合いっこない。
『────ごめん、車動きそうだから切るね』ピッ
「え、あ…うん」ツーツー…
と電話が切れる音がする。
「…ねぇ、お母様。燈馬、大丈夫かな…」
「私がどうこう言える立場ではありませんが、聞いた限りでは燈馬さんは間違いなくレースには間に合わないかもしれませんね」
「そうだよね…」
誰なの、一体誰がこんなことを…。
“君の返答次第で彼らに災いが降り注ぐことになるよ”
“僕の返事を断ったことを後悔させてあげる”
「(まさか、アイツが…!)」
確信的な証拠はないけど、もしかして…。
「シービー、どうしたの?シービー」
「ごめんお母様、レースが始まったら呼びに来て」タタッ
「シービー、どこ行くの?シービー!」
と私は部屋を飛び出し、電話機の置いてあるところの前に立ち止まる。
「…ッ」プルプル…
受話器を取り、番号を押そうとするけど手が震えて上手く押せない。
「(大丈夫、大丈夫よ。別にアイツの返事に応えるわけじゃないんだから)」
プルルル、プルルル、プルルル…ガチャ。
「ッ!」ビクッ
『やぁシービー!ついに、僕と結婚することに決めたんだね!!』
「…巫山戯ないで。アンタ、燈馬に何したのよ!」
『燈馬?誰だいその男。…シービー、僕の前で他の男の名前を出して欲しくないな〜。流石の僕でも怒っちゃうぞ』
「いいから答えて!燈馬に何したのよ!」
と私は電話の相手の男を責め立てる。
『ふ〜んだ。そんなシービーには答えてあ〜げない』
「ッ!!!」ギリッ
ホンッッッットムカつく!コイツと喋ってる時間なんてないのに!!
『それで?僕の気持ちは?』
「…嫌に決まってるでしょ。アンタなんか、大ッッッ嫌いなんだから!!」
『そんなこと言うんだ〜。ふ〜ん…』
「何よ、何かあるなら言ってみなよ!」
『な〜んにも?けど、僕にそういう態度を取るなら僕もそれなりのことをしようかな〜』
「どういう『それじゃあ、またね〜』待ちなさい!どういう『ガチャ!ツーツー…』くっ…」
と受話器を降ろす。何をするつもりなの、アイツ。
「シービー!燈馬さんが!」
「お母様!どうしたの!?」
「燈馬さんがレース場に着いたの!間に合ったのよ!」
「嘘…!」
良かった…。燈馬、間に合ったんだ!
「早くレースを観なきゃ!」
と私はお母様の部屋へと一目散に向かい、レースを観戦した。
「良かったわね。燈馬さん、クラシック三冠ですって」パチパチ
「うん…うん!おめでとう、燈馬!」パチパチ
と画面に映る燈馬に拍手を送る。燈馬は私と同じクラシック三冠の称号を手に入れた。
「後は秋華賞だけだね!」
「えぇ。クラシック三冠とトリプルティアラの同時獲得。普通はあり得ないことだけど、燈馬さんなら出来そうね」
秋華賞の後はみんなで祝勝会だね!燈馬は嫌がるかもしれないけど、絶対に参加させるんだからね!
「それそうとシービー。誰と電話していたの?」
「!」ビクッ
一瞬で身体に寒気がしだす。嬉しい気持ちから一気にどん底へと突き落とされたような気分だった。
「えっと、その…。さ、詐欺の電話がかかってきたみたいでさ!余りにしつこくってさ!」
「そう?大丈夫だった?」
「うん、大丈夫大丈夫!アハハ!…」
言えない。本当はアイツに電話していたなんて、言えるはずないのに…。
「私、部屋に戻るね!」
「えぇ。ゆっくり休んでね」ガチャ
「うん、またね〜」バタン
とお母様の部屋の扉を閉める。
「大丈夫、大丈夫…」
そう言い聞かせて部屋に戻った。この日から少しずつ私の日常が狂い始めるのを知らずに。
〜数日後〜
「おかしいわ…。こんなはずないのに」
「お母様、大丈夫?」
「えぇ、大丈夫よ。気にしないで」
少したったある日、お母様の仕事に異変が出始めた。お母様の仕事はウマ娘用のレース場の建設や設備管理。日本にあるレース場の大半はここ、トウショウ家がメインとなって建てている。…なのだけれども。
「当主様!」バタン!
「今度はどうしたの?」
「たった今、契約していた会社から契約解除の電話が…!」
「また、ですか…。これで何件目なのでしょうか…」ハァ
と大きな溜め息をつくお母様。こうなるのも無理はない、なにせ立て続けに契約していた請負い会社が急に契約解除の電話が来たからだ。それだけじゃない、予定していた建設の取り止めや設備工事の中止、また設備のクレームなどここ数日間に数え切れないことがたくさん起きていた。けど、それだけじゃなかった。
〜さらに数日後〜
パリーン!!
「きゃあ!!」ドサ!
「どうしましたか!?」タタッ
と家の中でメイドの悲鳴が聞こえたので急いで駆けつける。
「何があったの!」
「と、当主様…。実は掃除をしていた時に窓から石が…!」
とメイドの近くに石が転がっていた。それもかなり大きめの石だった。
「大丈夫!?ケガはありませんか?」
「はい。でも、窓が…」
「窓なんて直せばいいのよ。とにかく無事でなによりだわ」
とお母様は安心した顔をする。
「一体誰がこんなことを!」
「この前は車のパンクとゴミの不法投棄、つい最近ではレース場の芝を荒らされていたりと…。当主様、やはりここは警察に連絡をしたほうが!」
「そうね、ここまで悪質だと連絡せざるをえないですね。…わかりました、警察の方に連絡しましょう。他の人達は散らばった破片の掃除を。シービー、あなたは業者に連絡をしなさい」
「お母様は!?」
「私は警備員と共に飛んできた方向の元へ向かいます」
「駄目!危ないよ!」
「大丈夫よ、見に行くだけだから。…それでは行きましょうか」
とお母様と警備員達は石の飛んできた方へ向かいに行った。
「あの…、シービーお嬢様」
「…なに」
と執事が私のところに近づいてくる。
「シービーお嬢様宛にお電話が…。いかが致しますか」
恐らくアイツだ。このタイミングでかけてくるなんてアイツしかいない。
「…わかった、出る」
「しかし「出るわ」…わかりました」
と執事の反対を押し切って電話機のところに向かい、受話器をあげる。
『やあ、シービー。僕の電話に全部出てくれるなんて嬉しいな!』
「全部アンタなの…」
『何がだい「全部アンタがやったの!」…さぁね〜、僕はなんのことだか全くわかんないな〜』
この男、しらばっくれるつもりなの───。
『まあいいや。今日は機嫌がいいし、教えてあげようか?』
「!じゃあ誰が『ただし』っ!」
『君が僕のところに来たら、の話だけどね』
「なんで私が『交換条件だよ。僕が一方的に教えるのも不利益ってものじゃん。だから、君が僕のところに来たら教えてあげる』…」
コイツの家に行かないとわからないってこと、なのね…。
「────────わかった、行く」
〜そして今に至る〜
「シービーお嬢様、ご到着いたしました」
「うん、ありがとう」
と運転手の人が車のドアを開け、車の外に出る。日はもう沈みきっていて外は真っ暗になっていた。
「もう一度、ここに来ることになるなんて…」
と私は目の前に佇み、光り輝く大きな屋敷を見つめる。
「(大丈夫、アイツと話をつけるだけ。それだけなんだから)」
そう決心して、私は屋敷の中に入って行った。
〜屋敷内〜
「ミスターシービー様よくぞお越し頂きました」
と屋敷の中に入ると執事らしき男性が立っていた。
「早速のところ、申し訳ございませんが当主様がお呼びですのでご案内します」
と男性の後ろに案内され、一室に連れて行かれる。
「こちらの奥に当主様とご子息様がお待ちですので、少々お待ち下さい」
と男性が扉の前まで行き、扉にノックをする。
「当主様、ミスターシービー様をお連れしました」コンコン
と男性がいうと「かしこまりました」といって扉を開ける。
「…失礼し「おおー!よう来てくれはったの〜!」…っ」
とお母様が部屋に入ろうとすると太った男がソファーから立ち上がる。
「…お久しぶりですね、
「ガ〜ハッハッハ!あんたはんから来てくれるなんて嬉しい限りですわ!」
柏木と呼ばれた男は高笑いしながら私のところへ近づいてくる。
「見んうちにエラいベッピンさんになりはって〜。こりゃあ勇作も喜びはるで!」ハッハッハ!
と笑いながらソファーに戻り、ドカッと座る。
「まあ、つもる話もありましょうて。ささ、座んなはれ」
と私は男と対面するようにソファーに座る。
「今日はどないしはったんですかい」
「…あなたのところの息子さんに用があります」
「ウチの息子か?ウチの息子は「やあ、シービー!!」おおっ!来た来た!」
と狙ったかのようなタイミングで部屋に入って来たのは向かい座っている男の息子、
「久しぶりだねシービー。君の方から会いに来てくれるなんて僕はとっても嬉しいよ!!」
「勘違いしないで。アンタのところに来た理由は今までのことをアンタがやったのかどうかを聞きに来ただけよ!」
そう、私がここに来た理由はアンタが関与しているかどうかを聞きに来ただけ。それを聞いたら文句を言ってすぐに帰るわよ。
「そういえばそうだったね。いいよ、犯人…というより主犯はこの僕さ、シービー」
やっぱり…!
「やっぱりアンタだったんだね。だったら、今すぐに止めて!うんざりなの!」
「怒った顔もかわいいけど、そう怒らないでよ」
本当にコイツと喋っているとイライラが止まらない。私は早くここから立ち去りたいのに!
「けど、君が悪いんだよ?僕の返事に素直に応えてくれないから僕が動かないといけなくなんだから」
「それならずっと前から言ってるでしょ、嫌だって。何回言われれば気が済むの?」
「君が僕の返事に応えてくれるまでさ!」キラーン
「ウザ」
言いたいこと言ったし早く帰ろ。
「それじゃあ、今後一切私に関わらないで「本当に帰っちゃっていいの?」は?」
「本当に帰っちゃっていいのかな〜」
と意味深のある発言をする。
「どうゆうこ「このナリタタイシンって娘、と〜ってもかわいいねぇ」っ!」
と服の内ポケットからタイシンの写真を取り出す。
「そういえばこの娘、次レースがあるんだっけ。どんな走りをする娘なんだろうなぁ」
「アンタ、タイシンに何するつもり!」
「何するって人聞きの悪い事を言うなぁ。僕はただこの写真の娘がどんな走りをするのか気になるって言っているだけなのに」
嘘よ、コイツは絶対に何か企んでる。コイツだけじゃない、コイツの親も一緒だ。親子そろってこの家の奴らは全員クズだ。
「どんな走りをするんだろう。いや、この娘のレースに出れなかった時の表情のほうがもっと気になるなぁ。どんな表情をするんだろう、怒り狂うかな?泣き叫ぶかな?それとも絶望した表情になるのかなぁ!どう思う?パパ!」
「そうやなぁ…。ウマ娘にとってレースとは命にも等しいものだ。それを奪われるとなると…。クククッ、想像しただけで笑いが止まらんわい」クククッ
と親子そろって嫌味ったらしい顔をしながら笑い出す。
「…ッ」ギリッ
ふざけるな、こんな奴らのせいでトゥインクルシリーズをめちゃくちゃにされたら黙ったものじゃない!
「ふざけないでッ!アンタ達なんかにトゥインクルシリーズをめちゃくちゃになんか「全部君のせいなんだからね」え?」
「君が僕の返事を断った罰さ。それも一度ならず二度も。いや、数え切れない程のプロポーズを全て無下にされたのさ。だから僕は君からYESの返事がくるまで君の周りにいる奴らを潰す」
なんで、なんでよ。私は嫌だから、私はアンタと結婚なんて嫌だから─────。
「シービーはんとこの会社、最近上手いこと言ってへんみたいやなぁ」
「…な、なんでそれを」
「風の噂で聞いたんやけどな、なんやら新しい会社が出来てそっちのほうが報酬が高い言うて契約切ってその会社と契約したみたいやなぁ。確か名前は……“浦部建設”やったかいのぉ」
「じ、じゃあ…お母様と契約していた会社がいなくなったのって…」
「そうじゃそうじゃ!アイツらと来たら金に目が眩んで契約を破棄しよったわい!思いだすだけで…ガッハハハハ!笑いが止まらんわい!!」
と大声で笑い出す。
「これも、全て君のせいなんだよシービー。君が僕のところに来たらこんな事にはならなかったのに」
「全部…私の、せい…」
私のせい…。全て、私の─────。
「けど、一つだけみんなが助かる方法がある」
「!」
「僕のものになるんだシービー。そうすれば、君も君の回りにいる奴らも君のお母さんも、み〜んな助かる!だから、僕と共に生涯を歩んで行こうじゃないか!」
「わ、わた…しは…」
私は────────。
「貴方と…添い遂げることを、誓います…」
「フフフ…ハーハッハッハッハ!!やったぞ…!遂にやったぞぉおおお!!!」
こうすればいい。こうすれば、みんなが助かる。
「けどな、シービーはん。口先だけでやったらなんとでも言えますよねぇ。だったら、ウチの息子と添い遂げる言うんやったらそれなりの“誠意”ってもんを見せてもらわな行けませんなぁ」
「誠意…?」
「そうですよ。仲の良い夫婦がよくやる“アレ”ですよ、“アレ”」
「ま、まさか…!」
「シービーならできるよね。だって僕と添い遂げることを誓ったんだから。だったら、ヤッてくれるよね?」
「…っ」
嫌だ、それだけは…。それだけは…。
「はよせんと、みんなが助かりませんよ」
「クッ…」
シュルル…
と私は着ている服を上から脱いでいく。震える身体を抑えながら。
「あぁ…。あぁ!綺麗だよ、とても綺麗だよシービー!!」
「ッ…ぅ…」プルプル…
下着姿になった私を2人が囲む。まるで飢えた狼が獲物を捕らえるかのように。
「さあ、シービー。僕と一つになろう!」
と柏木は私に向けて手を伸ばしてくる。
「(誰か…、誰か助けて…!)」
私は思わず目を瞑る。その時、私の頭にこれまでの記憶が走馬灯のように蘇ってくる。レースでの記憶、仲間とじゃれ合っていた記憶、みんなと一緒に歩んできた記憶。そして─────。
初めて恋を知った記憶──────────。
「(助けて…。助けて!!)」
その時だった。
ガッシャーンッッッ!!!
「な、なんだ!?」
「一体何が!」
と2人の声に私は瞑っていた目を開ける。そこにいたのは──────。
「な、何者だ!貴様ッ!!」
「…」
そこにいたのは、フードを被り、全身黒ずくめの服をきた一人の人間だった。
読んで頂きありがとうございます。投稿が遅れてしまい、申し訳ございませんでした。今、急ぎで続きを書いていますのでお待ち下さい。
それでは、また〜